概要・あらすじ
インドで裕福に育った富豪令嬢・セーラ・クルーは英国にある寄宿学校・ミンチン女学院に編入する。桁外れの金持ちな上、賢く優しいセーラは学校の人気者になるが、父が破産、病死したことで立場が急変。
学院の使用人としてこき使われだす。彼女を敵視する生徒ラビニア・ハーバートや期待を裏切られて怒るマリア・ミンチン学院長からのいじめを受けながらもセーラは誇りを忘れず生き抜き、その結果、幸せを取り戻す運に恵まれる。
登場人物・キャラクター
セーラ・クルー (せーらくるー)
10歳。英国人でインド育ちの少女。父ラルフは鉱山経営者の大富豪。母とは幼少期に死別。ミンチン女学院に預けられ、フランス語からインドの言葉まで身につけている教養深さや品性の良さでもてはやされるも、父の破産と病死により無一文に陥り、学院に住み込みの使用人となる。 虐待まがいの過酷な労働生活が続いた後、学院の隣にクリスフォードが越してきたことで運命が変わる。
ラルフ・クルー (らるふくるー)
セーラの父親。インドで鉱山を経営していた英国人富豪。故郷のイギリスで娘に教育を受けさせるべくミンチン女学院へ託す。単身インドに戻ったあとダイヤモンド鉱山が経営難に陥ったうえ病死する。 そのさい手違いや連絡不行届が重なり、セーラの経済的な後ろ盾が失われることになる。妻とは死別している。セーラにとって唯一の身寄りだった。
ラムダス
インド出身の若者。ミンチン女学院の隣家に引っ越してきた富豪・クリスフォードに仕える執事。身体能力が高く、建物の屋根を軽々と伝い渡ってセーラを驚かせる。逃げ出した飼い猿を捕まえるさい、隣家の屋根裏にいたセーラと顔見知りになり、主人の探している少女とは知らぬまま好感をもつ。 主人の了解を得て、趣向をこらした差し入れをおこないセーラを喜ばせる。
スーリャ
『小公女セーラ』に登場する動物。子猿。クリスフォードがインドにいたころから飼っており、執事のラムダスが世話をしている。活発で、隣家から屋根伝いに逃げ出してミンチン女学院へ迷いこんでくる。 これによりラムダスがセーラと顔見知りになり、セーラの運命が変わるきっかけを生む。
マリア・ミンチン (まりあみんちん)
ミンチン女学院の学院長。幼い頃に親をなくし、苦学したのち寄宿学校を設立した。その苦労から偏狭な性格になっており、金銭へのこだわりにとりつかれている。裕福だったセーラには媚びた言動で特別待遇を与えたが、彼女が経済的な後ろ盾をなくすと一転して冷酷になり、奴隷めいた条件で住み込みの使用人として学院に留め、いびりぬいていく。
アーメンガード・セントジョン (あーめんがーどせんとじょん)
ミンチン女学院の生徒。心根の優しい少女だが弱気でもあり、気の強いラビニアにいびられている。大学教授の父をもつが、本を読むのを嫌ったり、フランス語の授業で苦しむなど、勉学はあまり得意ではない。 ラビニアに堂々と対峙して自分に優しいセーラの誇り高さに感じ入り、大の友人となる。使用人の身分に落ちたセーラを心配し続ける。
トム・クリスフォード (とむくりすふぉーど)
富豪。セーラの父ラルフとはパブリックスクールで共に学んだ旧友で、インドでのダイヤモンド鉱山の共同経営者。どこかで親友の娘セーラが困窮しているであろうことを心配し、患っている病気に心労が重なって実際の年齢より容姿が老け込んでいる。 セーラを探してロンドン市内の寄宿学校を弁護士に調べさせる途上、知らずにミンチン女学院の隣へ引っ越してくる。
ラビニア・ハーバート (らびにあはーばーと)
ミンチン女学院の生徒。アメリカ人。由緒ある家系ではなく成金の娘という引け目の反動から過度に気が強い。大人にみせる行儀はいいが、自分より弱い相手をいじめるなど裏表が激しい。自分をさしおいて学院の特別待遇を受ける座を得たセーラを敵視し、彼女が使用人の身に落ちると、学院長に?られて困るように嘘をまじえた告げ口や嫌がらせを繰り返す。
ベッキー
ミンチン女学院の雑用をつとめるメイドの少女。田舎の出身で、口調にはなまりが混ざる。裕福だったころから自分にわけへだてなく優しく接するセーラに畏敬の念を抱いている。セーラが自分と同じ使用人の身分になってからもお嬢様と呼び続け、できるかぎりの面倒をみて苦楽を共にし、堅い絆を結んでいく。
ミンチン女学院 (みんちんじょがくいん)
19世紀の英国ロンドンにある寄宿学校。経営者は学院長のマリア・ミンチン。在学生は良家の息女ばかりで、中でも特に学院への経済的貢献が大きな親をもつ生徒は専用の大きな部屋をあてがわれ特別待遇を受ける。 屋根裏に複数の小さく粗末な部屋が設けられており、使用人のベッキーとセーラがそこで寝起きしている。隣家にクリスフォードが引っ越してくる。
クレジット
- 原作
-
フランシス・ホジソン・バーネット
- 監督
-
黒川文男
- 脚本
-
中西隆三
- 作画監督
-
才田俊次
- 音楽
-
樋口康雄
- アニメーション制作
-
日本アニメーション