概要・あらすじ
他人と関わっても自分に失望するだけだと、人との繋がりを絶って生きてきた一ノ瀬鉄宇。そんな鉄宇は高校の入学式の日にかつての同級生、藤本宝と再会する。その再会で鉄宇は、宝が自分の夢を引き継ぐ形でバスケットボールに邁進していたことを知る。その奇妙な絆から、鉄宇は自分もまた宝の夢を継いでみようと決心するのだった。
登場人物・キャラクター
一ノ瀬 鉄宇 (いちのせ きみたか)
若葉台高校に通う1年生男子。小学校ではミニバスケットボール部に所属し、中学校ではバスケットボール部に所属していた。しかし身体的なハンデから周囲に追い抜かれ、嫉妬にかられてメンバーの一人に怪我を負わせてしまう。その事件がきっかけとなり不登校、果ては人間不信に陥る。そんな一ノ瀬鉄宇だったが高校の入学日、かつての同級生である藤本宝がバスケットボールをやっていることを知り、代わりに彼女の夢だったフラメンコに挑戦することを決意する。
藤本 宝 (ふじもと たから)
一ノ瀬鉄宇の中学時代の同級生。背が高く、足や手も大きい。幼い頃のあだ名は「カッパ」で、その容姿が原因でフラメンコ・ダンサーになる目標から挫折した。しかし鉄宇との出会いをきっかけに自分の身長や手の大きさを活かせる場所を知り、バスケットボール部を始める。いつか有名な選手になって鉄宇に会いにきてもらうのが夢。
森野 君枝 (もりの きみえ)
かつてフラメンコ・ダンサーをしていた老女。身体を痛めたことをきっかけにダンサーとしての活動を引退していたが、一ノ瀬鉄宇に懇願される形でフラメンコ教室を再開しようと決心する。しかし教室を再開する際に身体を痛めてしまい、指導は孫の森野皐に任せている。
市川 円 (いちかわ つぶら)
一ノ瀬鉄宇の同級生の男子。鉄宇と菊池英と共にフラメンコを習う。舞台ではギターを担当する。自分とは違って優秀な兄にコンプレックスを感じており、そのコンプレックスが市川円の行動を大きく左右していた。
菊池 英 (きくち はな)
一ノ瀬鉄宇の同級生の男子。鉄宇と市川円と共にフラメンコを習う。舞台では歌唱を担当する。小学生の頃に聖歌隊に所属していたが、とある事件を境に挫折。その一件がトラウマとなり、注目されることが苦手になってしまう。
一ノ瀬 銘椀 (いちのせ なまり)
一ノ瀬鉄宇の妹で中学1年生。鉄宇のことを慕っていて、彼のために無理をして怪我をするなど少々無謀な一面が見られる。兄に憧れる形でバスケットボールを始め、現在はバスケットボール部に所属している。藤本宝とは先輩と後輩の関係。