あらすじ
第1巻
白石のラボに高圧蒸気滅菌機が導入されたため、白石の友人である高科のゼミ室に集まっている内輪のサークルメンバーも参加し、その機械を使って焼き芋をすることになった。サークルの一員である飯島京子が食べる前に手を洗おうと口にしたため、高科はそれをきっかけに、「院内感染予防の父」と呼ばれる医師のセンメルヴェイス・イグナーツの話をする。(Q2.「人類はなぜご飯を食べる前に手を洗うのか?」。ほか、6エピソード収録)
第2巻
高科が自宅にスーパーコンピュータを導入した。それをきっかけにして、高科のゼミ室では周囲の人々を巻き込んでコンピュータの発明者は誰かという議論が持ち上がる。一般的にはジョン・フォン・ノイマンである説が有力だが、実際にはそんなに単純な話ではなく、議論は大いに盛り上がる。その話の流れから、掛田理たちは、ハードディスクを完全破壊するにはどうすればいいかという実験を行なうこととなる。(Q7.「ハードディスクのデータを完全に消去するには?」。ほか、7エピソード収録)
第3巻
掛田理は、いつものように高科のゼミ室でいっしょにいる飯島京子に、自分の専門である理論物理学を説明する中で、研究の進展次第ではタイムマシンも夢ではないと口にする。さらに、理論物理学に関連のあるさまざまな元素を作るための施設・加速器センターについて語る中で、理は京子をごく自然に加速器センターの公開日にデートへ誘うことに成功する。(Q17.「タイムマシンに乗るためには?」。ほか、6エピソード収録)
登場人物・キャラクター
掛田 理 (かけだ さとし)
工科医大で理論物理学を専攻している男子。高科教授のゼミに所属している。飯島京子に思いを寄せており、何度も告白している。しかし理系一途な性格が災いして、なにを話しても科学や数学の話題になってしまううえ、迂遠で複雑な言い回しをするため告白したことに気づいてもらえていない。それでもめげずに京子にアタックを繰り返し、よく白石や小鹿のゾンビちゃんに恋愛相談を持ちかけている。素数が大好きで、桁数の高い数字を素数かどうか見抜くことを得意としている。周囲からは名前と「駆け出し」をひっかけて「掛田氏」と呼ばれているが、掛田理本人は嫌がっている。
飯島 京子 (いいじま きょうこ)
工科医大の学生食堂で調理師として働いている若い女性。本来は部外者なのだが、高科教授のゼミにちょくちょく遊びに来ており、本来のゼミ生たちからは内輪のサークルメンバーとして認識されている。科学や数学の知識はほとんどなく、よく素朴な疑問を口にしては高科教授のゼミに集まるメンバーたちの話題のきっかけを作っている。掛田理に対しては満更でもない感情を抱いているが、自分が年上であることを気にして腰が引けた態度を取っている。
高科 (たかしな)
工科医大で物理学の教授を務める壮年男性。温和な性格ながら、悪戯心に満ちあふれている。研究に夢中になると、あたり構わず数式を書き散らすことがあるが、周囲の人たちは慣れっこになっている。また、この対応として、高科のゼミ室は壁や床がすべてホワイトボードと同じ素材になっている。
有栖 伊音 (ありす いおん)
工科医大の工学部に在籍している男子。ゼミ生ではないが、高科教授のゼミに親友のテレスと共にたまに遊びに来ており、本来のゼミ生たちからは内輪のサークルメンバーとして認識されている。工学部ということもあり、製作に関することならなんでも得意。
テレス
工科医大に留学しているラトビア人の男子。ゼミ生ではないが、高科教授のゼミに親友の有栖伊音と共にたまに遊びに来ており、本来のゼミ生たちからは内輪のサークルメンバーとして認識されている。留学当初は言葉に苦労していたが、現在は日本語もペラペラ。
小鹿のゾンビちゃん (こじかのぞんびちゃん)
工科医大のOGである女性。専攻は物理学で、かつては首席を取るほど成績優秀だった。しかし他人とコミュニケーションを取ることが苦手で、しょっちゅう小鹿の着ぐるみを着て、高科教授のゼミ室の本棚の裏に隠れている。恋愛については一家言あり、よく掛田理の恋愛相談に乗っている。
白石
工科医大に在籍する研究医の壮年男性。高科教授の友人。医学のほかに心理学にも造詣が深く、また女たらしとしても有名。よく掛田理の恋愛相談に乗っている。しょっちゅう高科のゼミに遊びに来ているため、高科のゼミ生たちからは内輪のサークルメンバーとして認識されている。