概要・あらすじ
一ノ瀬渚は野球を愛する普通の女子中学生だった。小学生の頃はリトルリーグに所属していたが、女の子だというだけでレギュラーから外されたことから、もう野球をあきらめようと考えていた。だがある日、高校野球の規定が変わり、女子でも公式戦に参加できるようになったことを知る。美浜高校に入学後、渚は早速ピッチャーとして野球部に入部するが、野球部のメンバーは当初、女子である渚が野球をやることを快く思っていなかった。
渚はそれを知りつつもめげずに頑張り、次第に野球部の仲間に認められていく。
登場人物・キャラクター
一ノ瀬 渚 (いちのせ なぎさ)
野球が好きなロングヘアの少女で、美浜高校野球部のピッチャー。背番号は10番。年齢は15歳。140キロのストレートを投げるが、スタミナがなく3イニングしか投げることができない。5歳の時、父親から誕生日プレゼントとしてグローブをもらい、小学校3年の時にリトルリーグに入った。だが、6年生の時に女の子だからという理由でレギュラーを外されてしまい、野球をあきらめようと思っていた。 しかし、高校野球で正式に女子の参加が認められたことで、美浜高校へ入学した直後、野球部へ入部する。マネージャーではなくピッチャーを希望して入部したため、当初は野球部の男子部員にも、長くは続かないと思われていた。入部テストで投げた球が認められ、なんとか入部するも1年生にすぐボールを持たせてくれるはずもなく、女子にとってはきつい練習メニューを日々こなしていた。 それでもめげずに頑張り、少しずつ仲間に認められていく。
里村 仁 (さとむら じん)
美浜高校野球部の3年生。主将でポジションはサード。前年度は準々決勝前で敗退してしまい、今年こそはと闘志を燃やしている。一ノ瀬渚に対しては他の部員ほど悪い印象は持っておらず、女の子が野球をやってもかまわないと考えている。一方で、美浜高校野球部の練習ではいつか体を壊すことを心配し、早めにそれを理解させようと、渚が入部してからしばらくの間、新入部員たちにあえてきつい練習をさせていた。 しかし、渚の実力を認めてからは練習メニューを元に戻した。
福原 修一 (ふくはら しゅういち)
美浜高校野球部の3年生でポジションはピッチャー。あまりにもきつい練習に一ノ瀬渚の体力が限界に達していた時、渚を気遣って声をかけた。1年生の頃は福原修一も渚と同じく体力がなく、練習メニューを全然こなせなかった。自分もやめたいと思うことが何度もあったが、仲間が励ましてくれたのでここまで頑張ってこれたことを渚に伝える。 なお渚に声をかけたのは、渚の手を見て、一人で練習を重ねてきたことに気づいていたからだった。
岡崎 恵 (おかざき けい)
美浜高校野球部の2年生でポジションはキャッチャー。一ノ瀬渚が入部を希望した時は、ミーハー気分だと思い込み、足手まといになるだけだと渚の入部に反対した。どうせ1週間ももたずにやめていくだろうと思っていたが、入部テストで渚が投げた球を受け、その威力に驚く。
津坂 北斗 (つさか ほくと)
美浜高校野球部の2年生でポジションはショート。野球部の部員だが、長い黒髪を後ろで束ねている。一ノ瀬渚が入部テストで投げることになった際、渚にグローブとボールを渡した。その時、渚が投げた球の速さに驚く。
長嶺 竜太 (ながみね りゅうた)
美浜高校野球部の3年生でポジションはファースト。入部テストで一ノ瀬渚が投げた球の威力は認めたものの渚の入部には反対で、入部しても野球部から叩き出してやると息巻いていた。主将である里村仁が渚の実力を認め、渚にピッチング練習を始めてもらうと言った時も憤り、里村に殴りかかった。
前田 紫 (まえだ ゆかり)
美浜高校野球部の2年生でマネージャーを務める女性。長嶺竜太が里村仁に殴りかかった時、里村を庇って殴られ、その時に腹痛を起こした一ノ瀬渚を看病した。こんな時に生理痛になるなんてと落ち込む渚を優しく気遣い、同じ野球好きな女子として渚に夢を託し、応援する。