概要・あらすじ
舞竹京菜は彼氏の本占路えのきに尽くし過ぎて飽きられてきていた。京菜の親友の明日葉ゆずは逆に彼氏の名須とはまだ手も繋いだことのない「友達関係」から脱していない。そんな彼らが夏休みに海辺のリゾートホテルへ招待された。ここで関係を修復したい京菜、そして関係を進めたいゆず。ところが彼女たちの思惑通りにはいかず、4人はどんどんすれ違っていく。
そんな時、ホテルのオーナーの浅月のヨットでクルージングに出かけた京菜とゆずが遭難してしまう。この遭難をきっかけに4人は、本当に大切にすべきものが何だったのかということに気づいていく。
登場人物・キャラクター
舞竹 京菜 (まいたけ きょうな)
美人で色っぽく、彼氏には尽くすタイプの女子高生。現在は一人暮らしの本占路えのきの通い妻状態。本占路いわく、昼は貞淑な女子高生、食事時は女房、夜は娼婦の完璧な恋人だが、完璧すぎて本占路に飽きられてしまい、現在は倦怠期。本占路の前に12人の男性経験があり、ホテルオーナーの浅月とも4年前に関係があった。
本占路 えのき (ほんしめじ えのき)
ハンサムで眼鏡が似合う秀才タイプの男子高校生。舞竹京菜と長く付き合っているが、最近倦怠期。通い妻状態の京菜の女房面が気にくわず、料理の味付けにも不満がある。京菜は美人で献身的で完璧な恋人だが、たまには手軽なファーストフードのような女と付き合いたいと名須にこぼしている。名須の部活の先輩で、全国模試100番以内、T大確実と言われている秀才。
明日葉 ゆず (あしたば ゆず)
ショートカットの明るく元気な女子高生。名須と付き合い始めてそろそろ1年経つが、まだ手も繋いでいない。父親は税務署長、母親は区の教育委員、さらには門限は9時で、名須にはガードが固いと思われている。ただ、実際は見たいドラマが9時から始まるため家に帰りたかっただけであった。舞竹京菜とは親友だが、美人タイプの京菜とは違って可愛いタイプ。
名須 (なす)
ハンサムというよりは、少年っぽく明るく元気な男子高校生。明日葉ゆずと1年近く付き合っているがキスはおろか、手も繋いでいない健全な関係。本占路えのきの部活の後輩で、本占路にゆずをファーストフードのような女と言われ怒った。その理由は、ゆずの両親は厳格なためゆずの門限が9時でまったく軽くなかったからだった。 ゆずにはいつも笑顔で優しい彼氏と思われている。
あやか
本占路えのきが毎朝パンを買っている角のコンビニのおばちゃん。大東亜戦争時にジャワ島沖で戦死した初恋の人に似ている本占路に好意を抱き、テレビの告白番組にハガキを出して告白した。告白して以降は、手作りの重箱弁当をプレゼントしたりと攻めの姿勢に転じている。実は網元の娘で、舞竹京菜、本占路、明日葉ゆず、名須の4人が訪れたリゾートビーチは彼女の地元。
浅月 (あさつき)
舞竹京菜の父親の知り合いのおじさんで、海沿いのリゾートホテル「みゆき」のオーナー。若い人の意見を聞きたいからと京菜、本占路えのき、明日葉ゆず、名須を無料で招待した。京菜とは4年前に関係があり、京菜の初めての相手でもある。ちなみにホテルの名前「みゆき」は3年前に先立たれた妻の名前。
明日葉ゆずの両親 (あしたばゆずのりょうしん)
明日葉ゆずの父親と母親。父親は税務署長、母親は区の教育委員を務めているため名須には厳格な家庭だと思われているが、実はあけっぴろげで男の子の話をゆずに聞きまくる自由奔放な両親。明日葉ゆずと名須の関係を応援していて、リゾート旅行でゆずと名須が一線を越えてくるのを期待している。
網元 (あみもと)
あやかの父親。地元の網元だがかなり高齢でヨボヨボ。あやかに頼まれ、嵐の中遭難した舞竹京菜、明日葉ゆずを助けるために、20年ぶりに大型クルーザー「クィーンあやか号」の舵を取る。あやかには「パパちゃん」と呼ばれていて、普段からハート柄のシャツを着るなど明るい性格。
場所
みゆき
浅月が経営するビーチサイドリゾートホテル。浅月の亡くなった妻「みゆき」の名前を取って付けられたが、舞竹京菜にはラブホテルみたいな名前だと評されている。浅月も女好きで頼りにならないが、フロントの男も情けないタイプで、無料で泊まっている京菜、本占路えのき、明日葉ゆず、名須を生意気だと思っている。
その他キーワード
クィーンあやか号
網元の所有する豪華な大型クルーザー。本占路えのきと名須があやかに頼み、網元がこのクルーザーを出すことになった。網元の操縦で、舞竹京菜、明日葉ゆず、浅月の乗るヨット「MIYUKI」を捜索した。
MIYUKI
浅月のヨット。白い帆に赤い大きなハートが描いてあり趣味が悪いデザイン。浅月が舞竹京菜と明日葉ゆずを乗せてこのヨットでクルージングに出るが、途中で嵐に遭い遭難してしまう。実は浅月はヨットの免許を取りたてで、嵐の際の対応などはできなかった。しかも救命胴衣は2人分しか積んでいない。