概要・あらすじ
かつて人間界と天上界で暴れ回り、地獄牢へ幽閉されていた妖怪・ろくろ首の69。ある日、彼は地獄の閻魔から人間界への仮釈放を言い渡される。しかし、それは「首から上」だけという条件付きの仮釈放であった。悠々寺の和尚・沙羅の保護観察のもと、人間界での生活を始めた69は、次々と現れる人間に害をなす悪逆無道の妖怪たちと戦いを繰り広げていく。
登場人物・キャラクター
69 (ろっく)
妖怪・ろくろ首。長髪の若い男性の姿をしている。破天荒かつ傲岸不遜な性格。戦国時代、人間界と天上界で暴れ回った罪で懲役1000年を言い渡され、地獄牢に幽閉されていた。約450年の刑期を務めたのち、地獄の閻魔から「首から上」だけという条件付きで人間界へと仮釈放された。また、その際人間界で徳を積み、人間と共存共栄できれば、首から下も仮釈放が許されると、閻魔から言い渡されている。 空を飛び、髪の毛は自由自在に操ることができる。首だけとはいえ、並みの妖怪程度ならば相手にならないほどの強さを誇る。元々は特に名前はなかったが、囚人番号が「69」だったため、「69(ロック)」と呼ばれるようになった。
沙羅 (さら)
悠々寺の和尚である若い女性。天上界からのお告げにより、69の保護観察人を受け持つことになった。凶暴な妖怪である69にも物怖じしない、気丈な性格の持ち主。沙羅のような徳の高い僧侶を殺すことは妖怪にとって名誉であるため、常日頃から不良妖怪たちに命を狙われている。
アン
妖怪・傘女。番傘のようなロングヘアを持つ若い女性の姿をしている。髪の毛を矢のように飛ばして攻撃することも可能。「アンブレラ」からとった「アン」という名前を名乗っている。沙羅の紹介で警察に所属しており、人間に害をなす不良妖怪を取り締まっている。悠々寺から高い妖力を察知し、釈放された69と出会った。69とは旧知の間柄である様子。
座敷童子 (ざしきわらし)
悠々寺の離れに住み着いていた妖怪。小柄な少年の姿をしている。妖気が薄いため、アンからは存在を気付かれていなかったが、69にはすぐ察知された。外出を禁じられていた69に脅され、彼を連れて歓楽街に出かけている間に妖力の根源である離れを火事で失ってしまい、ただの人間になった。その後沙羅の好意により、寺の居候として住み込みで働くようになった。
輪入道 (わにゅうどう)
車輪の付いた物ならば何でも操ることができる妖怪。また、バイクや牛車など、二輪の物に変化することができる。かつてはヒゲを蓄えていたらしいが、現在では剃り落とし、精悍な男性の姿をしている。肩にはダイヤモンドに等しい硬度を持つ車輪・破邪輪を備え、戦いの際は腕に移動させ武器としている。バイクに変化した自分を、長い間大切に扱ってくれていた主人の恩義に報いるため、主人が亡くなった後も、彼の屋敷を不動産詐欺師から守っていた。
カエンガマ
地獄牢帰りの不良妖怪。口から火を吹くことができる。配達員に化けて沙羅を襲ったが、69に一撃で体を貫かれ即死した。
オニスズメ
巨大な蜂のような姿をした不良妖怪。優れた飛行能力を持つ。若い女性の強姦・殺害を繰り返しており、指名手配されていた。犯行に及ぼうとしていたところを69に見つかり、バラバラに砕かれ死亡。
ハカイボウ
体を硬質化させることができる不良妖怪。不動産詐欺師に雇われ、輪入道を殺しに来た。ダイヤモンドよりも硬い物質を取り込み、全身を鎧と化すことで輪入道の破邪輪を砕き、追い詰めた。しかし、69の機転によって自分の剣で自分の胸を貫くことになり、敗れ去った。
ネコマタ
人間の男を吸い寄せる妖力を持つ女不良妖怪。若い女性に化けて男を操り、男を痴漢にしたて上げて示談金をせしめる犯罪を繰り返していた。犯行現場をアンに押さえられ、悠々寺に逃げ込むも、69や輪入道に見つかり捕らえられた。尻に顔が付いているのが真の姿。
ミノタウロス
人間の魂を迎え、「生と死の迷宮」に引きずり込む役割を担う妖怪。死を恐れ迷宮から逃れようとする魂を捕らえる番人でもある。天上界の命を受け、この仕事を行っている。山野内香代の魂をあの世へ連れて行く途中、座敷童子にひと目合わせるため香代の魂を奪い返しに来た69と衝突する。両腕は下僕の妖怪アウンゴブラとなっている。
山野内 香代 (やまのうち かよ)
84歳の老婆。9歳のころ、実家である山形の材木問屋に住み着いていた座敷童子と出会い、相思相愛の仲となる。しかし、座敷童子は5年間以上同じ家に取り憑くとその家に不幸をもたらすため、出て行ってしまう。別れ際、妖力を封印し人間となって戻ってくるという座敷童子の言葉を信じ、彼を待ち続けていた。