概要・あらすじ
登場人物・キャラクター
高月 英兒 (たかつき えいじ)
本郷區の喫茶「十十虫」に入り浸る男子高校生。色白で睫毛(まつげ)が長く、人気女優に一目惚(ぼ)れされるほどの容姿ながら、「血色の悪い女顔」とも評されている。いつも学生服で、学生帽やマントを身につけている。早退と遅刻の常習犯で、運動が苦手。珈琲(コーヒー)を飲みながらの読書を何よりの楽しみにしており、進級を心配されるほど店に通い詰めている。他者の夢に現れて必ず的中する「お告げ」を授ける能力が備わっているが、発動は無意識で、その内容は高月英兒自身の記憶にはまったく残らない。夢で得た情報を頼りに、現実の高月に会うために十十虫を訪ねる者は多く、そのまま事件に巻き込まれるのがお決まりのパターンとなっている。ウェイトレスの叶美和子とは喧嘩(けんか)が絶えず、迷惑客番付の1位に選ばれるほど嫌われていた。しかし、協力してさまざまな事件を解決するうちに、互いを意識する関係となる。なお、夢の高月は現実よりも男前と評判で、本物を見て落胆する者も少なくない。蛙(かえる)が大嫌いで、飛びつかれて気絶したこともある。
叶 美和子 (かのう みわこ)
本郷區の喫茶「十十虫」のウェイトレスを務める少女。セミロングの茶髪を後頭部でシニヨンにまとめ、華やかな和服を身につけている。男勝りの快活な性格で、成人男性を軽々と投げ飛ばすほどパワフルで怪力の持ち主。幼なじみからは「凶暴ザル」「女番長」と評されている。マッチ棒クイズを腕力で解こうとするなど、突飛な行動に出ることもあるが、涙脆(なみだもろ)かったり、二の腕の太さを気にしたりと、乙女心も持ち合わせている。常連客の高月英兒とは諍(いさか)いを起こしてばかりで、犬猿の仲。だが、高月の「お告げ」を聞いて店にやって来る客の悩み事に首をつっ込んでいるうちに仲を深め、憎まれ口を叩(たた)きながらも、互いを意識する関係となる。なお、周囲には秘密にしているが、孝道館(こうどうかん)柔道の創始者、叶路五郎(じごろう)の孫にして、現館長、叶響一郎(きょういちろう)の一人娘でもある。好物は木村屋のあんパン。