銀の勇者

銀の勇者

ロールプレイングゲーム的な要素をモチーフとしたファンタジー調の世界観で描かれる、勇者ビート・ヴィスナーと魔導士リチェ、魔族の魔王達の物語。渡辺祥智の初単行本作品。第22回白泉社アテナ新人大賞受賞。

正式名称
銀の勇者
ふりがな
ぎんのゆうしゃ
作者
ジャンル
ファンタジー
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概要・あらすじ

親友のリチェと共に魔王を倒してトティア大陸の英雄になる事を幼い頃に誓ったビート・ヴィスナーは、魔物を倒した数に応じて称号が上がる冒険者制度の最高位「金の勇者」に次ぐ「銀の勇者」にまで成長を遂げ、約束通りリチェと旅立つため、魔導士となった彼と10年ぶりに再会する。そして王都トティアでは、狂気に囚われた国王のもと、冒険者制度そのものの裏に隠された陰謀が動き出す。

登場人物・キャラクター

ビート・ヴィスナー

ラグズ村出身の18歳の少年。10年前、親友のリチェと共に魔王を倒してトティア大陸の英雄になる事を誓い、冒険者免許を取った。成長して冒険者制度の最高位である「金の勇者」に次ぐ「銀の勇者」の称号を史上最年少で手にした現在、パーティーを組むためにリチェと再会する。熱血直情型の性格。

リチェルカーレ・スフォルツァンド・トティア

ビート・ヴィスナーの幼馴染。年齢は17~18歳頃。女性と思われやすい容姿だが、本人や彼の知人達の認識では「男」である。10年前に魔法使いを目指して魔法学院に入学したが、1年前実技演習のために魔族棲息地域カタンツに行ったきり、戻って来なくなる。物静かで優しい性格。

魔王 (まおう)

トティア大陸西部の魔族棲息地域カタンツで、ビート・ヴィスナーやリチェが出会う魔族の王。推定513歳。物語開始当初は子供のような姿でいる事が多いが、外見や性格は状況によって変化し、性別も一定でない。人間や魔物の恐怖や不安や絶望を糧として、より強大になった魔王は代々「勇者」によって倒されるという。

カイト・ヴィスナー

ビート・ヴィスナーの兄。ラグズ村出身の26歳。冒険者のパーティーに同行して、そのエピソードを歌にする吟遊詩人だが、彼が仲間に加わったパーティーは必ず全滅する事で知られている。腕力は自慢になるほど弱いが、その歌声の威力は凄まじい。

アルフェリア・ルバート

28歳の魔法剣士の青年。トティア大陸で制定されている冒険者制度における最高位である「金の勇者」の称号を持つ。ビート・ヴィスナーとリチェの滞在する魔族棲息地域カタンツを訪れる。初代国王の愛剣でもあったという魔剣エルティーグを振るう。王子レセルとは幼馴染。

トゥルバ

500年以上前トティア大陸が5つの国に分かれていた頃、大陸の北西部にある竜族の都を治めていた竜王。彼が人間の女性と結婚した後、竜王国は滅びたと言われる。現代に現れ、魔族棲息地域カタンツでビート・ヴィスナー達と滞在していたリチェをさらう。

アリア

トティア大陸の国王ユビルス・スフォルツァンド・トティアに仕える宮廷魔導士の少女。カウダ村出身の14歳。双子の弟のセレナートと共に、ビート・ヴィスナーやリチェのいる魔族棲息地域カタンツに現れる。幼い頃に村を魔族に滅ぼされている。

セレナート

トティア大陸の国王ユビルス・スフォルツァンド・トティアに仕える宮廷魔導士の少年。カウダ村出身の14歳。双子の姉のアリアと共に、ビート・ヴィスナーやリチェのいる魔族棲息地域カタンツに現れる。幼い頃に村を魔族に滅ぼされている。

ユビルス・スフォルツァンド・トティア

トティア大陸の第39代国王。以前はとても温厚な人物であったと言われるが、国王に即位した後、宮廷魔導士を全員処刑するなど「狂王」とも呼ばれる暴君に豹変した。ビート・ヴィスナーを反逆者として抹殺指令を出す。

レセルヴァータ・スフォルツァンド・トティア

トティア大陸の国王ユビルス・スフォルツァンド・トティアの息子で王子。アルフェリア・ルバートの幼馴染で優しい人物だったが、最近は人が変わり、狂気じみていると言われるほど。アルに対しても彼を反逆者として制裁を下す。

ミュート・レントラー

トティア大陸の国王に忠誠を誓う、王族側近。性別はない。王宮に連行されてきたリチェの世話役を命じられる。感情を見せず、冷徹な命令も躊躇なく実行する。普通の人間よりも魔法に対する耐久力が強いが、魔力自体は持っていない。

レガート・スフォルツァンド・トティア

トティア大陸に伝わる伝説の英雄。1000年前に魔族と戦い、精霊王をも味方に付けて魔王を倒し、初代国王となった青年。魔剣エルティーグを振るったとも伝えられる。死後に民衆の要望で像も建てられている。

コード・ダルシトーン

1000年前、レガート・スフォルツァンド・トティアと共に魔族と戦っていた青年。レガート・スフォルツァンド・トティアが魔王を倒した初代国王としてトティア大陸に伝わる伝説の英雄となったのに対し、彼については存在すら語られず、記録から抹消されている。ビート・ヴィスナーと似た容姿をしている。

クレメイア

作中の世界に存在する精霊達の一人で、属性は持たないが精霊王をも滅ぼすほどの力を持つ、青銀に輝く精霊。1000年前に人間コード・ダルシトーンと出会っている。その後魔族棲息地域カタンツで、魔王により封印された姿で勇者ビート・ヴィスナーと出会う。リチェと瓜二つの姿をしている。

精霊王 (せいれいおう)

本作における魔法は、魔力のある術者や魔族が精霊を召喚してその法力を借りる事で使う。精霊には階級があり、火の精霊トーラ、風の精霊トュール、水の精霊マイム、土の精霊ジェラのそれぞれに精霊の長がおり、その長達の更に上に位置しているのが、4つの属性を持ち万象を司る精霊王である。 1000年前に魔王と戦ったレガート・スフォルツァンド・トティアに味方したという。また、自らをも超える力を持つ精霊クレメイアも創り出す。

その他キーワード

トティア大陸 (とてぃあたいりく)

『銀の勇者』の舞台となる大陸。1000年前に魔王を倒したレガート・スフォルツァンド・トティアが初代国王として建国した国を含め5つの国があったが、約500年前に竜王国が滅ぶなどして一つの国に統一された。王都トティアを中心地としており、西には魔王の棲む魔族棲息地域カタンツ、北東にはビート・ヴィスナー達の出身地ラグズ村がある。

冒険者制度 (ぼうけんしゃせいど)

『銀の勇者』の舞台、トティア大陸で国王により敷かれている制度。魔王や魔物を倒して英雄になろうとする者に冒険者免許を与えて支援する制度で、逆にこの免許を持たずに個人が武器を所有する事は犯罪にあたる。冒険者は名声や倒した魔物の数に応じて称号が与えられ、その最高位は「金の勇者」。ビート・ヴィスナーは「金の勇者」に次ぐ「銀の勇者」の称号を持っている。

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