あらすじ
第1巻
日本のブラック企業で働いていたショウジ・アキナは、貯金が目標金額に達したことに歓喜していた。これで会社を辞めて独立開業できると思っていた矢先、急に意識が薄れ、気がつくと異世界に「勇者」として召喚されていた。ショウジは召喚したジーン王国の人たちから非常に期待されていたが、ショウジが所持するスキル「【栽培】」が戦闘にまったく役に立たないことがわかると、手のひらを返すように冷遇されてしまう。それでも国王ローオの機転で、食料生産のために王都の端にある畑が与えられる。ショウジは仕方なく野菜を作る日々を送っていたが、ある日、スキルを使えば食べ物以外でも一晩で栽培できることに気づく。そして、自分の店で自由気ままに商売をするという、日本で叶わなかった夢を異世界で実現しようと行動を開始する。
第2巻
メーネと専属護衛契約をしたショウジ・アキナは、メーネの借金を返済するためにゴルデッドの事務所を訪れる。ゴルデッドは、メーネが計算できないのをいいことに都合よく借金額を操作していたが、ショウジはそれを見越して多くのお金を用意したことで、無事にメーネの借金はなくなる。しかし、メーネを奴隷にしたいゴルデッドは、彼女を自分のものにするため、金で雇ったゴロツキたちにショウジが住む小屋を襲撃させる。だが、ショウジにはゴルデッドの考えは予測済みで、万全な準備を整えてゴロツキを撃退。翌日、ゴルデッドの事務所を訪れ、ゴルデッドのメンツが潰れるような挑発を繰り返す。挑発に乗ったゴルデッドはその夜、手下を引き連れてショウジ襲撃に向かうのだった。
関連作品
小説
本作『商人勇者は異世界を牛耳る! ~栽培スキルでなんでも増やしちゃいます~』は、十一屋翠の小説『商人勇者は異世界を牛耳る! ~栽培スキルでなんでも増やしちゃいます~』を原作としている。内容は漫画版と同様で、ショウジ・アキナがスキルを使ってさまざまなものを栽培し、できたものを行商で売りさばいていく姿を描いている。イラストは又市マタローが担当している。
登場人物・キャラクター
ショウジ・アキナ
「勇者」として異世界に召喚された男性。本名は「秋那昭二」だが、異世界では「ショウジ・アキナ」を名乗っている。土に植えればなんでも栽培でき、成長スピードが通常より遥かに速くなる生産系スキル「【栽培】」を所持している。最初は食料不足を補うために野菜などを作っていたが、土に植えれば武器や薬、衣類、お金なども一晩で栽培できることに気づく。召喚される前は独立して開業する夢を持っていたこともあり、栽培したものを売る行商人となることを決意する。まじめでお人好しな性格ながら、野蛮な連中の脅しや暴力に一歩も引かない度胸がある。また、召喚される前に勤めていた会社での経験により、交渉術に優れる。しかし戦闘に関しては不得手で、行商に行く時はメーネやカイル、キャバといった護衛を雇っている。
メーネ
冒険者ギルドに所属する少女。となり街へ行商に向かうショウジ・アキナの護衛依頼を受ける。常人より身体能力が遥かに高くなるスキル「【超人】」を所持しているため、戦闘のたびに武器を壊している。そのため「武器殺し」という不名誉な二つ名が付いている。武器がないと戦えないため、借金して武器の購入を繰り返した結果、とてつもない借金を抱えることになり、高利貸しのゴルデッドから奴隷になるように迫られている。ショウジに借金を肩代わりしてもらい、さらに壊れても武器を提供してくれるという申し出を受け、ショウジと専属護衛の契約を結ぶ。これまでは借金や武器が壊れることを気にしてオドオドしていたが、悩みがすべて解決したことで本来の明るい性格となり、戦闘でも別人のような躍動感あふれる戦いぶりを見せる。
カイル
槍使いの男性。冒険者ギルドに所属する。となり街へ行商に向かうショウジ・アキナの護衛依頼を受ける。実力は一級品で、襲ってきた盗賊をメーネ、キャバと共に一蹴する。メーネの「武器殺し」という二つ名を知らないショウジに、二つ名の由来を説明した。
キャバ
弓使いの男性。冒険者ギルドに所属する。となり街へ行商に向かうショウジ・アキナの護衛依頼を受ける。実力は一級品で、複数の盗賊を同時に射抜く高い技術を持つ。襲ってきた盗賊をメーネ、カイルと共に一蹴する。
モード
王都の工房街で、鍛冶屋を営むドワーフ族の男性。職人気質の頑固者だが腕は非常にいい。壊れた剣の修理と別の武器への作り直しを依頼してきたショウジ・アキナが、自分のことを信頼して敬意を示してくれたことで、彼のことを気に入る。
ゴルデッド
王都で金貸し業を営む男性。相手の弱みにつけ込んで金を貸し、暴利で借金まみれにして返せなくなったところで債務者を奴隷にする極悪人。汚れ仕事をさせるための奴隷を買ってくれる貴族の後ろ盾を得ており、違法なことも咎められずにいる。個人的に気に入っているメーネを自分の奴隷にするために、借金額を捏造したり、メーネの借金を肩代わりしたショウジ・アキナを殺害しようとしたりと、ゴロツキを金で雇ってさまざまなことを画策している。
クレジット
- 原作
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十一屋 翠(MFブックス刊)
- キャラクター原案
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又市 マタロー