夢幻紳士 冒険活劇篇

夢幻紳士 冒険活劇篇

夢幻紳士シリーズの一作。昭和初期を舞台に、少年探偵の夢幻魔実也が猟奇事件を中心に解決するミステリーアクション作品。怪奇色は連載につれて薄れて、冒険アクションを経て、ドタバタアクションになる。

正式名称
夢幻紳士 冒険活劇篇
ふりがな
むげんしんし ぼうけんかつげきへん
作者
ジャンル
アドベンチャー
 
推理・ミステリー
 
スプラッター・猟奇
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概要・あらすじ

昭和初期、帝都で話題の少年探偵・夢幻魔実也が、数々の怪事件を追い、日本をはじめ、中国やインドなどでも大活躍する。後半は押しかけ女房になった福音温子と両親の夢幻狂四郎夢幻雪絵を加えてのミステリー風味のドタバタアクションとなる。

登場人物・キャラクター

夢幻 魔実也 (むげん まみや)

『夢幻紳士 冒険活劇篇』の主人公で、15歳の少年探偵。後頭部の髪が逆立っている。黒い帽子と黒いスーツを愛用。頭脳明晰、スポーツ万能で格闘技もこなす。時折、超能力らしきものも発揮する。銀座のビルの一室に事務所を開いており、知らないものはいない話題の人物。警視庁猟奇課の江戸川警部との親交も厚い。平然と銃を撃つが、それほど腕はよくない。 難事件を成り行きまかせで解決していく。謎を解くこともあるが、潜入して罠を仕掛ける方が得意。薬物に耐性が強いという夢幻一族の特性を受け継いでいる。顔は母親似で、度胸は父親似。ただし、父親の夢幻狂四郎のことを嫌っている。女装は子供の頃からの特技ではあるが、好きなわけではなく、昔の写真をネタに父親に脅かされることがある。 押しかけ女房のようになっている福音温子のことを次第に受け入れていく。

福音 温子 (ふくね あつこ)

ポニーテールの少女。元浅草の踊り子で奇怪な老人から結婚を迫られて夢幻魔実也の事務所に助けを求めた。その事件を機に事務所に出入りするようになり、いつしか魔実也の押しかけ女房になる。気が荒く口も悪いがたくましい。他人に誇れるのは自分の肉体だけ、という思いから病気をしても痕の残る手術はさせなかった。 大食漢で他人の3倍も食べる一方、料理がとても下手で、誰もが吐いてしまう。

(らお)

逆立った白髪頭で顎鬚も白いがナマズ髭と眉は黒い老人。小さく丸い黒メガネをかけている。「博士」と名乗っているが、博士号を持っているとは確認できていない。国籍不明の犯罪者で脱獄回数は世界一を誇る。中華料理店を経営しながら、世界各地でさまざまな悪事を働いている。助手で店の料理長を兼ねる外科医の甲保(コホ)のほかにたくさんの部下を持つ。 部下は労働組合を結成して賃金交渉を行うなど、無条件に働いているわけではない。よく計画を邪魔されるため夢幻魔実也を恨んでいる。時には夢幻狂四郎と組んで魔実也を狙うこともあるが、一方で身を持ち崩して猫夫人の下っぱになっていたこともある。

夢幻 狂四郎 (むげん きょうしろう)

口髭と顎鬚を生やしたワイルドな男。夢幻魔実也の父。誇大妄想狂の犯罪者。各国の軍事情報を盗んで売り渡し、武器や装備も力づくで奪い去る。自分の欲に正直で、何も恐れることはない。豪快な人柄で稼げば豪遊することもあり、女性関係も盛んだったらしい。もっとも、妻の夢幻雪絵にだけは頭が上がらない。 それでも、目の届かないところで女に手を出している。着ぐるみが好きで、おかしな扮装をしていることが多い。

夢幻 雪絵 (むげん ゆきえ)

面長の美女。夢幻魔実也の母。マイペースで他人の存在を気にしない。賭け事がとてつもなく強い。父は工場主の資産家だったが、関東大震災で両親と屋敷を失い、身一つで夢幻狂四郎の家に転がり込んだ。放り出されるところをインディアンポーカーで勝って居すわる。妊娠を機に子供嫌いの狂四郎の家を出て、元恋人の加藤中尉と祝言寸前まで進んだが、狂四郎が乱入して結婚。 今に至る。基本的になんでも面白がる性格だが、狂四郎の浮気に対してだけは恐ろしい表情を見せる。

江戸川 (えどがわ)

くせっ毛でオシャレな口髭を生やした下膨れの男。警視庁猟奇課勤務の警官。怪事件の担当なので夢幻魔実也とはなにかと縁がある。いくつかの事件を解明し、警官隊も敵組織を壊滅させるなど、有能な官吏である。

アルカード

脳天のはげた大柄な西洋人。目は小さく、顎がしっかりしている。たいへん頑丈。夢幻家の召使。ヨーロッパ戦線で死にかけていたところを夢幻狂四郎に救われ、一生の忠誠を誓ってしまった。

(ねこ)

ねっとりした感じの黒髪の美女。夢幻狂四郎の妹。7人の夫を極秘裏に毒殺した毒婦。女だけの部下、美女軍団を持つ。食事で同席すると、毒を盛らずにはいられない。薬物に耐性があるので、自分の食物に毒が入っても気にしない。兄の狂四郎と同様、自分の欲に正直な犯罪者。政財界の大物とのつながりもあるため、警察も滅多に手を出せない。 相手を見限る判断は早く、危ない案件からは素早く撤退する。新興宗教の猫又教を興して猫神さまを名乗ったり、女学校に教師として潜入して良家の子女を誘拐しようとしたり、あらゆる犯罪に手を染めた。満州では料理店を経営している。ただ、ここでも料理に麻薬をいれて客を中毒にして売り飛ばしていたという。 年齢を気にしていて、夢幻魔実也に「叔母さん」と呼ばれるのを不愉快に思っている。

(りゅう)

白髪で長い顔の長身の男。百発百中の竜と呼ばれる凄腕の殺し屋。上海在住。背中から2人に銃を向けられた瞬間、振り向きざまに2人の銃口に弾丸を打ち込むことができる。日本では雇い主を殺して仕事ができなかったが、裏社会で顔の利く老博士の依頼で来日。夢幻魔実也を殺そうとしたが失敗し、事故で右腕を負傷して廃業に追い込まれた。 上海で酒場の用心棒をしている。

加藤 (かとう)

夢幻雪絵の元恋人の陸軍中尉。夢幻狂四郎の子を身ごもった雪絵と祝言を挙げようとするが、その日に強奪される。その後、雪絵と再会したときには、哀愁を帯びてセリフに「フッ」という間が入るようになっていた。一時は大陸に転属されたが、帰国した頃には大佐に昇進していた。結婚したものの、雪絵への未練から娘を加藤百合絵と命名。 百合絵についた悪い虫の排除を夢幻魔実也に依頼、百合絵と魔実也の結婚も提案したが、受け入れられなかった。妻とは死別したため、雪絵との再婚のチャンスをうかがっているらしい。

据然 (すえぜん)

顎鬚のある僧侶。国宝級の仏像を持つ寺院の住職だが、夢幻狂四郎の旧友で、叩けばホコリが出る犯罪者。猫夫人の死んだ夫の半数の墓は、ここの寺にあるという。人死には食いっぱぐれはないと語る、身も蓋もない性格。武器の売買をする狂四郎とは利害が一致していて、激しいド突き合いもするが仲はよい。 実の姉は需要と供給を満たす産婆。

紅オコゼ (べにおこぜ)

頭は白い袋を被って、目元に目尻の上がった黒いマスクをした怪盗。小柄で黒い帽子に長い黒マントという出で立ち。あまり捻ったことはせず、玄関から堂々と乗り込んでくる。基本的に陽気な人物で、単純明快な怪盗。

大江 春泥 (おおえ しゅんでい)

刈り上げで脳天近くの髪は真ん中分けにしている男。大会社の経営者だが、ストレスに疲れ果てて猟奇趣味に走り、なんとなくカッコいいから陽炎男を名乗った。陽炎男のときは、髪を白菜のように立てたカツラを着用。自作自演で大江春泥への予告状を作った、ただの人騒がせな人物。丸いメガネをかけ、大きなリボンを脳天にしている娘・乱子がいる。

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