女帝

身ひとつで水商売の世界に飛び込んだ立花彩香が、自らの才覚と美貌を武器に、ホステスとして成長し、やがて「銀座の女帝」と呼ばれるまでの半生を描いた職業漫画。関連作品に彩香の娘・明日香を主人公とした『女帝 花舞』と番外編の『女帝 花舞 京ふたり』のほか、別ラインの作品として『女帝 薫子』と『女帝 由奈』がある。

概要・あらすじ

熊本で暮らす優等生の女子高生・立花彩香は、スナックを営む母親の麻里子と2人、貧乏ながらも幸せな日々を送っていた。だが同時に、同級生で代議士の娘である北條梨奈から、スナックを営む母を侮辱されるなど、水商売の子であるが故の不遇をかこってもいた。そんなある日、麻里子が末期のガンであることが発覚。

彩香は家庭を支えるため、学校を辞めてスナックを継ぐことを決断する。すると、それを知ったボーイフレンドの杉野謙一は、スナックの女になるとお客に体を売るようになると思い込み、教室で強引に彩香を抱こうとした。挙句、その現場を教師たちに見つかると、彩香が一方的に誘惑してきたと嘘をつき、地元の名士である父親の権力を使ってこの騒動を隠蔽してしまう。

この一件で、金と権力で他人の人生を踏みにじる人々への強い怒りを感じるようになった彩香。そんな矢先、容体が悪化し麻里子は、彩香に父親が生きていると言い残し、この世を去る。母を捨てた男への憎しみ、そして自分たちを見下した人たちへの復讐を誓った彩香は、女を武器に水商売の世界でのし上がり、男たちの上に君臨する女帝となることを決意。

故郷を離れ、ひとり大阪へ向かい、そこで女帝となるための第一歩を踏み出す。

登場人物・キャラクター

立花 彩香 (たちばな あやか)

自らの才覚と美貌を武器に、水商売の世界の女帝になることを目指す女性。熊本でスナックを営む母親の西崎麻里子のもと、貧しい母子家庭で育つ。苦労しながらも、女手ひとつで自分を育ててくれた母親に深い感謝と尊敬の念を抱いており、母親や水商売を侮辱されると強い怒りを露にする。高校時代は生徒会の副会長を務めるなど優秀な生徒だったが、卒業を間近に控えた時期に麻里子がガンで倒れたため高校を中退し、ホステスとして生きることを決意。 高校の同級生でボーイフレンドでもあった杉野謙一や、その父親で地元の名士である杉野謙蔵から屈辱的な対応をされたことから、金と権力を傘に他者を見下す人々への強い復讐心を抱くようになった。 麻里子の死後、大阪でホステスとなり、のちに東京へ出て銀座のクラブ・佐和の№1ホステスとなる。その後さまざまな人々との出会いを経て、夜の世界での地位を確立した彩香は、やがて自らの店であるクラブ・彩香を開店。いつしか夜の世界の女帝と呼ばれるまでの存在となる。のちに佐和の黒服だった進藤英二と結婚。 明日香という娘をもうけた。

杉野 謙一 (すぎの けんいち)

立花彩香の高校時代の同級生だった男性。地元の名士の息子で、彩香に好意を寄せていた。しかし、強引に彩香の体を求めたことがバレた際、彩香のほうから誘惑されたと濡れ衣を着せ、父親の力を使って事件をもみ消す。のちに同じ高校の同級生で代議士の娘である北條梨奈と結婚するが、結婚後も彩香への想いをずっと忘れられずにいた。 政治家を志しており、大学卒業後は民力党の代議士である尾上雄一郎の秘書を務め、のちに自身も政治家となる。

北條 梨奈 (ほうじょう りな)

立花彩香の高校時代の同級生である女性。父親は民生党の代議士をしており、貧しい水商売の娘である彩香のことを見下していた。また、自分が想いを寄せる同級生の杉野謙一が、彩香に好意を抱いていることを知ったことで、彩香に対してさらに激しい憎悪と嫉妬心を抱くように。のちに謙一と結婚。 謙一を総理大臣にして、自分が政界の女帝になるという野望を持つ。彩香に対して異常ともいえるライバル心を持っており、ホステスとして階段を駆け上がる彩香に対して、さまざまな嫌がらせを行った。

西崎 麻里子 (にしざき まりこ)

大阪のスナック・麻里子のママ。立花彩香が高校中退後に初めて勤務したスナックで、彩香からは「大阪のお母さん」と呼ばれる。母を亡くし単身で大阪へやってきた彩香のことを心から心配しており、彩香が暴力団員の伊達直人と交際していることを知った際には、彼女の身を案じて本気で反対した。 のちに店の常連客だった斉藤と結婚する事になり、これを機に店を閉めて水商売の世界から身を退く。

伊達 直人 (だて なおと)

大阪の暴力団・菱和会の傘下にある室戸組の構成員である男性。女をナンパしては風俗などに売り飛ばすスケコマシのようなことを生業としていた。ホステスになったばかりの立花彩香と知り合い、最初は自分の女にしようとする。だが、女帝になるという彩香の強い覚悟を知ったことで考えを改め、彼女を応援するようになった。 自身も極道界の頂点に立つという夢があり、彩香とはお互いに惹かれ合いながらも、別々の道で頂点を目指す同志のような間柄となる。のちに菱和会の会長に就任。

美樹 (みき)

大阪ミナミのクラブ・エレガンスのホステス。エレガンスに勤務することになった立花彩香の同僚。ホステスとしての人気はいまひとつだが、気立てのよい性格で、彩香ともすぐに打ち解けた。学生時代に義父にレイプされた過去があり、セックスに対して心に深い傷を負っている。彩香にとって唯一の親友であり、彩香が東京に出ると、その後を追ってアマン、佐和と常に同じクラブに勤務した。

麗子 (れいこ)

大阪のミナミにあるクラブ・エレガンスの№1のホステス。№1であることに強いプライドを持っており、自分のライバルになりそうな新人が入ると、いじめて店を辞めさせていた。エレガンスに入店した立花彩香のこともいじめるが、来店した上客を次々と奪われたことで次第に焦り始め、とうとう彩香のお客を寝取るという水商売の世界のタブーを犯す。 だが、そのことが明るみになり、エレガンスを辞めることに。その後、彩香に復讐すべく、ヤクザを使って嫌がらせを行うも失敗。ついには、彩香に硫酸をかけようと襲撃するが抵抗され、逆に自らの顔に硫酸を浴びてしまう。この事件を機に水商売から足を洗うこととなった。

美濃村 達吉 (みのむら たつきち)

大阪のミナミ一帯に多くの不動産を持つ実業家の男性。醜い容姿の老人であることからミナミの妖怪との異名をとる。大金持ちだが気難しい性格。贔屓の店やホステスを持たない主義だったが、ホステスに人生を懸けているという立花彩香の強い情熱と、自らの処女を美濃村に捧げるという覚悟に心を打たれ、彩香が一流のホステスになれるよう支援することを約束する。 また、死期が迫った際には、彩香に遺産の小切手を遺すなど、最後まで彩香のことを気にかけた。

大沢 謙吾 (おおさわ けんご)

「野獣狩りシリーズ」という大ヒット作を持つ人気作家の男性。客として大阪のクラブ・エレガンスを訪れたことで、立花彩香と出会う。自分の作品に対して媚を売らず正直な感想を述べた彩香に感心し、その言葉のおかげで次回作の構想が固まったことから、彩香に一目置き、その客となった。彩香が上京して銀座のホステスとなったあとも客として支援し続け、やがて彩香と男女の関係に。 しかし、活動拠点をアメリカに移すことになったため別れた。のちに彩香を題材とした小説『女帝』を執筆する。

江川 弘美 (えがわ ひろみ)

立花彩香が銀座にきて最初に勤めた店であるクラブ・アマンのママ。「銀座の伝説の女」と言われる藤村佐和は、弘美を育ててくれた恩師。その藤村佐和の店が窮地に陥った際、彩香をより大きく育てるためには佐和の力が必要と考え、アマンのホステスだった彩香を佐和へと預けた。

工藤 薫 (くどう かおる)

立花彩香が銀座で最初に勤めたクラブ・アマンの女子大生ホステス。彩香の復讐の相手である北條梨奈とは、同じ大学の友人である。北海道の観光開発を行う資産家の娘で、ホステスは社会勉強の一環でやっていると言っていた。しかし、実際は実家の稼業がうまくいっておらず、お金のためにやむなくホステスになっていた。 当初彩香のことはただの大阪のイモ女と見ていたが、自分の理想の男性である作家の大沢謙吾が彩香の客だと知ると、敵視するようになる。実家の倒産によりお嬢様としてのメッキが剥がれると、彩香に対抗して自分も水商売の世界の女帝になることを宣言。なにかと彩香と張り合い、ついには放火などの犯罪行為にまで手を染めるが、最終的には彩香の豊富な人脈と度量の大きさに、自分の敗北を認めることとなる。

藤村 佐和 (ふじむら さわ)

政財界の大物が利用する銀座の老舗クラブ・佐和のママ。銀座では「伝説の女」と呼ばれるほどの人物。ホステスや黒服に対して一流の教育を行う手腕を持ち、クラブ・アマンのママである江川弘美も彼女が育てた女性のひとり。自分の店が閉店の窮地に陥った際、弘美から立花彩香をより大きく育ててほしいと言われ、自分の店のホステスとして預かった。 彩香の母親である西崎麻里子とは旧知の仲で、彩香の出生の秘密を知っている。のちにガンに侵され、クラブ・佐和を閉店することを決断。その後死去した。

進藤 英二 (しんどう えいじ)

立花彩香が東京で2番目に勤めた銀座のクラブ・佐和の黒服。以前はサラリーマンだったが、会社が倒産して自暴自棄になっていたところをママである藤村佐和に拾われ、黒服となった。黒服から身を立てて銀座の帝王になることが目標で、そのためには人の道に外れたことはしてはいけないと考えている。 非常に優秀な黒服であり、佐和からの信頼も厚い。彩香のホステスとしての才能を高く評価しており、また一緒に仕事をするうちに彩香に対して想いを寄せるように。のちに彩香と結婚した。公私ともに彩香のパートナーとなり、ほどなく彩香が妊娠する。だが、そんな幸せの絶頂の最中に脳腫瘍で余命がないことが発覚。 生まれてくる子に明日香と命名して亡くなった。

尾上 雄一郎 (おがみ ゆういちろう)

民力党の代議士。登場時は幹事長で、のちに総理大臣に就任する。清廉潔白な人格者として知られ、国民からの人気も高い。実は立花彩香の父であり、20年前にクラブ・佐和のホステスだった西崎麻里子と恋仲になり、その時に授かった子が彩香である。客として佐和を訪れた際に、彩香と出会う。 彩香にとっては自分と母親を捨てた憎むべき相手であったが、尾上が麻里子を真剣に愛していたこと、政治家としての尾上の将来のために麻里子のほうから身を引いたことなどを知り、和解した。のちに彩香の不動産購入の保証人になったことから不正融資のスキャンダルをでっち上げられる。だが、記者会見で彩香が実の娘であることを告白したことで、かえって世論の大きな支持を獲得。 政治家としての窮地を脱した。

小島 リエ (こじま りえ)

本名は坂本リエ。かつて、佐和に勤務していた経験を持つベテランホステス。銀座のホステスとしての振舞いを熟知していることから、立花彩香の教育係として藤村佐和が自分の店へと呼び戻した。面倒見のよい姉御肌な性格で、彩香にとってはよき相談相手となる。のちに彩香の同級生だった杉野謙一と不倫関係になるが、妻の梨奈が謙一の子供を妊娠したこともあり別れた。

北條 利奈 (ほくじょう りな)

女性。立花彩香や杉野謙一とは同じ高校の同級生。父親は民生党の政治家、北條照盛。高校時代から立花彩香を見下しており、敵視している。様々な場面で立花彩香に嫌がらせをする。陥れるためには手段を選ばない。杉野謙一と結婚する。

立花 麻里子 (たちばな まりこ)

立花彩香の母親。熊本県でスナック火の国を営んでいた。立花彩香が高校生の時に末期ガンで他界する。若いころに銀座のクラブ佐和でホステスをしており、尾上雄一郎と出会って立花彩香を身ごもったものの、尾上雄一郎の将来を案じて身を引いた。

集団・組織

エレガンス

『女帝』に登場する架空のクラブ。大阪の宗右衛門町にある。立花彩香が単身大阪に出て、ホステスとなった場所。大阪・ミナミで五本の指に入る。ママの藤本美奈は熊本県から出てきたばかりだった立花彩香のホステスとしての才能を見抜き理解者となる。立花彩香が美濃村達吉とであった店。立花彩香はNo1ホステスの麗子との戦いに勝ち作家の大沢謙吾を客にする。

クラブ佐和 (くらぶさわ)

『女帝』に登場する架空のクラブ。立花彩香が東京でアマンの次に務めた店。政治家尾上雄一郎など政財界の実力者を顧客に持つ。給料の遅配などでホステスや黒服がほとんどやめたところ、黒服の進藤英二に誘われ、再建のために移る。立花彩香の母親立花麻里子やエレガンスのママ藤本美奈も務めていたことがある。 ママの藤村佐和はかつて伝説の銀座の女といわれた。閉店のイベント中に藤村佐和が倒れた。

クラブ彩香 (くらぶあやか)

『女帝』に登場する架空のクラブ。クラブ佐和の閉店したあとの店舗を引き継ぎ、1999年に立花彩香がオープンさせた。ホステスの美樹や小島リエらが働く。

場所

スナック麻里子 (すなっくまりこ)

『女帝』に登場する架空のスナック。大阪・十三にあるスナック。立花彩香が熊本県から出てきた初めて勤めた店。立花彩香がヤクザの伊達直人とであった場所。オーナー兼ママは西崎麻里子。ママの結婚で閉店した。

書誌情報

女帝花舞 全28巻 日本文芸社〈ニチブンコミックス〉 完結

第1巻

(2002年6月発行、 978-4537100907)

第2巻

(2002年9月発行、 978-4537101065)

第3巻

(2002年11月発行、 978-4537101324)

第4巻

(2003年1月発行、 978-4537101515)

第5巻

(2003年2月発行、 978-4537101676)

第6巻

(2003年4月発行、 978-4537101843)

第7巻

(2003年7月発行、 978-4537102048)

第8巻

(2003年9月発行、 978-4537102215)

第9巻

(2003年11月発行、 978-4537102383)

第10巻

(2004年1月発行、 978-4537102598)

第11巻

(2004年3月発行、 978-4537102741)

第12巻

(2004年4月発行、 978-4537102871)

第13巻

(2004年6月発行、 978-4537103045)

第14巻

(2004年8月発行、 978-4537103229)

第15巻

(2004年11月発行、 978-4537103434)

第16巻

(2005年2月発行、 978-4537103755)

第17巻

(2005年5月発行、 978-4537103922)

第18巻

(2005年6月発行、 978-4537104097)

第19巻

(2005年8月10日発行、 978-4537104257)

第20巻

(2005年10月7日発行、 978-4537104448)

第21巻

(2005年12月発行、 978-4537104608)

第22巻

(2006年2月発行、 978-4537104776)

第23巻

(2006年6月発行、 978-4537104998)

第24巻

(2006年9月発行、 978-4537105223)

第25巻

(2006年11月発行、 978-4537105384)

第26巻

(2007年1月発行、 978-4537105629)

第27巻

(2007年3月発行、 978-4537106022)

第28巻

(2007年5月発行、 978-4537106343)

女帝 全8巻 日本文芸社〈ゴラク・コミックス〉 完結

第1巻 火の国の女編

(2005年5月発行、 978-4537152005)

第2巻 宿命の再会編

(2005年7月発行、 978-4537152128)

第3巻 抗争と復讐編

(2005年9月発行、 978-4537152272)

第4巻 鮮烈なデビュー編

(2005年11月発行、 978-4537152418)

第5巻 闘いの街・銀座編

(2006年1月発行、 978-4537152548)

第6巻 運命の悪戯編

(2006年5月発行、 978-4537152913)

第7巻 宣戦布告編

(2006年9月発行、 978-4537153231)

第8巻 逆襲編

(2007年1月発行、 978-4537153545)

女帝 全13巻 日本文芸社〈ニチブンコミックス〉 完結

第1巻

(2005年9月発行、 978-4537104325)

第1巻

(1997年4月発行、 978-4832227590)

第2巻

(2005年12月発行、 978-4537104622)

第3巻

(2006年6月発行、 978-4537104899)

第4巻

(2007年7月発行、 978-4537106800)

第5巻

(2007年8月発行、 978-4537106916)

第6巻

(2008年6月発行、 978-4537108354)

第7巻

(2008年9月発行、 978-4537108743)

第8巻

(2008年12月発行、 978-4537109078)

第9巻

(2009年3月発行、 978-4537109382)

第10巻

(2009年6月発行、 978-4537109689)

第11巻

(2009年9月発行、 978-4537124873)

第12巻

(2009年11月発行、 978-4537125214)

女帝 全10巻 日本文芸社〈ニチブンコミック文庫〉 完結

第1巻

(2006年11月発行、 978-4537105742)

第2巻

(2006年11月発行、 978-4537105759)

第3巻

(2006年12月発行、 978-4537105803)

第4巻

(2007年1月発行、 978-4537105841)

第5巻

(2007年2月発行、 978-4537106084)

第6巻

(2007年3月発行、 978-4537106220)

第7巻

(2007年4月発行、 978-4537106268)

第8巻

(2007年5月発行、 978-4537106633)

第9巻

(2007年6月発行、 978-4537106688)

第10巻

(2007年7月発行、 978-4537106749)

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