受験の帝王

受験の帝王

大学受験に失敗した浪人生の前に、受験を知り尽くす謎の男が現れ、奇想天外な受験テクニックを伝授する。受験戦争を生き抜くためのお役立ちハウツー漫画。「月刊少年マガジン」1997年7月号から1999年6月号、「月刊少年マガジン増刊GREAT」1997年11月号、1999年7月号、1998年9月号に掲載された。番外編として、節約の極意を伝授する「節約の帝王」も収録されている。

正式名称
受験の帝王
ふりがな
じゅけんのていおう
作者
ジャンル
教育・学習
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概要・あらすじ

ある年の6月、受験に失敗した幸村圭司は、予備校で他の受験生が必死に勉強している姿を目の当たりにして、落ち込む。そんな圭司の前に現れた、リーゼント頭にヒゲを生やした謎の男が、予備校の試験の問題用紙を見ずに満点を取るという神業を披露する。そして、その男は「相手を調べ上げれば、おのずと攻略法は見えてくる」と断言。「休憩時間には少女漫画を読め」など、従来とはまったく違った受験へのアプローチ法を語る。

圭司は彼を「師匠」と呼び、彼から受験テクニックを学ぶことを決意する。

登場人物・キャラクター

幸村 圭司 (ゆきむら けいじ)

浪人中の青年。予備校で問題用紙を見ずに満点を取った謎の男の受験アプローチに魅了され、師匠と仰ぎ受験テクニックを学ぶ。素直で従順だが、周囲の意見に振り回されやすく調子にも乗りやすい。受験というタイトルマッチを控えたボクサーになったつもりで、自らに自己暗示をかけろと、師匠から「マグナム圭司」と命名される。

師匠 (ししょう)

リーゼント頭にヒゲを生やした男性。受験のすべてを知り尽くし、幸村圭司に奇想天外な受験テクニックを教え込む。自称高卒で9浪目。身代わり受験を生業としているが、受験以外に多方面にわたる知識も豊富で、実体は謎に包まれている。

清水 真琴 (しみず まこと)

幸村圭司の彼女。女子大に現役合格した。早稲田大学のスキーサークルに所属している。テニスに温泉にとサークル活動に忙しく、圭司をへこませるが、浮気などは一切せず圭司と付き合い続けている。また、圭司が入院した際は、お見舞いにすぐ駆けつけるなど、心優しい人物。

橘 ナミ (たちばな なみ)

幸村圭司と同じ予備校に通う可愛い女性。情報交換のためにといって、連日、圭司をはじめ周りの男子たちを居酒屋に誘う。講師に質問されても答えられず、テレビドラマも欠かさず見ている風を装っている。ある意味で他者を蹴落とすための受験テクニックを身につけている罪作りな人間。負けず嫌いで「未常識学習法」を教える、神条涼の夏季合宿にも参加する。

幸村圭司の父親 (ゆきむらけいじのちちおや)

幸村圭司の父親。圭司の部屋にマネキンの首がズラリと並んでいるのを見た圭司の母親が心配する声をよそに、受験で疲れているだけだと一笑に付す。一芸一能、入試のためにメイクアップを極めた圭司に、お小遣いを上げて欲しいと言われた時は、その美しさにノックダウンされ快諾してしまう。

大滝 政人 (おおたき まさと)

幸村圭司の親戚の子供。子供らしい下ネタばかりを連発するわんぱくな少年。親は小学校受験をさせる予定で、師匠と圭司の協力のもと、受験対策に励むことになる。受験当日、暴れないようにと、服の中に色々な仕掛けを施される。

大滝政人の母親 (おおたきまさとのははおや)

大滝政人の母親でメガネをかけている。幸村圭司とは親戚にあたり、「ねーちゃん」と呼ばれている。真面目な性格で、師匠の小学校受験テクニックを守り、師匠に無能呼ばわりされた父親の分まで孤軍奮闘する。一方で受験当日に暴れないようにと、色々な仕掛けをされた政人を可哀想に思い、心が折れそうになってしまう心優しい母親。

大滝政人の父 (おおたきまさとのちち)

大滝政人の父親。年収400万円前後のパッとしない男性。小学校受験について何の知識もない。小学校受験は「家庭」のサポートが大事だという師匠に、「お前は父親失格だ」と無能扱いされ、幸村圭司に父親役を奪われてしまう。

北原 (きたはら)

2浪目の受験生。足にヒビが入って入院した幸村圭司と同じ病室になったことで知り合う。圭司と同レベルの偏差値で、同じ大学を志望していることから圭司を敵視している。2浪していることを、逆に経験豊富であると自慢し、東大生の家庭教師に教えてもらっていることを、わざとらしくアピールする。

東大 (とうだい)

北原の家庭教師で東大生。北原の自慢に乗っかる恰好で東大風を吹かせるので、師匠にからかいの意味も含めて「東大くん」と呼ばれている。受験で出題されそうな時事ネタを意気揚々と北原に教えるが、試験問題は11月末に印刷されているので、そのネタは絶対に出題されないと、師匠に愚か者扱いされてしまう。

Y (わい)

某ファッション誌の編集部に勤務する若い女性。読者プレゼントのハガキを整理している。懸賞に当たる秘訣を幸村圭司に教えようと、師匠が呼び出し、プライバシー保護のため「Yさん」と仮名で紹介される。いいハガキと懸賞に当てたくないハガキについての特徴を、喜怒哀楽を交えわかりやすく説明する。

神条 涼 (かみじょう りょう)

「脳力アップで偏差値アップ」を謳う夏季強化合宿の特別指導員。現役大学生。ロングヘアーでセクシーなファッションの女性。斬新な「未常識学習法」という勉強法を編み出し、幸村圭司ももれなく魅了される。東大受験に失敗した兄が自殺したことから、受験に負けない勉強法を確立させたと生徒に言い放ち、その心をかっちり掴む。

丸上 (まるがみ)

「丸上商事」の名で金貸しをしている中年男性。コテコテの大阪弁でしゃべる。金儲けに関して師匠と付き合いがあり、大久保均の借金を回収するため師匠に相談を持ち掛ける。大久保均をスター講師にさせようと師匠が提案した作戦に乗り気で、当たり屋だった過去を活かして大活躍する。

大久保 均 (おおくぼ ひとし)

40代後半の男性。光進予備校の非常勤講師を務める。日本史を教えているが、受講生は年々少なくなっている。非常勤講師になると同時に、都内に一軒家を購入したが、翌年から給料が激減して借金をする羽目になってしまう。とことん平凡なことが取柄で、師匠はそこに目をつける。

矢野 新二 (やの しんじ)

光進予備校の日本史のスター講師。ロン毛ながらさわやかな青年。だが、彼は景気が作りだしたスターに過ぎない、と師匠は見抜いており、大久保均をスター講師に押し上げる策略の一環として、ハニートラップを仕掛けられる。実際は小心者で、身に覚えのないことでノイローゼ気味になってしまう。

黒川 明彦 (くろだ あきひこ)

「大学進学断念師」を名乗る青年。受験にすべてを賭けることに反対する者(例えば親)からの依頼で、受験生の進学する気分を損ねることを生業にしている。師匠が始めた「身代わり受験割引キャンペーン」で大打撃を受け、師匠を恨んでいる。受験生に対する悪魔のようなささやきを得意とする反面、見かけによらずピュアな一面がある。

島田 あざみ (しまだ あざみ)

アパート「清風荘」の住人。幸村圭司が受験に専念するために入居した。東京大学理Ⅰに通う19歳の女性。とびきりの醜女だが男好きで、誰彼かまわず交際を申し込んでは結婚を切り出す。時には薬品を使って既成事実を作るなど、犯罪行為すれすれなこともしており、失踪者さえ出ている。冬休みに入り誰もいなくなった「清風荘」で、圭司を狙って行動を起こす。

一条 マキ (いちじょう まき)

アイドルに憧れて上京してきた歌手志望の29歳の女性。幸村圭司の姉の知り合い。番外編「節約の帝王」に登場する。30歳までに、自主制作のCDをもう1枚作るため、節約して金を貯めようと、人づてに師匠のうわさを聞き、師匠に助けを求める。歌は下手だがその自覚がなく、夢を諦めることはまったく考えていない。

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