概要・あらすじ
ある場所では人間と共存し、またある場所では人間を驚かせて暮らしている妖怪たち。そんな妖怪たちが、人間たちを助けたり、ときには脅かしたり、あるいは逆に懲らしめられたりする姿を描く。
登場人物・キャラクター
クロ
頭巾を被った、一つ目の童のような妖怪。身長は数十センチほど。とりついた人間をあらゆる災いや危険から守る性質がある。サラリーマン芹澤誠治に幼いころからとりついており、誠治がぶつかりそうなものをどかしたりしている。しかし、体の大きさに見合ってできることはそれほど多くない。誠治がしっかり者の大人に成長したこともあって、普段はそれほどすることがなく、それを寂しく思ってもいる。 誠治が恋に悩むようになってから、槙野のことを快く思っていない。誠治を「ご主人」と呼んでいる。
袖引き小僧 (そでひきこぞう)
赤子のような姿をした妖怪。道を歩く人の袖を引っ張って振り向かせるが、それ以外のことは何もしない。菊にとりつき、袖を引っ張り続けている。とりついてから3日目、菊が倒れてきた大木の下敷きになるのを防いだ。その後も袖を引っ張り続けているため、助けようとしたのか偶然なのかは不明。
笈の化物 (おいのばけもの)
笈が九十九神になった妖怪。ある家の蔵にしまわれて、長年使われていなかった。鳥のような足と、犬のような顔を持つ。もう一度荷物を入れて、人間に背負ってもらいたいと思っており、九十九神になった自分の姿を見て、「このままでは捨てられてしまう」と思って戸惑っている。自分でも気づいていないが、体の中には子鬼のような、何か別の妖怪が入っている。
目目連 (もくもくれん)
夜、部屋の障子に現れる目のような妖怪。本作では、一組の目が一体で、大勢が集まった妖怪として描写されている。夜な夜な寝ている人間の姿を見るのが好きで、特に寝ている女性を驚かすことを好む。障子を破られると消えてしまうらしく、ネコが大の苦手。
女郎蜘蛛 (じょろうぐも)
若い女性に化けている蜘蛛の妖怪。かつて出会った平太という少年に説得されて無駄な殺生をやめ、山奥で静かに暮らしていた。しかし、住んでいた山が官有地となって開発されることとなり、政府の役人の手にかかって殺されてしまう。
芹澤 誠治 (せりざわ せいじ)
眼鏡をかけたサラリーマンの男性。しっかり者で、規則正しい生活を送っている。取引先の若い女性、槙野に想いを寄せていたが、槙野が知らない男性と親しくしているところを偶然見かけてしまい、あまり表には出さないが落ち込んでいる。幼いころはクロの姿を見ることができたが、成長してからは見えなくなっている。しかし、今でも毎夜クロにお礼を言っている。
槙野 (まきの)
いつも和装の若い女性。毎週水曜日、芹澤誠治の会社に、父親の工場で作られたネジを配達している。配達に使うリアカーは牛に牽(ひ)かせている。ある日から突然態度がそっけなくなった誠治のことを不服に思っている。クロの姿は見えないが、何者かから見張られていることは感じ取れる様子。
菊 (きく)
3日前から袖引き小僧にとりつかれている少女。袖引き小僧は見えているが、袖を引っぱる以外に何もしてこないので、まったく怖がっていない。それどころか、しつこく袖を引いてくることに苛立っている。
書誌情報
妖怪ギガ 6巻 小学館〈少年サンデーコミックス〉
第1巻
(2017-09-15発行、 978-4091276902)
第2巻
(2018-03-12発行、 978-4091282071)
第3巻
(2018-09-12発行、 978-4091285485)
第4巻
(2019-03-12発行、 978-4091291097)
第5巻
(2019-10-11発行、 978-4091294685)
第6巻
(2020-03-12発行、 978-4098500895)