多数派の人間が死ぬ生き残りゲーム
突然、世界中で多数の命が失われ、100万人の都民のみが生き残った東京が主な舞台となる。「皇帝」を自称する謎の人物が主催する多数派が死ぬゲーム「多数欠」が始まり、主人公の実篤は親友の龍太をはじめとする大切な人々を失ってしまう。実篤はこの過酷なゲームで生き残り、人の命や運命を弄ぶ皇帝の正体を暴き出し倒すことを決意する。実篤が生徒会役員の紗綾たちと協力し、時には生存者同士で争いを繰り広げながら皇帝に立ち向かっていく姿が、サスペンスやサバイバルアクションを交えながら展開される。
質問と特権利を活かして生き残りを目指す
本作に登場する「多数欠」は、二択の質問に対する「多数派」に該当する人間が死亡するという、過酷なデスゲーム。参加者が特定のポストやパソコンから質問を投稿でき、1日1件ずつ採用される質問の内容次第では多くの人間が死ぬため、参加者自らが少数派となる質問を考えたうえで慎重に投稿する必要がある。試運転を終えた本番1回目以降は、「議決権」や「撤回権」といった「特権利」と呼ばれる特殊能力も登場するため、この能力を活かした参加者同士の頭脳戦や異能バトルも楽しめる。
裏切り者を突き止めながら次のステージへ進む
「男or女」の二択をせまる「多数欠」の結果、実篤を含む男性はすべて死亡する。しかし、ある人物が「特権利」の能力を行使して仲間を救おうと立ち上がり、一度死亡した実篤たちは次の多数欠のあとに蘇生(そせい)し、紗綾たちと再会を果たす。実篤は再び多数欠に参加するが、仲間たちの中に裏切り者がいると知り、紗綾と協力して裏切り者の正体を探ることにする。過酷な状況の中で少しずつ味方を増やしていく実篤たちは、仲間の特権利を使って生存を目指し、多数欠は「セカンドステージ」へと突入する。少年少女たちが死のリスクを背負いながら頭脳戦や心理戦を繰り広げ、絶大な力に立ち向かっていく、緊張感あふれる展開が見どころとなっている。
登場人物・キャラクター
成田 実篤 (なりた さねあつ)
杉並第二高校1年A組に在籍する男子。黒髪をショートヘアにしている。年齢は15歳。文武両道ながらパソコンの扱いは苦手としている。母親は幼少期に亡くなり、父親も海外にいるため一人暮らしをしている。ある日突然、「多数欠」に巻き込まれた親友を亡くし、100万人の東京都民と共に生き残った。多数欠の主催者である皇帝を倒すべく、生き残った紗綾はじめとする仲間たちと共に立ち上がる。周囲が生き残ることだけに必死になっている中、皇帝に抵抗する強い意志と対抗策を示しながら、さまざまな試練と障害を乗り越え、多数欠の秘密や仲間たちの裏切りを暴いていく。誕生日は9月14日で、身長は170センチ。
藤代 紗綾 (ふじしろ さあや)
杉並第二高校1年D組に在籍する女子。茶髪をポニーテールにしている。生徒会役員を務めており、文武両道で周囲からの評価も高い。私服はパーカーなどのラフな服装を好んで身につけている。「多数欠」の試運転時点で実篤と友人になり、皇帝を倒そうと目論む彼に協力するようになる。実篤と同様に正義感が非常に強く、友人思いの実直な性格の持ち主。生徒会役員の経験を活かしてリーダーシップを発揮し、実篤を心身共に支えている。誕生日は6月2日で、身長は162センチ。
その他キーワード
多数欠 (たすうけつ)
突如世界中で開始された、二択の選択肢のうち多数派を選択した人間が死んでいく生き残りゲーム。主催者は「皇帝」と名乗っているが、その正体と「多数欠」を開催した真意は謎に包まれている。二択の選択肢は「東京に住む日本人か」「男か女か」など単純なものが多く、最初の2回は「試運転」としてスタートし、3回目からは「本番」として行われた。その日の質問の内容は、参加者が指定区域内のどこかにある青いポストか赤いパソコンから投稿し、その中から選定される。多数欠の結果によっては、一度死んだ者が生き返って再びゲームに参加することもあり、実篤は一度死亡するも次の多数欠で蘇(よみがえ)っている。
書誌情報
多数欠 3巻 マイクロマガジン社〈ライドコミックス〉
第1巻
(2024-07-02発行、 978-4867165973)
第2巻
(2024-07-02発行、 978-4867165980)
第3巻
(2024-07-02発行、 978-4867165997)