召使い令嬢は国境を越え、敵国の公爵騎士様に溺愛される

本作は、「エリート騎士」と「国を追われた令嬢」が織りなすシンデレラストーリー。家族に虐げられ、故郷を追われた令嬢、シャーリーは、敵国であるロウアス帝国の公爵騎士、オリバーと出会い、彼女の運命が大きく動き出す。本来、敵対する国の者同士が親しくなることは許されないが、数々の困難や陰謀に立ち向かう中で、二人は立場や国境を越えて惹かれ合い、愛を育んでいく。ファンタジーの世界観と心ときめくラブコメディの要素が織り交ぜられ、二人の恋の行方が描かれている。

シャーリーは、平民の母親を持つことから「召使い令嬢」と蔑まれ、家族からも虐げられていた。やがて義理の妹、レーナに命を狙われ、命からがら逃げ延びた先は、敵国のロウアス帝国との国境地帯だった。そこで暴漢に襲われそうになったところを、ロウアス帝国の騎士、オリバーに救われる。しかし、シャーリーはロウアス帝国にまつわる恐ろしい噂を思い出し、絶望に沈む。そんな彼女に、オリバーとロウアス帝国の皇太子、クラウディアは、思いもよらない提案を持ちかけるのだった。

皇太子のクラウディアからの提案は、オリバーと1年間の偽りの婚約を結び、リビド王国へ戻らずロウアス帝国に留まるというものだった。戸惑いながらもその申し出を受け入れたシャーリーは、当初こそ敵国での生活に不安を感じていたが、オリバーや彼の屋敷の人々の優しさに触れ、初めて心から安らげる場所を見つける。一方、オリバーもまた、悲しい過去を背負いながらも懸命に前を向くシャーリーに次第に惹かれていく。ある夜会での出来事をきっかけに、二人の距離は急速に縮まっていく。しかし、穏やかな日々は長く続かず、シャーリーの素性を疑う声や、彼女を追い詰める義妹のレーナが婚約者と共に現れたことで、二人の偽りの関係は新たな局面を迎えることになる。