あらすじ
第1巻
魔法が当り前に使える世界に生まれたナナリー・ヘルは、小さい頃に父親の仕事でいっしょについて行ったハーレ・モーレン魔導所で出会った受付のお姉さんの人柄や仕事をする姿にあこがれ、自分もハーレ・モーレン魔導所の受付嬢になりたいと強く願うようになる。両親から、超一流の魔法使いでないと受付嬢にはなれないことを聞いたナナリーは、懸命に努力を重ねてドーラン王国魔法学校に入学する。魔法学校にはドーラン王国の王子であるゼノン・バル・ドーランをはじめとした貴族の子女が大多数を占めており、庶民には肩身の狭い雰囲気だったが、ナナリーは自らが1位の成績を取って庶民をバカにする貴族に一矢報いる決意を固める。しかしナナリーは定期テストのたびに、となりの席に座る公爵子息のアルウェス・ハーデス・アーノルド・ロックマンに負けていつも2位の成績だった。アルウェスに対してライバル心を抱くナナリーは、生徒同士が魔法の実力を競い合う大会「攻守専攻技術対戦」で1位を取ることを宣言する。
第2巻
ドーラン王国魔法学校を卒業してハーレ・モーレン魔導所に就職したナナリー・ヘルは、困っている人から依頼を受ける業務を担当していた。しかし、小さい頃からあこがれていたのは受けた依頼を破魔士たちに紹介する受付で、これは魔導所の仕事全般を知り尽くしていないとできない業務だった。ナナリーは少しでも早く、この受付を任せてもらえるように毎日を過ごしていた。ある日、逃げ出した家畜を連れ戻すために、魔物が出るという噂のある森に行った男性が帰ってこないので捜してほしいという依頼が舞い込む。その依頼を担当したナナリーは、先輩受付嬢のゾゾ・パラスタといっしょに森へと事前調査に向かう。いつもと雰囲気の違う森を警戒しながら進んだ二人は、実際に魔物を確認したあと、ナナリーの空間転移魔法で森を脱出する。しかし、ナナリーは転移先を魔導所にするものの、魔法を使う直前のアクシデントでアルウェス・ハーデス・アーノルド・ロックマンがいるロックマン公爵家に転移してしまうのだった。
関連作品
小説
本作『魔法世界の受付嬢になりたいです』はまこの小説『魔法世界の受付嬢になりたいです』が原作となっている。原作小説版は、まこが「小説家になろう」に投稿していた同名小説で、アリアンローズから刊行された。イラストはまろが担当している。
登場人物・キャラクター
ナナリー・ヘル
ドーラン王国魔法学校を卒業してハーレ・モーレン魔導所で働く女性。小さい頃に父親について行ったハーレ・モーレン魔導所で、破魔士たちに依頼を紹介する受付のお姉さんの人柄や仕事をする姿にあこがれ、自分もハーレ・モーレン魔導所の受付嬢を目指すようになる。両親から、超一流の魔法使いでないと受付嬢にはなれないことを聞き、懸命に努力を重ねて魔法学校では2位の成績をおさめている。つねに1位のアルウェス・ハーデス・アーノルド・ロックマンに対してライバル心を抱き、何かと食ってかかっているが仲はそんなに悪くない。いつも元気一杯で、明るくて前向きな性格なために友達も多い。魔法型は氷で、氷結や雪を使った魔法が使える。魔法学校に入学するまでは髪の毛が焦げ茶色だったが、魔法学校で魔法型を調べる際に血に宿った魔力が覚醒し、髪の色が水色に、瞳の色が翠色に変化した。
アルウェス・ハーデス・アーノルド・ロックマン
ドーラン王国魔法学校を卒業して王国騎士団に所属する男性。ミハエル・アーノルド・ロックマン公爵の息子で、ゼノン・バル・ドーランの従兄弟でもある。家柄がよくて容姿端麗なために多くの女性から言い寄られているが、決まった女性とは付き合っておらず、なおかつ女性の面子をつぶさないように気遣っている。魔法学校ではつねに1位の成績をおさめ、自分に対してライバル心をむき出しにしてくるナナリー・ヘルとは口喧嘩が絶えないが仲は決して悪くない。魔法型は火で、他を圧倒するような火力の魔法が使える。
ゼノン・バル・ドーラン
ドーラン王国魔法学校を卒業して王国騎士団に所属する男性。ドーラン王国の第三王子。アルウェス・ハーデス・アーノルド・ロックマンとは従兄弟の間柄。魔法学校での成績は4位と優秀で、責任感が強くてカリスマ性も備えている。魔法型は雷で、魔法型を判明させる際に近くの教壇を破壊してしまったほど魔力が高い。
ニケ
ドーラン王国魔法学校を卒業して王国騎士団に所属する女性。庶民の出で、魔法学校の寮ではナナリー・ヘルやベンジャミンと同室だった。お洒落に無頓着なナナリーの髪をセットしてあげるなど面倒見がいい。騎士団では強者ぞろいで知られる騎士団長の隊で活動している。
ベンジャミン
ドーラン王国魔法学校を卒業して破魔士の活動をしている女性。庶民の出で、魔法学校の寮ではナナリー・ヘルやニケと同室だった。ナル・サタナースに思いを寄せており、両思いになれるようにお洒落をしているが、肝心なところでは引っ込み思案となってしまう。
ナル・サタナース
ドーラン王国魔法学校を卒業した男性。ナナリー・ヘルやアルウェス・ハーデス・アーノルド・ロックマンとクラスメートだった。魔法型は風。魔法学校の成績はあまりよくなかったが、楽天的な性格なためにまったく気にしていない。
マリス・キャロマインズ
ドーラン王国魔法学校を卒業した女性で、キャロマインズ侯爵の長女。ナナリー・ヘルやアルウェス・ハーデス・アーノルド・ロックマンとクラスメートだった。魔法型は火。アルウェスのことが好きで、アルウェスに好意を寄せるほかの女性に負けないように積極的にアプローチをしている。魔法学校入学時は庶民を見下したような言動をしていたが、ナナリーがほかの貴族令嬢となかよくなったことをきっかけに庶民への偏見がなくなる。特にナナリーとはお互いに軽口を言い合うほどの仲となり、お洒落に無頓着なナナリーにさまざまなアドバイスを送る。
テオドラ・ロクティス
ハーレ・モーレン魔導所の所長を務める女性。聡明で優しい性格で、所員のこともよく把握しており、ナナリー・ヘルの働きぶりに注目している。王国騎士団の団長のことを敵視している。
ゾゾ・パラスタ
ハーレ・モーレン魔導所で働いている女性。ナナリー・ヘルの仕事場の先輩でもある。困っている人からの依頼を破魔士たちに紹介する業務を担当している。面倒見がよくて気遣いができる優しい人物で、ナナリーのことも気にかけている。ナナリーが受け付けた依頼の緊急性を察して、ナナリーと共に事前調査へ向かう。
ミハエル・アーノルド・ロックマン
ロックマン公爵の三代目当主を務める男性。アルウェス・ハーデス・アーノルド・ロックマンの父親で、ドーラン王国国王の弟でもある。大貴族とは思えないほど気さくな性格をしている。アクシデントでロックマン公爵家に転移してしまったナナリー・ヘルに、アルウェスに関することの調査を依頼する。
場所
ハーレ・モーレン魔導所 (はーれもーれんまどうしょ)
困っている人から依頼を受け、解決できそうな破魔士に仕事を紹介している魔導所。受付嬢になるには破魔士のように魔法を使って魔物と戦えるだけの実力と、ドーラン王国魔法学校で上位に入るほどの学力の両方が必要となる。職員は、初代所長のハーレ・モーレンが作った道具であるギグネスタイ・ネロから専用の武器と防具が与えられる。
クレジット
- 原作
-
まこ
- キャラクター原案
-
まろ
書誌情報
魔法世界の受付嬢になりたいです 7巻 KADOKAWA〈フロース コミック〉
第1巻
(2019-11-05発行、 978-4040641676)
第2巻
(2020-05-02発行、 978-4040646725)
第3巻
(2020-11-05発行、 978-4040659862)
第4巻
(2021-08-17発行、 978-4046804457)
第5巻
(2022-05-17発行、 978-4046812438)
第6巻
(2023-02-03発行、 978-4046819031)
第7巻
(2023-12-14発行、 978-4046832245)