双影双書

双影双書

『殺し屋Sのゆらぎ』に次ぐ、舟本絵理歌の連載作品。中華風大帝国の皇宮が舞台。遊郭で生まれ育った少年の宵は、ある日突然、皇宮に身請けされることになる。第五代皇太子の凰冠星と、その影武者となった宵の生き様を描いた中華皇宮大河浪漫。小学館「週刊少年サンデー」2022年第45号から2023年第14号まで連載。その後「サンデーうぇぶり」に移籍し、2023年7月5日から2024年8月28日まで連載。「次にくるマンガ大賞2024」Webマンガ部門にノミネートされた。

正式名称
双影双書
ふりがな
そうえいそうしょ
作者
ジャンル
その他歴史・時代
 
友情
レーベル
少年サンデーコミックス(小学館)
巻数
既刊4巻
関連商品
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皇太子を守るために、瓜二つの少年が選ばれる

本作の舞台となるのは、世界最大の大陸の東側を統治する大帝国「叶」。中世中国に似た架空世界で、第五代皇帝の凰世慈の下、最盛期を迎えている。叶には、その繁栄に尽力した四つの名家「四大世家(赫家、藍家、宝家、墨家)」が存在する。現帝の世慈は、各家の統制・連携を図るため後宮を整備し、各家から一人ずつを妃に迎えた。それが、皇后の赫華、第二夫人の藍玉、第三夫人の宝香寿、第四夫人の墨英の四人である。本作の主人公の一人、皇太子、凰冠星の母、赫華は6年前に亡くなっており、藍家、宝家、墨家にはそれぞれ第二~第四皇子がいる。現帝の世慈は病床にあり、皇位継承が現実味を帯びる中、冠星の命が狙われるようになった。そこで、冠星を守るために影武者が必要となり、瓜二つの容貌の少年の宵に白羽の矢が立つ。

二人の少年の生い立ちと友情

宵の母は、彼を生んですぐに足抜けした廓の妓女である。母が残した借金を返すため、宵は2歳の時から幇間(ほうかん)(太鼓持ち)として座敷に出ていた。妓女にこき使われ、客には乞食扱いされていた宵は、廓から抜け出したいと願っていた。そんなある日、見知らぬ男に突然身請けされ、皇宮に連れていかれる。宵は顔がそっくりの第五代皇太子、冠星の影武者に選ばれたのだ。ワガママ皇子に振り回され、影武者なんか絶対に嫌だと思う宵。しかし、肺病を隠しながら、弟たちや国のために一人で耐えている冠星の真の姿を知った時、宵は彼の盾になる決意をする。こうして出会った二人は、様々な出来事を経てやがて絆(きずな)を深めていく。

刺客の矢に倒れ、キョンシーとして蘇(よみがえ)った冠星

冠星の影武者になって5年。宵は日常の公務を代わりに務められるほど「影」として成長し、あと数年耐え抜けば、冠星が皇帝になれるという段階まで来ていた。そんなある夜、冠星は宵を庇(かば)い、刺客の矢に倒れてしまう。慌てた宵は、たまたま持ち合わせていた、死者をも蘇らせるという不老不死の霊薬「九転還丹」を冠星に与えた。するとほどなく冠星は「僵死(キョンシー)」として蘇る。冠星は宮廷道士のお札を額に貼り、理性を保つことができているが、人前に出ることはできない。そんなわけで、翌日から宵が皇太子として前面に立つことになった。まずは、皇太子暗殺の犯人を見つけるために、宵は宮中行事の狩りに参加する。

登場人物・キャラクター

(しょう)

「叶」の国の首都にある遊郭で生まれ育った少年。初登場時は10歳。母は宵を産んだ後に遊郭から逃げてしまった。なお父親は不明。2歳で初めて座敷に出、幇間(太鼓持ち)として働かされる。楽器、踊りといった芸を仕込まれたほか、手紙の代筆、縫い物、雑用などの仕事をしていた。ある日突然、顔がそっくりという理由で、第五代皇太子の冠星の影武者に抜擢される。皇宮では「影」と呼ばれることが多い。

凰 冠星 (こう かんせい)

「叶」の国の第五代皇太子。文武両道に優れるが、生まれつき肺に病を抱えている。初登場時は10歳。現皇帝の世慈とすでに亡くなった皇后、赫華の子ども。母が亡くなった後は、第二夫人の藍玉に育てられた。また、腹違いの三人の弟がいる。高飛車でワガママに見えるが、本当は弟思いの優しい性格。宵にもわざと辛くあたり、影武者の任務を解いてやろうと考えていた。15歳のときに刺客の矢に倒れるが、「僵死(キョンシー)」として復活。宵を表舞台に立たせ、自身は裏で糸を引く。

書誌情報

双影双書 4巻 小学館〈少年サンデーコミックス〉

第1巻

(2023-01-18発行、 978-4098515288)

第2巻

(2023-06-16発行、 978-4098520312)

第3巻

(2023-12-18発行、 978-4098530519)

第4巻

(2024-10-18発行、 978-4098536399)

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