概要・あらすじ
北条彰と浅見千秋は共にカンボジアで少年時代を送っていた。政変の混乱により家族を失った北条彰は、浅見千秋と共に何とかカンボジアから脱出し日本へ戻る。日本に戻った二人を待っていたのは、一見平和に見えても、腐敗した社会構造に支配された世の中であった。やがて成長した二人は表と裏の二手に分かれ、「生きた人間を作る」ため、日本社会の改革へと動き出す。
登場人物・キャラクター
北条 彰 (ほうじょう あきら)
『サンクチュアリ』の主人公の一人。暴力団北彰会初代会長。後に相楽連合会二代目総長。カンボジアで少年時代を過ごす。政変の混乱により家族を失い、身ひとつで浅見千秋を含む仲間とカンボジアを脱出。タイの難民キャンプで保護され帰国。高校時代、浅見千秋と日本を改革するため人生を賭けたジャンケンをし、裏社会へ進むことに。 高校を中退しヤクザの道に入り、日本のヤクザ社会に変革をもたらそうとする。
浅見 千秋 (あさみ ちあき)
『サンクチュアリ』の主人公の一人。北条彰と共にカンボジアで過酷な状況の中生き残り、一緒に日本に戻る。高校時代、北条彰と日本を改革するため人生を賭けたジャンケンをし、表社会でのし上がることに。東京大学法学部卒業後、議員秘書を経て国会議員に当選。仙石慎一郎、吉川秀丸、狩谷久雄と共に政策集団立風会を結成。 後に新日本党を立ち上げる。
佐倉 秀一 (さくら しゅういち)
民主自由党所属の政治家。東京地方区から連続7期当選の大物。北条彰に脅迫され、更に秘書の浅見千秋に下剋上されて地盤を奪われ、、引退を余儀なくされる。
石原 杏子 (いしはら きょうこ)
六本木警察署副署長。階級は警視。1963年4月1日生まれ。東京都出身、東京大学卒業。北条彰に好意を抱く。
尾崎 (おざき)
六本木警察署勤務の刑事で石原杏子の部下。常にサングラスをかけていて、髭面。石原杏子に好意を抱く。
渡海 (とかい)
暴力団渡海組組長。前科32犯の武闘派。北条彰の兄貴分。抗争で妻の渡海悠子が射殺された過去をもつ。北条彰が相楽連合会の2代目総長になった際、後見人になる。相楽連合会日本制覇のため、兵隊集めに香港へ乗り込む。心底気に入った男にはキスをする癖がある。 女好き。
相楽 (さがら)
暴力団相楽連合会初代総長。田代と渡海をけしかけ、北条彰と渡海の両方を消そうとするが、企てに気付いた北条彰に撃たれる。
村田 (むらた)
暴力団相楽連合会幹部。初代総長相楽が北条彰に撃たれた際にその場にいたが、組の存続を考え相楽へとどめを刺すことを許さず病院へ運ぶよう指示を出し、医者に脳内出血の診断書を書かせた。後日相楽連合会を継いだ北条彰の右腕として働く。
伊佐岡 紀元 (いさおか)
最大与党民主自由党幹事長。市島陽介とは巣鴨プリズンで共にすごした旧知の仲。絶大な権力を持つ。自分の立場をおびやかす浅見千秋を追い落とすため、数々の謀略をつくす。
市島 陽介 (いちしま ようすけ)
日本の裏社会の重鎮。表舞台からは引退し普段は北海道で暮らすが、裏社会に絶大な影響力を持つ。伊佐岡紀元とは巣鴨プリズンで共にすごした旧知の仲。
田代 怜二 (たしろ)
北彰会幹部、後に二代目会長。妻は田代優美。息子の田代光一が難病を抱えて生まれ、手術代に一千万円が必要になり相楽連合会に掛け合ったが見捨てられたところを北条彰に拾われる。
黄 志陽 (こう)
香港マフィア。自分のボスの「香港の組織は日本のヤクザと共存共栄」という考え方に不満を持ち、ボスを殺害。日本の裏社会へ進出するため、渡海と手を組む。
青木 (あおき)
ベンチャー企業ブルーワールド会長。北都銀行が相楽連合会に融資をする際の窓口として北条彰に協力する。
仙石 慎一郎 (せんごく しんいちろう)
北海道出身。国会議員の父仙石辰巳が伊佐岡の策略で自殺したため、父親の後援会に担ぎ出され選挙に当選。
吉川 秀丸
無所属で高知県選出の国会議員。同期当選の浅見千秋や仙石慎一郎と共に行動する。
狩谷 久雄 (かりや)
民主自由党所属の国会議員。団塊世代が集まった超党派閥70年会の中では最初に当選し若手の中では出世頭だが、民主自由党内ではベテラン議員に押さえつけられてきた。自分より若く当選1年目にも関わらず精力的な浅見千秋の行動力を目の当たりにして自分がなすべきことに気付き民主自由党を離党。 浅見千秋たちと政策集団立風会を結成する。
望月 (もちづき)
民主自由党総裁で総理大臣。伊佐岡紀元幹事長の妾と陰で言われるように伊佐岡紀元の顔色を伺って生きている。ロシアのロビイスト。
原口 賢二 (はらぐち けんじ)
民主自由党伊佐岡派の国会議員。常にその時の最大勢力を誇る派閥に属する。フューチャーランド北海道リゾート開発計画に隠された伊佐岡紀元に対する闇献金疑惑の証拠となる資料を隠し持つ。ロシアのロビイスト。
石垣 和義
東京地検特捜部副部長。フューチャーランド北海道リゾート開発計画に隠された伊佐岡紀元に対する闇献金疑惑の捜査をしていたが、逮捕直前のところで伊佐岡紀元の政治手腕で切り抜けられてしまう。後に北条彰が選挙に立候補した際、自ら東京地検特捜部を辞職し、北条彰の選挙事務所のブレーンとして働く。
中城 規介 (-)
沖縄ヤクザの頭。沖縄の旗を本土に立てるため、渡海と黄志陽と手を組む。
宮村 政伸 (みやむら)
武山連合傘下暴力団宮村組組長。武山連合と相楽連合会の同盟を実現させる。若い頃、警察に追われている時に渡海と北条彰の世話になった。その時自決しそうになったが北条彰の言葉で死ぬのを思いとどまった。
ビセット
32歳。米国大統領補佐官で対日強硬派。専門は経済学。日米の自動車貿易に関する交渉役として来日するが、浅見千秋に説得され帰国。
大西 英二 (おおにし)
神戸山王会に逆らい続け、自分の組を潰された過去を持つ。渡海とは刑務所仲間。
緒方 栄蔵 (おがた)
暴力団神戸山王会三代目。日本一の勢力を誇る神戸山王会を率いていたが、北条彰の手腕に己の限界を思い知らされ、伊吹英明に会長の座を譲る。
伊吹 英明 (いぶき)
暴力団神戸山王会四代目。相楽連合会と神戸山王会は対立の立場にあったが、北条彰と10年先の裏社会について対話し、手を組むことになる。
瀬川 (せがわ)
暴力団瀬川一家の頭。渡海の教え子。北海道暴力団抗争の中心人物。ウラジミール・ソロコフに踊らされて北海道で暴れ、浅見千秋と北条彰の選挙活動の足を引っ張る。
ウラジミール・ソロコフ
ロシアマフィア。元ソビエト連邦政府高級官僚。
熊谷
警視庁捜査第四課長。北条彰を執拗に追いかける。兵庫県警の平山隆を気に入っている。
平山 隆
兵庫県警捜査第四課長。とても小柄な体格。汚いものが嫌い。
集団・組織
北彰会 (ほくしょうかい)
『サンクチュアリ』に登場する暴力団。初代は北条彰。二代目は田代怜二。六本木に本部がある。相楽連合会傘下。
相楽連合会 (さがられんごうかい)
『サンクチュアリ』に登場する暴力団。関東の暴力団勢力の一つ。初代相楽総長の時代は他の勢力と同等の力関係であったが、二代目を北条彰が襲名して以降、知略で勢力を拡大、関東を統一、関西の一大勢力神戸山王会に挑む。
神戸山王会 (こうべさんのうかい)
『サンクチュアリ』に登場する暴力団。日本一の勢力を誇る。三代目緒方栄蔵が自身に衰えを感じ、幹部の伊吹英明に四代目を継がせる。
書誌情報
サンクチュアリ 新装版 7巻 小学館〈ビッグ コミックス〉
第1巻
(2023-07-12発行、 978-4098625109)
第2巻
(2023-08-30発行、 978-4098625697)
第3巻
(2023-09-28発行、 978-4098625826)
第4巻
(2023-10-30発行、 978-4098626380)
第5巻
(2023-11-30発行、 978-4098626489)
第6巻
(2023-12-27発行、 978-4098627196)
第7巻
(2024-01-30発行、 978-4098627202)