世界観
物語の舞台となるのは、いわゆるファンタジー作品としてはスタンダードな剣と魔法の世界。そんな定番とも言える世界観ゆえに、本来は主人公であるべき勇者があっさりと死亡する混迷が際立つこととなる。
あらすじ
勇者シオン・ブレイダンが地獄の門を封印してから3年。聖剣による封印の力が弱まったことにより門が開き、地上は再び悪魔の脅威にさらされた。それから3か月、人々の期待を背負って悪魔退治の旅を続けていたシオンだったが、チェザ村に立ち寄った際に、「ただの農夫」であるトウカ・スコットが悪魔対策のために仕掛けていた落とし穴に転落。あっさりと不慮の死を遂げてしまう。トウカは村人を巻き込み、この不祥事を隠蔽しようとするが、かつて勇者の仲間であった屍術師アンリ・ヘイズワースによって事件は暴かれ、トウカの精神をシオンの死体に移されてしまう。そして、そのまま死にたくなければ、シオンとして冒険を続けざるを得ないと強要されたトウカは、シオンに憧れる幼馴染みのユナ・ユニスと共に村を旅立ち、悪魔の門を目指すのであった。
テレビアニメ
2023年テレビアニメ化。4月6日よりTOKYO MXほかにて放送。制作はライデンフィルム、監督は久城りおん。農夫としての主人公トウカ・スコットのキャストは加藤渉、勇者およびシオン・ブレイダンは土岐隼一が演じる。
登場人物・キャラクター
トウカ・スコット (とうかすこっと)
「ただの農夫」だった少年。チェザ村で大根を育てていたが、対悪魔用に掘っていた落とし穴が原因で、勇者シオン・ブレイダンを死亡させてしまう。将来の夢は村での「スローライフ」であり、冒険にはまったく興味がなかった。しかし、かつて勇者の仲間であったアンリ・ヘイズワースの屍術によって、精神をシオンの死体に移され、半ば強制的に勇者の姿で旅に出ることとなる。 なお、本来の肉体は、アンリの持つ生者の棺に封印されており、勇者の肉体は少し腐り気味の臭いを発している。性格はいわゆるスケベであり、極度のフトモモフェチ。育てていた大根にも、ニーソックスを履かせて愛でていた。特に村に住む幼馴染みのユナ・ユニスのフトモモに執着している。 また、能力的にもおおよそ主人公らしさがなく、魔力レベルは幼児並みの「1」で、剣技も未熟。それゆえに聖剣をフニャフニャに形状変化させてしまうが、それを逆に利用して、ピンチを脱する機転をたびたび見せる。さらに、やや姑息ともいえる気質を活かし、トラップを利用した戦法や話術による誘導を得意とする。このような性格ゆえに誤解されることも多いが、もともと勇者が死亡した事故も、ユナを助けようとしたことが原因であり、本質は仲間を思いやる人物である。 また、のちに特訓を行ったことにより、魔力レベルは一般成人並みの「3」になるなど、能力面でも成長を見せている。
ユナ・ユニス (ゆなゆにす)
トウカの幼馴染の少女。トウカ曰く、口うるさくがさつだが「スタイルはマジで理想的」。3年前に悪魔に襲われたところをシオンに助けられ、それ以来、彼を尊敬し憧れていた。そんな勇者のように冒険することを夢見ており、シオンが不慮の事故で亡くなり、その肉体にトウカの精神が入っているとわかった上で、彼と共に旅に出ることを即断した。 また、かつては魔法使いに憧れ、衣装まで作って「魔法少女マジカルユナリン」を名乗っていたが、そのことは彼女にとって黒歴史となっている。現在の魔力レベルは子供並みの「2」しかないため、通常の戦闘では肉弾戦を担当。しかし、本来は肉体が耐えられないほどの非常に強い魔力を秘めている。ある条件を満たしたときのみ、マジカルユナリンのコスチュームとなり、魔力レベルが50に到達する。 トウカのことは当初、蔑むような目で見ていたが、旅の道程で彼なりの必死さに触れ、やがて異性として意識するように、気持ちが変化していく。
アンリ・ヘイズワース (あんりへいずわーす)
かつてシオンと冒険の旅をしていた少女。常に若干鼻水が出ているのが特徴。強力な魔力を持つ屍術師(ネクロマンサー)で、「大魔術師級」と言われる魔力レベル「9」を持つ。だが、その禁忌の力ゆえに、民衆からは迫害されていた過去を抱える。そんな自分を認めていてくれたシオンに、「もし自分が目的の途中で倒れたら、見込みのある人物に肉体を引き継いでほしい」と託されていた。 そのため、トウカの精神をシオンの亡骸に入れ替え、冒険の旅に出ることを強要した。そのような出会いであったため、初期の頃はトウカとは対立することも多かった。やがて自分の素性を知ったうえで受け入れてくれた彼と、分かちがたい絆を感じるようになり、いつしかトウカの前では、純朴な子供のような表情を見せるようになった。
マルグリット・ファロム (まるぐりっとふぁろむ)
ファロム王国の第3王女。勇者と結婚することを期待されて育てられ、幼少の頃より文武両道において高い教育を受ける。だが、その過酷な教育によるストレスが原因で「魔漏症」なる症状に陥り、魔力の維持のために大量の食事が必要な体質となってしまう。トウカとは、本物のシオンがすでに死んでいることを知らずに出会い、やがて真相を知って大きなショックを受ける。 しかし、トウカが身を挺して彼女を守ったことがきっかけで、恋心を抱くこととなり、やがて冒険の旅に同行する仲間となる。戦闘では主に魔導弓を使うが、剣や槍も得意とするうえに、魔力レベルも「7」というオールマイティぶりを発揮。さらに特訓によって回復魔法を習得する。冒険が終わったあとは、トウカを真の勇者として迎え入れて結婚するつもりでいるが、非常に嫉妬深い性格が災いして、トラブルが絶えない。
エセル・ボーグナイン (えせるぼーぐないん)
賞金首となっている盗賊の女性。実は過酷な生い立ちを持つトウカに、かつて罠の技術やサバイバルのための知識を授けた人物。3か月前に地獄の門が開いた現場に居合わせ、何らかの理由によって、勇者の一行を暗殺しようとしていた。その際に、勇者がシオン・ブレイダンではなくトウカであると認識。そのため、一転して協力的な立場となった。 魔力レベルは「8」と高く、魔晶石を所持しているため、屍術を使う。
シオン・ブレイダン (しおんぶれいだん)
3年前に「地獄の門」を封印した本来の勇者。類まれなる戦闘センスとカリスマ性に恵まれた人物。トウカとは同い年の少年でありながら、聖剣に認められて世界を救っただけでなく、その見返りも求めないという無欲ぶりで、民衆の圧倒的な支持を得ていた。ただし、好物の肉にだけは目がなく、それが原因で、トウカが対悪魔用に仕掛けていた「焼肉と落とし穴」のトラップにかかり、あっさりと落命してしまう。 しかし、その死後も精神が聖剣に宿っていることが判明し、「聖剣の世界」でトウカの精神と出会って一時的に復活。その後も聖剣を通じて、トウカにアドバイスやメッセージを送ることが可能となった。
カイル・オズメント (かいるおずめんと)
かつてシオンと行動を共にしていた剣士の男性。有力な貴族の長男であり、容姿端麗にして優れた剣術と高い魔力にも恵まれた自信家。しかし、聖剣が自分ではなくシオンを選んだため、歪んだ感情を抱くようになり、アンリの屍術を利用して、シオンの肉体を奪うことを画策する。それから数年後、ベルンの町でトウカの一行と遭遇。 ニセモノの勇者だと疑われていた彼を表面上は助けたように装い、かねてよりの計画を実行しようとしたが失敗。王都ルーメンで、全裸で人民を扇動していたところを捕らえられて投獄された。その後もまだ計画をあきらめずにいたが、すべての真相をトウカに知られて逆に脅迫されてしまい、やむを得ずトウカに協力することとなる。
ドロシー・エレオノーラ (どろしーえれおのーら)
かつてシオンの仲間だった魔術師の女性。その後は、ユナの妹であるミリィ・ユニスと行動を共にしていた。その正体はニコラ・ルルスによって創られた魔導生物であり、元はニコラとリプリーの飼っていた黒猫だった。高い魔力によって巨大なゴーレムを土より創り出して戦うが、魔力の消費が激しいために、通常時はほとんど寝て過ごしている。 賢者の島の戦いでは、ディアナ・フィリオンに操られてトウカやリプリーたちを襲撃してしまう。
二コラ・ルルス
かつてシオンの仲間だった賢者の少女。「地獄の門」を封印した報奨金で無人島を買い取り、そこに暮らす。トウカたちに請われ、島に生息する魔物と戦う訓練を施して、彼らのレベルアップを助けた。しかし、一見すると無邪気に見える彼女だが、幼い頃に魔女の力が覚醒したために迫害されたうえ、実験材料にされていた辛い過去を持つ。 そして、その頃に唯一の生きる希望となっていた、親友のリプリーを生き返らせるのが、島での真の目的。その過程で生み出された魔導生物こそが、島にいる魔物の正体であり、闇雲に生命を創り出したことを後ろめたくも思っている。また、それが原因でドロシーと袂を分かち、不本意ながら悪意を持った屍術師に協力するハメになっていた。 その苦悩をトウカに見抜かれ、賢者の島での騒動が落ち着いた後はドロシーと和解。違う手段でリプリーの救済を目指すことになる。
リプリー
ニコラの親友だった少女。魔女として差別を受けていたが、同じ立場のニコラと、「共に賢者を目指そう」と励ましあって生きてきた。その結果、通っていた魔導学院でトップの成績を修めるが、学院が悪魔たちに襲撃された際、魔力を解放して多くの者を救出。それと引き換えに、自らの命を犠牲にしてしまう。そんな彼女を生き返らせるために、ニコラは研究を続けている。 遺体は賢者の島のある場所に保管されている。
ミリィ・ユニス (みりぃゆにす)
ユナ・ユニスの妹。姉とは対照的に、幼い頃からトウカに好意を持っていた。彼に「剣の試合で100回勝ったら結婚してやる」と言われたことを真に受けて、何度も打ち負かしていたため、逆に避けられることになってしまっていた。3年前、生まれ故郷のエルバニアが悪魔に襲撃された際に、シオンに助けられており、町の復興のために修行を積んで勇者となった。 ある王国での剣闘大会で優勝して手に入れた人造聖剣「デュランダル」を愛用し、戦闘では剣から飛ばす衝撃波で攻撃を行う。
フィエリ・ユニス (ふぃえりゆにす)
ユナとミリィの父親。現在はミリィと行動を共にしている。かつてはファロム王国の「四騎士」のひとりに数えられた実力を持つ格闘家で、「ユニス流拳闘術」の使い手。しかし、あまりの巨乳フェチがたたり、セクハラを繰り返していたために、称号を剥奪されて国を追放された、という恥ずかしい過去を持つ。そんな彼にすらトウカは「フトモモフェチの変態」とみなされ、ユナが行動を共にすることにも反対していた。 しかし、エルバニアで共闘した際に、トウカの本質を理解。「いっそのことユナを嫁にもらって欲しい」とまで彼を認めるに至った。
シャノン・ペトラルカ (しゃのんぺとらるか)
ミリィのパーティーの一員である魔術師。見た目は美少女だが、実は男性。編み物と掃除を趣味とし、回復魔法を使う。ユニス家の使用人の息子で、ユナとミリィとは幼い頃から共に育ってきた間柄。
アイザック・ガードナー (あいざっくがーどなー)
マルグリットの教育係を務める男性。右目の眼帯が特徴。非常に真面目な性格だが、それゆえにマルグリットを、ストレスで「魔漏症」に至らしめた責任を強く感じている。また、不真面目な態度のトウカとマルグリットが、接近することをあまり快くは思っていないが、彼女の意思を尊重して冒険のサポートを行っている。本来はまっとうな人格者であり、孤児院長のリーランド・トールマンの悪行が発覚した後は、その職を引き継ぐなどして人望も厚い。 ところが、ときおりファロム流脱衣術「空蝉」によって全裸になってしまうため、幽閉される憂き目に合うこともある。
リーランド・トールマン (りーらんどとーるまん)
ファロム王国で孤児院の院長をしていた男。かつては王室の侍医も務めていた。子供たちには優しく接し、マルグリットからの信頼も厚かった。その実態は、屍術師たちに協力して殺人を繰り返していた極悪人。幼少期に透視の魔術を使ったことが原因で「骨」に対して異常な執着を持っている。特に愛着のあったマルグリットの骨を手に入れるために、マルグリットの誘拐・結婚を目論んだ。 その後、トウカたちの活躍でマルグリットを奪還され、投獄。さらに反撃の際に「ソーマの雫」を濫用したために、精神崩壊を引き起こしてしまう。
ラークヴァルト13世 (らーくゔぁるとじゅうさんせい)
ファロム王国の国王。勇者の冒険を支援する人物。トウカたちに魔力で動く魔導車を提供したほか、エルバニアでの戦いには援軍を派遣している。非常に戦いを好む性格で、3年前のアラードとの戦いでは自ら前線に出陣。その戦闘力は、王国最強の「四騎士」に並ぶほどだとも言われている。
シルエラ・カルメン (しるえらかるめん)
ファロム王国最強の「四騎士」の一角となる女性剣士。雷の魔術を剣のようにふるって戦うさまから、「雷剣のシルエラ」と呼ばれる。しかし、その実力を発揮しきれずに、上級悪魔に敗北を喫したため、トウカには軽く見られている。その後、エルバニアで屍術師たちの暗躍の調査に携わるが、そこで、本来はあまり実力のない冒険者の双槍のベラーコに過剰な信頼を寄せてしまうなど、残念ながらあまり出会いには恵まれていない。
双槍のベラーコ (そうそうのべらーこ)
アルダ砦跡の悪魔討伐依頼の際にトウカたちが出会った冒険者。フルネームは不明。2本の槍を愛用し、3年前の戦いでは100体以上もの悪魔を撃破した猛者として「双槍のベラーコ」の通り名で呼ばれる。しかし実際は下級悪魔しか倒した経験がなく、中級悪魔にはあっさりと敗北してしまう。その後もしばしばトウカたちを助太刀することになり、そのたびに実力に反して、なぜか周囲の評価が膨らんでいく。 ついには「四大魔公を100体倒した」というありえないレベルで噂されるようになり、本来ならば圧倒的に実力は上のシルエラ・カルメンにも、過剰な期待をされている。
コリン・ブラッド (こりんぶらっど)
ファロム王国で出会った冒険者。カイル・オズメントの従兄にあたる、帽子をかぶった少年。その優秀なカイルと比較されながら、厳しく育てられたために性格が歪み、他人を欺くようになったことが、「おまけコミック」で描写されている。本編ではネイガン・ボーンと共にリーランド・トールマンに雇われ、ユナとアンリの誘拐を計画するが失敗。 しかし、後にモアランの町でトウカたちに再会し、マルグリットから恩赦を与えられたことと引き換えに、協力的な立場となった。
ネイガン・ボーン (ねいがんぼーん)
コリン・ブラッドと行動を共にする冒険者。顔面の傷跡とスキンヘッドが特徴の大男。コリンと共にリーランド・トールマンに雇われ、ユナとアンリの誘拐を計画するが、のちにコリンがトウカたちに協力するようになったことに同調。さらにその後もコリンと共に、シルエラ・カルメンが行ったエルバニアの調査に協力している。 強面なルックスとは裏腹に、性格は非常にシャイ。とりわけ女性に対してはまるで免疫がなかったことが、「おまけコミック」で描写されている。
フリードリヒ・ノルシュテイン (ふりーどりひのるしゅていん)
屍術師たちのリーダー格。これまで自分たちを迫害してきた人間たちに復讐するために、悪魔たちと結託する。その正体はアンリの兄であり、常に鼻水を垂らしているため、周囲の者には「鼻水の旦那」とも呼ばれている。だが、真の目的は復讐よりも「支配階級の打倒」にあり、最終的には屍術師による世界統治を目論んでいる。
ディエゴ・ヴァレンタイン (でぃえごゔぁれんたいん)
屍術師の一人。フリードリヒの相棒。常に血の涙を流すという特徴を持つオールバックの男性。魔力レベルは「40」という実力者で、配下の上級悪魔であるアデルの魔術と、四大魔公のベルテクスの死体を用いて、モアランの町民たちを魔人化。1000体の悪魔を従えて、エルバニアの廃墟を拠点にしていた。しかし、トウカたちの活躍によって、ベルテクスの死体が破壊されたため計画は瓦解。 仲間の屍術師からも見放されて消耗していたところを、下級悪魔に襲撃されて死亡してしまう。
ディアナ・フィリオン (でぃあなふぃりおん)
フリードリヒの配下の屍術師。常に汗を流すという特徴を持つグラマラスな美女。魔力レベルは、全人類中で最高と言われる「80」。石化などの強力な魔術に加え、四大魔公の死体の能力を借りた、任意の場所に手を生やす魔術で敵を圧倒。さらに魔導生物を操ってトウカの一行とニコラを襲った。しかし、自身のフトモモが魅力的すぎたことが災いし、煩悩にまみれたトウカに敗北。 四大魔公の死体を奪われた末、自らの魔力によって石化してしまう。
キューゲン・オールグレン (きゅーげんおーるぐれん)
フリードリヒの配下の屍術師。フードを被ったツインテールの少女。常に風邪気味で、熱と咳に悩まされるという特徴を持つ。四大魔公のサイカリアスの死体を所有し、その能力で瞬間移動の魔術を使う。
ヴィクター・ヨーゼフ (ゔぃくたーよーぜふ)
フリードリヒの配下の屍術師。全身がフード状の衣服で隠されており、仲間にすら素顔を知るものはいない。屍術師の中でもとりわけ悪趣味な嗜好を持ち、衣服の中から出した大量の動物の死体を屍術で操る。
リド・ブレイダン (りどぶれいだん)
勇者シオンの祖父。魔導技師で、現在は工房で一人暮らし。老いて視力などが衰えたことと引き換えに、魔力や精神エネルギーが見えている。そのため、壊れた魔導車の修理を依頼しに来たトウカたち一行と出会った際、聖剣に孫のシオンの精神が宿っていることに気がつく。そして自身が発明した魔導通信機をトウカたちに与えて、彼らの冒険のサポートをする。
ドット・バーンズ (どっとばーんず)
モアランの町長。悪魔の襲撃に備えて、強固な壁に守られた屋敷に住み、さらに魔術をかけられた町民を見捨てて、一人で逃亡を図った自己中心的な男。そんな性格ゆえにトウカの口車に乗せられ、マルグリットの裸ニーソ姿を見たいという欲望のために、協力することとなる。だが、そんな彼も町民からは慕われていたことを知り、やがて町民を救出するために、国王を必死で説得するという行為に至る。
ネフ
「ネフフ」と笑う上級悪魔。他の悪魔とは違い、背広を着用している。人間の記憶に入り込む魔術を使って、トウカの精神を食らおうとする。しかし、ユナの精神が入り込んでいる不測の事態に加え、思考のほとんどがフトモモで占められたトウカについていけずに、敗北を喫する。
アデル
ディエゴに従う上級悪魔。セクシーな女性のような外見をしている。魔人化の魔術によって、モアランの町民を悪魔に変えるのが役目。しかし人類を滅ぼそうと扇動するディエゴとは相容れないところも多く、自身のやり方で人類を支配しようとしていた。だが、それが露見してしまい、ディエゴの屍術で操られたベルテクスに吸収されて死亡する。
ベルテクス
四大魔公の一角を成す悪魔。3年前にエルバニアでシオン討伐され、その死体をディエゴに利用されている。「吸収」の魔術を持ち、他の悪魔を喰らうことで、魔力だけではなく魔術を継承することも可能。その能力を利用してアデルから魔人化の魔術を継承する。また、聖剣ですら自身の魔力に変換してしまう。
場所
チェザ
物語の開始時点でトウカやユナたちが住んでいた村。なぜかトウカと同じ趣味を持つ村人が多く、ニーソックスを履かせた大根を愛でる男が何人も在住している。そしてトウカに言いくるめられ、通りかかった勇者がここで死亡した不祥事を、村ぐるみで隠蔽しようとしていた。
ベルン
チェザから半日ほどの距離にある周辺最大の町。勇者を騙るニセモノが頻出するため、弱いうえに死臭の漂うトウカは、全住民から完全な疑惑の目で見られていた。
王都ルーメン (おうとるーめん)
ファロム王国の城下町として栄える地。毎年、庶民も平等に楽しめる「仮面祭」が開かれることでも有名。しかし、その仮面祭の喧騒に乗じ、リーランドが己の欲望を満たすための計画を進めようとしていた。
賢者の島 (けんじゃのしま)
3年前に出た報奨金で賢者ニコラが買った島。彼女が一人で暮らすほかは、多数の魔物が生息していることで知られる。いつの間にか人里のようなものが形成されているが、その住人の正体は、ニコラが実験で創り出した魔導生物である。そしてこの島の真の目的は、非業の死を遂げたニコラの親友を生き返らせることにある。特訓のために島を訪れたトウカたちは、その秘密を巡る争いに巻き込まれることとなる。
その他キーワード
魔晶石 (ましょうせき)
悪魔の心臓。結晶体のような外観をしている。悪魔の文字によって呪文が刻まれており、特定の手順でこれを用いると、その悪魔が持つ魔術を、人間も使うことができる。ただし、魔術の威力は使い手の魔力に左右されることが多い。
生者の棺 (せいじゃのひつぎ)
屍術師の使う古代の魔導具。アンリがトウカの精神をシオンの肉体に移すために使用し、トウカの肉体を縮小して魂と共に封印している。もしこれが破壊された場合はトウカが完全に死亡してしまう。また、四大魔公の死体を持つ屍術師たちも、それと同様に棺を用いて四大魔公の魔術を利用している。
ソーマの雫 (そーまのしずく)
一時的に魔力レベルを上げることのできる薬品。ごく稀にしか採れない、世界樹の果実が使われており、作中の通貨で1本1億クルークという超高額商品。ただし、一度に大量に摂取すると、精神崩壊を招いてしまうリスクもある。
魔漏症 (まろうしょう)
強い精神的なストレスを受けたことが原因となり、魔力が体外に漏れ続けてしまう症例。そのため、魔力を補給するために大量の食事が必要となり、その際に短時間だけ激太りするという現象が起きてしまう。生理現象によって体外に排出された体液には高濃度の魔力が含まれており、そのため、この症状に悩むマルグリットの体液を飲んだ者は、一時的に魔力が急上昇する。
書誌情報
勇者が死んだ! 20巻 小学館〈裏少年サンデーコミックス〉
第1巻
(2015-05-12発行、 978-4091261397)
第2巻
(2015-09-11発行、 978-4091264343)
第3巻
(2015-11-12発行、 978-4091266286)
第4巻
(2016-02-12発行、 978-4091270238)
第5巻
(2016-05-12発行、 978-4091272584)
第6巻
(2016-09-09発行、 978-4091273802)
第7巻
(2017-01-12発行、 978-4091274779)
第8巻
(2017-04-12発行、 978-4091275851)
第9巻
(2017-08-10発行、 978-4091277473)
第10巻
(2017-11-10発行、 978-4091280169)
第11巻
(2018-03-12発行、 978-4091281586)
第12巻
(2018-07-12発行、 978-4091284105)
第13巻
(2018-10-12発行、 978-4091286345)
第14巻
(2018-12-19発行、 978-4091287304)
第15巻
(2019-04-12発行、 978-4091290991)
第16巻
(2019-08-19発行、 978-4091293831)
第17巻
(2020-01-10発行、 978-4091295385)
第18巻
(2020-05-12発行、 978-4098501106)
第19巻
(2020-10-12発行、 978-4098502936)
第20巻
(2021-03-18発行、 978-4098504831)