診療所の後継者
患者から愛され慕われていた馬場院長が亡くなったことから物語は始まる。診療所を守るため、看護師の一人娘の飛鳥は大学病院を辞職するが、後任の医師が決まらず途方に暮れていた。そんなところにぶらりとやってきたのがジャンボだった。ジャンボはかつて馬場医院で働き、院長と志を共にしていた爽やかな青年だったが、今はモジャモジャ頭とヒゲの怪しい風貌に変わっていた。ジャンボが帰ってきてくれたと喜ぶ飛鳥だったが、彼は馬場院長に1億円を貸しており、借金のカタに馬場医院を自分のものにするという。ジャンボに反発する飛鳥だったが、急患に対する的確な判断を目の当たりにし、彼の下で働くことにする。
地域医療を題材にした医療ドラマ
本作で描かれるのは地域医療を題材にした町医者の話である。肩の痛みを訴える患者がじつはくも膜下出血であった事例、天然ゴムに含まれるラテックス抗原が引き起こすラテックスアレルギーといったリアルな病に対し、ジャンボは迅速な処置を施す。じつは、ジャンボは亡くなった馬場院長から、地域の患者全員のカルテを譲り受け、そのデータをタブレットに収納している。むさ苦しい見た目、乱暴な言葉づかいで型破りに見えるジャンボだが、馬場院長の遺産を活かし地域に密着した診療を行っている。また、「老老介護」などの社会問題も本作のテーマの一つであり、様々な事情を抱えた人々を描いた人間ドラマの側面も強い。
18年前の事件
18年前、東日本大学病院の外科医だったジャンボは、ガンの再発で再入院した白根葉子の担当になる。全身にガンが転移して余命は1か月という状況だったが、葉子は死ぬ前にもう一度だけ別荘に行き、アトリエで描きかけの絵を完成させたいという。同期の天龍医師は、死期を早める可能性があるといって猛反対する。しかしジャンボは、最後まで患者をベッドに縛り付けておくことが医師の仕事ではないと主張。葉子の望みを叶えるため、家族と一緒に別荘に同行する。葉子はアトリエにこもって絵を描くが、やがて静かに息を引き取る。万が一の可能性があることを伝えなかったジャンボは家族の怒りを買い、「治療放棄で患者死亡」と新聞にも取り上げられてしまう。それから18年後、ジャンボを主治医に自宅療養を希望する末期ガンの女性、美子が現れるが、彼女は葉子の娘、雪江の親友だった。18年前のことを忘れたことはないというジャンボは、今も昔も変わらない信念を貫く姿勢を見せる。
登場人物・キャラクター
鶴田 正義 (つるた まさよし)
肩まで伸びたカーリーヘアと口ひげあごひげが特徴の中年男性。東日本大学病院の元外科医。通称はジャンボ。かつて馬場医院で働いてた真面目で爽やかな青年だった。馬場医院の院長、馬場公平の死後、突如として姿を現し公平に1億円を貸していたと主張。馬場医院を乗っ取り町医者になる。ぶっきらぼうで横柄な態度だが、医療知識が豊富で腕も確かである。
馬場 飛鳥 (ばば あすか)
馬場医院の娘で看護師。父の死後、町のみんなのために医院を守ろうと後任者を探す。突如として現れたジャンボとは、子供の頃に仲が良かったが、変わり果てたジャンボに失望する。それでも、ジャンボの下で働くことを選び、一緒にいるうちに次第に彼のことを理解し認めるようになっていく。
書誌情報
町医者ジャンボ!! 16巻 講談社〈KCデラックス〉
第1巻
(2011-10-21発行、978-4063761559)
第2巻
(2012-01-23発行、978-4063761887)
第3巻
(2012-04-23発行、978-4063766479)
第4巻
(2012-07-23発行、978-4063766752)
第5巻
(2012-10-23発行、978-4063767384)
第6巻
(2013-02-22発行、978-4063768015)
第7巻
(2013-05-23発行、978-4063768251)
第8巻
(2013-09-20発行、978-4063768954)
第9巻
(2013-12-20発行、978-4063769234)
第10巻
(2014-03-20発行、978-4063769777)
第11巻
(2014-06-23発行、978-4063770148)
第12巻
(2014-09-22発行、978-4063770797)
第13巻
(2014-12-22発行、978-4063771244)
第14巻
(2015-03-23発行、978-4063771503)
第15巻
(2015-06-23発行、978-4063772159)
第16巻
(2015-09-23発行、978-4063773187)







