概要・あらすじ
幼い頃からテニスをしていた高津萌は、ここのところ伸び悩んでいた。周囲の目にもそれは明らかで、とてもウィンブルドンに出たことがある父親を持つとは思えないと言われて、萌は落ち込む。ある日、月丘開耶という少年が萌に「もっと自分の思うようにテニスをやればいい」と話しかけてきた。その翌日、言われたとおりに思い切ってプレイした萌は、今までの不調が嘘のように解消されていることに気づく。
登場人物・キャラクター
高津 萌 (たかつ もえ)
父親から習ったテニスが大好きで、ちょっとおっとりした性格の女子中学生。テニスのことは好きだが、最近調子が出ずに伸び悩んでいる。今は日下恵とダブルスを組んでいる。月丘開耶にアドバイスをもらって以来、本来の調子を取り戻す。実は父親である高津日明の実の娘ではない。自分のことを成長させてくれた開耶に想いを寄せている。
月丘 開耶 (つきおか さくや)
アメリカからの帰国子女で、アメリカでずっとテニススクールに通っていた男子中学生。アメリカ帰りのためか遠慮なしにものを言うが、憎まれない得な性格。兵藤菜子とはアメリカにいた頃からの知り合いで、プレイスタイルは違うものの仲は悪くない。徐々に自分のプレイスタイルを確実なものにしていく高津萌に対して、好意を抱いていく。
高津 青 (たかつ せい)
高津萌の兄の男子中学生。萌が実の妹ではないため、実質的に高津日明の一人息子である。父親と比べられるのが嫌でテニスをやめていたが、月丘開耶に刺激されてテニスを再開する。妹の萌のことが好きで、開耶に取られるのではないかと嫉妬している。
日下 恵 (くさか めぐみ)
高津青のことが好きな女子中学生。高津萌とは同じ中学のテニス部でダブルスを組んでいるが、萌が自分のテニスをするようになるまではトップの座にいた。萌にばかり気にかける青にヤキモキしながらも、青のことを諦めきれずにいる。
高津 日明 (たかつ あきら)
高津萌と高津青の父親。萌とは血のつながりがないが、実の娘のように可愛がっている。ウィンブルドンにも出場したことのある日本テニス界のエースで、よく萌のテニスを指導していた。
兵藤 菜子 (ひょうどう なこ)
かつてアメリカで月丘開耶と同じテニススクールに通っていた、高千穂中の女子中学生。勝気で、自分のテニスのプレイスタイルを疑わず、テニスは一人で孤独にプレイするものだという信条を持っている。