概要・あらすじ
幼少の頃から科学の虜になって育った岸田森魚は、転校先の街で同学年の少女の天道笑と出会い、彼女の祖父で実践物理学者のカッポーレ博士と意気投合する。自分のことを「科学の信徒」と言ってはばからない森魚は、博士の作った機械の科学力に感動するも、毎回トラブルに巻き込まれていく。
登場人物・キャラクター
岸田 森魚 (きしだ もりお)
中学1年生の少年。幼い頃から科学者になる夢を持って育った。北海道から引っ越してきた。カッポーレ博士とは、科学を愛する同志として初対面から意気投合し、博士の作る機械に毎回心を震わせる。当初は気にしていなかった天道笑に対して、好意を持っていることを徐々に自覚するようになる。成績は優秀だが、現国だけは苦手としている。 極度の運動音痴。
天道 笑 (てんどう えみ)
中学1年生の少女。天然系だが学年トップの成績を誇る。カッポーレ博士の孫。転校してきた岸田森魚が学校を下見に来た際に出会い、彼の希望で学校を案内した。温和な性格だが、教授に対しては怒りの感情をあらわにして、森魚を驚かせる。
カッポーレ博士 (かっぽーれはかせ)
天道笑の祖父。実践物理学者を名乗る。カッポーレ博士によると、実践物理学とは、「実験でもシミュレーションでも理論でもない実行によってなす物理学」とのこと。作りだしたさまざまな機械でトラブルを解決しようとするが、結果的により大変な事態を引き起こすことが多々ある。
ロボ子 (ろぼこ)
少女型のA.I.(人工知能)。カッポーレ博士の助手をしている。自分の名前を「リリカ」であると主張しているが、天道笑以外には「ロボ子」と呼ばれており、それを不満に思っている。趣味は園芸。植物に話しかけながら水をやったりする、乙女心に溢れた純粋な性格。背中に原子炉を付けている。
滝上 龍 (たきがみ りゅう)
中学1年生の少年。岸田森魚のクラスメイト。天道笑とは幼なじみ。滝上龍自身は、笑とは一番の親友と言い張っている。森魚が笑に対して馴れ馴れしいと難癖をつけ、自らが得意とする運動で勝負をつけようと提案した。カッポーレ博士を苦手としており、近づかないようにしている。
甲賀 聖子 (こうが しょうこ)
中学1年生の少女。岸田森魚と同じクラス。呑気そうに見えて、成績はトップクラス。自分よりも男子の好感度が高い天道笑にはライバル意識を持っている。負けん気が強く、泳げない笑に対して水泳勝負を挑んだ。その際、笑はエツ・ヒノイマンが作った特別製の水着を着用し、甲賀聖子は甲賀無限斎の作ったメカを使用した。
甲賀 無限斎 (こうが むげんさい)
甲賀聖子の祖父。重工学博士で、カッポーレ博士とはライバル同士の関係。聖子に有事の際は、自らの体に重厚感のある機械を装着して登場したり、戦闘用の機械に乗って駆け付ける。いつも威勢のいい老人だが、孫にはてんで弱い。
エツ・ヒノイマン (えつひのいまん)
実践物理学者の90歳の女性。カッポーレ博士の友人で、天道笑とも仲良し。カッポーレ博士の研究所の自然光が少ないと感じれば、全自動天窓機を使用して天窓を作り出したり、笑に水分子の指向性を制御する特別製の水着をプレゼントするなど、カッポーレ博士に負けず劣らずさまざまな機械を生み出している。のちに、ワンランク上の世界「科学者の理想郷」へと旅立つ。
教授 (きょうじゅ)
カッポーレ博士と甲賀無限斎の恩師である男性。男性型A.I.(人工知能)のと♭を作った。2人によれば、「万能にして偉大な力のある真の賢者」。その眼は物性を見抜き、その腕は力を持って量子を操り、その足は一飛び18000パーセクを駆け、自分の髪から幾千ものクローンを作るという。
と♭ (しゃーぷとふらっと)
教授に作られた男性型のA.I.(人工知能)2人組。静かな山の中にたたずむ「温泉科学研究所」で客人を出迎える。その場所では科学的に作られたモノは禁止という規則があるため、機械を見つけるとビームで破壊する。着用している半纏は高エネルギー反射手織で、ビームによるダメージを受けない。と♭もロボットであることをロボ子に指摘されて、お互いに壊そうと攻撃し合った。 のちに、ロボ子に「心」の秘密を教えてもらうために、2人で山を出て街にやってくる。
天道 幸 (てんどう さち)
天道笑の母親。笑が幼い頃、笑の父親と共に「科学者の理想郷」へと去り、姿を消した。去る間際、一番好きなものを想い、何になりたいかを考えるように、と笑に伝えた。のちに笑と岸田森魚は、天道幸と笑の父親に、「科学者の理想郷」で再会を果たす。そこは、素材空間(マテリアルスペース)であり、意志に反応して物質が現れる世界だった。