概要・あらすじ
雷鳴の轟く悪天候のなか、広島に向かって飛ぶ小型旅客機があった。乗員は操縦士を含めてわずか五名。運悪く落雷を受けた小型旅客機は時空を越えた空間に迷い込む。その空間の向こうから現れてあわや衝突しそうになった飛行機は、なんと第二次大戦での爆撃機B‐29だった。しかもただの爆撃機ではなく、広島に原爆を落としたエノラ・ゲイ号と共に行動して行方不明になった原爆搭載機サンダー・ボルト号だというのだ。
登場人物・キャラクター
若い女性客 (わかいじょせいきゃく)
広島で原爆に被災した母親が原爆症で亡くなり、自分にも原爆症が遺伝していないかを調べるために広島に向かう途中だった。不可思議な事態を非常に冷静に判断していく。
牧師 (ぼくし)
アメリカ人の牧師だが、元は広島に原爆を落としたエノラ・ゲイ号の乗組員だった。終戦後、その罪の重さに日本に来て牧師になったという男性。
操縦士 (そうじゅうし)
小型旅客機の操縦士。雷の轟くなかを四人の客がいるために仕方なく広島へ飛び立った。落雷に遭って必死で操縦をするが、異次元に入り込んでまったく操縦桿が効かない状態に陥る。見かけは楽観的な性格でおっとりしている。
その他キーワード
サンダーボルト号 (さんだーぼるとごう)
『四次元の爆撃機』に登場する原爆搭載機B-29。広島に原爆を落としたエノラ・ゲイ号、長崎のボックス・カー号に次いで、東京に原爆を落とす予定の爆撃機だったが、広島での原爆投下の影響で、消息を絶ってしまったという。