概要・あらすじ
女子高校生・紅夕暮は、1歳年下の弟・紅緋色に姉弟を越えた恋心を抱いている。しかし鈍感な緋色には気持ちが伝わらず、いつも空回りばかりしている。しかも緋色に好意を抱いているのは彼女だけではなかった。異母妹・旭名灯をはじめ、他にも緋色に好意を抱いている女の子は数多い。それにもめげない夕暮の姉弟を越えた恋心は、今日も周囲の人々を巻き込んでいく。
登場人物・キャラクター
紅 夕暮 (くれない ゆうぐれ)
鶴ヶ崎高校に通う3年生の女子で、紅緋色の姉。腰まで届くロングヘアで、左目の下に泣きぼくろがある。弟である緋色を溺愛しており、一線を越えたいと公言するほどのブラコン。他にも、改造制服を着用していたり何かと奇行が目立つため、学校では有名人。その割にはモテるタイプで、ラブレターをもらうことも多い。親が仕事で忙しいため家では料理を担当しているが、その他の家事は緋色に任せきりである。 複雑な家庭環境の原因となった父親の城日暮のことをあまり快く思っていない。
紅 緋色 (くれない ひいろ)
鶴ヶ崎高校に通う2年生の男子で、紅夕暮の弟。ボサボサのくせ毛で、左耳に1つだけピアスを付けている。朴念仁で鈍感な性格をしており、夕暮をはじめとした数々の女の子の好意に気づくそぶりがない。頭が悪く、スポーツも苦手で手先はドが付くほどの不器用。クラスメイトの渡船場巡には「得意なことが何一つない」と言われているが、それを気にする様子もまったくない。 夕暮によれば、「人一倍睡眠を必要とする体質」だという。
旭名 灯 (あさひな ともしび)
邦府高校に通う1年生の女子で、紅夕暮と紅緋色の異母妹にあたる。ロングの髪を結っていて、左目の下に泣きぼくろがある。異母兄である緋色に好意を抱いており、夕暮とはライバル関係にある。そのため夕暮とは仲が悪い。複雑な関係にあるにも関わらず紅家との仲は良好で、たびたび遊びに行っている。父親である城日暮のことを快く思っておらず、また母親譲りの胸の小ささを気にしている。
紅 紅色 (くれない べにいろ)
紅夕暮と紅緋色の母親。前髪をまっすぐに切りそろえ、眼鏡をかけている。城日暮からは「ベニー」のニックネームで呼ばれていた。仕事で忙しいため家を空けることが多い。日暮と結婚したが、その2年後に離婚。以来、ずっとシングルマザーである。日暮とは離婚したものの嫌いになったわけではなく、彼が亡くなった際には自室で1人、涙を流した。
城 日暮 (じょう ひぐれ)
紅夕暮と紅緋色、旭名灯の父親。ボサボサのくせ毛で、左耳にピアスを付けている。紅紅色からは「ジョー」のニックネームで呼ばれていた。かつて、仕事での渡米を控えた前日に紅紅色に求婚するも、女癖の悪さを理由に断られた。帰国後も紅色が独り身であったならば結婚する約束を取り付け、その後は浮気もしていなかったことを紅色に認められて結婚し、夕暮と緋色をもうけた。 結婚から2年後に離婚し、その後は旭名橙と再婚して灯の父親となった。その後橙とも離婚し、更に数年後に交通事故により他界した。
旭名 橙 (あさひな あかり)
旭名灯の母親。金髪のポニーテールが特徴で見た目が若い。紅紅色から「アッちゃん」の愛称で呼ばれている。紅色の次に城日暮と結婚したが、その後別れている。なお、別れた後も日暮とは交流があり、日暮の命日には線香をあげに毎年お墓を訪れている。
霧島 華 (きりしま はなやか)
鶴ヶ崎高校に通う3年生の女子で、紅夕暮のクラスメイト。友人からは「ハナちゃん」の愛称で呼ばれている。ショートカットの活動的な性格でツッコミ気質。吹奏楽部に所属しており、スポーツも得意としている。夕暮の度を越えたブラコンには呆れつつも、友人として受け入れている。
宮山 雅 (みやま みやび)
鶴ヶ崎高校に通う3年生の女子で、紅夕暮のクラスメイト。友人からは「ミヤさん」の愛称で呼ばれている。髪型は外はねしたショートカットで、眼鏡をかけている。家が貧乏なため、アルバイトに勤しんでいる苦学生。学業も優秀で、霧島華には「メガネキャラだからか」と突っ込まれていた。
東 仮名子 (ひがし かなこ)
鶴ヶ崎高校に通う3年生の女子で、紅夕暮のクラスメイト。友人からは「カナヤン」の愛称で呼ばれている。おでこを広く出してお下げにした、背の低い少女。明るく元気いっぱいだが勉強が苦手。また何かと言葉足らずで、「紅緋色に彼女ができた」と夕暮に要らぬ誤解を与えるきっかけとなった。
江西 縁 (えにし ゆかり)
鶴ヶ崎高校に通う2年生の女子で、紅緋色のクラスメイト。目元が隠れるほどの長い前髪が特徴。図書委員を務めている。紅緋色に密かな好意を抱いており、クラスメイトの渡船場巡にそれを見抜かれた際には激しく動揺していた。
渡船場 巡 (わたしば めぐる)
鶴ヶ崎高校に通う2年生の男子で、紅緋色のクラスメイト。周囲をよく見ているタイプで、江西縁の密かな恋心を見抜いてみせた。彼女ができたことを自慢していていたが、コミックス掲載の作者のあとがきによると、その後、振られてしまったらしい。
北田 滝 (きただ たき)
邦府高校に通う1年生の女子で、旭名灯のクラスメイト。友人からは「タッキー」の愛称で呼ばれている。ショートカットで、目が糸のように細い。身長が高く、バレーボール部に所属している。冗談が通じないタイプで、クラスメイトである奈々南七のボケに対する理解度が他の生徒よりも少々低い。
奈々南 七 (ななみなみ なな)
邦府高校に通う1年生の女子で、旭名灯のクラスメイト。前髪をまっすぐに切りそろえて頭の後ろで束ねた、身長の低い少女。表情を崩さないまま冗談を口にする不思議系で、人の話を聞かないタイプ。灯が好意を抱いている紅緋色に興味を抱いて、彼の通っている鶴ヶ崎高校に来たものの、すぐに興味を失うなど熱しやすく冷めやすい。
実 一十三 (まこと ひとみ)
鶴ヶ崎高校に勤める養護教諭の女性で、鶴ヶ崎高校を卒業したOG。ウェーブのかかったセミロングヘアで、眼鏡をかけている。保健室のベッドで寝ていた紅緋色を見つめていたところ、それを紅夕暮に見咎められた。それ以来、夕暮に警戒されている。現在は独り身で、津々務によれば酒癖が悪いという。
津々 務 (つつ つとめ)
鶴ヶ崎高校に勤める女性教諭で、担当は数学。短髪のボーイッシュな見た目が特徴。実一十三とは高校・大学の同期で、鶴ケ崎高校を卒業したOGでもある。