概要・あらすじ
小柳るみ子は23歳の独身OLで、母親からは早く結婚をしろと、見合い話を持ちかけられている。しかし、同じ課で働いている既婚者の樫内課長に密かに憧れを抱いており、見合いには乗り気ではなかった。ある日、るみ子は樫内課長に誘われてホテルに行くが、ベッドイン前に重い発言をしたことで振られてしまう。その失恋の痛みを和らげるために見合いをしたるみ子は、見合い相手の大槻剣矢と知り合う。
この時は、失恋から立ち直ってから交際をした方がいいと、剣矢側から断りを入れて破談となったが、後日、剣矢がるみ子と同じ勤務先に異動して来たことで再会。そのまま交際がスタートし、2人はあっという間に結婚へと至る。新婚旅行にるみ子の両親が勝手について来る、お互いの両親の夫婦喧嘩に巻き込まれる、義姉から託児を依頼される、さらには剣矢に想いを寄せる女子社員が登場するなど、るみ子と剣矢はさまざまなトラブルに巻き込まれていくが、2人はそれを愛の力で乗り越えていくのであった。
登場人物・キャラクター
小柳 るみ子 (こやなぎ るみこ)
天王商事株式会社の新橋本社の販売課に勤務する23歳のOL。会社の同僚や大槻剣矢からは「るみちゃん」と呼ばれている。父親の小柳春雄、母親の小柳美津、愛犬のモモコとともに実家で暮らしている。美津からは結婚しろとうるさく言われており、見合いをセッティングされそうになるが、同じ課に密かに憧れていた樫内課長がいたために、気乗りせず断っていた。 樫内課長から誘われてホテルのベッドまで行ったものの、重い女だと思われて何もされず、失恋を経験。やけになって見合いを受け、大槻剣矢と出会う。剣矢との見合いでは、失恋を励まされるだけで先方から破談を告げられたが、るみ子としては剣矢のことを気に入っていた。悶々とする日々を過ごしていたところ、後日、偶然にも同じ会社の営業部に剣矢が異動して来たことで再会。 そのまま交際へと発展し、あっという間に婚約、結婚をすることとなった。結婚後は姓を変え、「大槻るみ子」となる。さっぱりしているようで情深い、明るく前向きな優しい性格の持ち主。
大槻 剣矢 (おおつき けんや)
天王商事株式会社の横浜支店の営業部に勤務する24歳の男性サラリーマン。父親の大槻金次、母親の大槻珠子に、姉の良恵と大槻遥子、妹の大槻理香奈という家族構成で、猫の弥七を飼っている。名門大学の早慶大学を卒業したエリート。小柳るみ子とは見合いで出会ったものの、るみ子の言動から失恋をしてやけになって見合いを受けたことに気づく。 その場では、おいしいケーキをご馳走するなどしてフレンドリーに接し、交際自体は剣矢の方から断った。後日、るみ子と同じ会社の営業部に異動になり、偶然の再会を果たす。実はるみ子のことを気に入っており、再会してすぐに気持ちを伝え、晴れて恋人同士となった。その後はすぐさま互いの両親に挨拶し、るみ子と婚約、結婚した。 その後は所沢支店へと異動している。真面目で誠実、妻想いの穏やかな性格の持ち主で、めったに怒ることはない。反面、一度怒ると感情的になって長引く傾向がある。
小柳 春雄 (こやなぎ はるお)
小柳るみ子の父親。年齢は58歳。るみ子にやたらと結婚を勧める妻の小柳美津とは対照的に、23歳で結婚を決めるのは早いと感じており、るみ子の見合いには消極的。しかし、反対をしているのはあくまでタイミングの問題であり、るみ子に結婚しないで欲しいわけでない。厳格な父親を装っているが、少々抜けたところがある。
小柳 美津 (こやなぎ みつ)
小柳るみ子の母親。年齢は50歳。小柳美津自身は、るみ子と同じ23歳の頃には結婚をし、出産をすませていた。そこで、るみ子にも早く結婚をして欲しいと常々願っている。親戚の19歳の娘が結婚して、妊娠までしたので本格的に焦り出す。ちなみに趣味は着物で、るみ子の見合いを機会に、自身も着物を新調しようとしていた。
モモコ
小柳るみ子の実家で飼われているメスの柴犬。年齢は2歳。家族の中では特に小柳春雄に懐いており、一緒にいることが多い。また、大槻剣矢にも初対面時から懐いた。るみ子と剣矢の結婚式で弥七と会い、大喧嘩をすることとなった。
大槻 金次 (おおつき きんじ)
大槻剣矢の父親。年齢は59歳。当初は、一度見合いが破談になった相手である小柳るみ子に対して良い印象を抱いていなかった。ところが、家族以外には懐かない愛猫の弥七がるみ子の膝の上に乗ったので、結婚を認めた。普段は常識的な人物であるものの、なぜかるみ子の父親である小柳春雄とは張り合いがちである。
大槻 珠子 (おおつき たまこ)
大槻剣矢の母親。年齢は57歳。少し太めの体型をした、朗らかな性格の持ち主。息子の嫁である小柳るみ子との関係も良好である。
弥七 (やしち)
大槻剣矢の実家で飼われている大柄なオス猫。家族以外には絶対に懐かないはずだったが、なぜか小柳るみ子にだけは懐いた。しかし、るみ子の首元をひっぱってどこかに連れていこうとするなど、どちらかというと、おもちゃや自分の下僕として認識している節がある。るみ子と剣矢の結婚式でモモコと会い、大喧嘩をすることとなった。
良恵 (よしえ)
大槻剣矢の姉で、大槻家の長女。自由奔放な性格をしている。新婚の小柳るみ子と剣矢に、いきなり娘の愛乃を1週間預けるなど強引なところがあるが、良恵本人には悪気はない。
愛乃 (あいの)
良恵の娘で、大槻剣矢にとっては姪にあたる。まだ1歳3か月で、普段は地元の「コラア保育園」に通っている。さきイカが大好物で、どんなに機嫌が悪くてもしゃぶると泣きやむ。いきなり良恵によって小柳るみ子と剣矢のもとに預けられ、1週間暮らすことととなった。
大槻 遥子 (おおつき ようこ)
大槻剣矢の姉で、大槻家の次女。年齢は31歳で独身。ブランド物に身を包み、メイクもいつもばっちり決めており、三姉妹の中で一番派手な外見をしている。性格も見た目通り高飛車。ちなみにメイク技術に異常に優れており、小柳るみ子も思わず教えを乞うたほど。剣矢とるみ子の住むマンションに、よくふらりと遊びに来て、宿泊して帰っていくことがある。
大槻 理香奈 (おおつき りかな)
大槻剣矢の妹で、大槻家の三女。18歳の女子高校生。お好み焼き屋でアルバイトをしている。流行には敏感でノリが軽く、父親の大槻金次にはその素行を心配されている。見合いで知り合いながらもラブラブな剣矢と小柳るみ子夫妻に憧れを抱いている。ちなみに自身には高志という彼氏があり、関係も良好。
高志 (たかし)
大槻理香奈と交際している男子高校生。長髪のイケメンで、大人っぽい雰囲気の持ち主。理香奈とは真剣に交際しており、大槻剣矢と小柳るみ子の自宅にも堂々と遊びに来ている。
樫内課長 (かしうちかちょう)
天王商事株式会社の新橋本社の販売課に勤務する男性。小柳るみ子の上司。有名大学T大を卒業しているエリートでセンスも抜群、妻も美人と、周囲からは一目置かれる存在。以前からるみ子を気に入っており、ホテルに呼び出した。しかし、ベッドインをする前に、るみ子の「妊娠してもいい」という発言を重く感じ、結局何もせずに帰ってしまった。 普段はかっこよく振る舞っているが、実は酒乱で、酔うと周りに絡み出すなど酒癖が悪い。
服部 (はっとり)
天王商事株式会社に勤務する30歳の男性サラリーマン。大槻剣矢とは会社だけでなく、プライベートでも仲が良い。真面目な性格で女性とはあまり縁がなく、本人も積極的に恋愛を求めていない。小柳るみ子に剣矢の姉の大槻遥子を紹介されるが、政治観の違いから大喧嘩になってしまう。
結城 舞 (ゆうき まい)
天王商事株式会社の所沢支社の繊維部に所属する若い独身OL。「繊維部の舞ちゃん」として社内の一部では有名であり、既婚者食いとして知られる。次のターゲットとして大槻剣矢を狙っており、社内野球大会の応援に来た小柳るみ子に対し、大胆不敵にも「旦那さまを譲ってほしい」と申し出る。
長我部 英子 (おさかべ えいこ)
病院の医院長を務めている独身の女性医師。年齢のわりに若々しく、清楚な雰囲気の持ち主。ひどい痔になってしまった小柳春雄のために、大槻剣矢が紹介した人物。春雄と同じ小学校に通っており、6年生の時にはクラスメイトでもあった。春雄の初恋の相手でもある。春雄との再会を懐かしむと同時に、内診で肛門に躊躇なく指を突っ込んだ。
場所
天王商事株式会社 (てんのうしょうじかぶしきがいしゃ)
新橋を本社とする大企業。横浜など各方面に支社がある。社員数も非常に多く、本社と支社などでは、お互いに顔も名前も知らないケースがほとんど。新人研修として合宿が行われており、その際にカップルになる社員が多い。そのため、一部の女子社員からは「合宿が(いい男を捕まえる)勝負」と言われている。