あらすじ
第1巻
セットになっている日本語のあいさつが大好きなオーサ・イェークストロムは、先生の小倉朋子に、そのうちの一つである「いただきます」と「ごちそうさま」にはどのような意味があるのかと尋ねる。その問いに小倉は、ほかの命をいただいて生き永らえることに対する、生命に感謝する言葉だと答える。オーサは、母国であるスウェーデンの言葉に翻訳しづらいこの概念に大きな感銘を受けるが、同時に「ごちそうさま」は漢字で「御馳走様」と書くことを知り、こんな言葉にも漢字表記があるのかと、外国人ならではの興奮を覚える。(エピソード「いただきますとごちそうさま」。ほか、28エピソード収録)
登場人物・キャラクター
オーサ・イェークストロム
スウェーデン人の女性漫画家。スウェーデンで放送されたTVアニメ『美少女戦士セーラームーン』を見て日本に興味を抱き、スウェーデンで漫画家デビューしたのちに来日。以降、日本でも漫画家としての活動を続けている。来日して9年になるが、まだまだ日本についてわからないことが多く、日本への好奇心は失っていない。東京のシェアハウスで暮らしており、同居人に「畳の縁を踏んではいけない」などの知識を教わっているが、その理由を聞いても言った本人すらわからない場合が多く、その道のプロに教えを請おうと決意。故郷であるスウェーデンの文化を比較対象にしながら、さまざまな知識を貪欲に吸収していく。一方で、箸には箸置きが必須であるという知識を学んでいる際に、箸袋を折って作る即席の箸置きに夢中になったりと、時折ズレた方向に興味が向いてしまうことがある。実在の人物、オーサ・イェークストロムがモデル。
佐藤 (さとう)
オーサ・イェークストロムの担当編集者を務める女性。オーサの取材にはいつも同行している。社会人としての一般的な常識は身につけているが、日本人にとってもあまりなじみのない文化に関してはそれほど深い知識を持っているわけではない。そのため、オーサと同じような失敗をしてしまうこともあり、そのたびにショックを受けている。
小倉 朋子 (おぐら ともこ)
テーブルマナーデザイナーを務める女性。テーブルマナーや食に関する本を多数執筆している。オーサ・イェークストロムと佐藤に招かれ、会席料理を介して日本食のマナーや食文化の背景を教える先生となった。知識のなさからマナーに反した行動をするオーサや佐藤に時々表情を曇らせながらも、優しく指導する。言葉づかいも美しく丁寧。実在の人物、小倉朋子がモデル。
金田一 秀穂 (きんだいち ひでほ)
外国語学部の教授を務める男性で、専門は国語学や日本語教育など。日本の言語学者としても著名であり、日本語に関する本を多数執筆している。オーサ・イェークストロムと佐藤に招かれ、日本語に関するさまざまな知識を教える先生となった。つねに穏やかな笑みを浮かべ、オーサや佐藤のちょっとした疑問にも一つ一つ優しく答えていく。まだ明確に結論が出されていないことに関しては、こだわりすぎる必要はないという達観した考え方の持ち主。一方で、日本語の自重しすぎる表現規制や、必要以上に丁寧すぎる言い回しには憂慮を覚えている。実在の人物、金田一秀穂がモデル。
杉山 美奈子 (すぎやま みなこ)
コミュニケーション・インストラクターを務める女性。言葉づかやメールの作法に関する本を多数執筆している。オーサ・イェークストロムと佐藤に招かれ、「本音と建て前」「お土産の文化」「訪問の作法」など、日本における人付き合いについての知識を教える先生となった。オーサや佐藤に適切なアドバイスを送り、さまざまな心配事を解消していくが、「返信しづらいLINEのグループを退会すべきか否か」など、人間関係の機微にかかわる問題には頭を悩ませ、相談しながら共に解決策を検討したりと、オーサや佐藤と同じ目線で解決への道筋を探っていく。実在の人物、杉山美奈子がモデル。
岩下 宣子 (いわした のりこ)
マナーデザイナーを務める女性。冠婚葬祭や社会人の作法に関する本を多数執筆している。オーサ・イェークストロムと佐藤に、日本におけるお金に関する礼儀作法や考え方についての知識を教える先生となった。二人を自らの家に招いてもてなしながら、祝儀袋の作り方や、懐紙でお金包みを折る方法を教える。実在の人物、岩下宣子がモデル。
クレジット
- 監修
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小倉 朋子 , 金田一 秀穂 , 杉山 美奈子 , 岩下 宣子