妖怪少女 -モンスガ-

妖怪少女 -モンスガ-

幽霊や妖怪を見ることができる少年が、ひょんなことから妖怪の少女と出会い、日常に潜むさまざまな怪異に立ち向かっていく妖怪バトルラブコメディ。精密な筆致で描かれる熱いバトルはもちろん、可愛らしい美少女妖怪たちのお色気描写など、あらゆる要素を詰め込んだエンターテインメント性あふれる作品となっている。「週刊ヤングジャンプ」2014年14号2017年30号まで連載の作品。

正式名称
妖怪少女 -モンスガ-
ふりがな
ようかいしょうじょ もんすが
作者
ジャンル
お化け・妖怪
関連商品
Amazon 楽天

世界観

舞台は現代日本の秋葉原。妖怪や幽霊は電磁波の多い場所に集まる性質を持っているとされ、秋葉原には多くの怪異が集まるという設定になっている。こうした怪異の中には人間に友好的で、周囲に溶け込んで生活している者もいれば、完全に不干渉だったり、興味を持たない者もいる。しかし、怪異は人間の伝承や信心なくしては存在理由を保つことが難しく、科学の発展した現代で居場所をなくした者も多い。こうした者は、自分たちが蔑ろにされつつあることに強い憤りを感じており、敵意を露わにすることもある。

あらすじ

秋葉原のガジェット屋で働く西水流八喜は、幽霊を見ることができるという特殊能力を持った少年。しかし、その能力を活かすでもなく、ただ日々を普通に過ごすフリーターだった。そんな八喜はある日、綾辻轆花という名の少女と知り合うが、仲を深めていくうちに、彼女が轆轤首の妖怪であることを知ってしまう。今も謎の怪異に侵され続ける妹の西水流虹緒を持つ八喜は、妖怪に関わるとろくなことがないと、一度は轆花との決別を決意。しかしそれも束の間、八喜は片想いをしている女の子に取り憑いた別の妖怪と対峙する羽目になり、命に関わる重傷を負ってしまう。その窮地に現われた轆花により、八喜は命を救われることとなった。この一件から、妖怪に対する考え方を改めた八喜は、虹緒にまつわる怪異を取り除くため、轆花とともにさまざまな怪異に深く関わっていく。

作風

主人公である西水流八喜とその妖怪の仲間たちが、人間に害をなす怪異に立ち向かうバトル展開が物語の主体。美麗ながら見やすいタッチの絵柄で、熱いバトルが描かれる。他に、八喜を取り巻く人物たちとのラブコメディ、また登場する女性陣のお色気シーンが頻繁に描かれるのが特徴で、これも本作の大きな魅力の1つとなっている。作者のふなつかずきは、長く続いたシリアス展開が終わり、ラブコメ・お色気の日常展開が始まった際に、Twitterで「これこそが『妖怪少女 -モンスガ-』だと思います」といった旨の発言をするなど、むしろお色気描写に重きを置いていると思われる発言までしている。

作品におけるパロデイ・もじり

作中に登場するさまざまな妖怪は、各地に伝わる伝承や逸話をもとにしたものが多いが、妖怪漫画の第一人者でもある水木しげる作品の設定に準じたものも見られる。またパロディではないが、登場人物が妖怪像を語る際、水木作品のキャラクターを例に持ち出すことも多い。その他、舞台が現代秋葉原に設定されているため、サブカルチャー関連のネタが非常に多く、キャラクターが別作品のコスプレをしたり、そのネタを口にするといった場面が多々見られる。

モデルになった町

秋葉原が主な舞台となっている。作中では秋葉原の街並みが再現されており、実在店舗なども登場する。これらの実在店舗は、作者のふなつかずきが公式に募集し、許諾を得て描いているため、店名はもちろん、内観や店で提供される料理まで、現実に則した形で詳細に描写されている。これがきっかけとなって、コミックス発売時にコラボレーションメニューを提供するイベントが組まれるなど、作品の中だけに留まらない展開を見せている。

単行本の装丁

カバー下の本体表紙には、作中に登場するヒロインのセクシーな書き下ろしイラストが描かれている。また、ピックアップされたヒロインの誕生日や年齢、スリーサイズや趣味が分かる簡単なプロフィールも掲載されている。

コラボレーション

セレクトショップ「セフィロティックツリー」

秋葉原にあるメンズセレクトショップ「セフィロティックツリー」のオリジナルブランド「バックサイドオブトーキョー」とのコラボレーション商品として、『妖怪少女 -モンスガ-』コラボTシャツが販売されている。

タイアップ

秋葉原の飲食店とのタイアップイベント

コミックス最新巻の発売に合わせ、本作『妖怪少女 -モンスガ-』中に登場した飲食店でタイアップイベントが行われるのが恒例となっており、一例としてコミックス第1巻では「ベンガル」、第2巻では「PLUCK」、第3巻では「ぴなふぉあ3号店」と、それぞれタイアップを果たしている。タイアップ期間中は、コミックスの帯に付属している注文券を持っていくと、『妖怪少女 -モンスガ-』タイアップメニューが注文可能。またタイアップメニューを頼むと、描き下ろしのイラストカードがもらえた。

作家情報

ふなつかずきは1973年11月29日生まれ、大阪府出身の男性漫画家。別名義に「ふなつ一輝」がある。『漆黒のレムネア』が1998年6月の「週刊ヤングジャンプ月例ヤングジャンプ新人賞」で準入選。これが同年8月「別冊ヤングジャンプ 漫革」に掲載されてデビュー。なお、漫画家デビューは高校卒業後、6年の社会人生活を経てからではあるが、高校在学中に「週刊少年ジャンプ」に作品を投稿し、最終選考にまで残ったという過去を持つ。デビュー後、「週刊ヤングジャンプ」で短期集中連載した『黄金の食卓』を含む数本の作品を発表し、2001年1月から『華麗なる食卓』の連載をスタート。これが12年間も連載が続く代表作となった。

登場人物・キャラクター

西水流 八喜 (にしずる やつき)

秋葉原のガジェットショップ「サンコーレアモノショップ」で働く20歳の青年。目立った特徴のない普通の青年だが、幽霊が見える他、人に害をなす悪霊などの類を、悪臭で判別できる霊能力を持つ。しかし、除霊などはできず、妹である西水流虹緒の霊体が、幽体離脱したまま肉体に戻れないという状況にも対処できていない。そのため、幽霊や悪霊に対しては基本的に無干渉というスタンスを持っていた。 しかし、綾辻轆花やその他の妖怪との出会いを経験してからは、積極的に虹緒を助け出す手がかりを探るようになる。また妖怪や幽霊に対する関わり方にも、変化が見られるようになった。まだ幼い頃に一度命を失いかけ、その際、何らかの存在によって命を救われた過去がある。 誕生日は4月8日。童貞。

西水流 虹緒 (にしずる ななお)

西水流八喜の妹。八喜の住むアパートの隣にある母屋で八喜の祖父とともに暮らしており、頻繁に八喜の部屋に遊びに来ている。非常に無邪気で天真爛漫。兄を慕う可愛らしい妹だが、実は幽霊。現在は14歳のはずだが、8歳の時に霊体が肉体から抜けてしまい、そのまま戻れなくなるという、謎の怪異に侵されてしまっている。そのため、肉体は14歳に成長しているが、精神年齢などは8歳のままで変化が見られない。 八喜はこの虹緒の怪異を取り除くため、千歳屋梛の仕事を手伝うことにした。なお、霊体と肉体はリンクしているため、肉体側の服を着せ替えると、霊体側の見た目も変化する。誕生日は11月20日。身長は140センチで、スリーサイズは上からB73・W53・H74。

八喜の祖父 (やつきのそふ)

西水流八喜や西水流虹緒の祖父。八喜の住むアパートの横にある母屋と呼ばれる一軒家で暮らしている。頭の禿げ上がった小さな老人で、身長は八喜の腰ほどしかない。いつも作務衣のような和装で、虹緒の世話をしながらまったりと暮らしている。言葉を発することはほとんどないが、八喜とは意思疎通ができている。なぜか、どこかのご神木で作ったという、霊力のこもった木刀を複数本所持しており、八喜に請われて預けている。

千歳屋 李 (ちとせや もも)

メイドカフェ「ぴなふぉあ3号店」で働く16歳の少女。西水流八喜の想い人。メイドカフェ店員としては「もる」という源氏名で働いており、店のオーナーである千歳屋梛と姉妹の関係にある。なぜか妖怪に取り憑かれやすい性質を持っており、八喜は柿男に取り憑かれてしまった彼女を救ったことをきっかけに、梛の妖怪退治を手伝うことになった。 また、その後も妖怪関連の事件に巻き込まれていく中で、八喜やそれを取り巻く妖怪たちとともに行動するようになっていく。ちょっとオタク気質で、BL趣味を持つものの、基本的には明るく優しい性格。しかし、本人いわく、本来は積極的ではなく、内向的で人見知り。学校などでは髪型も二つ結びにして、メガネをかけた地味な印象になる二面性を持つ。 他に隠れた才能として、裁縫が非常に得意であり、梛のコスプレ衣装はすべて李の手作りという設定がある。誕生日は2月15日。身長は154センチで、スリーサイズは上からB88・W58・H82。

千歳屋 梛 (ちとせや なぎ)

千歳屋李の姉。メイドカフェ「ぴなふぉあ3号店」と同じビル内でコスプレ占い師を営む女性。また「ぴなふぉあ3号店」のオーナーでもある。しかし占い師やメイドカフェのオーナーというのは表の顔であり、妖怪退治人としての顔も持つ。妹の李に取り憑いた柿男を除霊しようとしたところ、同じく李を助けようとする西水流八喜に出会う。 西水流虹緒の怪異を取り除く方法を調べることを交換条件として、秋葉原の妖怪退治を彼に要請する。妹の李とは違って、妖艶な魅力を漂わせる大人の女性で、性格も非常にクール。一方で打算的な部分も見られる。霊能力を持つというだけではない、八喜の隠された力に関しても、何かしらの情報を意図的に隠しているなど、謎めいた一面もある。 誕生日は12月24日。身長は165センチで、スリーサイズは上からB88・W58・H86。年齢は非公開。

綾辻 轆花 (あやつじ ろっか)

西水流八喜が秋葉原で出会った少女。髪型は触覚のように立った2本の前髪と、片側だけ細く三つ編みにしたセミロングヘア。恋愛経験の少ない八喜が、すぐに打ち解けることができた女の子。数回顔を会わせただけで、かなり距離を縮めた相手だったが、その正体は妖怪の轆轤首(ろくろくび)である。妖怪であることを知られ、八喜に一度は拒絶されるものの、八喜の柿男退治の手助けをして和解。 以降、八喜のアパートや母屋に居候しながら、妖怪退治を手伝うことになった。頭の回転はお世辞にも良いとは言えず、極めて楽観的。後先を考えずに行動してしまう面もあるが、底抜けの明るさと天然気味の性格で、周りを引っ張っていくムードメーカーでもある。妖怪であるにもかかわらず、自分を認めてくれた八喜に、あからさまな好意を隠そうとしない。 八喜を「ジャンク屋さん」と呼んで慕い、時に「八喜の彼女」を自称することもある。感情が高ぶった時などに、「ぱにゃにゃん」と言う口癖がある。誕生日は8月10日で外見年齢は16歳。身長は152センチで、スリーサイズは上からB86・W60・H84。 アニメ、漫画、ゲームなどのサブカルチャーに詳しく、成人向け作品なども見境なく好むオタク気質の持ち主。

真壁 いちゑ (まかべ いちえ)

秋葉原の街で人間にさまざまないたずらを働いていた少女。四条院ドルチェ&カッパーナとともに行動していた。足元まであるほどの長い金色の髪を持ち、前髪と頭頂部の髪を一つ結びにして立ち上げた変わった髪型をしている。見た目はかなり幼いが、「わし」という一人称を使い、老人のようなしゃべり方をする。当初は何の妖怪か分からなかったが、力を発揮した際の「ぬりーっ」という掛け声から、すぐに塗壁であることがバレるなど、少々浅慮なところがある。 西水流八喜らの活躍によって、カッパーナとともに捕縛され、千歳屋梛の力ずくの説得によって、秋葉原で暴れることを止めた。その後はなし崩し的に八喜の母屋に入り浸って、行動をともにすることになる。 誕生日は12月18日で、自称200歳以上。身長は115センチで、スリーサイズは上からB56・W51・H58。子供扱いされると怒るが、趣味は絵本を読んでもらうこと。

鈴鳴 ニア (すずなり にあ)

千歳屋李や綾辻轆花のクラスメイトの女の子。黒髪ストレートの長い髪が麗しく、スレンダーなスタイルに整った顔つきの美女。さらには運動神経も抜群で頭脳明晰と、非の打ち所がない完璧な人間だが、人付き合いが少なく、非常にクールな性格。特に仲良くなろうと近づいた綾辻轆花には、拒絶とも取れる態度を示す。のちに、猫又の妖怪であることが判明。 轆花を拒絶していたのも、妖怪と人間は相容れないという観念にとらわれていたためであった。しかし、空神との共闘を経て和解。以降は西水流八喜らの仲間となって、ともに戦うようになる。仲間となってからは、一見クールな性格も、実は怖がりであるため、変化を望まないだけということが明かされる。動揺すると言葉の端々が「にゃ」に変化するなど、可愛らしい一面を覗かせるようになる。 また、もともと猫であったためか謎の倫理観を持っており、人間の姿の時に裸を見られると恥ずかしがるものの、猫の時は服を着なくてもまったく気にしない。

糸重 姫瑠依 (いとしげ きるえ)

西水流八喜を助けてくれた少女。四条院ドルチェ&カッパーナが引き起こした秋葉原の切り裂き事件で、八喜は犯人扱いされそうになっていた。髪型は金髪のツインテール。警官に補導されかけた八喜を助けたばかりか、服を切り裂かれて身動きの取れない八喜の服を、代金を立て替えてまで買いに行った。その後、お礼をするために再会した際、ゲームセンターでのデートなどを経て仲良くなる。 しかし、その正体は絡新婦の妖怪であり、八喜に近づいたのは、霊能力者を喰うと妖怪としての力が増すと考えていたため。妖怪の存在を蔑ろにする人間に対して強い恨みをもっており、正体を現してからは、容赦のない攻撃で八喜と綾辻轆花を追い詰める。しかし、霊子合体した2人の力の前に敗走し、姿を消した。 その後に八喜と秋葉原で偶然再会。その際、GCUPに命を狙われたところを八喜に助けてもらい、彼の妖怪に対する想いに触れて完全に惚れ込み、「ダーリン」と慕って行動をともにするようになる。誕生日は3月22日で、外見年齢は15歳。身長は148センチで、スリーサイズは上からB78・W56・H82。 身のこなしが素早く、実戦でもかなりの実力を持つ。ゲーマーとしての腕も高く、対戦格闘ゲームでは、それなりに腕に覚えのある八喜が手も足も出ないほど。

四条院ドルチェ&カッパーナ (しじょういんどるちぇあんどかっぱーな)

あちこちがツギハギで作られたカッパの人形。かつて資産家の娘によって意図せずに作り上げられた人形神の妖怪。資産家の娘が死の間際に残した「自分をいじめた女の子たちの服を切り刻んでほしい」という願いを聞き届けた後、宿主であった資産家の娘が死んだため、服を切り刻むのに特化した人形神となった。呪われた人形として、占い師を営む千歳屋梛のもとに持ち込まれたものの、覚醒して逃亡。 秋葉原で女性の服を切り刻む通り魔事件を引き起こしたが、西水流八喜や綾辻轆花らに捕らえられ、以降、行動をともにするようになる。一人称は「俺様」であり、日頃から傲慢かつわがままで、何かにつけては皮肉などを垂れる図々しい性格。だが、人間や八喜たちに悪感情を持っているわけではなく、一緒に行動するようになってからは、むしろ協力的。 服を切り刻むという特技から、轆花から「エロガッパ」扱いされることがあるが、それは人形神としての特性なだけであり、本人としては女性の肉体にあまり興味はない様子。

柿男 (かきおとこ)

宮城県仙台市に伝わる妖怪の一種。実った柿を放置しておいたり、柿の木が樹齢を重ねると、柿男に変化するといわれている。真っ赤な顔の男として現れ、女に串を渡すと、「自分の尻の穴を串でほじくれ」と言う。言われたとおりにほじると、今度は「それを舐めてみろ」と言われる。そして、串を舐めてみると甘いのだと言う。ただそれだけの妖怪である。 作中では、千歳屋李に取り憑いて、擂粉木(すりこぎ)ほどの太さの棒で尻をほじくらせ、さらに舐めさせようとしていたが、西水流八喜にそれを阻止され、戦闘になる。見た目はオールバックに固めた髪の、口ひげを生やした中年紳士だが、妖怪としての力を発揮すると、全裸にボディーハーネスで全身を固めた格好になるド変態。 また両手を後ろに縛って、足技だけで戦う戦闘スタイルを持つ。それでも戦闘力は高く、一度は八喜を瀕死の状態にまで追い込む。しかし、加勢に来た綾辻轆花の首に巻きつかれて身動きが取れなくなった隙に攻撃を受け、撃退される。八喜との対決に負けてからは、千歳屋梛の執事兼「ぴなふぉあ3号店」の従業員として、「柿ノ木実男」を名乗って働くようになった。 なお、一度退治された後も、人間は妖怪よりも力の劣る愚かな生き物である、という考えを表面上崩しておらず、八喜とはたびたび対立している。

相澤 京 (あいざわ けい)

千歳屋李のクラスメイトで、小学校からの幼なじみの少女。ショートカットの髪型をした活発な女の子で、見た目や性格に違わず、学校では空手部の主将を務める実力者。高い身体能力を持ち、空手以外でもその力を発揮する。スカートの下にスパッツを履き、スカートが翻るのも気にせず、元気に飛び跳ね動き回るスポーツ少女。そのボーイッシュな見た目とハキハキした性格から、女子の人気が高い。 実はある秘密を抱えており、その秘密に触れた河童に魅入られ、取り憑かれてしまう。そのせいで李に乱暴を働こうとするが、この場面を西水流八喜に見つかって捕縛され、千歳屋梛の除霊によってようやく正気を取り戻すことになった。しかし、その後も実は、河童を心の中に宿しており、妖怪に関わるさまざまな事件で李たちと行動をともにする。 誕生日は6月12日。身長は156センチで、スリーサイズは上からB76・W55・H82。

河童 (かっぱ)

妖怪の一種。水辺でふしだらな姿を見せた女性に取り憑くとされる。河童に憑かれた女性は、途端に淫らな発言をしたり、誰かれ構わずに言い寄るような性格になってしまうといわれている。これらの伝承は河童がオスである場合のものだが、作中ではメスの個体が登場。水遊びをするために、川べりで服を脱いだ相澤京に取り憑き、心の奥底に秘めた千歳屋李への欲情のままに身体を操った。 なお、除霊の際には、多くの伝承にある通り、緑色の体色に甲羅を背負い、顔には嘴が生え、頭頂部に皿のある見た目で登場。しかしそれ以外は人間と何ら変わらない女性の裸体姿で現れ、またまつ毛の長い色気のある目元に、抜群のプロポーションを誇る姿であった。実はレズビアンであり、京に取り付いた理由は、決して結ばれないと分かっていても、同性である李を想い続ける真実の愛に触れたからと語っている。

真倉崎 理載 (まくらざき りさい)

枕返しの妖怪。見た目は10代前半頃の、まだ幼さを残す少年の姿をしている。無造作な黒髪にハイライトの描かれない瞳が特徴。常に無表情なため、顔から感情を読み取ることは難しいが、しっかりと感情はある。千歳屋梛が西水流虹緒の魂を肉体に戻す方法を探っている最中に知り合い、他の妖怪退治をすることを条件に力を貸すことを承諾。 約束が果たされてから西水流家を訪れた。魂と肉体を繋ぐ、または離すことができる力を持っており、西水流八喜らに請われ、虹緒の返魂道を開く。ちなみに虹緒は理載にとって非常に好みのタイプであり、初対面では体に戻るのが可能か不可能かを別にしても、霊体のまま歳を取らずにいてはどうかと口説いていた。

空神の傀儡 (そらがみのくぐつ)

真っ黒な長髪に黒の帽子、黒のスラックスにシャツを羽織った全身黒ずくめの男。猫又である鈴鳴ニアを、珍しいという理由でペットとして手元に置きたがっている。時には力ずくで言うことを聞かせようと、執拗に付け狙う。その正体は空気を自在に操る力を持つとされる、空神という妖怪。この力は、空気を圧縮させて打ち出し、また対象にぶつけて爆発させる他、全身に空気の鎧をまとい、攻撃を逸らしたり体に触れさせないなど、攻防一体の非常に強力なもの。 ニアをペットにするのを阻止しようとする綾辻轆花や西水流八喜らの面々と対立する。

空神 (そらがみ)

フィオーレから「天ちゃん」と呼ばれている男性。フィオーレが作成した傀儡のモデルとなった正真正銘の大天狗。空神の傀儡を壊されて逆上したフィオーレの前に現れ、鈴鳴ニアたちに攻撃を加えるフィオーレを押しとどめた。本人いわく「フィオーレの子守り」と言っており、高い能力を持つものの、勝手がすぎる彼女の教育に頭を悩ませているという。 傀儡として現れた空神と比べると穏やかで、ややひょうきんな性格の持ち主。西水流八喜の能力を感じ取ると、それを「守人の血」と評し、敵意を露わにした。その際に見せた力の片鱗は、空神の傀儡とは比べ物にならないほど強大だった。一時は八喜の命を奪おうとするが、遠方から事の成り行きを見ていた千歳屋梛の殺意に当てられて攻撃を断念。 「次は殺す」と言葉を残し、フィオーレを伴って姿を消した。

フィオーレ

いつも空神とともにいるサマードレスを着た幼女。登場当初は空神の傀儡のかたわらに無表情のまま佇む人形のような女の子だったが、傀儡が西水流八喜らに討伐された際にその本性を現した。実は八喜らが対峙していた空神は、このフィオーレが作成した傀儡であり、また空神の傀儡が発言していた、鈴鳴ニアをペットにしたいというのも、フィオーレの欲望であった。 性格は傲慢かつ自己中心的で、口の悪い悪ガキ。3年かけて作ったという空神の傀儡を壊されて激昂し、新たに赤頭と黒眚という妖怪の傀儡を使役し、改めて力ずくでニアをペットにしようと攻撃を加えてくる。なお、自分では「フィオーレ」と名乗っているが、本物の空神からは「花子」と呼ばれている。

北穰 櫻子 (ほうじょう さくらこ)

GCUPで人事課のチーフオフィサーを務める女性。襟足だけロングに残したショートカットの髪型が特徴で、前髪をコの字型のヘアピンで留めている。非常にスレンダーなスタイルの美女だが、所属している企業の通称のせいで、当人は胸のサイズにコンプレックスを抱いている。秋葉原で妖怪退治をしている西水流八喜の噂を聞きつけ、GCUPにスカウトしにくる。 またこの時、GCUPに入ってくれれば、八喜の妹である西水流虹緒をもとに戻すことを約束するなど、非常に好意的な態度を見せる。しかし、妖怪に対しては一切の良い感情を持っておらず、八喜が妖怪たちと仲良くしていることを知るや態度が一変。八喜の周囲にいる妖怪たちを一掃するために、対立することとなった。 また、千歳屋梛とは過去に因縁があり、一方的に嫌悪感を抱いている。誕生日は4月12日で、年齢は28歳。身長は158センチで、スリーサイズは上からB78・W58・H84。GCUPに所属しているが、Bカップである。

新谷 優吾 (あらや ゆうご)

GCUPでハウンドとして活躍する男性。ハウンドとしてのクラスはSS級でGハウンド隊のリーダーを務める実力者。他のハウンド隊員と違い、シンプルな日本刀だけを使うスタンダードな戦闘スタイルだが、その実力は桁違い。梧桐竜仁と互角の戦いを繰り広げた柿男を一瞬で斬り伏せた。その実力の高さゆえか、常に冷静沈着で落ち着きのある態度を見せる。 実は西水流八喜とは小学校時代のクラスメイトで、親友と呼べるほどの仲だった。西水流虹緒が幽霊になったまま、身体に戻れなくなってしまったのと同時期に突然姿を消し、以降一度も会っていなかった。改めて再会した際も喜ぶどころか、虹緒をもとに戻すため、八喜への殺意を露わにした。

幸村 淳正 (ゆきむら じゅんせい)

GCUPでハウンドとして活躍する男性。片目を前髪で隠した端正な顔立ち。ハウンドとしてのクラスはA級で、LTPをまとわせた伸縮自在の武器を用いて戦う。武器は伸ばしてムチのようにするほか、短く硬質化させて剣のようにすることもできる。空間、距離把握能力に優れ、目視で対象物の距離やサイズを判断することができる特殊な才能を持つ。 最初に綾辻轆花と出会った際には、そのスリーサイズを瞬間的に見抜いた。その才能のせいか、他人との物理的な距離には非常に敏感。パーソナルスペースである自分の周囲1.255メートル以内に近づかれることを極端に嫌っている。平時は穏やかで理論的な立ち居振る舞いをするが、パーソナルスペースを侵した者に対しては、凶暴化して襲いかかる習性を持つ。

城 厘 (きずき りん)

GCUPでハウンドとして活躍している少年。ツンツンに立たせた髪型と鋭い目つきが特徴。性格は非常に凶暴で、言葉よりも先に手が出るような問題児。GCUPでも命令無視や独断専行、同僚に暴力行為を働くなど数々の問題を起こしている。しかし、唯一、幸村淳正だけは心から慕っており、殊勝な態度を見せる。かつてはやんちゃだが明るく、心優しい少年だったが、妖怪によって姉を殺されて心が荒んでしまった。 幸村を慕っているのも、姉を殺された際、妖怪に襲われたところを助けてもらったため。真壁いちゑが姉を殺した妖怪であると思いこんでおり、いちゑを筆頭にすべての妖怪に対して強烈な殺意を持つ。

梧桐 竜仁 (ごどう りゅうじ)

GCUPでハウンドとして活躍する男性。スキンヘッドの頭と傷だらけで厳つい顔が特徴。ハウンドとしてのクラスはA級で、LTPではない通常のプラズマ弾を射出するPG208を使用した射撃攻撃が、基本の戦闘スタイル。しかし、決して射撃のみが得意というわけではなく、必要に応じて関節技などを含む格闘戦にも心得がある。 平時は冷静沈着で、職務に忠実な戦士然とした態度を取るが、相手にナメられると途端に理性を失い、戦闘狂と化す。

相良 妹紅 (さがら もこ)

GCUPでハウンドとして活躍する少女。鋭い吊り目にギザギザの歯が特徴。ハウンドとしてのクラスはA級で、自身の身長の1.5倍ほどの長さがある、文房具のコンパスのような棒武器を使って戦う。身長も低く、幼く見えるが、性格は尊大で生意気。自分のことを「オレ様」と自称し、同僚に対しても強い態度を崩さない。桐谷亜依とはおよそ正反対の性格だが、一緒にいることが多い。 通称の「MOCO」は主に同じGハウンドの面々からの呼び名で、他のGCUP所属員からは、主に「相良さん」と敬称で呼ばれている。

桐谷 亜依 (きりたに あい)

GCUPでハウンドとして活躍する女性。非常に大きなバストと、後頭部でロール状に巻いた2つのおさげ、ナース服を模した戦闘服を着ているのが特徴。ハウンドとしてのクラスはA級で、長大な大剣を振るって戦う。大剣を持つ豪快な戦闘スタイルとは裏腹に、性格は穏やかで少々天然気味の性格を持つ。相良妹紅とはおよそ正反対の性格だが、一緒にいることが多く、妹紅からは主張の激しい胸部を理由に「ギガパイ」呼ばわりされている。 誕生日は11月28日で22歳。身長は160センチで、スリーサイズは上からB100・W65・H89。

傳法谷 千 (でんぽうや ゆき)

GCUPでハウンドとして活躍する女性。髪型はショートカット。ハウンドとしてのクラスはS級で、ライフルを使用した長距離精密狙撃を得意とする。無口で、あまり物事に感心を示さない性格。どんな時でも無表情で職務をこなす。しかし、妖怪退治で高い実力を持つためか、周囲のGCUP職員からは「姐御」と呼ばれて親しまれている。

萼嗣秭 (がくじし)

GCUPが所有するビルの一室に居を構えるまじない師。かつて西水流虹緒の霊体が肉体から離れてしまった時、そのショックで抜け殻同然となっていた新谷優吾を街角で発見。虹緒の症状をもとに戻す方法を授けて、優吾を導いた。西水流八喜を「蠱業の主」「守人」と呼び、これを斬り伏せると、虹緒の症状がもとに戻る、と優吾に伝えた。

有坂 (ありさか)

GCUPに所属している研究員の男性。ナチュラルパーマのかかった頭髪に、メガネをかけた優男。沖田晃敏の開発した低温プラズマを「LTP」と名付け、対アブセンス用兵器に転用している。容姿も物腰も柔らかい人物だが、LTPによる人間への誤攻撃の危険性を問題視せず、政府からの妖怪退治要請を盾に、それが正義の行いであると主張して憚らないなど、危険な思想の持ち主でもある。

仁村 最次 (にむら さいじ)

GCUPでハウンドとして活躍する男性。ウルフカットの髪型に四白眼のつり目と人相が悪い。ハウンドとしてのクラスはB級。討伐すればGハウンドに昇級できる、という理由で六徳寺鶴妓を狙うが、逆に返り討ちに遭う。なお、鶴妓に襲撃をかけた際には非常に下世話な発言をしており、その戦闘記録を見たGハウンドの面々には嫌悪感を露わにされていた。

六徳寺 鶴妓 (りっとくじ つるぎ)

京都にある六徳寺に生まれた18歳の娘。自らの一族の使命として、守人に仕えることを夢見て、守人がいるという秋葉原にやって来た。偶然出会った西水流八喜が、自らの血で妖怪と霊子合体を行うという守人の力を持つことを知るや、八喜のことを守人の正統後継者と思い込み、守人に会わせてほしいと頼みこんでくる。 八喜が何も知らないことを伝えても、それを深読みし、自分の信用が足りないために守人に会わせてもらえないのだと勘違い。果ては次代の守人である八喜に仕えるのも自分の使命と、身の回りの世話をするために、母屋やアパートに押しかけてくるようになった。六徳寺家の教えによって、妖怪をただの使役物、道具としてしか思わないよう厳しく躾けられている。 自分の使役妖怪はもちろん、八喜の周りにいる妖怪たちにも一線を引いて、上から目線で接する。誕生日は2月4日。身長は158センチで、スリーサイズは上からB87・W59・H85。

九十輪 陵運 (つくわ りょううん)

六徳寺鶴妓の使役する妖怪の一種。その正体は輪入道。普段は身長が高く、引き締まった肉体を持ち、逆立てた金髪と鋭い目つきをした男性の姿をしている。非常に高い妖力を持っており、己の力を誇示するのが大好きな戦闘狂。鶴妓とは知り合って間もなく、妖怪である自分が、人間である鶴妓にいいように使われているのが気に食わないでいる。 そのため態度が悪く、たびたび鶴妓やその使役妖怪たちと衝突している。それでも鶴妓の使役に応じているのは、出会った際に、使役妖怪になれば、これから一生負けなしになれると言われたため。鶴妓と霊子合体した際は、鶴妓をすっぽり包み込むほど巨大なリング状のキャタピラに変化する。

鎌数 斬子 (かまかず きりこ)

六徳寺鶴妓の使役する妖怪の一種。その正体は鎌鼬。普段はポニーテールの髪型をしたスレンダーな女性の姿でいる。冷静沈着で穏やかな性格の持ち主で、鶴妓に心を開き、常に付き従っている。鶴妓と霊子合体した際は、片腕の肩から先に節のある鋭い爪のような形に変化する。

問覚 須臾 (とおぼえ しゅゆ)

六徳寺鶴妓の使役する妖怪の一種。その正体は覚。糸のように細い目つきの男性。普段は穏やかな性格だが、鶴妓に対する忠誠心は誰よりも強く、鶴妓に敵対するものには強い敵愾心を見せる。六徳寺鳳寿の代から六徳寺家に仕えていた使役妖怪で、鳳寿の死の真相を知る数少ない人物の1人。鶴妓と霊子合体した際は、頭部を囲う一枚板のゴーグルのような形に変化し、使役者が相手の思考を読み取れる能力を得る。

肉丸 為一 (にくまる ためいち)

六徳寺鶴妓の使役する妖怪の一種。その正体はぬっぺふほふ。普段は太った体に対して、顔のパーツ一つ一つが小さいアンバランスな見た目に、髪型をモヒカンにした男性の姿をしている。普段からあまり言葉を発することがなく、常に何かを食べているばかりで非常におとなしい。しかし、食べ物がなくなると、目に入ったものを見境なく口にしようとする危険人物。 鶴妓と霊子合体した際は、透明なジェル状になって鶴妓の肉体をすべて覆い、衝撃を吸収する他、斬撃も届かない鉄壁の防御壁と化す。

六徳寺 一峰 (りっとくじ いちぼう)

六徳寺鶴妓の祖先で、六徳寺を開いたとされる人物。鶴妓の話によれば、かつて守人に仕え、結血珠を賜ったという。それ以来、妖怪を使役しながら代々守人に仕えるという使命を、自らの血族に課している。

六徳寺 鳳寿 (りっとくじ ほうじゅ)

六徳寺鶴妓の祖母。結血珠を使える才能を持ち、数十体の妖怪を使役する優秀な術者。使役妖怪たちも人間同様に扱い、寝食をともにし、家族同然の暮らしをする心優しい人物だった。しかし鶴妓の話によれば、とある晩に使役していた妖怪に寝込みを襲われ、命を落としたという。

六徳寺 総庵 (りっとくじ そうあん)

六徳寺鶴妓の祖父で、六徳寺鳳寿の夫。使役妖怪を家族同然に扱う鳳寿とは違い、妖怪は人間ではなく、野生の獣のようなものであるという考えを持っている。「妖怪に心を許すな。隙を見せるな。さもなくば裏切られる」と、鶴妓に対して厳しく言いつける。これが守人の教えであり、六徳寺一族の宿命であるとしていた。

守人 (もりびと)

かつて瀕死の重傷を負った幼少の頃の西水流八喜に力を分け与え、命を救った人物。白い長髪の若い男性の姿をしているが、詳細は不明。八喜は命を救われた際に、その力の一部を取り込んでおり、守人いわく「自分の分身」となっている様子。そのため、八喜の中に潜む力を「守人」と呼称する場合もある。新谷優吾との直接対決で八喜が敗れ、死に直面した際にその力が暴走。 八喜の身体に無数のアスコココが入り込んだ後、頭髪が白く長く伸び、背中から空神と同じような翼状の影が生えた姿に変化した。この力に目覚めた八喜には自我がなく、その姿と力を見て恐怖に囚われた者の魂を吸い取るなど、理性を失って敵味方の区別なく襲いかかる。

蘇芳白蓮大神 (すおうびゃくれんおおみかみ)

西水流八喜が守人と化した時に現れた白い毛並みを持つ狐。顔に赤い隈取のような模様を持ち、人語を発する他、空神と面識があるなど謎の多い存在。守人の暴走による被害を抑えるために空神に協力を要請。この2人の戦いで周囲が破壊されないよう、秋葉原の街並みを丸ごと鏡写しにした巨大にして強力な結界を張り、守人を封じ込める。

藤代 十貴弥 (ふじしろ ときや)

秋葉原のガジェットショップ「サンコーレアモノショップ」で働く西水流八喜の同僚の男性。アシンメトリーなツーブロックの髪型をしている。とにかく女の子が好きという困った性格の持ち主。可愛い女の子を見るや初対面でも口説きまくり、セクハラ発言も一切自重しない超肉食系男子。好みのタイプは、巨乳でおしとやかだが、夜は激しくエロい女の子と公言している。

店長 (てんちょう)

秋葉原のガジェットショップ「サンコーレアモノショップ」で店長を務める男性。西水流八喜の上司。体に対して非常に大きな顔面を持つ。ツートンカラーに染めたセミロングの前髪をパッツンと切りそろえており、服装はモード系のものを好む。非常にインパクトのある見た目に対して、穏やかで心優しい人物。八喜や藤代十貴弥といった従業員にも気を遣う、控えめな性格の持ち主である。

べか太郎 (べかたろう)

熊本県八代市に伝わる妖怪の一種。二頭身でおかっぱ頭の大きな頭を持った妖怪。あっかんべーをした姿で、突然人間の前に姿を現して驚かせる。アルバイトの帰り道を1人歩く千歳屋李の後をつけ、伝承通り驚かせようとするが、西水流八喜によって阻止された。

臑こすり (すねこすり)

岡山県小田郡に伝わる妖怪の一種。歩いている人の脛にまとわりつき、転ばせようとする妖怪。胴体部分が極端に短く、2本の脚しか持たない猫のような姿をしている。千歳屋李の帰り道に現れ、足元にまとわりついて転ばせることに成功した。

油取り (あぶらとり)

古来より伝わる妖怪、隠し神の一種と言われる存在。幼い子供を連れ去っては油(魂)を取ると言われており、特に幼い女の子は良質の油が取れるため、狙われやすいという。うさぎの着ぐるみに身を包んだ姿で、その中にはこれまでに搾り取った油がみっちり詰まっている。西水流虹緒の生命力溢れる魂に惹かれて催眠をかけて連れ去り、自分の中に取り込もうとした。

わいら

鳥山石燕の『画図百鬼夜行』に描かれている妖怪の一種。生態は明らかになっていないが、おとろしとともに描かれることが多い。ゴルドゴルドッシュの黒髪でメガネをかけた方の男性の正体。妖怪としての正体を現すと、鎌のような前脚を持ち、甲冑を着た獣のような姿となる。お笑いコンビとして大成しないことに悩み、おとろしとともに本来の妖怪として人を恐怖させる存在に回帰しようとした。 その時に選んだ相手が西水流八喜だったため、すぐに懲らしめられてしまう。

おとろし

鳥山石燕の『画図百鬼夜行』に描かれている妖怪の一種。生態は明らかになっていないが、わいらとともに描かれることが多い。ゴルドゴルドッシュの金髪のマッシュルームカットの方の男性の正体。お笑いコンビとして大成しないことに悩んだ末、わいらとともに人を恐怖させる本来の妖怪の姿を現し、たまたま通りがかった西水流八喜と綾辻轆花に襲いかかった。 妖怪としての姿は、大きな口と牙を持ち、全身が長い毛で覆われた巨大な獣。体毛を自在に操ることができる能力を持って、轆花の全身を絡め取るが、同行していた八喜の木刀による一撃で懲らしめられる。

布地屋 八十兵衛 (ぬのじや やそべえ)

意志を持ち、言葉を発する女性用下着。実は一反木綿の妖怪。かつては約一反(長さ約10.6メートル、幅約30センチほどの面積)の布状の体を持ち、自在に空中を舞っては人を襲い、顔に巻き付いて窒息させたり、体に巻き付いてそのまま空へと舞い上げるなどの悪事を働いていた。しかし、飛ぶことに疲れ、休憩しようと入ったトラックが、たまたま女性用下着の布地を運ぶ車輌で、気がつくと、その身を女性用下着に加工されてしまっていたと語る。 下着の姿になってからも、なんとか人の顔に巻き付いて窒息させようと企んだ結果、秋葉原で多くの変態仮面を生み出すに至った。その現場を西水流八喜に目撃され、八喜の母屋で休憩していたところを成敗される。一時は女性用下着に身をやつしたことに絶望していたが、綾辻轆花に穿かれる経験を経て、「女性用下着として生きるのも悪くない」と思うようになり、1000人の女子に穿いてもらう、という新たな夢を持って旅立った。

赤頭 (あかあたま)

フィオーレが使役する傀儡の1体。モデルとなったのは、鳥取県に実在したとされる怪力の大男。米俵12俵を梯子の上に乗せ、それを担ぐことができるほどの力を持っていたとされている。フィオーレの駆る傀儡も、全身が真っ赤で禿頭で、ゆうに2メートルは超える身長を持った大男となっており、コンクリートの地面を叩き割るほどの怪力を誇る。

黒眚 (しい)

フィオーレが使役する傀儡の1体。モデルとなったのは西日本に伝わる妖怪。牛を襲って食べてしまう性質を持つため、牛が恐れる妖怪と言われている。牛の飼育や農業のための使役にはさまざまなタブーがあり、それを破ると黒眚が牛を食い殺すという伝承がある。また、牛追いをする際に「後ろに黒眚がいるぞ」という意味で「しい、しい」と声をかけながら追うという風習として残っている。 非常に動きが素早いため捕まえることができず、また人間がこれに触れると、顔、手足、喉まで傷つけられるとも言われる。女性の体に虎模様の毛皮をまとった獣人の姿をしている。

人魚 (にんぎょ)

古来より日本中でその存在が語られる妖怪の一種。男性の人魚であり、魚面のように目が離れ、落ち武者のように禿げ上がった髪型をして、腹の突き出た中年男性のような、一言でいうと不細工な容姿をしている。海水浴場に現れて女性の水着を片っ端から剥ぎ取り、コレクションにする変態行為を行っていた。たまたま海水浴に訪れていた西水流八喜らによって討伐される。

元興寺 (がごぜ)

平安時代に奈良県の元興寺(がんごうじ)という寺に現れたとされる鬼。目の周りが隈取のように黒く塗られた男性の姿をしている。猫又である鈴鳴ニアと互角以上に渡り合う力を見せたが、その後、真壁いちゑや綾辻轆花とのコンビプレーであえなく退治された。

タテクリカエシ

高知県幡多郡に伝わる妖怪の一種。伝承では手杵のような形をしたものと言われている。作中では手杵を持ち、上半身裸で禿頭の男性の姿をしている。手に持った杵を振り回し、的確に脛を狙って攻撃してくる。しかし、見た目に反して耐久力は低く、西水流八喜が木刀で頭部に一撃をお見舞いしただけで退治された。

しばかき

熊本県玉名郡南関町に伝わる妖怪の一種。夜に道を歩いていると、石を投げつけてくるという。全身真っ黒な人型の姿をしており、目の前に現れた西水流八喜らに、伝承通り投石の雨を降らせた。しかし、同行していた真壁いちゑの見えない壁により、投石をすべて防がれてしまう。

桛掛女子 (かせかけおなご)

長崎県壱岐地方に伝わる妖怪の一種。桛(かせ)とは、紡いだ糸を巻き取る道具、もしくは巻き取った糸そのものを指す言葉。桛掛女子も、それにまつわる何かしらの妖怪であるとされているが、その具体的な正体や性質は不明。ショートボブの髪型をした女の子の姿をしている。登場したのは1コマのみであり、四条院ドルチェ&カッパーナに服を切り裂かれて、あっさり退治されてしまう。

アグトネブリ

岩手県九戸地方に伝わる妖怪の一種。その名の通り、闇夜に人間の後ろを付けて近づき、踵(あぎと)を舐める(ねぶる)妖怪だという。垂れ目の男性の姿をしており、鈴鳴ニアの靴と靴下まで脱ぎとって踵を舐め回した。その後、全身を引っかかれて退治されてしまう。

木村 (きむら)

私立神田和泉女学院の体育教師。生活指導も担当する中年の男性教諭。女性の下着を盗撮し、コレクションにするという非常に悪趣味な性癖を持つ。ある時、電車内で目の前の女性のパンツを見たいと下劣な感情を高ぶらせていたところ、アスコココに取り憑かれる。これにより足の甲に目ができ、その目から物を視ることができるという能力に目覚める。 また当初は1つだけだった目も、時間が経つにつれて体中あちこちにできるようになった。そればかりか、目玉を遠方に飛ばして視界を共有することも可能になっていく。その万能感に囚われ、本格的な悪妖怪に変化しつつある。

うわん

千歳屋梛が使役する妖怪の一種。上半身裸の巨体を持ち、お歯黒を塗った大きな口とギョロリと見開かれた目が特徴。古びた寺の近くに現れ、通りがかった人間に、突然「うわん」と寄生を上げて驚かせ、その隙に魂を抜いてしまう。ちなみに、対策法としては奇声を上げられてすぐに言い返すと、逆に消えてしまうと言われている。対GCUP戦で梛の持つスマートフォンから召喚され、北穰櫻子に隙を作ったが、その後すぐに消滅させられてしまう。

馬の足 (うまのあし)

千歳屋梛が使役する妖怪の一種。夜道を歩いていると遭遇すると言われる妖怪。見た目は、そのまま馬の足のようなもの。壁や木の枝、または空中から馬の足のようなものが生えていて、不用意に近づいた相手を蹴り飛ばす。対GCUP戦で梛が召喚し、北穰櫻子を蹴り飛ばしたが、特にダメージを与えることはできずに退散する。

鑵子転ばし (かんすころばし)

千歳屋梛が使役する妖怪の一種。夜、山の中を歩いていると遭遇するとされる妖怪。突然足元に鑵子が転がってくる、といういたずらをする。説によっては転がってくるものが人間の生首であったり、酒の燗に使う器だったりする。その他、転がってきたものに驚いて転げると、腰が抜けて立てなくなるという説もある。鑵子(かんす)の中から出ている黒い靄に目がついたような姿をしている。 対GCUP戦で梛が召喚した際には、北穰櫻子の足元に転がっていき、体勢を崩すことに成功した。

笑般若 (わらいはんにゃ)

千歳屋梛が使役する妖怪の一種。長野県に伝わる妖怪。かつて生活苦のために、我が子を間引きしなくてはいけなくなった女性が、山の中に捨てるぐらいならと、わが子を食したという逸話がある。この女性の怨念が生み出した妖怪であるとされている。梛の召喚に応じて、スマホから地面に照射された魔法陣より巨大な頭部のみが出現。陣内にいた北穰櫻子を丸呑みにしたが、味が気に食わなかったのか、軽く咀嚼した後すぐに吐き出している。

髪切り (かみきり)

『諸国里人談』『耳嚢』『半日閑話』などに登場する怪異。夜道を歩いていると、元結際から髪を切られていることがあるという。また髪を切られても本人はまったく気づかず、切られた髪は結われたままの状態で道に落ちているとされる。ちょびひげを生やし、開いたシャツの胸元から胸毛を覗かせた中年男性の姿をしている。「カリスマ美容師」を自称し、夜道を通る女性を襲ってその髪を切る、という通り魔事件を引き起こしていた。 次なる対象として千歳屋李を狙ったが、西水流八喜に阻まれる。なお、この時、戦闘には敗れたが、八喜の頭頂部の髪を一部切り取る抵抗を見せた。

たまちゃん

私立神田和泉女学院の女性教師。千歳屋李や綾辻轆花が所属するクラスの担任を務めている。非常におっとりした性格の持ち主で、語尾を伸ばしたのんびりした話し方が特徴。また非常に打たれ弱いメンタルの持ち主でもあり、生徒たちが自分の言うことを聞いてくれないと、泣いてその場から逃げ出す有様。そのうえドジっ子気質も持っており、一度教室から逃げ出そうとして躓いて派手に転び、気絶するという姿まで見せた。 だが、そんな親しみやすさから、生徒たちからは「たまちゃん」と呼ばれ、友人のように親しまれている。

ジョーンズ

私立神田和泉女学院の男性教師。担当は体育で、陸上部の顧問も務める。体育の授業で短距離走のタイムを測った際、鈴鳴ニアと相澤京の俊足を見て感激。是非陸上部に入部してほしい、と泣きながら必死の勧誘を行った。

瀬名 優妃 (せな ゆうき)

私立神田和泉女学院3年1組の女子生徒。頭脳明晰、容姿端麗なうえに運動神経も抜群で、テニス部の主将を務める才女。やや完璧主義なところがあるが、それ以外には非の打ち所がないパーフェクトな人物である。しかし、異能を得た木村の覗きの対象になり、意外にもうさぎのプリントが入ったパンツを穿いていることが発覚する。

高遠 莉奈 (たかとお りな)

私立神田和泉女学院1年4組の女子生徒。気怠(けだる)げな雰囲気を持つヤンキー風の少女。10歳年上のサラリーマンと付き合っているという噂がある。異能を得た木村の覗きの対象になり、シースルーのパンツを穿いていることが発覚する。

横山 美佳 (よこやま みか)

私立神田和泉女学院3年2組の女子生徒。前髪をヘアピンで留めたショートカットの少女。いつも元気で人当たりが良く、世話好きなため下級生から高い人気を誇る。異能を得た木村の覗きの対象になり、ボーイレングスのパンツを穿いていることが発覚する。

杉村 友子 (すぎむら ともこ)

私立神田和泉女学院2年1組の女子生徒。髪型は前髪パッツンのミディアムロングヘア。容姿、成績、運動神経ともに目立ったところのない普通の女の子。だが、異能を得た木村の覗きによって、意外にもノーパンで通学しているという特殊な性癖が発覚する。

三枝 弓月 (さえぐさ ゆづき)

私立神田和泉女学院3年2組の女子生徒。髪型はミディアムボブ。性格はおっとりしていて真面目なため友人からの信頼は厚い。成績や運動神経に目立ったところはなく、容姿も地味めな普通の女の子。しかし木村の能力によって、自室では服や下着を着ない、いわゆる「裸族」であるという特殊な趣味が発覚した。毎晩のように裸でエクササイズをするのが日課。

プイプイ

千歳屋李がペットとして飼っているモルモット。「プイプイ」という特徴的な鳴き方をするので、こう名付けられた。モルモットとしては非常に頭が良く、名前を呼ぶと、遠くから寄ってきたりする。

沖田 晃敏 (おきた あきとし)

帝都工業大学で教授を務める男性。GCUPが妖怪退治のために使用しているLTPの原理である低温プラズマを開発した第一人者。低温プラズマを開発したものの、その研究結果と利用権限をGCUPに奪われてしまっている。低温プラズマで人間を殺傷すると、霊体ごと消滅し、幽霊になることもなく消えてしまうという危険性について熟知している。 妖怪退治のためとはいえ、GCUPが低温プラズマを兵器転用していることを快く思っていない。

ポニ

ピコの彼氏。非常にブサイクな男性。ゲームセンターで蜘蛛をイジメていたところを糸重姫瑠依に咎められ、逆に激高。これに気を害した姫瑠依の糸で首を絞められ、あわや殺されかける。

ピコ

ポニの彼女。ゴシック風の衣装に身を包んだブサイクな女性。ゲームセンターで蜘蛛が出てきたことに驚き、ポニに蜘蛛を退治してくれるように頼む。

シャボ

メイドカフェ「ぴなふぉあ3号店」の常連客の1人。狭い額とツンツンに立ちあげた短髪の男性。少々言葉がどもりがちなところがある。最近は仕事が忙しく、なかなかメイドカフェに来られずにいた。モデルは作者であるふなつかずきの友人。

ナンパ男たち (なんぱおとこたち)

男性2人組。西水流八喜や綾辻轆花たちが仲間たちと連れ立って海に出かけた際、ビーチで千歳屋李と相澤京をナンパしてきた。一方は短く刈った黒髪、もう一方はパーマをかけた茶髪で、ハート型のメガネをかけている。高めのテンションで女性陣を誘うが、李たちに同行していた柿男を見るや、一目散に逃げていった。 モデルは漫画をテーマにしたバラエティ番組「ゲッチメ!」でMCを務める2人で、黒髪の方が生徒会長金子、ハート型メガネをかけた方がIKKAN。

城 沙耶 (きずき さや)

城厘の姉。厘とは姉弟仲が良く、遊びに行って帰りが遅くなる厘を迎えに行くなど、良き関係を築いていた。しかし、ある時、夜になっても戻らない厘を、いつもの神社に迎えに行ったところで、野馬に遭遇。危険を察して助けに来た真壁いちゑと共闘するが、戦いの中でいちゑを庇って野馬の攻撃を食らい、死亡した。その死に際、沙耶の傍らに佇むいちゑの姿を厘が目撃したため、いちゑが姉を殺したと厘が勘違いし、のちの因縁につながることになってしまう。

鈴鳴 香苗 (すずなり かなえ)

まだ普通の猫だった頃の鈴鳴ニアの飼い主の女の子。中学生の頃に捨てられていた黒猫を見つけ、家で飼うことになる。この時、猫にニアという名前を付け、しばらく穏やかな暮らしを送っていた。しかし高校生の頃に家に押し入った強盗と鉢合わせするという不運に見舞われる。この時、強盗が持つ包丁で刺されそうになっていたニアを庇って致命傷を負い、そのまま死亡。 その死の間際に吐いた血をニアが浴び、猫又に変化するきっかけとなった。

資産家の娘 (しさんかのむすめ)

四条院ドルチェ&カッパーナを作り上げた女の子。とある資産家の娘として生まれ、親からは溺愛されていたが、周囲からその環境を疎まれ、おとなしい性格が災いしていじめられてばかりいた。家中のぬいぐるみと一緒に風呂に入ることを日課としており、これが意図せず四条院ドルチェ&カッパーナという人形神を作り上げることとなった。 いじめられっ子の服をお返しに切り刻んでくれという願いを、カッパーナにかけた3日後、乗っていた車が事故に遭う。この時、人形神を作り出した反動ですぐに死ぬことができず、身体中の骨が内臓に突き刺さったまま10日間苦しみ続け、その後ようやく死亡した。

山彦 (やまびこ)

かつて存在した妖怪の一種。山間部で大きな声で呼びかけると、声を発した人物と同じ声で同じ言葉を返してくる。過去にはそれが妖怪の仕業といわれたため、妖怪として生まれた。しかし、科学の発展とともにその現象が解明されると存在意義を失い、いなくなってしまった。轆轤首の綾辻轆花とは昔なじみで、轆花の回想によれば、小さなおかっぱ頭の女の子であった。 気立ての良い可愛い子だったという。

野馬 (のうま)

島根県邑智郡日貫や石見地方に伝わる妖怪の一種。一つ目の馬の顔と下半身を持つ巨大な妖怪。夜道を1人で歩いている人間を狙って襲い、食べてしまうとされる。非常に獰猛な性格であり、また塗壁の妖気の壁を蹴り砕くほどの力を持っている。一方で知性は低く、言葉を発するのも苦手で、常にどもり気味にしゃべる。過去に城厘が遊び場にしていた神社を根城にしており、厘を迎えに来た城沙耶を襲撃する。 その際、沙耶の危険を察知した真壁いちゑと対戦。沙耶といちゑのタッグにより撃退される。

野馬の番 (のうまのつがい)

城沙耶と真壁いちゑを襲った野馬の番。雌の固体で、大きく膨らんだ胸部や目に長いまつ毛があるのが特徴。沙耶といちゑのタッグ攻撃で野馬が気を失った際、いちゑたちが油断している隙を突いて攻撃を仕掛け、沙耶に致命傷を負わせた。

千歳 いずる (ちとせ いずる)

「週刊ヤングジャンピョン」に連載を持つ女性漫画家。長い黒髪をヘアピンで留め、メガネをかけた地味な格好をしている。また見た目に違わず控えめで、あまり自己主張の激しくない性格の持ち主。次なる作品のネタ探しのために、編集者である柿本充生とともに沖田晃敏のもとを訪れ、低温プラズマについての話を聞いた。実は千歳屋梛の変装した姿。

柿本 充生 (かきもと みつお)

「週刊ヤングジャンピョン」の編集者。筋骨隆々の逞しい肉体にピチピチのシャツを着た男性。厳しい顔つきとは裏腹に佇まいはおどおどしている。千歳いずるとともに沖田晃敏のもとへ取材に行った際には一言も発さず、ダラダラと冷や汗をかくばかりの挙動不審な態度を見せた。実は柿男の変装した姿。

土宮 穂摘美

「マジカライブ」の登場人物の1人。ファンの間では「ほっぴぃ」の愛称で親しまれている。ロングストレートの髪型に、やや勝ち気そうな顔立ちをした、豊満なバストを持つ女性。西水流八喜が好きなキャラクターであるが、綾辻轆花や六徳寺鶴妓に言わせると「胸が大きいだけ」「ツンデレとは名ばかりの暴力女で女王様キャラ」と散々な貶(けな)されっぷりである。

水澤 リコ

「マジカライブ」の登場人物の1人。ファンの間では「リコぴん」の愛称で親しまれている。幼い顔立ちにピッグテールの髪型が特徴の女性キャラクター。綾辻轆花と六徳寺鶴妓のお気に入りのキャラクターであり、この2人いわく、「1人だけ不憫なのが可愛い」とのこと。

集団・組織

ゴルドゴルドッシュ

いまいち売れないお笑いコンビ。メガネをかけた黒髪の男性と、金髪のマッシュルームカットの男性で構成される。実はそれぞれわいら、おとろしという妖怪である。人間社会に溶け込むために人間の姿を模し、驚かせるのではなく、笑わせることで人間から妖気を吸い取り、生き長らえようとしている。実在するお笑いコンビのゴールドラッシュがモデルとなっている。

GCUP (じーかっぷ)

これまで科学的に証明できなかった現象や迷信、スピリチュアルな分野を科学的に研究し、解明することを目的とした公益社団法人。和名は国際現代非科学現象研究所。英名では「The Laboratory of Global Contemporary Unscientific Phenomenon」であり、その頭文字をとってGCUPという通称を用いている。 日本における妖怪の退治を業務の一環に含む組織。妖怪に対して攻撃を与えることのできる武器や、妖怪の攻撃から身を守る装備を開発・運用すれば、霊能力を持たない者でも妖怪を討伐することができるとしている。当初、この機関に所属する北穰櫻子は、秋葉原で妖怪退治をしている西水流八喜の噂を聞きつけ、スカウトしに訪れた。 その際は、機関に所属しなくても業務の手伝いさえしてくれれば、八喜の妹の西水流虹緒を人間に戻す、と協力的な姿勢を見せていた。しかしそのスカウトの直後、既に改心したはずの糸重姫瑠依を討伐しようとし、性格の良し悪しなどにかかわらず、すべての妖怪を殲滅するという目的が露呈。良い妖怪とは共存したいと考える八喜らと対立することとなった。

ハウンド

GCUPに所属する人物の中でも対アブセンス戦闘員として活躍する者たち、またはその所属部署を表す。戦闘員たちにはそれぞれの才能を活かしたLTP搭載の武器が与えられ、GCUPの指示で各地の妖怪退治に派遣される。ハウンドにはその実力に応じて、A級、B級とアルファベットによる格付けがなされている。なお、例外としてA級の上位にはS級が存在するほか、クラスとは別に、A級以上のアブセンス討伐のみを専門とするエリート戦闘員は「Gハウンド」と呼ばれる。

場所

母屋 (おもや)

西水流八喜や西水流虹緒の実家。八喜の住むアパートの隣にある。実際に土地が続いているわけではないが、その近さから母屋と呼ばれている。家には八喜の祖父が住み、寝たきりの虹緒の肉体が寝かされているのもこの場所。また綾辻轆花や真壁いちゑなど、八喜の仲間となった者たちが居候したりしている。

私立神田和泉女学院 (しりつかんだいずみじょがくいん)

千歳屋李が通っている中高一貫制の女子校。秋葉原の電気街から線路を挟んだ反対側に位置する。至って普通の学校であるため、妖怪を受け入れているなどの特別な事情はない。千歳屋梛の手引きによって、のちに綾辻轆花も李と一緒に通うことになった。制服は袴風のスカートに矢絣(やがすり)模様のリボンタイが特徴。

Zoramagica

千歳屋梛が経営しているコスプレ占い屋。メイドカフェ「ぴなふぉあ3号店」と同じビルに入っている。霊感・霊視占いを得意としている他、霊障に悩む人の相談も受け付けており、四条院ドルチェ&カッパーナが持ち込まれたこともある。西水流八喜によれば、「日々いろんなお客さんがやってくる」と言っているので、割と繁盛している様子である。

返魂道 (はんこんどう)

肉体から離れてしまった魂をもとの肉体に戻すための道。真倉崎理載が西水流虹緒の魂を肉体に戻すために開いた。数多の魍魎に囲まれたトンネルのような道であり、肉体に戻る最後の扉までには、さまざまな障害が待ち受けている。返魂道の中では、浮遊することや壁をすり抜けることなど、霊体の時にはできていた一切の霊的な力が使えず、地力のみでその困難を乗り越えるしかない。 最後の扉に至るまでの道のりは、魂が肉体から離れた時間に比例して長さが変わり、その魂の持つ霊力によって、道中に待ち構える障害の難易度も変化する。他人の魂を返魂道に入れることもできるが、最後の扉を他人が開けてしまうと、その人物の魂が肉体に入ってしまうことになるという。

六徳寺 (りっとくじ)

京都にある寺院の1つ。六徳寺鶴妓の祖先である六徳寺一峰が開いたとされる。一峰がかつて守人の付き人を務めた際に結血珠を賜っており、六徳寺の血族は、代々それを受け継いで、妖怪を使役する力を得る使命を持つ。

ぴなふぉあ3号店 (ぴなふぉあさんごうてん)

千歳屋李が働いている秋葉原のメイドカフェ。西水流八喜はこの店の常連。李の姉であり、同じビル内でコスプレ占い屋を営む千歳屋梛がオーナーを務めている。住所は東京都千代田区外神田3-10-12日加石油ビル3F。実在する店舗、「ぴなふぉあ3号店」がモデルとなっている。

ベンガル

秋葉原にあるカレー屋。西水流八喜と綾辻轆花が初めて2人で出掛け、食事をした場所。轆花はこの店でテラ盛り角切りビーフカレーを食べた。実在する店舗、「ベンガル」がモデルとなっている。

サンコーレアモノショップ

秋葉原にある雑貨屋。西水流八喜のバイト先。店内には数々の電子機器関連雑貨がそろっており、豊富な品揃えがウリ。なお、八喜が妖怪との対戦で重傷を負い、動けなくなった際には、一時的に綾辻轆花が働いたこともある。実在する店舗、「サンコーレアモノショップ」がモデルとなっている。

PLUCK

東京神田にあるカレーライス専門店。ゲーマーが集まる美味しいカレー屋として知られており、西水流八喜が糸重姫瑠依を連れて行った。実在する店舗、「PLUCK」がモデルとなっている。

神田達磨 (かんだだるま)

東京神田にある甘味処。羽つきたい焼きが有名だが、真壁いちゑはここの甘あげまんじゅうが大好物。西水流虹緒を連れ出したいちゑが訪れた。実在する店舗、「神田達磨」がモデルとなっている。

スープカレー カムイ

東京神田にあるカレー屋。店内の至る所にスパイスが擬人化された萌えイラストが貼られ、メイド服を着た女性が店員を務めるという、一風変わったお店。諸々の事情により千歳屋李から妖怪と思われてしまっている西水流八喜が、その誤解を綾辻轆花に解いてもらうため、そして一反木綿の妖怪である布地屋八十兵衛を退治する際、やむを得ず轆花の尻を木刀で叩いたことのお詫びをかねて、カレーをおごるために連れて行った。 実在する店舗、「スープカレー カムイ」がモデルとなっている。

猫神社 (ねこじんじゃ)

秋葉原にある神社。多くの猫が集まる場所として知られる。西水流八喜に連れられ、「スープカレー カムイ」に立ち寄った綾辻轆花が、鈴鳴ニアの後ろ姿を見かけて立ち寄った場所。境内には多くの猫がおり、轆花はニアを見つけて寄ったことも忘れて猫を戯れていた。しかし、その中で負傷している1匹の黒猫を発見し、2人は八喜の母屋へと連れ帰る。 実在の柳森神社がモデルとなっている。

なでしこ寿司 (なでしこずし)

秋葉原にある寿司屋。北穰櫻子が西水流八喜をGCUPに勧誘すべく、話を聞いてもらう場所に指定したお店。寿司を握る職人まですべて女性のスタッフで運営していることで知られる寿司屋である。実在する店舗、「なでしこ寿司」がモデルとなっている。

絶対領域 (ぜったいりょういき)

秋葉原にあるニーハイソックス専門店。ニーハイソックスやそれに関するアイテムを販売している店。西水流八喜が綾辻轆花に連れられて入った。たまたま気まぐれで入店しただけだが、八喜はこの場所で過去に命を狙われ対峙した絡新婦の妖怪、糸重姫瑠依と再会する。実在する店舗、「絶対領域」がモデルとなっている。

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ぱにゃにゃん

綾辻轆花が口癖として使う言葉。驚いた時、気合を入れる時、感心した時などさまざまなシーンで口にし、その使用頻度は非常に高い。ちなみに「パニャニャン」はラオス語で「頑張る」という意味。応用として「パニャニャンダー」と言うと、人に向けて「頑張ってね」という意味になるが、轆花は応援の意味でも「パニャニャンです」と言うなど正しい使い方をしない。 実際は、ただ単に語感が可愛くて気に入っているだけである。

驚気 (おどろき)

人間が驚いた時に口から靄のようなものとして出るもの。綾辻轆花いわく、西水流八喜の驚気の味は濃厚でコクがあり、ほんのり苦味のある味で、かなり美味であるらしい。轆花など妖怪の中には、この人間の驚気を食事にしている者がいるという。なお、驚気というのは轆花の造語。その本質は、妖怪と出会った人間が、その妖怪に対して何らかの大きな感情を抱いた時に奪われる霊気・妖気のことである。 人間の生命力の塊であるため、抜かれてしまうと寿命が縮むとされている。轆花の一度あたりの食事によって縮む寿命は、3秒程度から数十年とかなりの幅があるという。

(ねすと)

一部の力のある妖怪が張ることができる結界。使用者の自由意志で発動することが可能で、術者の想像する異世界を作り出し、対象者を引きずり込むことができる。巣の内部は現実世界とは別の次元になっており、基本的にこの中でどれだけの力を使おうと、外界に影響を及ぼすことはなく、また一般人には認識できない空間となっている。時間の流れも違うため、結界内で時間を過ごしてから結界を解除すると、さほど時間が経っていないということもある。 なお、巣とは糸重姫瑠依が張った結界のことを指し、一般的には単純に「結界」と呼ばれることが多い。

アブセンス

GCUPが使用する用語。妖怪のことを指す言葉。英語で「不在」「欠乏」を表わす単語で、「存在しないもの」という意味で使われる。GCUPは妖怪の危険度をアルファベットで格付けしており、上位からAクラス、Bクラスという形で表わすが、例外として、Aクラスの上位にSクラスが存在する。

轆轤首 (ろくろくび)

日本各地に伝承の残る妖怪の一種。文献では夜中に下働きの女性や女房、娘などの首が伸びているのを見たというものが多く、男性の轆轤首の伝承はあまり残されていない。また似たような妖怪の逸話は、中国や東南アジアにも多く散見され、それが日本独自の妖怪としての姿になっていったものと言われている。なお、轆轤首は首が伸びるだけではなく、身体から首が離れて飛んでいくという逸話も見られる。 その場合は「ぬけ首」「飛頭蛮」などと呼ばれるが、同様の妖怪であるとされている。綾辻轆花が該当する。

塗壁 (ぬりかべ)

福岡県遠賀郡の沿岸部に伝わる妖怪。主に暗い夜道に現れる妖怪とされる。塗壁に出会ってしまうと、突然見えない壁にぶつかり、それ以上進めなくなってしまうとされる。壁は左右にどこまでも長く続いており、迂回することはできないが、棒などで足元を払うと壁が消え、通れるようになるという。また大分県佐伯市にも塗壁の伝承が残っている。 こちらは、出歩いていると突然目の前が真っ暗になり、何も見えなくなる現象に見舞われるとされる。この伝承では、塗壁は着物の後ろの帯の結び目に狸が乗っかり、目隠しをしているためだとされ、着物の帯を前で結び直すと解放されるといわれている。真壁いちゑが該当する。

絡新婦 (じょろうぐも)

日本各地に伝承の残る妖怪の一種。美しい女性の姿に化けるので、女郎蜘蛛と書かれる場合もある。伝承では、湖の畔で休んでいた男を、蜘蛛の糸で水中に引きずり込もうとするなど、人間に仇をなす描写が見られる。その他、妖怪絵巻には、火を吹く子蜘蛛を使役するともされる。糸重姫瑠依が該当する。

餓鬼憑き (がきつき)

餓鬼という妖怪に憑かれてしまうことで出る症状のこと。激しい空腹感に襲われてしまい、身動き1つ取れなくなる。米1粒でもいいので、何か食べ物を口にすると、症状から免れることができる。秋葉原で西水流八喜と出会ったばかりの綾辻轆花が、この症状に見舞われ、妖怪としての食事、つまり驚気を吸い取るために、その正体を明かす羽目になった。

人形神 (ひんながみ)

富山県砺波に伝わる妖怪の一種。三寸ほどの人形を1000体作り、それを一度に煮ると、1000の霊を宿した人形が1体だけ浮き上がってくる。これが人形神で、人形神を祀ると、あらゆる願いを叶えてもらうことができるという。しかし、願いを1つ叶えても、「次の願いはなんだ」と際限なく欲望を要求され、死ぬ時には壮絶な苦しみを受けた末に地獄へ落ちると言われている。 また願いごとは本人が望む形ではなく、願いを曲解し、周囲に不幸を撒き散らす形で叶えられるともされている。四条院ドルチェ&カッパーナが該当する。

猫又 (ねこまた)

長い年月を生きた猫、もしくは人の血をすすった猫が変化するといわれる妖怪の一種。猫又になった猫は尻尾が2本に分かれ、人を襲って喰ったり、怪しげな振る舞いをするようになると言われている。鈴鳴ニアが該当する。

天狗 (てんぐ)

日本各地に伝承の残る有名な妖怪の一種。奈良県では「空神」とも呼ばれる。傲慢甚だしい修験者が死ぬと天狗道に堕ちるとされる。神通力をもって山中で暴風雨を起こしたり、人を攫って神隠しに合わせるなど、さまざまな怪異を引き起こすと言われている。一方でその強大な力は、山への信仰の表れとも言われ、修験者を守護する山の神として崇められていることもある。 空神が該当する。

枕返し (まくらがえし)

日本各地に伝承の伝わる妖怪の一種。人が寝静まった夜中に現れ、こっそりと枕をひっくり返す、または布団で寝ている人間の頭と足の向きをひっくり返すとされる妖怪。子供か坊主のような姿をしていると伝えられる。民俗学では、夢を見ている最中に枕を返すと、魂が体に戻れなくなるという俗信があり、また死者を北向きに寝かせる風習があるので、睡眠や枕は霊的なものや死の概念と密接に結びついているとされる。 これらのことから、枕返しは人間の命を奪う能力を持つと言い伝えられることもある。真倉崎理載が該当する。

アスコココ

熊本県八代市の松井家に伝わる『百鬼夜行絵巻』に登場するもの。白くぼんやりとした靄の中に、多数の化物の顔が浮かんだものとして描かれる。作中では妖怪の一種とされ、至るところにいる妖怪の種と紹介されている。このアスコココが強い思い、特に悪感情を持つ人間に取り憑くと、その人間は、その時に持っていた感情や思いを具現化した妖怪と化してしまう。 非常に厄介な存在だが、「彼処(あそこ)にも此処(ここ)にもいる」という名前の由来通り、至るところに存在するために退治してもキリがない。またアスコココ自体は悪ではないため、主に放置されている。

百目 (ひゃくめ)

体中に百を数えるほど無数の目が付いた化け物。妖怪の一種。夜中に百目に出会うと、体から目玉が1つ飛び出し、どこまでもついてくるといわれている。アスコココに取り憑かれた木村が妖怪化したもの。

(さとり)

日本各地に伝わる妖怪の一種。主に山の中に住み、出会った人物の思考を読んでそれを言い当て、心を読んだ者が動揺して隙を見せたところを食べるとされている。土地や伝承によっては、山男や天狗、山叔父、狸が化けたもの、あるいはそれらの仕業であるともされている。問覚須臾が該当する。

鎌鼬 (かまいたち)

日本各地に伝わる妖怪の一種。旋風に乗って現れる妖怪で、これに出会ったものは、知らないうちに、どこにぶつけたでもないのに、鋭利な切り傷を負ってしまうとされている。また飛驒地方に伝わる伝承によれば、鎌鼬は3体の悪神であるとされ、最初の神が人を転ばせ、次の神が刃物で斬り傷をつけるが、最後の神が塗り薬で瞬時に治してしまうため、傷も残らず、斬られたことに気もつかないとされている。 鎌数斬子が該当する。

輪入道 (わにゅうどう)

妖怪絵巻などにその姿が描かれる妖怪の一種。燃え盛る牛車の車輪の中央に、入道の顔部のみがついた姿で描かれている。出会った者は、その姿を目にするだけで魂を抜かれ、死に至るとされている。九十輪陵運が該当する。なお、似たような妖怪に「片輪車」というものがおり、これは輪入道の顔部分が女性の顔で描かれているという。

ぬっぺふほふ

江戸時代の妖怪絵巻に描かれている妖怪の一種。顔と体がつながった大きな肉の塊から、手足が生えた一頭身の姿だとされている。体には、顔のパーツとも、肉が垂れてできた皺(しわ)とも分からない溝のある特徴的な姿をしている。一説にはぬっぺら坊の仲間、その一種とする説もあり、そのために別称で呼ばれることもある。肉丸為一が該当する。

魂の緒 (たまのお)

肉体と霊体を繋ぐ緒。これが人間の体と精神と結びつけているものとなっていて、幽体離脱など何らかの拍子で肉体から霊体が離れても、魂の緒を手繰ることで肉体に戻ることができる。しかし、千歳屋梛によれば、西水流虹緒にはこの魂の緒がないという。

いっちゃんロボ

西水流八喜と真壁いちゑが霊子合体をおこない、ロボに変化した状態の姿のこと。見た目は、頭胴一体の卵型のボディから腕と足が生えたずんぐりとした容姿。頭頂部からはアンテナのように雫型のパーツが生えている。ボディの巨大さに対して、手足は細く短いために非常にバランスが悪く、合体後の八喜は、ろくに歩くこともままならないほどで、機動性は破滅的に悪い。 しかし、全身を覆うボディは非常に硬質で頑丈。糸重姫瑠依に重大なダメージを与えた、城厘のヘッジホッグブリットを食らっても、傷一つつかないどころか、一歩も揺らぐことなく、逆に厘を吹き飛ばすほどの強度を誇る。ちなみに合体中は、八喜がボディの中にいるようなイメージで描かれ、中からは視線を向けるだけでボディが透けるようにして見え、全方位を確認できる。

車輪環 (しゃりんかん)

九十輪陵運が使用する巣、結界のこと。全方位に鉄格子が張られた球体状の空間になっており、輪入道である陵運や、陵運と霊子合体した六徳寺鶴妓の力が発揮されやすいフィールドになっている。

変態仮面 (へんたいかめん)

突如として秋葉原に多発し始めた謎の犯罪者たちの総称。名前の由来となった漫画作品『究極!!変態仮面』の主人公のように、女性用下着を顔に被った者たちが秋葉原に出現し始めた。西水流八喜がニュース速報で確認した際には、1日で約8件も同様の犯罪が起きたという報告が寄せられ、うち6名が逮捕されている。またこのニュースをみた直後にもう1件の事件を直に確認したため、最低でも9人以上の変態仮面が出没したことになる。 なお、逮捕された容疑者たちは、一様に「突如目の前が真っ暗になったと思ったら女性用下着を被っていた」と供述している。

木刀 (ぼくとう)

西水流八喜の実家に置いてあったもの。どこかのご神木で作られたものであり、床の間に飾ってあった。神通力があるかもしれないと期待して、八喜が妖怪退治の武器として使用する。ちなみに木刀と呼ばれているものの、その見た目は経らしきものの書かれた棒といったほうが近い。1本は糸重姫瑠依との戦闘で切り刻まれるが、保存用が複数本あったりする。

ディテクター

GCUPが開発した特殊機能付きタブレット。スマートフォンのような大きさのもので、霊子エネルギーの探知、妖力の数値化など対アブセンス用に特化した機能のほか、メールやデータのやり取りなど、幅広い用途に使用できる優れもの。妖怪の探査機として使用できるほか、霊能力を持つ者を探し出すのにも使える。北穰櫻子は、これを駆使して西水流八喜が霊能力を持っていることや、秋葉原で妖怪退治をしている張本人であることを知った。

LTP (えるてぃーぴー)

妖怪に対する有効な攻撃手段として、GCUPのさまざまな武器に使用されている特殊なプラズマ。妖怪は通常の物理攻撃でダメージを負わせても、たちどころに回復してしまう性質があり、決定的なダメージを与えるためには霊能力で攻撃するしかないとされていた。しかしGCUPでは、この妖怪の回復機能が霊体(エーテル体)と呼ばれる物質であること、その霊体は霊子と呼ばれる物質の複合構成物であることを突き止め、沖田晃敏が開発した低温プラズマが、霊子をも分解できることを知るや、それを兵器転用した。 LTPを使えば霊能力を持たない人間でも、妖怪に対してダメージを負わせ、蓄積させることができる。

断罪の鉄鞭 (こんびくしょんめじゃー)

幸村淳正の使用する武具の名前。片腕に装着したリーフ形状の武具からLTPをまとった剣が飛び出す性能を持つ。またこの剣は伸縮自在で変幻自在。刀身をしならせて鞭のように扱うこともできる。

天翔の双舞刃 (えあうぃーるすらいすた)

城厘が使用する対アブセンス用特化武装。特殊改造を施したスケートボード状の武具で、当然スケートボードとしても使用可能。スケートボードとしては、インウィールモーターにアークジェットスラスタを搭載。機動力に優れるほか、スカンジウム製デッキと最新型アクティブサスペンションも搭載。強度と衝撃吸収効果も併せ持ち、どんな悪路も物ともしない。 対アブセンス武器としては、ボードの先端に出し入れ可能なLTPの爪を装備しており、アクロバティックな動きで攻撃を仕掛ける。

PG208

梧桐竜仁の使うアサルトライフルに近い形状の銃火器。グリップ下部から背中のバックパックにコードがつながっており、パックパックからエネルギーを充填すると、LTPではない、通常のプラズマ弾を射出する。射出するプラズマの温度は20000度。有効射程は30メートルと短いものの、スピードに自信のある鈴鳴ニアでも避けるのがやっとという射出速度。 一度当たれば妖怪でも死は免れないという殺傷力を誇る。

髭切 (ひげきり)

新谷優吾が持つ刀。源家重代の刀として伝わる業物で、かつて渡辺綱がこの刀を使って一条戻橋で鬼の片腕を斬り落とした逸話が有名。髭切という名前は、罪人を斬った際に、首だけではなく髭まで斬れたというのが由来。鬼の討伐やその後の持ち主などによって、鬼切、獅子ノ子、友切などさまざまな別称を持つ。

ベアスーツ

GCUPのメンバーに配給されている特殊装備。特殊な繊維で編まれ、妖怪などが使用する霊子による攻撃にも耐える防御力を誇る。また当然、通常の物理攻撃に対しても高い防御を誇る。一般的な刃物では傷もつけられず、高所から落ちるなどかなりの衝撃を受けても、問題なく即行動可能な耐衝撃性も持ち合わせている。

霊子珠 (れいしだま)

霊子合体中の妖怪の霊体が宿っている珠。水晶のような透明の物質で、霊子合体してできる武具のどこかに、露出した形で現れる。攻撃されても霊子合体中の妖怪がダメージを受けたり消滅してしまうことはないが、破壊されると強制的に霊子合体が解除されてしまう。

結血珠 (けっけつじゅ)

霊子珠のような水晶が6個ついた大きな腕輪状のもの。六徳寺一峰が守人から賜ったとされる。一峰が賜ったのち、六徳寺一族に代々伝わっており、現在の所有者は六徳寺鶴妓。水晶を腕輪から外して使用すると、妖怪と霊子合体を行うことができる。ただし、これを使うためには、生まれ持った才能と長年にわたる修行が必要であるとされている。 水晶1つにつき、一度の霊子合体が可能だが、使った水晶は黒く濁ってしまい、同じ玉を連続して使うことは不可能。水晶の濁りは時間経過で澄んでいくが、再使用可能になるまでに丸1日ほどかかる。

みのむしパイナポーくん

綾辻轆花が付けている髪飾りのモチーフとなっているキャラクター。パイナップルをデフォルメしたような網模様の付いた蓑に、大きな目玉が2つ付いたデザインのもの。今のところ轆花の髪飾りでしか登場していないが、相澤京も知っているので、ある程度の知名度はある様子。

霊子合体 (れいしがったい)

西水流八喜などが発動することのできる特殊能力。綾辻轆花など妖怪の霊体を自分の中にとりこんで、さまざまな武器・装備に変換することができる。具体例として、轆花との霊子合体では、左腕に轆花の霊体を宿し、樽と歯車で構成されたサイバーパンクからくり風の義腕とする。霊子合体をした際には、通常時の霊力に対して、単純に2体分ではなく、爆発的に霊力が上がることが確認されている。 なお、霊子合体は、通常の霊能力を持つ者であれば誰でもできることではなく、八喜の持つ隠された能力との関係が示唆されている。

人妖一体 (じんよういったい)

西水流八喜が習得した技術。霊子合体をさらに発展させたもの。妖怪の妖力を霊子合体以上に高く引き上げることができ、その力や技術、特性と自分の思考や動きの連動がパワーアップしている。そのほか、霊子合体では合体した妖怪の部位に霊子珠が見られたのに対し、人妖一体を使用した際は、霊子珠が八喜の額に浮かび上がる。

超重弩轟砲撃頭突 (ぎがんとへっど)

綾辻轆花と霊子合体した西水流八喜が使う技。轆花の宿った機械仕掛けの左腕に力を溜め、拳をロケットパンチのように射出する技。妖怪としての正体を現した糸重姫瑠依を一撃のもとに討伐した。

超重弩轟縛捕頭突 (ばいんどへっど)

綾辻轆花と霊子合体した西水流八喜が使用する技。超重弩轟砲撃頭突の応用技で、轆花の宿った機械仕掛けの拳を放った後、拳の軌道を調整して拳と腕を繋ぐ綱で相手をぐるぐる巻きにし、動きを止めたうえで拳を打ち込む。

落壁重圧殺 (らくへきじゅうあつさつ)

真壁いちゑが使用する技。塗壁の能力を活かして体の前面に見えない壁を作り、そのまま上空から落下して対象を押し潰す。

倒壁圧迫殺 (とうへきあっぱくさつ)

真壁いちゑの使用する技。自分の前面に、見えない妖力の壁を作り出し、その壁で目の前の相手を地面に押しつぶす。野馬と対戦した時に使用し、一時は野馬にダメージを与えて失神させた。

絶破断撃鎧壁超圧殺 (ぐらゔぁんとふぉーる)

真壁いちゑと霊子合体した西水流八喜が使用する技。いっちゃんロボになった状態のまま相手を捕縛し、高所から自分もろとも飛び降りて、相手を押し潰す。簡単に言えばボディプレス。

闇猫爪 連刃 (おんびょうそう れんじん)

鈴鳴ニアが使用する技。猫又ならではの高い身体能力を活かし、攻撃対象の周囲を超高速で移動しながら、鋭い爪による全方位攻撃を見舞う。一瞬のうちに10回の連撃を素早く繰り出す技術で、特にラストの2連撃は「いちじく(九)」「もげき(十)」と高威力の打撃で技を締めるのが通例。

八肢連撃乱れ蹴り (はっしれんげきみだれげり)

糸重姫瑠依の使う技。尾骨から出す糸を相手に絡めつかせ、蹴りの反動と糸の引き寄せを交互に、高速で行うことにより、瞬時に爆発的な量の蹴りの連打を浴びせることができる。

心臓割り喧嘩キック (かきわりけんかきっく)

柿男の使う技。軸足を大きく前に踏み出し、そこから勢いをつけたもう一方の脚で繰り出す強烈な前蹴り。空を裂き、岩をも砕くという強烈な技。

天狗礫“雹” (てんぐつぶてひょう)

空神が使用する技。昇華させて固体となった無数の空気の礫を打ち出す。礫そのものが石を荒く削った鏃(やじり)のように尖っており、真壁いちゑの出す見えない壁に突き刺さるほどの威力を持つ。そればかりか、対象に刺さったり衝撃を加えると、固体化した空気が瞬時に気体に変わって、爆発するため、驚異的な殺傷力を誇る。

天地神鳴龍ノ顎 (てんちしんめいりゅうのあぎと)

空神が使用する技。空気を操る自らの能力を応用して、大気圧を操って対象の周囲にのみ雷雲を作り出し、絶え間ない雷の嵐を浴びせかける。守人と化した西水流八喜に対して使い、雷撃と高熱でその全身を焼き払った。

転輪断魂反枕 (てんりんだんこんまくらがえし)

真倉崎理載が使用する技。寝ている人間の枕をひっくり返して、対象を永遠の眠りにつかせる、つまり生きている人間を殺すことができる。初めて理載が西水流家を訪れた際に、八喜の祖父が寝ているのを見て、妖怪の習性から反射的に使おうとしていたが、すんでのところで西水流八喜の妨害を食らって未遂に終わった。ちなみに技を使おうとすると、八喜にとっての悪臭を発する。

転輪継魂反枕 (てんりんけいこんまくらがえし)

真倉崎理載が使用する技。魂と肉体が離れてしまった人間の枕をひっくり返すことにより、対象の魂と肉体を繋ぐ道である返魂道を開くことができる。理載いわく、この技を使うだけで人間が生き返り、魂と肉体をつなげることができるわけではなく、肉体に戻るには、対象の魂がこの返魂道を自らの力で進むしかないという。

魅惑の楔 (あとらくときっす)

北穰櫻子が使用する技。使用武器から巨大なホッチキスの針状の武器を射出する。射出される針の先端は鋭く尖っており、射出速度も高速なため、そのまま対象に向けて射出し傷を負わせることもできる。また通常のホッチキスのように、壁などを背にして針を打ち付けて対象を拘束する目的でも使用可能。上位技として、魅惑の楔を連撃で放つ「魅惑の連楔(ラピッドキッス)」がある。

ヘッジホッグブリット

城厘の使用する技。着ているベアスーツに編み込まれた無数の小さな刃を立たせて相手に体当たりをする。糸重姫瑠依戦で使用され、姫瑠依の糸に絡め取られた状態から、逆にその糸の弾力を利用して突撃。致命傷を負わせるに至った。

鋼鉄の噛牙 (しゅたーるばいつ)

桐谷亜依が使用する技。使用する大剣の刀背に着けられた鋏状のギミックを可動させ、刀身を受け止めた相手に対し追撃を与えるもの。使用する武器は刀身はもちろん、この鋏状のギミックにもLTPが流されている。

煉獄業車輪 (れんごくごうしゃりん)

九十輪陵運と霊子合体した六徳寺鶴妓が使用する技。巨大なリング状のキャタピラと化した陵運の車輪に火を纏わせ、その状態で対象に突進する。真壁いちゑと霊子合体した西水流八喜の防御力ですら止めることができない、驚異的な破壊力を誇る。

煉獄火炎弾水平撃ち (れんごくかえんだんすいへいうち)

九十輪陵運と霊子合体した六徳寺鶴妓が使用する技。巨大なリング状のキャタピラと化した陵運に乗ったまま、瞬間的に浮き上がって車体を水平に向け、車輪外部に備わった火炎放射口から火炎弾を連続放射する。

煉獄全方位火炎弾 (れんごくぜんほういかえんだん)

九十輪陵運と霊子合体した六徳寺鶴妓が使用する技。煉獄火炎弾水平撃ちに似た技だが、水平撃ちとは異なり、対象を1体に絞らないのが特徴。空中で陵運のキャタピラを乱回転させながら、上下左右360度すべてに無差別の火炎弾連射を行う。

大鎌威太刀 飛刃 (おおかまいたち とびやいば)

鎌数斬子と霊子合体した六徳寺鶴妓が使用する技。右腕に装着した巨大な鎌を回転させながら対象に向けて飛ばす。放った刃は自在に軌道を変えることができる。

鎌威太刀螺旋飄 (かまいたちらせんつむじ)

鎌数斬子が使用する技。体をコマのように回転させながら、両腕から生やした妖力の鎌で相手に連続の斬撃を与える技。

鎌威太刀螺旋飄真打 (かまいたちらせんつむじしんうち)

鎌数斬子が使用する鎌威太刀螺旋飄の上位技。鎌威太刀螺旋飄で使用する鎌は両腕から生やした2本の鎌のみだが、妖力をさらに高めて、全身から無数の鎌を生やしたまま、体を回転させ、相手に切り込む。

黒板消しクリーナー煙幕 (こくばんけしくりーなーすもーく)

綾辻轆花が空神に対して使用した技。単純に黒板消しクリーナーを投げつけるというだけの技。黒板消しクリーナーの中に入っているチョークの粉末を撒き散らし、わずかな時間ながら相手の視界を遮ることに成功。ともに劣勢に立たされていた鈴鳴ニアと逃げ、援軍を呼ぶ時間をかせぐことができた。

超高圧水鉄砲 (えくすたしーすくうぃっと)

人魚が使用する技。指を組むように合わせた両手の、親指と人差し指の間から水をビームのように打ち出す技。風呂場で水遊びをする時の「手水鉄砲」といえば分かりやすい。しかし、人魚が使うと、人間が遊びで行うものの比ではなく、西水流八喜が背中に食らった際には、一時気を失いかけるほどの衝撃を与えた。また水面に向けて放っても威力が減衰せず、水鉄砲がレーザーのように水面から飛び出していくほどの威力を持つ。 なお、単行本及びデジタル版での読み方は「ける○ゃーがん」に変更されている。読み方の一部が伏せ字になっているのは、実在する工具メーカーの高圧洗浄機をモデルにしているため。

超馬力跳馬蹴 (ちょうばりきはねうまきっく)

野馬の使用する技。馬の強靭な下半身を活かして、渾身の力を込めて放つ突き蹴り。真壁いちゑの作った妖力の壁をぶち破るほどの威力を誇る強力な技。しかし、二度目に放った時には、いちゑの壁に防がれるなど、その実力は拮抗している。

マジカライブ

正式名称は「マジカルアイドル マジカ♥ライブ」。大元の作品がどういう形態のものかは不明だが、劇場版アニメが制作、放映されるぐらいの人気作品であり、コンビニで「十八番クジ(キャラクターくじ)」も販売された。西水流八喜はこの作品に登場する土宮穂摘美推しであり、六徳時鶴妓は水澤リコ推し。

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