概要・あらすじ
神納教授は、強姦魔・蜷川源平が妻・神納とき江を襲って出来た子供である神納達也ととき江に対し日常的に虐待をくりかえしていた。とき江は自殺し、残された達也は高校生になると授業で教わったホロコーストに心を奪われる。その後、神納教授を事故に見せかけ殺害して莫大な遺産と自由を得て、女性の命を弄ぶ犯罪行為に手を染めていく。
登場人物・キャラクター
神納 達也 (じんのう たつや)
アウシュビッツ捕虜収容所で行われたユダヤ人虐殺に心を奪われてしまった男性。蜷川源平が神納とき江を襲った際に出来た子供で、そのことが原因で戸籍上の父である神納教授に虐待を受けていた。父を殺して莫大な資産と自由な生活を手に入れた後、ホロコーストになぞらえて次々と強姦や殺人を繰り返していく。
神納教授 (じんのうきょうじゅ)
神納達也の父親で、莫大な財産を持つ大学教授の男性。妻・神納とき江が産んだ子が、強姦魔・蜷川源平の子と知ってしまう。そのことでとき江のことを憎み、とき江の前で中里佐恵子と不倫を繰り返したり、とき江と達也を責め虐待するが、成長した達也に殺害されてしまう。
神納 とき江 (じんのう ときえ)
蜷川源平によって夫・神納教授の目の前で襲われ、神納達也を身ごもる。神納教授の不倫や虐待を理由に、息子である神納達也を残して自殺する。
蜷川 源平 (にながわ げんぺい)
性犯罪を繰り返し実刑を受け収監されるが、脱獄し逃げ回っている男性。脱獄後、教授である神納宅に侵入した際、神納とき江を襲い、神納達也となる子を孕ませる。その後もスラム街に住み着いて警察の目から逃れながら性犯罪を続けている。
中里 佐恵子 (なかざと さえこ)
銀座のクラブ「ボンソワール」のママで、神納教授によって何度か自宅に連れ込まれている。中里佐恵子と神納教授の不倫は神納とき江の自殺の原因の一つであり、とき江の死後は神納教授と婚約している。その後神納教授の妻となる前に彼は死んでしまい、彼の莫大な遺産を相続しないまま神納達也によって強姦され、殺される。
加納教授
神納教授の旧来の親友であり、神納教授の死後は神納達也の後見人として友人や父親の様に彼の相談に乗ったり、彼が苦境に立たされた時にも彼をサポートしている。しかし神納達也の残忍な本性には気づいていない。
加納 由美子 (かのう ゆみこ)
加納教授の娘で、残忍で女性に無差別に暴行を繰り返してきた神納達也が唯一純粋な恋心を抱く女性。彼女自身も神納達也に惹かれていたが、彼から時折あふれ出る底の知れぬ恐怖を感じ取り、徐々に疎遠になる。それと同時に早乙女秀樹との逢瀬を繰り返すようになる。
早乙女 秀樹 (さおとめ ひでき)
早乙女流の華道を教えている早乙女明日香の弟であり、神納達也が唯一純粋な感情を向ける加納由美子の憧れの人。神納達也から強い嫉妬心を買っている。加納由美子は彼の大人の男性としての魅力に惹かれていたが、会うたびに肉体関係を求められ、幻滅してしまう。
早乙女 明日香 (さおとめ あすか)
早乙女流の華道を教えている家元の女性で、華道の展覧会には皇族が来るなど社会的評価は高い。しかし裏では顧問弁護士の剣持勝夫と共に脱税をしていると疑われており、剣持勝夫と肉体関係も持っている。
剣持 勝夫 (けんもち かつお)
華道の早乙女流の顧問弁護士で、家元の早乙女明日香と肉体関係を持っている。女癖が悪く、早乙女流の門下生に何度も手を付けている。同じように田代千春も襲うが、保護者の祝田に知られてしまい、強姦の告訴を取りやめてもらう代わりに神納達也の遺産を狙う祝田に取引を持ち掛ける。
矢崎 健治 (やざき けんじ)
カメラマンをやっていて早乙女流にまつわる脱税や腐敗の噂の真相を突き止めようと躍起になっている。正義感あふれるジャーナリストだったが神納達也によって利用されて行動を共にし、強姦や殺人まで共に行った。
祝田 (いわた)
神納達也の叔母にあたる人物で、彼が父親から受け継いだ莫大な遺産を狙っている。当初は彼に夫の妾の娘である田代千春と結婚させることによって財産の管理権を得ようとしたが、剣持勝夫から交渉を持ち掛けられてからは一転、神納達也を精神病院に送り込み、彼のロボトミー手術も許可するなど強硬手段をとるようになる。
田代 千春 (たしろ ちはる)
神納達也の受け継いだ莫大な遺産を得るために祝田が神納達也の結婚相手として用意した女性。祝田の夫の妾の娘であり、神納達也と結婚することで財産の管理権が祝田の家に移るが、田代千春本人はその計画について知らなかった。神納達也の母である神納美雪と似た雰囲気の大和撫子で、神納達也が強姦あるいは殺害しなかった数少ない女性の内の一人。
福原 (ふくはら)
神納達也の送り込まれた精神科病院の院長で、精神病患者としての素行が良くない神納達也に対し何度も電気ショックを脳に食らわせたり薬物を投薬するなどの虐待を食えわえている。医者として診療に向かう姿勢はあまりにもずさんで神納達也や田代千春の診断も含めて誤診が多い。