概要・あらすじ
21歳の雛守叶は食べることが大好きな大学3年生。中華デリのバイトはまかない付きで、試食会議では叶の味覚があてにされていた。ある日、バイト仲間の男の子の紺野となかよくなった叶は、就活フェアに誘われた。21歳にして初めて男子に誘われたと喜ぶものの、自分の持っている服はジャージかジーパンばかり。叶は双子の妹の雛守唯に洋服を貸してほしいと頼んだ。唯は女子力が高く、美人でしっかり者と双子なのに叶と正反対だった。叶がいいなと思う男の子と唯が付き合ってしまうことが多かったため、叶は少し警戒して紺野のことを詳しく話さなかった。ところが、就活フェアで紺野と叶が休憩していると、そこに唯が通りがかる。唯はマスコミ系の面談があったと偶然を装ったが、叶は紺野を品定めするために来たのだと思っていた。就職活動を始めた叶は、株式会社トリブートの採用試験に挑むが、志望理由を「社食ランキングが上位だから」と正直に話してしまう。面接後、社食でご飯を食べていた叶は、先ほど面接してくれた男性に見つかり、前代未聞だと怒られる。そして彼から社食に幻のメニューの存在を聞かされるが「これを食べたければ死に物狂いで頑張らないと受からない」と言われてしまう。一方、唯は第一希望の伝法堂に受かり、ほかにも内定をもらっていた。叶はトリブート以外すべて不採用。さらに紺野が唯に告白したと聞かされ、唯と違って自分を必要とする人などいないと落ち込む叶。ならいっそ唯を演じればいいと、しぐさや態度、話し方をまねてみると、トリブートの最終面接まで残ることができた。だが、自分を抑え、唯を演じるうちに叶は食事の味がしなくなってしまう。最終面接当日、「本当にやりたいことは何か」と面接官に聞かれた時、叶は「美味しいごはんが食べたいです」と面接を途中で棄権してしまう。こうして大学卒業後の就職先が決まらなかった叶はニート決定。しかし叶は自分らしくいられる道を探し、歩み始める。
登場人物・キャラクター
雛守 叶 (ひなもり かなえ)
食べることが大好きで、食いしん坊な女の子。初出は曙大学三年生で21歳。女子力が低く、持っている服はジャージやジーパンばかり。叶とは正反対の、賢くて美人でしっかり者の雛守唯という双子の妹がいる。社食ランキングの上位という理由だけで、就職先を決めようとしたほど甘い考えの持ち主。唯のまねをして、最終面接まで残ったが、食べ物の味がしなくなり、自分らしく生きたいと就職を断念。大学卒業後はニートになる。おっちょこちょいで甘ったれだが、明るくて憎めない性格。味覚が鋭く、隠し味などを当てられる。食べ物のことになると熱くなり、台無しな食べ方をしている人につい説教してしまう。
雛守 唯 (ひなもり ゆい)
雛守叶の双子の妹。双子だが叶と顔は似ておらず、性格も正反対。ミスS女子で美人なうえに賢く努力家で女子力も高い。マスコミ志望で早めに就職活動を始め、大手の伝法堂に入社する。姉の叶にキツいことを言ったり、いじめたりするが、実は姉思い。叶が気に入っている男性に近づき、ほかの女性になびく男かどうかを試している。
紺野 (こんの)
雛守叶の中華デリのバイト仲間。叶と同じ大学三年生の男の子。叶を就活フェアに誘うが、そこで叶の妹の雛守唯と知り合い、その後、唯になびいてしまう。