天使な小悪魔

天使な小悪魔

クラブ「華園」に集うホステスたちの接客の模様を描いた、水商売をテーマとした漫画。ただし、現実の水商売の世界に比べ、描写はかなりマイルド。芳原のぞみの代表作であり、初の4コマ漫画作品。

正式名称
天使な小悪魔
ふりがな
てんしなこあくま
作者
ジャンル
水商売
関連商品
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概要・あらすじ

一族そろって水商売を手がけている家柄に生まれた「山田まる子」は、20歳の時に母親、桔梗が経営する高級クラブ「華園」で、「まる」という源氏名で働くことになる。華園の先輩であるマリアとも早々に意気投合し、また芸能人である如月カイトなどの大物の指名客も付くようになったまるは、店のNo.1の座に就くことになる。

凄腕のホステスであるメグの入店以降はその座を奪われ、返り咲くこともなかったが、やがてまるは店の跡継ぎとしてママの役割の教育を受け、カイトと付き合い始めたのをきっかけにしてホステスから退いて、店のチーママに就任するのだった。

登場人物・キャラクター

まる

クラブ「華園」で働くホステス。20代前半ながら、外見はまるっきり子供にしか見えない。非常に家庭的で、同僚などからは「オカンみたい」とまで形容される性格だが、店ではそれが受けている。入店当初はNo.1だったこともある。のちに如月カイトと付き合い始め、同時期に店のチーママに昇格した。本名は「山田まる子」。趣味は盆栽いじり。

マリア

クラブ「華園」で働く若いホステス。まるが入店する以前は、長く店のNo.1の座に就いていた。メイクの達人であり、分厚い化粧とウィッグで容姿を固めており、営業用の顔と素顔は大きく異なっていて、自宅ではズボラな暮らしをしている。割とお人好しで、まるとはすぐ友人同士の間柄になった。中学校の同級生だった幹に想いを寄せている。 まるをはじめ友人たちからは「まりりん」というあだ名で呼ばれている。本名は「米村そね子」。

メグ

クラブ「華園」で働く若いホステス。新人として「華園」に入店したが、それ以前にもキャバクラに勤務していた経験がある。天性の才能を持った凄腕の女性で、入店そうそう華園のNo.1の座に就いた。実はクラブ「アマンド」のスパイであり、常連客を引き抜いて「アマンド」に移った。しかし、まるやマリアとの間に友情が芽生えていたため、最終的には「アマンド」の客を逆に引き抜き返して「華園」に戻って来た。 その後も長く「華園」にNo.1ホステスとして君臨し続ける。当初はお嬢様を自称していたが、実は父親の会社が倒産したために家は没落しており、貧乏。

豪田 蘭子 (ごうだ らんこ)

クラブ「華園」で働く若いホステス。もともと大きな病院の経営者の令嬢で、没落する前のメグとお嬢様学校で同期だったが、病院が潰れて家が没落。「華園」で働くようになった。メグと違ってまったくホステスの才能がなく、高飛車な性格が祟ってまるで客がつかない。

小嶋 さよ (こじま さよ)

豪田蘭子のもとでお手伝いさんをしていた若い女性。豪田家が没落した後も、親身になって蘭子と接し、一緒にクラブ「華園」でホステスとして働き始める。素朴で飾らない誠実な人柄が客に受け、店のNo.2にまで上り詰めることになる。

蝶子 (ちょうこ)

クラブ「華園」で働く女性ピアニスト。クラブ「アマンド」から移籍して来た。まるで20代の若さに見えるが実際には40代であり、泪という娘がいる。ホストクラブ通いにはまっており、ホストクラブ「ASH」のNo.1ホストであるリュウに入れあげていた。のちにリュウの恋人のゆりっぺと親しくなり、勝ち目がないと諦めて身を引いた。

桔梗

クラブ「華園」のママであり、まるの実の母親。昔は「華園」のホステスであった。店に勤めるホステスたちにとって良き導き手でもある。まだ化粧が下手で売り上げもさっぱりだった新人時代のマリアを、店のNo.1にまで育て上げた人物。

浜村 匠

クラブ「華園」で働く黒服の男性。38歳でバツイチ。外見は気弱そうに見え、普段はホステスたちから空気のごとき存在として扱われている。実は訳アリの過去を持ち、かつて「悪獣分福茶釜の狸」の異名で夜の街では恐れられた男。左腕には分福茶釜の狸の彫り物を入れていて、今も「華園」の用心棒のような存在である。

(るい)

蝶子の娘。当初は女子高生で、生徒会長を務めていた。蝶子に対して厳しく、そのホスト狂いの趣味に対して厳しく目を光らせる。父親は10年ほど前に亡くなっている。のちに、ホステスではなく黒服としてクラブ「華園」で働き始める。

如月 カイト (きさらぎ かいと)

10代後半の男性芸能人。クラブ「華園」の常連客。まるより4歳年下。当初は癒し系アイドルとして大いに売れており、仕事は多忙を極め、そのストレスの反動でわがまま放題に振る舞っていた。まるに好意を持ち、華園に足しげく通うようになる。まるに告白できず、メグに恋愛相談をするうちに、業界ではタブーである「指名替え」をしてしまい、大顰蹙を買う。 アイドルとして低迷した後、苦労の末に演技派俳優として生まれ変わり、まるとも交際に漕ぎ着けた。

サイトウ

如月カイトのマネージャーをしている若い男性。お目付け役のような立場で、カイトとともにクラブ「華園」にやって来る。カイトがアイドルとして落ち目になって売れなくなった後も、忠実にマネージャーとしての立場からカイトを支え続けた功労者。

クラブ「華園」の常連客である初老の男性。マリアの父親であるが、最初のうちはマリアの正体が自分の娘の「米村そね子」である、ということは知らないまま、マリアを指名していた。妻にはクラブ通いの趣味を隠していたが、のちにバレてしまい、大目玉を食う。

桐生

クラブ「華園」の常連客である青年。若くして社長を務めていることもあり、羽振りがいい。実はメグがまだお嬢様だった頃、婚約者であったという間柄。もっともその婚約は破談になっている。華園の客の中でもホステスのあしらいのうまさは随一であり、プロ中のプロというべきメグですら頭が上がらない人物。

富江 (とみえ)

かつてクラブ「華園」で働いていた中年女性。往時は桔梗の同僚であり、またライバルでもあった。桔梗の夫である店長に、今もなお恋愛感情を抱き続けている。桔梗への対抗心を燃やしており、華園の向かいにライバル店であるアマンドを立てて宣戦布告する。

店長

まるの父親で、ホストクラブ「EDEN」の店長を務めている。昔はクラブ「華園」でボーイをしており、そこでまるの母親である桔梗と知り合った。華園にいた頃の名は「大木」であり、富江からは今もそう呼ばれている。よく「EDEN」での仕事をサボって「華園」にやって来る。

(みき)

まるの兄で、ホストクラブ「EDEN」のNo.1ホスト。店での通称は「ミッキー」。根っからのシスコンであり、まるのことが心配で、しょっちゅうクラブ「華園」に出入りしている。また、「華園」のホステスにつくストーカーを追い払う役回りを演じたりもしている。本名は「山田幹」。

リュウ

ホストクラブ「ASH」のNo.1ホストの若い男性。専門用語で「殿様営業」ないし「オラオラ系」という、客に対してあえて横柄な態度を取って自分に夢中にさせる、というテクニックの達人。本名は「たもつ」といい、一緒に田舎から出て来た恋人のゆみっぺからは「たもっつぁん」と呼ばれている。いつかゆみっぺと一緒にラーメン屋を開くという夢を持っており、ホストの仕事をしているのは、その資金を稼ぐためである。

ゆみっぺ

リュウの恋人。かなりぽっちゃりふっくらした体型の持ち主。「ゆみこ」と名乗って、華園に一日体験入店した。男のあしらい方を心得ていることもあって、それなりに評判は良く、その後正式にホステスとして働くようになった。

小梅

まると幹のいとこ。まるからは「梅おにいちゃん」と呼ばれている。幹と瓜二つの青年の姿をしているが、実は女性。オナベバー「apricot」の経営者を務めている。同性愛者であり、とても手が早く、マリアに手を出そうとしたが、幹によって止められた。

場所

華園

「一流を目指す」という方針で経営されている高級クラブ。桔梗がママを務めており、その娘であるまるが、跡取りとなるべくホステスとして働き始める。クラブの中ではかなり上品な部類に入る店ではあるが、それでも水商売には違いないので、トラブルは多い。

アマンド

華園の向かいに富江がオープンした大型クラブ。近隣の店から多くの売れっ子ホステスを引き抜き、一時は大いに賑わった。メグが多くのスタッフを引き抜いて「華園」に移って以降ぱっとしなくなり、その後セクキャバ店に業態転換。その道では有名な店となった。

EDEN

まるの父親が店長を務めるホストクラブ。幹がNo.1ホストの座に就いている。クラブ「華園」とは経営者同士が夫婦という関係にあるため、「華園」のホステスたちの慰安の目的で用いられることもあり、マリアなどは時々幹の客として訪れている。

ASH

リュウがNo.1ホストとして在籍しているホストクラブ。蝶子が通い詰めており、まるも蝶子に連れられて遊びに行ったことがある。事実上、リュウを中心として回っている店であり、他のホストたちからのリュウへの信頼とサポートは厚い。

スカウト通り

華園の裏にある通り。近隣一帯の多くの水商売の店などが、女性たちのスカウトをしているスポット。クラブの世界の専門用語ではスカウトのことを「開発」と言い、クラブ「華園」の開発要員は幹が務めている。

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