概要・あらすじ
中学1年まで青森の祖父母の家で育った北城尚子、通称ナッキーは、中学2年になると両親のいる実家に呼び戻された。そこには、大豪邸の家、やさしい両親、そして病弱な双子の姉の姿があった。天使のような姉をマールと呼び、すぐに打ち解けたナッキーは、この土地の中学に転校。
初日から女子ソフトボール部入団試験の100本ノックをやりこなし、学校中の注目を集めるのだった。
登場人物・キャラクター
北城 尚子 (きたしろ なおこ)
聖美第四中学校2年A組に転校した女の子。愛称ナッキー。青森県の祖父母に育てられていたが、双子の姉・北城真理子の余命が残りわずかとなったため実家に呼び戻された。家は裕福で今までの生活と異なっているが、明るく前向きな性格で家族や学校に溶け込んでいく。 ソフトボール部の入団試験100本ノックをこなし入部。1日で学校中の注目の的になるなど、パワフルな少女である。体の弱い姉の分まで勉強も遊びもスポーツもがんばって、ふたり分生きようと心に決めている。 聖美第四中学校に伝説を作るという理由で「悪たれ団」を作る。
北城 真理子 (きたしろ まりこ)
ナッキーの双子の姉。生まれつき病弱で、赤ん坊の時から長く生きられないと言われていた。そのため母親の未知子が彼女の育児に専念するためにナッキーを祖父母の家に預けていた。ナッキーが会った14歳の真理子は病弱であり、知能も遅れているが、純真無垢な天使のような少女であった。 ナッキーにマールと呼ばれ「悪たれ団」のみんなとも仲良くなる。編み物とあやとりが得意。
岩崎 祝 (いわさき はじめ)
聖美第四中学校2年A組の男子。転入したナッキーの隣の席だった。その時、ナッキーより背が低かったため彼女からチビと呼ばれるようになる。小さいながらもバスケットボール部に所属し、交代要員だったが俊敏な動きでレギュラーを獲得する。 勉強はいまひとつだが、ナッキーと同じ瑞穂高校への進学を目指し猛勉強する。「悪たれ団」のひとり。
沖田 成利 (おきた なるとし)
聖美第四中学校のナッキーのクラスに大阪から転校してきた男子。長髪を後ろで縛っている、長身の少し大人びた少年。自称「大阪の悪たれ」で、ナッキーたち「悪たれ団」をバカにしていたが、日々の生活でナッキーを認め「悪たれ団」のひとりとなる。 幼少時に母を亡くし、トラック運転手の父とふたり暮らし。家事がなんでもできる。
五月野 舞子 (さつきの まいこ)
聖美第四中学校2年A組の女子。クラスの副委員長で美術部に所属。転入生のナッキーに校内を案内するなど、親切なしっかり者。しかし、恋には臆病で、クラス委員長の田村僚一に長い間片想いをしている。 そのうち僚一はナッキーの妹マールが好きになってしまうが、そんな時でも僚一を見守り励ましていた。「悪たれ団」のひとり。
小西 初音 (こにし はつね)
聖美第四中学校2年A組の女子。家庭部に所属。家庭的な事が好きで、料理や編み物などハンドメイドがうまい、女の子らしい女の子。岩崎祝のことが好きで、彼の隣の席で急接近となったナッキーに嫉妬し彼女に文句を言う。 しかし、ナッキーの想い人が祝でないことがわかり和解。「悪たれ団」のひとりとなる。
田村 僚一 (たむら りょういち)
聖美第四中学校2年A組の男子で、クラスの委員長。家が田村医院をやっており、医学部を目指している。ゆえにクラス一の秀才で、真面目な堅物。最初は、ナッキーたちの「悪たれ団」を快く思っていなかった。 しかし、体育祭で1位を取った人だけがもらえる「緑のネッカチーフ」を手にしたことで心を開き、「悪たれ団」のひとりとなる。ナッキーの家でマールに会い彼女を好きになる。
飛島 峻 (とびしま しゅん)
聖美第四中学校3年生の男子。ナッキーが五月野舞子に校内を案内された時、美術部の部長として紹介されている。画家として将来を嘱望された青年である。この後、ナッキーに惹かれ彼女のの絵を描く。 ナッキーの肖像画ができあがると彼女に届けようとしたが、その途中で事故に遭い、右手の自由を失ってしまう。絵が描けなくなった飛島は人生に絶望するが、そんな彼にもう一度筆を握らせたのはナッキーの姉マールだった。 この後、彼は左手でマールの絵を描く。
清水キャプテン (しみずきゃぷてん)
聖美第四中学校の女子ソフトボール部キャプテン。ピッチャーで、その実力は高校からスカウトがくるほど。入団試験の100本ノックをやりとげたナッキーを認めている。
クレジット
原作
生徒諸君! (せいとしょくん)
恵まれた家庭に生まれながらも人知れぬ事情を持つ主人公北城尚子が友人たちとともに経験する青春を、中学校から大学まで瑞々しいタッチで描く。講談社「少女フレンド」1977年18号から1985年9号まで連載。 関連ページ:生徒諸君!