作品の概要
基本情報
Feの代表作で、初の商業連載作品。
要旨と舞台設定
現代の裏社会を舞台に、賞金稼ぎのシャトー・ダンクワースと殺し屋のソン・リャンハの関係を軸とした物語が展開される。マフィア組織間の対立が激化する世界において、制裁対象に懸賞金がかけられることで「賞金稼ぎ」という職業が成立している設定となっている。国際的な犯罪組織のネットワークが形成され、武器取引や情報戦が日常的に行われる環境が描かれている。
ストーリー展開
物語は、シャトーとリャンハの出会いから始まり、互いの過去と現在が複雑に絡み合いながら進行する。三檮會とA・A会という対立する組織の抗争に両者が巻き込まれ、リャンハの拘束事件を契機に物語は大きく動き出す。シャトー率いるリッツランサポート商会による救出作戦が展開され、組織間の駆け引きと個人的な因縁が交錯する構造となっている。
ジャンル的特徴と位置づけ
本作は、心理描写と緊迫感あふれるアクションシーンが特徴のサスペンスアクション。キャラクター同士の複雑な関係性と組織間の政治的駆け引きが作品の中核を成し、暴力的な世界における人間関係の描写に重点が置かれている。職業的な殺し屋と賞金稼ぎという設定の対比が特徴的な要素となっている。
作品固有の表現技法と特徴
作中では非線形的な時間軸の進行が採用され、回想と現在を交互に配置する演出手法によって、キャラクターの過去が断片的に明かされていく。暴力描写とロマンティックな要素の対比により、独特の緊張感が生み出されている。
世界観の構築と設定
世界設定として国際犯罪組織の階級制度、武器取引のネットワーク、賞金稼ぎシステムが構築されている。裏社会における独自のルールと秩序が存在し、これらは組織間の抗争や個人の行動原理として物語に組み込まれている。また、各キャラクターの過去の因縁が現在の対立構造を形成する歴史的背景として設定されている。
連載状況
KADOKAWA「月刊コミックジーン」2015年11月号から2023年2月号まで連載。
メディアミックス情報
テレビアニメ
第1期:2022年1月から3月まで放送。
ドラマCD
KADOKAWA「月刊コミックジーン」2018年3月号に付属。
登場人物・キャラクター
シャトー・ダンクワース
セキュリティ会社「リッツランサポート商会」に所属する賞金稼ぎの女性。金髪碧眼で、冷徹で淡々とした性格をしている。誕生日は2月20日で、血液型はAB型。身長は160センチ前後で、体重は50キロ前後。幼い頃、事件に巻き込まれて保護された際に「シャトー・ノーブル」と名乗ったが、その名はデータベースに該当しないなど、出生には謎が多い。これまでは寡黙に仕事をこなしていたが、ソン・リャンハと遭遇して以降は、彼にペースを乱されがち。
ソン・リャンハ
所属も正体も不明の殺し屋の青年。黒髪とツリ目が特徴。年齢は20代半ばで、戸籍上の誕生日は12月12日、血液型はA型。身長は180センチで、体重は70キロ。香港マフィアに通訳として入り込み、幹部を含めて18名を殺害。その後もいくつもの組織と対立を繰り返し、その首には莫大な懸賞金が懸けられている。すご腕の暗殺者で、ソン・リャンハ自身の首を狙ったシャトー・ダンクワースも、あっさり返り討ちにした。しかし、返り討ちにしたシャトーを突如気に入り、連絡先を聞いて解放するなど、人を食ったような言動が目立つ。
書誌情報
殺し愛 13巻 KADOKAWA〈MFコミックス ジーンシリーズ〉
第1巻
(2016-03-26発行、978-4040682389)
第2巻
(2016-10-27発行、978-4040685700)
第3巻
(2017-04-27発行、978-4040691596)
第4巻
(2017-10-27発行、978-4040694788)
第5巻
(2018-04-27発行、978-4040698311)
第6巻
(2018-10-25発行、978-4040651927)
第7巻
(2019-04-27発行、978-4040656526)
第8巻
(2019-10-26発行、978-4040640853)
第9巻
(2020-06-27発行、978-4040645612)
第10巻
(2020-12-25発行、978-4046800442)
第11巻
(2021-07-27発行、978-4046805546)
第12巻
(2022-03-26発行、978-4046812360)
第13巻
(2023-01-26発行、978-4046820716)







