天地を喰らう

ワラジ売りをしている劉備玄徳と、各地を旅して回っている諸葛孔明は、竜王の娘と結ばれる。そして、劉備は人間界一の肝っ玉、孔明は森羅万象が書き記された書を得て、地上に戻る。地上では黄巾族が暴れまわり、劉備は義兄弟となった関羽雲長、張飛翼徳とともに、これを鎮めようと動き出す。

概要・あらすじ

貧しい身なりのワラジ売り、劉備玄徳は、死病にかかりながらも最期に誰かの妻になりたいという2人の姉妹と出会う。劉備は妹を選び、姉の方は、諸国を旅して回ってきた諸葛孔明が引き取ろうとした。だが、村人たちが姉妹に石を投げたことから、姉妹は自ら龍の姿を現し、劉備と孔明を天上へ連れて行く。

そこで、2人は姉妹に気に入られ、何でも欲しいものを1つ与えるといわれる。そこで、劉備は何にも動じない肝っ玉を、孔明は森羅万象すべてを書き記した書物を得て、地上へ戻っていく。地上は荒廃し、黄巾族が反乱を起こしていた。肝が太くなった劉備は顔つきも変わり、2人の豪傑、関羽雲長張飛翼徳を義兄弟にして、人間界の荒廃を正そうと動き出す。

登場人物・キャラクター

劉備 玄徳 (りゅうび げんとく)

楼桑村のワラジ売りの少年。泥棒をして村人に追いかけられることもあり、素行不良。実際は、漢の中山靖王の末孫で景帝の玄孫にあたる。村に帰ってきてみると、死病にとりつかれたという姉妹がいた。最期に男の妻になりたいというので、妹の嵐を引き取ろうとするが、実はこの姉妹は竜王の娘。 劉備を背中に乗せて天上へ連れて行く。そこには竜王の住む黄金宮殿があり、劉備はそこである条件を満たして、人間界一豪胆な男になる。地上に戻ると、顔つきや考え方が変化。豪傑の関羽雲長と張飛翼徳と出会って、義兄弟となり、天下のために反乱を鎮めようと動き出す。 のちに、黄巾族5万の兵の中に単騎で攻め込み、大将と副将の首をはねており、関羽、張飛に負けないほどの豪傑ぶりを発揮する。

諸葛 孔明 (しょかつ こうめい)

諸国を旅する少年。童顔で、額の中央にほくろを持つ16歳。死病にとりつかれたが、男の妻になりたいという姉妹がいて、劉備玄徳は妹の嵐を、孔明は姉の麗の方を引き取ろうとする。だが、村人の仕打ちによって、姉妹は正体を現わし、2匹の龍となって、劉備と孔明を天上界まで連れて行った。 実は、孔明は7歳の頃、迷った山で出会った仙人から、龍の娘が若返るために人間の男の精を求めることを聞かされていた。そこで、麗と交わり、何でも欲しいものが1つ手に入れられるようになる。孔明は森羅万象のすべてが記された書物を、麗の父である竜王に求め、書物のある登竜門へ行く。

(らん)

死病に取りつかれたという姉妹のうちの妹。ビキニスタイルの美女。実は、伝説の天上神竜王の五番目の娘で、正体は龍だった。嵐を妻にと選んだ劉備玄徳は、ある条件を満たして、人間界一の肝っ玉を得ている。ただ、嵐は数年前に、すでに曹操猛徳と交わっており、劉備とは交わうことはしなかった。 しかし劉備のことが気にかかり、地上へ降りて劉備の愛馬となり、彼を見守るようになる。劉備がピンチになると、翼を出して空を飛ぶこともある。

(れい)

死病に取りつかれたという姉妹のうちの姉。古代中国の絢爛な着物を着た美女。実は、伝説の天上神竜王の四番目の娘で、正体は龍。200年に一度、人間の若い男の精を求めて天から降り、男と交われば、若返りができるという。今回姉妹が地上に降りてきたのは、麗の若返りのためだった。 麗を選んだ諸葛孔明は、彼女と交わった後、竜王にも気に入られ、森羅万象のすべてが記された書物を読み、知識を得るようになる。のちに、竜王が天界と地上界に通じていた扉を閉め、行き来ができなくした際には、嵐は地上界に、麗は天界に残っている。ただ、彼女も孔明のことは気にかかるようで、その後1度、猟師の妻の姿をして、孔明の前に姿を現している。

竜王 (りゅうおう)

龍の姉妹、麗と嵐の父親で伝説の天上神。すべての水と火を司る竜神一族の長。全宇宙の支配者である王皇大帝の第一の部下でもある。雲の上に建つ、すべてのものが金でできた黄金宮殿に住む。人間である劉備玄徳と、諸葛孔明を気に入り、娘たちの婿として認め、天界で暮らすよう勧めるが、劉備たちは人のために生きたいと、地上界へ戻っていった。

呑邪鬼 (どんじゃき)

巨大な怪物で、大蛇を首に巻いている。地獄の邪鬼を朝三千、夜三千匹食すといわれ、数十匹の鬼を一掴みにして丸呑みにしてしまう。劉備玄徳が太い肝っ玉が欲しいと竜王に求めたとき、竜王はこの呑邪鬼の肝を食えば、望みは叶えられると答えた。劉備は肝を取りに行くも、呑邪鬼の幻による攻撃で、気が狂いそうになる。 このとき、竜王の娘嵐の手助けや、集められた大量のエサになる予定だった鬼たちが反乱し、劉備はなんとか呑邪鬼を倒し、肝を得ている。

関羽 雲長 (かんう うんちょう)

河東の解良の生まれ。長いあごひげを持つ、大きな男。黄巾族の一員だったが、黄巾族の非道が嫌になって脱けた。その後、劉備玄徳と出会うと、天界から声が聞こえ、劉備に家臣にしてほしいと迫る。その後、単騎で300人の守備兵が守る赤水城を、劉備のために攻略。 その噂を聞いた張飛翼徳とも出会い、劉備合わせて3人で義兄弟の契りを結んだ。長兄劉備、次兄関羽、末弟張飛となる。

張飛 翼徳 (ちょうひ よくとく)

左目に刀傷を受けて見えないが、関羽雲長と互角に戦う豪傑。先祖は、中山靖王の近衛兵として仕えた一族。張飛は、赤水城を単騎で攻め取った男がいると聞き、力試しのため、その男関羽と一戦に及ぶ。だが実力伯仲。さらに、関羽が主としてあがめるのが劉備玄徳であることを知り、自らも家臣にしてほしいと懇願した。 これにより、3人は義兄弟となり、長兄劉備、次兄関羽、末弟張飛の固い絆が結ばれた。

幻鐘 大王 (げんしょう だいおう)

黄巾族を指揮して中国全土を混乱させた張角の正体。魔界の王で、呑邪鬼の肝を狙ったが、結局食えなかった。地上界を支配して、人間をこくごとく食い尽くすつもりだったが、それに対し、竜王が待ったをかけ、麗と嵐、劉備玄徳と諸葛孔明が力を合わせて倒した。 このとき、幻鐘大王の肉体は108の野望の魂に分裂し、その魂は、各地の曹操猛徳、董卓、袁紹といった有力者のもとへ飛んでいった。劉備の体内にも入ろうとしたが、彼は自力でそれを阻止している。

曹操 猛徳 (そうそう もうとく)

長髪の男。洛陽に住む騎都尉(きとい)。父は大尉の位を一億銭で買ったという富豪。5年前に、死病に取りつかれた女と交わったが、それが竜王の娘嵐だった。そのときの曹操の望みは、天下の掌握だった。のちに、幻鐘大王の野望の魂が体内に入り、天下取りに動き出す。

董卓 (とうたく)

幻鐘大王の野望の魂を受けた男。涼州の長官で、大将軍何進の密書によって、12万の軍勢を率いて都に上った。このとき、呂布奉先と貂蝉の兄妹と出会い、呂布が天子を連れていたことから、董卓がこれを保護。その後、呂布を補佐、貂蝉を愛人にして、最高位の相国に上り詰める。

呂布 奉先 (りょふ ほうせん)

髪が金髪の大きな男。母が西洋人の絹商人に売られたので、西洋人の血が流れているという。母が死んだため、妹の貂蝉とともに、叔父の丁原(ていげん)のもとへ行こうとしたら、途中で都から逃げ出した天子とその弟に出会い、これを保護した。のちに、貂蝉の画策で、丁原を斬って董卓の元に走った。 天下屈指の豪傑で、関羽雲長、張飛翼徳を同時に相手し、互角の戦いをしていた。

貂蝉 (ちょうせん)

金髪で瞳は栗色の美女。呂布奉先の妹。母を西洋人の絹商人に売った叔父の丁原(ていげん)を恨み、兄呂布に斬らせ、董卓に寝返った。董卓の愛人となり、女ながらいろいろ彼に献策している。だが、本心は董卓を嫌っており、兄に天下を取らせるため、時期を待っている。

場所

黄金宮殿 (おうごんきゅうでん)

伝説の天上神、竜王が住む宮殿。門や柱、壁などすべてのものが金で輝く宮殿で、雲の上に建っている。竜王や、その娘の麗や嵐は、人間の数倍の大きさがあるので、宮殿も人の物よりずっと大きい。ここで、劉備玄徳は人間界一の肝っ玉、諸葛孔明は森羅万象すべての知識を得ている。

書誌情報

天地を喰らう 全4巻 〈集英社文庫 コミック版〉 完結

第1巻

(1996年7月発行、 978-4086170260)

第2巻

(1996年7月発行、 978-4086170277)

第3巻

(1996年9月発行、 978-4086170284)

第4巻

(1996年9月発行、 978-4086170291)

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