概要・あらすじ
女子高でバスケ部だった福永春香は、東京でのキャンパスライフにあこがれて上京してきた。しかし、東京の家賃は高く、バイトに明け暮れる毎日。おしゃれも恋も無縁と、すっぴんのまま居酒屋で働いていた。春香が眠気を覚まそうと両手でほっぺを叩いて気合いを入れていると、その音に驚いた美女、光が鞄を落として化粧品が散乱してしまう。芸能人のように美しい光に見とれながら、化粧品をいっしょに拾う春香。こんなにつけるのは大変ではないかと話をすると、あなたはそのまんまでいいじゃないと光にイヤミを言われてしまう。急に自分を見つめなおして恥ずかしくなってしまう春香。そんな時、バイト先であこがれの黒滝圭佑先輩から話の流れで誕生日を聞かれ、「飲みに行こう」と誘われるが、気が付くと着ていく服もなければ、化粧品も用意していなかった。誕生日当日、春香が化粧品売り場で悩んでいると、偶然光と再会する。春香はすがる思いでなんの化粧品を使ったらいいかを教えてもらう。そこへ黒滝が通りがかるが、彼は飲みに行こうと言ったことを忘れていた。女として自信がないと落ち込む春香を見かねた光は、叔母の経営するクラブに春香を連れて行く。そこにはきらびやかな女性ばかりで春香は圧倒される。光は美容専門学校に通い、このクラブのヘアメイクを担当しているという。一仕事終えた光は春香にヘアメイクを施し、衣装を貸して春香を美しく変身させた。春香は勇気を出して黒滝に会いに行き、「誕生日に飲みに行くのを楽しみにしていた」と自分の気持ちを伝えた。黒滝は忘れていたことをあやまり、「仕切り直して別の日に飲みじゃなくてデートをしよう」と言ってくれた。春香は喜んで光に報告するとともに「自分に自信をつけるためにヘアメイクという魔法を教えてほしい」と頼み込む。その後、光と飲みに行き、酔いつぶれてしまった春香。自宅で目覚めると、散らかった部屋はきれいになっており、シャワー室から男の子が出てきた。光は女装男子だったのだ。「あんなやつやめて俺にしとけば」とか「あんたのくたびれたパンツになんて興味ない」と春香をからかう光。毒舌でも自信のない自分の背中を押してくれたりと、結局は面倒をみてくれる光を気に入った春香は、光との友情をさらに深めていく。
登場人物・キャラクター
福永 春香 (ふくなが はるか)
大学2年の女子大生。東京のキャンパスライフにあこがれていたが、飲みサークルのノリにもついていけず、周りの女子力の高さに引け目を感じ、友達も作れなかった。授業とバイトで忙しいため、すっぴんで眉の手入れもしておらず、服装や髪型もあまり気にしていなかった。女子高のバスケ部出身。男の子と付き合ったことはない。女の子としての自信がなく、身長が高いこともコンプレックスで、ヒールをはくのをためらってしまう。
光 (ひかる)
福永春香と同い年の女装男子。美容の専門学校に通い、叔母の経営するクラブで勉強がてらヘアメイクを手伝っている。美しいものが好きで、種類豊富なレディースを好んで着ている。毒舌でキツいことも言うが、とても面倒見がよくて優しい。文句を言いつつ、頼られると断れないタイプ。嬉しくても素直に喜べないツンデレ。素直で偏見を持たない春香に惹かれ始める。
黒滝 圭佑 (くろたき けいすけ)
福永春香のバイト先の先輩。男性からも女性からもモテるイケメンで、交友関係が広い。留学経験もあり英語も堪能。人生経験豊富で余裕があり、観察力も鋭い。優しく誠実で女の子のことをサラリと褒められる。
書誌情報
シンデレラ クロゼット 全8巻 集英社〈マーガレットコミックス〉
第1巻
(2019-10-25発行、 978-4088442570)
第8巻
(2022-02-25発行、 978-4088445991)