概要・あらすじ
サハラ砂漠の難所・塩湖シェルドの地下で眠っていた先史文明アトランティスに財宝目当ての探検者が入り込み、守護神だった巨大ロボット「サンダー大王」の操縦機をそれとは知らず手に入れて起動させてしまう。探検者は、自分の欲望のためにサンダー大王を動かし、近隣の町を破壊する。アトランティスただ一人の生き残りであった少年シンゴは、サンダー大王が悪事に使われるのを止めるためアトランティスを出て、ある国の軍隊に保護される。
軍の基地司令官だったステンガー大佐は、催眠術でシンゴの目的と出自を知り、サンダー大王の奪還を彼に約束する。直後に、大佐たちはやりたい放題をしていた探検者を捕らえるが、操縦機はすでにある日本人の手に渡っており、サンダー大王はそのあとを追って日本に向かってしまっていた。
上司のジュピック将軍からシンゴの信頼を得てサンダー大王を入手せよという命令を受けたステンガー大佐は、シンゴとともに日本へ飛び、操縦機を取り返すことに成功する。しかし、これ以降様々な国家や犯罪組織が、サンダー大王を手に入れようとあらゆる手段で襲ってくることになり、シンゴとステンガー大佐とサンダー大王は世界中を逃亡することになる。
シンゴをだまし続けることに良心の呵責を覚えたステンガー大佐は、自分の任務をすべてシンゴに打ち明けるのだが、それに応えてシンゴはサンダー大王に隠された恐ろしい秘密を明らかにするのだった。
登場人物・キャラクター
シンゴ
過去に高度な文明を誇った先史文明アトランティスただ一人の生き残りとなった少年。十代前半の容姿をしている。アトランティスの守護神だった巨大ロボット「サンダー大王」が、悪いことに使われるのを止めようと地上に現れる。サンダー大王の性能や、内部に隠された恐ろしい秘密までを知り尽くしている。 登場当初は未来的なジャンプスーツのような服を着ていたが、途中から半ズボンにネクタイとジャケットというスタイルになる。
ステンガー大佐 (すてんがーたいさ)
サハラ砂漠に隣接する国の、第八空軍基地の司令官の中年男性。階級は大佐。短髪で薄い八の字髭、三白眼という顔つき。中年であるが、運動能力は高い。砂漠を歩いていたシンゴを保護し、催眠術でサンダー大王との関係と出自を聞き出す。上司のジュピック将軍からシンゴの信頼を得てサンダー大王を入手せよという命令を受け、シンゴとともに日本へ向かい操縦機を取り返すことに成功する。 しかし、以後はサンダー大王を狙う世界各国のエージェントや国際犯罪組織から追われることになる。シンゴをだまし続けることに良心の呵責を覚えて自分の任務を告げるが、シンゴからサンダー大王に隠された秘密を聞かされ震撼し、この巨大ロボットを誰にも渡してはならないと決意する。 シンゴは彼のことを「おじさん」と呼ぶ。
探検隊三人組 (たんけんたいさんにんぐみ)
サハラ砂漠の難所である塩湖シェルドの地下に隠されていたアトランティスを発見した、財宝目当ての三人の男。ジュリーと東郷とあと一人の名前は不明。逃げようとした、現地で雇った作業員を平気で撃ち殺す悪人である。それと知らずサンダー大王の操縦機を手にして、起動させてしまう。東郷と名無しは死んでしまうが、ジュリーはサンダー大王のおかげで生き延び、欲望のままやりたい放題にロボットを動かす。 彼はステンガー大佐が指揮する兵隊に捕まるが、そのとき操縦機は手放した後だった。
ジュピック将軍 (じゅぴっくしょうぐん)
サハラ砂漠に隣接する国の軍の将軍。ステンガー大佐の上司。長身で、サングラスをかけてカイゼル髭とアゴ髭を生やしている。常に短いムチを手にしており、高圧的。ステンガー大佐に「シンゴの信頼を得てサンダー大王を入手せよ」という命令を出す。ステンガー大佐からサンダー大王に隠された恐ろしい秘密を聞いて震撼する。
チンタオ博士 (ちんたおはかせ)
兵器用のロボット研究を行う中年の科学者。頭は剥げているがモミアゲは長く、長いドジョウ髭を生やしている。某国の資金で「ドラゴン」という真黒い龍の形をした、飛行能力を持つ巨大ロボットを作った。スポンサーから、ドラゴンがサンダー大王に勝てなければ、資金援助は打ち切ると言われ、東京湾上にドラゴンを飛ばして挑発を行い、サンダー大王と戦わせる。 結果は思わしくなく、リターンマッチとして日本に乗り込み、「精鋭部隊」というロボット群でふたたびサンダー大王を襲うが、失敗して責任を取らされる。
ピラポレス
U連邦のエージェントで、モノクルをかけ口髭を蓄えた紳士のような出で立ちの中年男性。U連邦の国威発揚のため、サンダー大王を手に入れようとしてステンガー大佐を誘拐するが、シンゴとサンダー大王のために作戦は失敗する。二度目の挑戦を「船の墓場」で行うが、肉食海草のために絶命する。
サンダー大王 (さんだーだいおう)
『サンダー大王』に登場する巨大ロボット。先史文明アトランティスが、守護神として作り上げた巨大戦闘ロボット。古代ギリシャの兵士のような格好をしている。マントを翻して空を飛び、力は強力無比。黄金のカブトムシが操縦機になっており、これの持ち主が言語で命令すればそれに従う。命令がなくても、内蔵するコンピュータが、自律的に敵の弱点などを探しだして攻撃する。 目からはレーザーより強力な光線を発し、剣は刃が数万度に達して戦車などをバターのように切り裂く。ボディや鎧からも高熱は放射され、さらに鎧が破片になってもそれは灼熱と化して敵を溶かす。
ドラゴン
『サンダー大王』に登場する巨大ロボット。某大国の資金で、チンタオ博士によって兵器として造られ、世界最強の秘密兵器を目指していた。真黒い龍のような形をし、飛行能力を持ち、巨大な翼がある。口から炎を吐き、角からはレーザー光線を発し、大型爆撃機50機分の爆弾を積むことができる。外装は特殊鋼鉄で覆われ、高熱剣でも傷つかない。 世界最強を証明するためにサンダー大王に挑むが、内側が熱に弱かったのをサンダー大王のコンピュータに見抜かれて敗れる。『バビル2世』に登場する「V号」の原型ではないかと思われる。
クランケ
『サンダー大王』に登場するロボット。U連邦のエージェントのピラポレスが、林の中に仕掛けた対人用の捕獲兵器。金属製の触手の先に吸引器がついており、逃げる人間を捕獲する。シンゴとステンガー大佐を捕まえようとしたが、対人用なので、サンダー大王にあっさり破壊される。
精鋭部隊 (せいえいぶたい)
『サンダー大王』に登場するロボット。某大国の資金で、チンタオ博士がドラゴンの次に作ったロボット群。3メートルくらいの人型ロボットだが何十体もの集団になっている。飛行可能。群がってサンダー大王にへばりつき、そのまま某大国まで運ぼうとする。しかし、サンダー大王のボディからの超高温発熱で、みんな溶けてしまう。
ブラックホーク
『サンダー大王』に登場する巨大ロボット。世界的犯罪組織スパイダーが、サンダー大王捕獲のために送り出した、顔以外は真黒な人型巨大ロボット。頭部に三本、針のようなアンテナが出ており、ここから電撃と妨害電波を出す。シンゴの命令を遮断して無力化を狙ったが、サンダー大王のコンピュータに弱点を見抜かれて敗れる。
メドゥサ
『サンダー大王』に登場する巨大ロボット。世界的犯罪組織スパイダーが、サンダー大王捕獲のために送り出した、ギリシャ神話に登場する「メドゥサ」のように頭に蛇のような触手を何本も生やした巨大ロボット。サンダー大王が攻撃を仕掛けても、身体を分裂させて回避したり移動したりして無効化した。しかし、サンダー大王のコンピュータに弱点を見抜かれ、重要な部品にサンダー大王の高熱を発する鎧の破片をくっつけられ、内部から溶解して停止した。
シードラゴン
『サンダー大王』に登場する巨大ロボット。世界的犯罪組織スパイダーが、サンダー大王捕獲のために送り出した、海中戦闘専用の巨大な球体を幾何学的に組み合わせた形の巨大ロボット。潜水艦で移動中のシンゴとステンガー大佐を襲う。海中で高速で回転して、強い水流を作って相手を巻き込むという攻撃を行う。が、サンダー大王のコンピュータに、回転軸を攻撃されると弱いという点を見抜かれて敗れる。
集団・組織
スパイダー
『サンダー大王』に登場する架空の組織。世界的な犯罪組織で、麻薬流通・密輸・殺人などを行う世界の犯罪集団の首領たちが、保身のため手を組んだ結果生まれたもの。警察幹部や政治家も抱き込み、企業を乗っ取り世界を意のままに操ろうとしている。サンダー大王を狙って、「ブラックホーク」「メドゥサ」「シードラゴン」という三体の巨大ロボットで襲ってくる。 無線でシンゴたちに話しかけるが、スパイダーのメンバーはいっさい姿を見せない。