海帝

1400年代初頭を舞台にした海洋冒険ロマン。中国の明の時代に実在した男、鄭和の航海を描く。「ビッグコミック」2018年14号より連載。

概要・あらすじ

1400年代初頭。中国の明王朝の宦官、鄭和は日本海上にいた。全権使節として、室町幕府の足利義満と会うためだ。日本へと向かう途中、鄭和の船は倭寇の襲撃を受けた。残忍と恐れられた倭寇だが、鄭和は竹の棒一本で彼らを退ける。倭寇の少年、潭太は、鄭和の股間を蹴り上げるが、宦官の鄭和に効果があるはずもなく、あっさり捕らえられてしまった。

無事、日本への上陸を果たした鄭和は、足利義満に謁見。威厳に満ちた堂々たる態度で、義満を圧倒。日本国王として皇帝陛下に臣下の礼を示し、倭寇を厳しく取り締まるようにと、義満に伝えた。謁見を終え、馬を走らせて散策に出かけた鄭和は、自分を襲った倭寇達の斬首現場に遭遇する。その中に、鄭和の股間を蹴った少年、潭太の姿があった。

今まさに、首を刎(は)ねられんとした時、潭太は明の言葉で「死ぬなら海で死にたい」と叫んだ。潭太は日本人だが、明人の海賊仲間や商人との接点も多く、明の言葉を話す事ができたのだ。これを聞いた鄭和は、斬首を中止させ、潭太を帰国の船に乗せる事にする。明人の自分を見つけ、とっさに明の言葉を話した潭太の機転、生き延びる知恵と力を気に入ったのだ。

帰国の船上、鄭和は縄で縛られた潭太を高々と持ち上げ、海に放り投げた。「海で死にたい」という願いを叶えてやるというのだ。そして改めて「死にたいか」と問うと、潭太は「生きたい」と懇願する。鄭和は願いを聞き届け、船員達にすぐ引き上げるよう命じる。しかし、そこに巨大なサメが現れる。

その姿を見た船員は、潭太の体につながった縄を切った。下手をすると、船ごと引っ張り込まれる危険があるため、潭太を生贄にして逃げようというのだ。鄭和は船を止めるよう命じた。「命を助ける」という約束を果たすため、鄭和は縄を体にくくりつけ、海に飛び込み、なんとか潭太を助ける事に成功。こうして鄭和は潭太を従え、明の国に帰る事になった。

日本の事を報告するために、鄭和は永楽帝のもとを訪れる。帝位を簒奪した永楽帝は、先帝の遺臣やその一族を徹底的に粛清しており、都は血と死臭に覆われていた。鄭和は流血と恐怖の粛清をやめるよう進言するが、永楽帝は怒り狂って刀の柄に手をかける。しかし鄭和は、ひるむ事なく理を説く。その態度と言葉に、苦々しい顔をしながらも、永楽帝は刀を収める。

そして、鄭和のかねてからの計画を実現させてやるという。それは「南海の諸国へ船を派遣して、交易品などを往来させる」というものだった。しかも永楽帝は、鄭和の計画を大きく上回る60隻と、旗艦として巨大な\"宝船\"級艦を造るという。造船所を訪れた鄭和は、そこで全長150メートルの超巨大な\"宝船\"を見る。

出発は1年以内で、それまでに水夫や物資の調達を行わなければならなかった。波乱万丈を極める、鄭和の航海が始まろうとしていた。

登場人物・キャラクター

鄭和 (ていわ)

中国明王朝の宦官。内官監太監という宦官最高位の一人で、大きな権力を持つ。まつげが長く、海のように青い瞳をしている。高貴で温和な雰囲気を持つが、何人の前でも毅然とした態度を崩さず、堂々と意見を述べる。また、筋骨隆々で、体は傷だらけである。同名の実在人物をモデルにしている。

潭太 (たんた)

倭寇の少年。日本人。鄭和が乗った船を襲うが失敗し、捕らえられる。処刑される直前に、鄭和の姿を見つけ、明の言葉で叫んだために命を救われる。生き延びる知恵と意志を鄭和に高く評価され、行動をともにする事になる。

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