四角いジャングル

四角いジャングル

空手家赤星潮が、マーシャルアーツの天才ベニー・ユキーデ打倒に燃えるストーリーで始まるが、中盤からは、黒崎健時の新格闘術やアントニオ猪木の異種格闘技戦、極真空手の世界大会など、現実の格闘技界のエピソードを描くセミドキュメンタリーの様相を濃くする。また、漫画の登場人物・赤星潮を実際にリングデビューさせるなど、リアルとフィクションが交錯した世界を展開した。原作・梶原一騎、作画・中城健。

正式名称
四角いジャングル
原作
作画
ジャンル
自伝・伝記
レーベル
講談社漫画文庫(講談社) / 梶原一騎原作漫画傑作選(松文館)
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概要・あらすじ

1976年のアメリカ。空手家・赤星潮は、東心会空手ラスベガス部長として渡米したまま行方不明になった兄・赤星壮介を探してラスベガスにやってきた。兄の道場は廃墟になっており、地元の人間の話では、マーシャル・アーツの道場破りに敗れ廃れたのだという。その夜、マーシャル・アーツの試合を観に行ったは、リングに上がる兄・壮介の姿を見る。

マーシャル・アーツの天才チャンピオン、ベニー・ユキーデに惨敗する兄を見て、は打倒マーシャル・アーツを誓う。

登場人物・キャラクター

赤星 潮 (あかぼし うしお)

東心会空手三段の空手家。行方不明の兄・壮介がラスベガスでベニー・ユキーデに惨敗する姿を見て、打倒ユキーデを誓う。空手だけではユキーデを倒せないと悟った潮は、メキシコでレッド・スターというマスクマンになる一方、本名でプロボクシングのリングに上がる。ベニー・ユキーデの視察に来ていた大山倍達に格闘技の鬼・黒崎健時の逸話を聞かされ、日本帰国後、黒崎道場の門下生となる。 架空の人物だが、赤星潮のリングネームをつけた実在の空手家がキックボクシングの試合に出場するなどした。

赤星 壮介 (あかぼし そうすけ)

東心会空手五段。ラスベガス支部長として渡米し道場を開くも、マーシャル・アーツの道場破りに遭い、閉鎖。ロッキー山脈で半年間山籠もり修行を行った後、マーシャル・アーツのスーパースター・ベニー・ユキーデに挑戦。結果、惨敗を喫する。以降、打倒ユキーデを誓った弟の潮のサポート役に回る。

ベニー・ユキーデ

マーシャル・アーツ世界ライト級チャンピオン。メキシコ出身。「怪鳥」や「ザ・ジェット」などの異名を持つスーパースターで、空手四段、ボクシングも世界チャンピオン級という天才格闘家。たびたび来日し、日本のキックボクシング界に旋風を巻き起こす。打倒ユキーデに立ちあがった黒崎健時一派と火花を散らすが、のちにお互いを尊敬し同志となる。 実在の同名格闘家がモデル。

アーノルド・ユキーデ

ベニー・ユキーデの兄でトレーナーを務める。元全米プロ空手ライト・ヘビー級チャンピオン。華やかな場所で喋るのが苦手なベニーに代わってインタビューに答えることが多い。実在の同名格闘家がモデル。

ザ・モンスターマン

『四角いジャングル』に登場する黒人格闘家。マーシャル・アーツ世界スーパー・ヘビー級チャンピオン。マーシャル・アーツの刺客として日本に送り込まれた。昭和52年8月2日、日本武道館でアントニオ猪木と異種格闘技戦を戦い、死闘の末、脳天逆落としで敗れる。翌年4月4日、ペンシルバニア州フィラデルフィアで坂口征二を下し、7月7日福岡スポーツセンターにて猪木と再戦するもTKO負けを喫する。 実在の同名格闘家がモデル。

ミル・マスカラス

メキシコのプロレスラーで、「千の顔を持つ男」の異名を持つスーパースター。赤星潮とバトルロイヤル形式で戦い、必殺技フライング・クロス・チョップで潮をKOする。その後、潮と時間無制限デス・マッチを戦い、両者リングアウトで引き分ける。実在の同名プロレスラーがモデル。

大山 倍達 (おおやま ますたつ)

極真空手総帥。「ゴッド・ハンド」の異名を持つ超人。元極真会館師範代の黒崎健時のためにメキシコまでベニー・ユキーデを視察に来る。その際、赤星潮に黒崎の壮絶な逸話を語り、黒崎門下に入ることを潮に決意させる。アントニオ猪木に挑戦を表明したウィリー・ウィリアムスに破門を仄めかすが、対猪木のプロ空手陣の不甲斐なさに考えを変える。 空手の権威を守るために猪木への挑戦を許す。実在の同名空手家がモデル。

黒崎 健時 (くろさき たけとき)

キックボクシング・目白ジム会長。元極真会館師範代で、ケンカ十段・芦原英幸や極真の猛虎・添野義二などの猛者をシゴキぬいて育てあげた「格闘技の鬼」。キック界に転向後は、日本キックの二大エース、藤原敏男・島三雄を育てる。極真時代、膝を脱臼してわめく道場生に、男なら泣き言を言うなと火のついた線香の束を自らの脇や腕に押し付けた、などの壮絶なエピソードを数多く持つ。 「精神棒」と呼ばれる木刀を持ち歩き、練習生をしごく。「うつけもん」が口癖。鈴木勝幸と岡尾国光の愛弟子2人が連続でベニー・ユキーデに敗れたことで一念発起、全日本キックボクシング協会を脱退し新格闘術・黒崎道場を立ち上げる。 実在の同名格闘家がモデル。

島 三雄 (しま みつお)

キックボクサー。黒崎道場の二大エースの一人。タイでのムエタイ王座初防衛戦で、藤原敏男があからさまなホームタウンデシジョンを受けたことに抗議し、相手のパンチが当たってもいないのに倒れ、マットに寝ころぶという痛烈な皮肉を演じる。実在の同名格闘家がモデル。

藤原 敏男 (ふじわら としお)

キックボクサー。黒崎道場の二大エースの一人で日本キック史上最強の男といわれる。昭和53年3月18日、後楽園ホールでムエタイ・ライト級チャンピオン、モンサワン・ルークチェンマイを破り、日本人初のムエタイチャンピオンとなる。ベニー・ユキーデとお互いを認め合い、対戦を誓う。 実在の同名格闘家がモデル。

鈴木 勝幸 (すずき かつゆき)

全日本キックボクシング・ライト級一位。前蹴りの達人。キック界最強の男・藤原敏男と戦い、判定まで持ち込んだ強豪。昭和52年8月2日、日本武道館でベニー・ユキーデと対戦。一方的に攻め込まれ惨敗を喫す。この敗戦で黒崎健時は打倒ユキーデ特訓合宿を行う。実在の同名格闘家がモデル。

岡尾 国光 (おかお くにみつ)

キックボクサー。黒崎門下四天王の一人。昭和52年11月14日、日本武道館で再来日したベニー・ユキーデとマーシャル・アーツ世界ライト級王座をかけて対戦。第1ラウンド、アッパーカットでダウンを奪うも、勝ちを急いだ隙をつかれKO負けをくらう。実在の同名格闘家がモデル。

大山 茂 (おおやま しげる)

極真会館世界最高師範、ニューヨク支部長。門下生の「熊殺し」ウィリー・ウィリアムスのアントニオ猪木挑戦を支持する。極真会館館長・大山倍達の制止も聞かず、もしウィリーが猪木に負ければ自分がリング上で切腹するという。実在の同名格闘家がモデル。

ウィリー・ウィリアムス

極真会館ニューヨク支部所属の黒人空手家。熊を素手で倒したため、熊殺しの異名を持つ。身長は2m近く。ベンチプレスで200kgを挙げ、空手技でクルマを完全解体してしまう怪物。極真空手を差し置いて世界最強を名乗るアントニオ猪木に挑戦状を叩きつける。昭和55年2月27日、東京・蔵前国技館でアントニオ猪木と異種格闘技戦を敢行、死闘を演じる。 実在の同名格闘家がモデル。

梶原 一騎 (かじわら いっき)

『四角いジャングル』の登場人物で作者自身。作家であるとともに極真会理事でもあった。大山倍達やアントニオ猪木と親交があり、格闘技界にも影響を持つ。のちに新格闘術会長に就任。

藤 猛 (ふじ たけし)

ハワイ生まれの日系アメリカ人。ハンマー・パンチでボクシング界を席巻した、元ジュニア・ウェルター級チャンピオン。ベニー・ユキーデの試合を見て、打倒ユキーデを夢見て、現役復帰を決意した。ハワイに立ち寄った黒崎健時と出会い、門下生となる。実在の同名格闘家がモデル。

アントニオ猪木 (あんとにおいのき)

新日本プロレスのエースで社長。プロレスこそ最強の格闘技であると信じ、それを証明するため、異種格闘技戦を闘い続ける。マーシャル・アーツのザ・モンスターマンやザ・ランバージャック、ミスターXをことごとく退ける。極真会館ニューヨーク支部の「熊殺し」ウィリー・ウィリアムスの挑戦を受け、昭和55年2月27日、東京・蔵前国技館で死闘を演じる。 実在の同名プロレスラーがモデル。

ザ・ランバージャック

マーシャル・アーツ・世界ヘビー級チャンピオン。打倒猪木2人目の刺客。昭和53年4月4日、ペンシルバニア州フィラデルフィアでアントニオ猪木と対戦。KO負けを喫する。また、同年7月7日福岡スポーツセンターにて坂口征二と戦い柔道技にギブアップする。実在の同名格闘家がモデル。

ミスターX (みすたーえっくす)

アントニオ猪木への挑戦権を得るために、猪木戦がほぼ決まっていたウィリー・ウィリアムスを執拗に付け狙う。ニューオリンズのスーパードームの駐車場で、Xの行動を快く思わないベニーとアーノルドのユキーデ兄弟に呼び止められて対決。アーノルドのあばらを折るなど数々の事件を起こす。 その正体はあまりの凶暴さゆえに全米プロ空手界を追放された黒人。46戦20KO26敗の戦績中、負け試合はすべて反則負けで、相手を病院送りや再起不能にしているという残酷魔。打倒猪木のためにプロ空手協会が覆面を被せて復帰させたという。猪木VSウィリーの前哨戦として、昭和54年2月6日大阪府立体育館で猪木と闘うが、前評判とはかけ離れたデクの坊で、ニセモノ説まで流れる。 実在の同名格闘家がモデル。

林 白竜 (りん ぱいろん)

黒崎健時が主催したケンカ・オリンピックの予選に現れたカンフーの使い手。真のカンフーの実力を示すためにやってきたという。親指一本で腕立て伏せ50回を軽々こなす。またミット打ちでおも凄まじいスピードとパワーを見せた。

レフトフック・デイトン

全米プロ空手がアントニオ猪木に差し向けた刺客。全米カンフーチャンピオンで、ボディビルダーとしてミスター・アメリカにも選ばれている。両手にはめられた手錠をちぎり、25セント硬貨を親指と人差し指で曲げる怪力。昭和54年4月3日福岡スポーツセンターで猪木と異種格闘技戦を闘う。 怪力やタフさで猪木を苦しめるも、頭突き攻撃などのケンカ殺法に6RKO負けを喫した。実在の同名格闘家がモデル。

キム・クロケ-ド

1970年の全空手トーナメントチャンピオンで現職警察官でもある。また、プロレスラー、カラテ・デビル・キムとしての実績もあり。タイガー・ジェット・シンを通じてアントニオ猪木に挑戦する。1979年12月、異種格闘技戦を猪木と闘い、3RKO負けを喫する。実在の同名格闘家がモデル。

中村 誠 (なかむら まこと)

極真空手二段。体重95kgの巨漢。昭和54年の日本チャンピオン。同年11月に開催される第2回カラテ・オリンピック世界大会に向け、極真会館6年ぶりとなる100人組手に挑戦する。実在の同名格闘家がモデル。

ケニー・ウーデンボガード

身長2m8cmの超巨人。南アフリカ共和国代表として第2回カラテ・オリンピック世界大会に乗り込んでくる。「人間風車」の異名を持ち、豪快な足技が得意。優勝候補の一人と目されていたが、南アフリカ共和国の人種差別政策に対する制裁で日本の外務省から出場禁止命令が届き、涙をのんで辞退する。 実在の同名格闘家がモデル。

その他キーワード

マーシャル・アーツ

『四角いジャングル』に登場する格闘技。一般的には「武術」を指すが、この作品内ではベニー・ユキーデなどが行う新格闘技のことで、ボクシングや空手、軍隊格闘術などを総合した格闘技。全米プロ空手とも呼称されている。日本格闘技界征服を目論み、ベニー・ユキーデやザ・モンスターマンなどを日本に送り込む。

100人組手 (ひゃくにんくみて)

『四角いジャングル』の用語。極真会館名物でその名の通り、休みなく100人と組手を行う地獄の試練。達成者は昭和54年の時点でわずか7名。S・アーニール、中村忠、大山茂、L・ホランダー、J・ジャービス、H・コリンズ、三浦美幸のみ。

書誌情報

四角いジャングル 全5巻 講談社〈講談社漫画文庫〉 完結

第1巻

(1997年1月発行、 978-4062603003)

第2巻

(1997年1月発行、 978-4062603010)

第3巻

(1997年1月発行、 978-4062603027)

第4巻

(1997年3月発行、 978-4062603034)

第5巻

(1997年3月発行、 978-4062603041)

四角いジャングル 全6巻 松文館〈梶原一騎原作漫画傑作選〉 完結

第1巻

(2002年8月発行、 978-4944154913)

第2巻

(2002年10月発行、 978-4944154920)

第3巻

(2002年12月発行、 978-4944154937)

第4巻

(2003年1月発行、 978-4944154944)

第5巻

(2003年3月発行、 978-4944154951)

第6巻

(2003年6月発行、 978-4944154968)

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