小林さんちのメイドラゴン

小林さんちのメイドラゴン

会社勤めの女性、小林さんは、たまたま出会ったドラゴンのトールになつかれてしまう。ドラゴンたちと人間との価値観のギャップによるドタバタギャグを中心に、種族間の軋轢や各々の悩みを描いている。

正式名称
小林さんちのメイドラゴン
ふりがな
こばやしさんちのめいどらごん
作者
ジャンル
日常
レーベル
アクション・コミックス(双葉社)
巻数
既刊6巻
関連商品
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あらすじ

トールと小林さん

朧塚という街に住むOLの小林さんは、いつもどおり出勤しようと家のドアを開けると、そこには巨大なドラゴンのトールが待っていた。茫然とする小林さんの目の前で、そのドラゴンはツノと大きな尻尾が生えた、メイド服の美少女の姿に変身する。異世界から逃げて死にかけていたトールは、昨夜酔っぱらって山に来ていた小林さんに命を救われたうえに、いっしょに酒を飲んで意気投合し、さらにはメイドとしてうちに来ないかと小林さんに誘われた。そんなトールは小林さんに多大な恩を感じ、訳あって故郷に帰れないこともあり、昨夜言われたとおりに専属メイドになって恩返しがしたいと語る。かなり酔っぱらっていたために昨夜の出来事がまったく思い出せない小林さんは、人を雇う余裕はないと言って断ろうとするが、会社に遅刻しそうな時間になっていることに気づく。そこでトールは、小林さんを背中に乗せて会社まで運ぶように頼まれる。トールはそのままメイドとして小林さんに雇われ、彼女の家に住み込んでこの世界や人間のことを学びながら、主人となった小林さんのお世話を始めるのだった。これをきっかけに小林さんの平凡だった日常に大きな変化が訪れ、彼女のもとにはトールを知るさまざまなドラゴンたちが、異世界から集まるようになる。 

カンナと学校

いつも疲れ気味のOL・小林さんのもとに、メイドとして押しかけて同居するようになったトールは、家事はもちろんコミケの手伝いもドラゴンのパワーを生かして器用にこなしていた。人類のことは基本的に下等で愚かだと思っているトールは、小林さんには過去に助けてもらった恩を返すべく、時にはトラブルに巻き込んだり巻き込まれたりしながら、全力でメイドの仕事をこなしていた。メイドになってしばらく経ったトールは、親から追い出されたカンナカムイファフニールなど新たなドラゴンも巻き込んで、すっかり人間の世界になじみ始めていた。そんなある日、カンナカムイは登校する子供たちを羨ましそうに見下ろし、子供たちがどこに行くのか興味津々だった。学校に興味を持ったカンナカムイを近くの小学校に行かせてあげることを決めた小林さんとトールは、必要な文房具などを買いに商店街に出かける。最近できた今時の文房具店に入り、トールとカンナカムイは初めて見る文房具の数々に興味を示す。なんとか必要な物をそろえたカンナカムイは、あこがれの学校で授業を受けることになり、転校初日から生徒たちの注目を集めていた。女王様気取りのクラスメイト・才川リコはそれを快く思わず、カンナカムイに生意気だと言い張る。カンナカムイはウソ泣きをしてリコに罪悪感を覚えさせるが、あわてた彼女は本音では友達になりたかったと言う。それらの光景を見ていたトールは、どうしてドラゴンが行く必要のない学校に行きたかったのかと、あらためてカンナカムイに問うのだった。一方、異世界からやって来たばかりのファフニールは、住まいを探して街をふらついていた。偶然にも遭遇したトールは、彼の家探しを手伝うことになる。 

トールとエルマ

小林さんトールは、学校の遠足に行くことになったカンナカムイのお弁当メニューを巡って、珍しく対抗心を燃やしていた。料理対決をとおしてメニューを決めることになった二人は、ファフニールケツァルコアトルを巻き込んで、料理のアイデアと腕を競う。勝負が終わった後日、食事を終えた小林さんの家の壁を突如破壊して現れたのは、異世界からやって来た調和勢に属するドラゴン・エルマだった。世界の調和と秩序を重んじる立場にあるエルマは、ドラゴンの掟を破って人間界に住むようになったトールを異世界に連れて帰るため、小林さんの家に押しかけてきたうえに勝負を挑んでくる。しかし、昔からエルマと犬猿の仲でもあるトールは勝負に乗ったふりをして、エルマを家から追い出すのだった。数日後、エルマは「上井エルマ」を名乗って、新人OLのふりをしながら小林さんの会社に入社する。当初はパソコンの使い方すらわからずにまともに仕事ができなかったエルマだったが、小林さんのサポートを受けて順調にスキルを身につけていくとともに、周囲から恵んでもらった食べ物のおいしさにすっかりハマっていく。一方、エルマが小林さんの職場で働いているのに気づいたトールは、激しく嫉妬して今まで以上に家事に励むものの、空回りしてしまう。トールだけでなくエルマもこの世界に慣れてきた頃、トールと同じ混沌勢に属する凶悪なドラゴンの影がせまっていた。

トールとイルル

大好きな小林さんに時折迷惑をかけながらも、なんとか人間社会に溶け込んできたトールは、順調にメイド業をこなしていた。同じドラゴンのカンナカムイケツァルコアトルファフニール、そして最近やって来たばかりのエルマも、それぞれ自分の居場所を見つけて人間たちとのコミュニケーションと日常を満喫していた。そんなまったりと、たまに激動の日々を送っていた頃、小林さんに、新たなドラゴンの脅威が襲いかかろうとしていた。ある日のニュースでは、かつて小林さんとトールが出会った山が、何者かに破壊されていたことが報じられる。ほかのドラゴンの仕業だと考えたトールは、小林さんと共に街で犯人捜しを始めるが、そこに現れたのは凶悪なドラゴン・イルルだった。人も街もすべて破壊しようとするイルルから、小林さんを守ろうとするトールは必死に戦い、なんとかイルルを退ける。ほかのドラゴンから人間は敵と言われて育てられたイルルは二人の絆が信じられず、人間でありながらドラゴンたちと仲のいい小林さんに興味を抱く。イルルは小林さんの本性を探ろうともくろみ、電車で再会した彼女の下半身を男に変えてしまう。するとふだんはなんとも思っていなかったトールやカンナがいつもと違って見えるようになり、次第に小林さんは彼女たちに悶々としてしまう。いつもと違う様子の小林さんに気づいたトールは戻してあげると言いながらも、男になった小林さんにせまろうとする。

トールとパトロール

一人で人間界をさまよっていたイルルは、敵対するクレメネの襲撃に遭って瀕死の状態に陥ってしまう。そこを偶然通りかかった小林さんに助けられ、さらにピンチに陥った小林さんをトールが助けたことで命を救われたイルルは、小林さんの優しさを知って彼女の家に住むようになる。イルルと彼女を追ってきたクレメネとの闘いも決着し、小林家には再び平和が戻った。まだ人間に化けるのも下手で人間社会をよく知らないイルルに対し、トールはドラゴンが人間界で穏便に暮らす方法を指導し始める。その傍らで、トールはメイド喫茶でのアルバイトに町内活動と、破天荒に大活躍していた。過去に商店街でひったくりを捕まえたトールは町内パトロールを任されるが、そこにかつてトールが懲らしめた不良集団が、仲間を連れて復讐に来る。偶然にも居合わせたエルマファフニールは、とばっちりで不良たちに取り囲まれるが、トールはあっという間に不良たちを返り討ちにする。イルルが小林家に少しだけなじんだ頃、才川リコがカンナカムイと遊ぶために小林家にやって来た。リコは初対面のイルルに戸惑いながらも、すぐに彼女を気に入っていっしょに遊ぼうと誘う。しかし、人間との交流やふつうの日常を送ることに抵抗を感じるイルルは、リコたちの誘いを冷たくあしらう。そこに偶然訪れたケツァルコアトルは、リコたちを避けようとするイルルの気持ちを察し、魔法を使って助け船を出す。

イルルとバイト

小林家に来てかなりの時間が経ったイルルは人間社会には慣れたものの、特にやることもなく、小林さんの家で毎日ダラダラするだけの日々を送っていた。それを見かねたトールに何か仕事をするように指摘されたイルルは、近所の駄菓子屋でアルバイトをすることになった。そこで思春期真っただ中の高校生・会田タケトに出会ったイルルは、駄菓子屋の店主・会田ツバキの孫でもある彼から、仕事内容を教わることになる。それぞれのドラゴンたちが人々との交流を深めていく中、トールはカンナカムイやイルルに魔法を教えるため、魔法講座を開いていた。トールが記した魔法式を見た小林さんは、勤務先の会社が使っているプログラミングの言語配列と、魔法式がよく似ていることに気づく。会社のプログラムを作った真ヶ土専務は、真ヶ土翔太の父親であり、異世界から移住してきた魔法使いの血筋でもあった。小林さんがプログラミング言語と魔法の共通点について尋ねると、真ヶ土専務はトールがなぜ人間界にやって来たかを話そうとする。小林さんは、それはトール本人の口から聞くことにするが、そこにタイミングよく終焉帝が現れ、トールの幼少期のことを話し始める。次の日はいつもどおりの朝で、かけがえのない平凡な日常だったが、小林さんは終焉帝に聞いた話がどうしても気になっていた。終焉帝との出来事を話した小林さんは、トールから異世界での出来事をあらためて聞くことになる。

ファフニールとルコア

夜闇で暗くなった路地裏に怪しい人物が二人、不穏な空気を醸しながら、何やら密談を交わしていた。それはファフニールケツァルコアトルで、次のイベントに向けて準備を始めていた彼は、ケツァルコアトルに頼み事があると言う。最凶最悪のタッグが動き出したかのように見えたが、ファフニールの頼み事は、ケツァルコアトルに次に出す同人誌のモデルになってほしいという内容だった。強力な助っ人を得たことでファフニールの漫画は順調に完成し、同人誌やイベントに興味を持ったケツァルコアトルは、自分のコスプレ写真集を出すことになる。ドラゴンと人間、そしてドラゴンとドラゴン、それぞれの関係性と日常が変化する中、相変わらずトールとケンカしてばかりのエルマは、運動不足解消と称して彼女を呼び出す。存分に戦える場所に移動したエルマはトールに勝負を仕掛け、自分が勝ったらいっしょに異世界に帰るように求める。全力の激闘を繰り広げる二人の姿を見た小林さんは、エルマが本心ではトールとなかよくなりたいと思っていることに気づきながら、その戦いを静かに見守るのだった。

小林とカンナの父

異世界に住むドラゴンたちには、混沌勢や調和勢などと呼ばれている、いくつかの勢力が存在している。まだ幼いカンナカムイは、自分がどの勢力に入るか悩み中で、かつて自分を追放した父親・キムンカムイに思いをはせていた。元は異世界で親と住んでいた彼女は、イタズラを繰り返したことで追放されてしまったのだ。そんなある日突然、キムンカムイが小林家にやって来る。彼の目的は、ドラゴン同士の戦いのために必要な龍玉を、壊した本人であるカンナカムイに修復させることであった。さらには、キムンカムイの裏で暗躍する魔法使い・アーザードの謀略によって、ドラゴンたちのあいだでは勢力同士の一触即発の危機が訪れていた。カンナカムイはその緊迫した睨み合いにトールと共に巻き込まれることになり、さらには人間の小林さんまでもがかかわることになってしまう。キムンカムイから、カンナカムイを今後どうするかという決断をせまられることになった小林さんは、人間とは異なる価値観を持つ彼の言うことがまったく納得できずに反発。カンナカムイも小林さんに同調して反発を見せるが、本音ではドラゴンとしての立場や、父親との複雑な関係に悩んでいた。久しぶりに小林さんと二人で出かけたカンナカムイは、異世界での出来事や自分の思いを語り出す。

小林と決戦

カンナカムイたちが巻き込まれた異世界でのドラゴン同士の戦いも決着がつき、すっかり小林家は日常モードに戻っていた。平和な時間が戻りながらも、それぞれの立場や関係性に少しずつ変化が生まれていく。そんな中でトールは、小林さんのためにファッションを見直したり、日々の食事メニューに向き合ったりする日々を送っていた。一方、懲りずに会社の待遇改善のために活動するエルマと共に、小林さんは仕事の合間にさまざまな行動を起こしていた。決戦の日と称してトールに出勤を手伝ってもらい、エルマと共に待遇改善の要望や提案を記した書類を提出した小林さんは、上司から大きな仕事のチームリーダーになることを提案される。企業体質改善と昇進のチャンスを同時に得た小林さんは、エルマや滝谷真たちと共にチームを組み、自宅での生活も変えながらも与えられた大仕事をこなそうとする。だが、もう少しで納品できそうなタイミングで、仕様変更相談のメールが来てしまう。会社では仕事に全力を注ぎ、家ではトールたちの力を借りて最高の休息を得ながら、小林さんのチームは仕事を完遂する。その功績を評価されて主任に昇進した小林さんは、真ヶ土専務からこの一帯の守護者になってほしいと相談される。昇進をトールたちに報告するつもりで帰宅した小林さんだったが、そこには以前カンナカムイを巡って対峙したキムンカムイ、終焉帝、そして謎の女性・テルネの三人が訪れていた。

小林と声

胸のときめきが恋心だと気づいたり、たまには一人になりたくなったり、誰かといっしょにいたくなったりなど、小林さんトールを取り囲む人々やドラゴンのあいだでは、日常を送る中でそれぞれの距離感や心境が変わっていた。日々の仕事に忙殺されても異世界から来た存在に囲まれてもブレないままの小林さんは、さまざまなドラゴンと出会ったり交流を深めたりすることについて考えながら、あちこちに寄り道をしていた。すると、思考を巡らせながら川に向かって独白する小林さんには、今まで聞いたこともない謎の声が聞こえるようになる。不思議に思いながらも考えがまとまった小林さんは、自宅に帰る前にふと以前のことを思い出し、トールと出会った場所に向かうことになる。そこには、小林さんとの思い出を振り返りたくなったトールも訪れていた。トールと会う直前にまた聞こえた謎の声の正体はわからないまま、小林さんはドラゴンの姿に戻ったトールの背中を借りて帰宅するのだった。一方、異世界からやって来た魔法使いのアーザードは、表向きは興信所の探偵を名乗りながら守護者の一人として活動するようになっていた。不良に絡まれていた才川ジョージーに遭遇したアーザードは彼女を助け、いざというときのために彼女を懐柔しておこうともくろむ。

エルマとコイバナ

変わらぬ日常の中で、異世界からやって来た独特過ぎる多種多様な存在たちは、種族を超えて親交や理解を深めていく。そんな中で小林さんトールの思いに応えたり、トールが学校の給食にライバル心を燃やしたり、カンナカムイとキムンカムイが鬼ごっこをして遊んだりなど、朧塚のドラゴンたちはいつものように平和な異種間交流の日々を送っていた。だが、小林さんが神剣と出会ったことや、エルマの祖母であり調和勢のNo.2であるドラゴン・テルネが再び人間界に訪れたことで、人間とドラゴンたちに再び大事件が巻き起ころうとしていた。トールとのやり取りをとおして恋愛や結婚について考えていた小林さんは、ある日の仕事帰りにエルマを居酒屋に誘い、今まで彼女に振ったことがなかった恋バナを始める。だがその日以来、エルマの小林さんやトールへの態度が微妙に変わり、その様子からトールは、エルマが深刻な悩みを抱えているのではないかと察する。エルマには以前から、調和勢の均衡を保つための結びの時期、いわゆる政略結婚の話がテルネをとおして持ちかけられていた。小林さんたちにその話をしようと人間界に来ていたテルネは、立会人として調和勢・屠龍派に属するクレメネを連れて小林家を訪問する。

スピンオフ

漫画

本作『小林さんちのメイドラゴン』のスピンオフ作品として、木村光博の漫画『小林さんちのメイドラゴン カンナの日常』、カザマアヤミの漫画『小林さんちのメイドラゴン エルマのOL日記』、歌麿の漫画『小林さんちのメイドラゴン ルコアは僕の××です。』、ノブヨシ侍の漫画『小林さんちのメイドラゴン お篭りぐらしのファフニール』がある。4作品とも本作に登場したドラゴンたちの日常や周囲との交流を描く日常系コメディとなっている。

メディアミックス

テレビアニメ

2017年1月から4月にかけて、本作『小林さんちのメイドラゴン』のテレビアニメ版『小林さんちのメイドラゴン』が、TOKYO MX1ほかで放送された。監督は武本康弘、キャラクターデザインは門脇未来が務めている。キャストは小林さんを田村睦心が、トールを桑原由気が演じている。また続編として、『小林さんちのメイドラゴンS』が2021年7月から9月にかけて放送された。こちらの監督は石原立也が務めている。

登場人物・キャラクター

小林さん (こばやしさん)

地獄巡商事北千住事務所に勤める若い女性で、職業はシステムエンジニア。桃色のポニーテールの髪型で、眼鏡をかけている。三白眼でやる気のない表情を浮かべているため、周囲からは死んだ魚の目と評されることがある。ざっくばらんな性格で、おしゃれにはあまりこだわらず、周囲の男性からは男友達のように扱われれている。ふだんから冷静でクールに見えるが、心根は優しく面倒見もいい。あまり友人をつくる気もなく、マイペースな生活を送っている。インドア派で、休日は家でゆっくり過ごしている。デスクワークが多いため、肩こりや腰痛に悩まされている。メイド趣味を持つオタクで、メイド服のことやメイドの歴史まで幅広い知識を持ち、強いこだわりがある。酒癖が悪く、酔うと人が変わったかのように荒々しくなり、熱烈なメイド談義を始める。家族とは離れて暮らしているが、両親のほかに二人の弟妹がいる。朧塚のアパートで一人暮らしをしていたが、ある日の帰り道に酔った勢いで山に行き、そこで偶然出会ったトールを助けて意気投合する。次の日にはトールが恩返しをしたいと押しかけてきたことで、メイドとして雇った彼女といっしょに住むことになる。胸がないのがコンプレックスで、巨乳の女性を見ると機嫌が悪くなることがある。トールと出会って以降、懐の深さやおおらかさに惹かれたドラゴンが周囲に集まるようになり、行き場をなくしたカンナカムイとイルルを引き取り、保護者となった。時にはドラゴン同士のいざこざに巻き込まれたりしているが、ドラゴンのような戦闘力を持たないため、危険な目に遭うこともある。これらのトラブルやトールからの求愛行動にはうんざりすることもあるが、非日常な存在に囲まれる日常も悪くないと思い始めている。ドラゴン・人間を問わず周囲から好かれ、会社での評価も高いが、自己評価は高い方ではなく、少々引っ込み思案な一面がある。のちにドラゴンたちとの関係性を期待され、上司の真ヶ土専務から守護者を任される。好きなものは酒、苦手なものはひじき、ナス、トールの尻尾焼き。

トール

異世界からやって来たドラゴンの少女。神に戦いを挑んで返り討ちにされ、人間界の山に逃げ込んで死にかけていた際に、偶然出会った小林さんに救われる。彼女に恩返しがしたいと考えて人間の姿に変身し、メイドとして共に暮らすようになった。人間の姿のときは、金髪ツインテールの巨乳美少女で、ツノと大きな尻尾が生えている。ふだんはメイド服を身につけているが、実はウロコを変化させた服で、すぐにほかの服に変えることもできる。表向きは小林さんの親戚として「小林トール」を名乗っている。明るく献身的な性格で、人間を愚かで下等な生き物と見下す一方で、恩人である小林さんを尊敬しつつ、溺愛している。小林さん以外の人間にはあまり興味がなく、彼女と仲のいい滝谷真には激しい嫉妬を覚え、彼女を困らせたり傷つけたりする者には、種族を問わず激しい怒りと敵意をあらわにする。当初は人間の常識をほとんど知らず、小林さんのためを思って魔法をはじめとするドラゴンの力を用いて、無理やり問題を解決しようとすることもあり、そのたびに小林さんにたしなめられていた。人間とドラゴンの感覚や価値観の違いに戸惑うことも多いが、小林さんと暮らす中で受け入れ、彼女とその周囲の人々との交流を順調に深めている。家事も料理も幅広くこなし、時折異世界の食料や自分の尻尾を料理に使うことがあるが、見た目のおぞましさもあって尻尾肉は小林さんから拒絶されている。自らの姿を隠して行動できる「認識阻害」をはじめ、48種類のメイド技を持っている。ドラゴンにとってはわずかな時間でしかない小林さんとの時間を楽しむ中で、ドラゴンと人間が共に生きることの難しさや、自分と人間には大きな寿命の差があるという現実に苦悩しているが、小林さんに励まされながら少しずつ乗り越えている。このように小林さんとの時間を幸せそうに生きている姿は、ほかのドラゴンたちになんらかの影響を与えている。

ファフニール

異世界からやって来たドラゴンの男性。人間の姿のときは、長髪で眼鏡をかけた執事のような恰好をしている。誰に対しても非常に疑り深く陰湿な性格をしており、いつも暗い表情を浮かべて邪魔な相手をすぐに殺そうとするなど、物騒なことばかりを考える。もともと引きこもり気味で、他者に対するコミュニケーション能力は低い。洞窟に引きこもって宝を守り続けていたが、宝を狙って侵入してくる人間が多かったことから、人間を信用していない。ドラゴンとしての立場は、現状ではどの勢力にも属していないが、混沌勢以外にはなりえないと明言している。すっかり人間界になじんでいた友人のトールと小林さんの関係に興味を持ちながらも、トールに対して人間にかぶれすぎていると指摘した。トールのように人間界で暮らそうと考えるが、当初は彼女以上に人間の常識がわかっておらず、ドラゴンのまま山で暮らそうとするなど騒ぎを起こしていた。トールの助けを受けて家探しをするもののうまくいかず、滝谷真の家に居候させてもらうことになった。もともと財宝の収集癖があるためにゲームに興味を持ったことから真とはすぐに意気投合し、表向きは「大山猛」を名乗るようになった。いつも恨みのような感情を抱き、何に対しても冷淡で懐疑的だが、人間界に来たのも本来はトールを心配したためであり、表には出さないが仲間思いの優しい一面もある。同居人の真からは「ファフ君」の愛称で呼ばれており、彼の影響ですっかりオタクと化し、特にネットゲームにはまって長時間プレイし続けている。さらには真と共に同人イベントに参加したり同人誌を出したりするようになったが、最初に出した「呪いアンソロ」という同人誌はまったく売れていなかった。暗い性格に見えて負けず嫌いで好戦的なところもあり、興味があることに対しては積極性や意外な行動力を見せる。

ケツァルコアトル

異世界からやって来たドラゴンの女性。厳密にはドラゴンではなく、元は神だった。人間の姿のときは金髪のロングヘアでツノを生やし、にこやかな細目とオッドアイが特徴の巨乳美女となる。一人称は「僕」で、愛称は「ルコア」。ドラゴンたちの中で一番胸が大きく、肉感的なスタイルを誇る。ふだんはタンクトップにショートパンツ、野球帽などボーイッシュな服装だが、何を着てもセクシーになり、窮屈が嫌いで露出や裸を好むために周囲から痴女扱いされることもある。世捨て人的なところがあり、おおらかでマイペースな性格をしている。いつも笑顔で人付き合いがよく、人間に対する知識も豊富。かつて酒に酔った勢いで罪を犯し、神の座を追われたために、ドラゴンとして生きるようになった。このことがトラウマとなり、酒に対しては非常に慎重で、事情を知っているドラゴンたちも過去のことはなるべく触れないようにしている。昔から人間界には頻繁に通っていたが、自力で召喚実験をしていた真ヶ土翔太が悪魔を召喚しそうになっているのに気づいて家に入り込んだのをきっかけに、彼の使い魔として真ヶ土家に住むようになった。思慮深く物知りで、トールや小林さんたちを優しく見守っており、みんなのお姉さん的な存在。ドラゴンとしては傍観姿勢で、世の中を俯瞰しつつ、異世界と人間界のバランスを保つように配慮してきた。本来の姿は巨大な翼竜で、非常に長い胴体を持つ白ヘビのような風貌をしている。かつて居場所を追われたことから、新しい居場所を与えてくれた翔太に感謝し、心から慕っている。しかし無自覚に過激なスキンシップを繰り返すことから、翔太に悪魔サキュバスと疑われて警戒されるなど、当初はまったく信用されていなかった。早く立派になりたいと背伸びする翔太のことが大好きで、彼をさまざまな形で支え、見守りながら、少しずつ心の距離を縮めている。

滝谷 真 (たきや まこと)

小林さんの同僚で、友人。普段は一般的な容姿をしているが、メイドについての隠れオタクで、分厚いレンズのメガネをかけて、小林さんと激しくメイド談義をはじめる。一人暮らしだったが、人間界にやってきた男性のドラゴン、ファフニールと意気投合し、一緒に住むようになる。

カンナカムイ

異世界からやって来たドラゴンの少女。人間の姿のときは小学生くらいで、ふだんは白いツノや紐状の尻尾が生えているが、それを隠して人間に擬態することもできる。昔からトールを慕っており、妹分としてかわいがられている。無表情で淡々と話すことが多いが、本当は子供っぽく感情豊かな性格で、好奇心が強くイタズラ好き。天性の愛くるしさと、ドラゴンの力と知性でどんな状況にも適応できるなど優秀だが、先輩ドラゴンたちにはその幼い見た目から、未熟と思われている。当初は小林さんがトールを誑(たぶら)かしたと思い込み、敵意をむき出しにしていたが、人間界に来たばかりの頃はドラゴンとしての力をほとんど失って非力になっていた。雷をあやつれることから電気も力の源であり、コンセントから尻尾を通してエネルギー補給ができる。実はイタズラの多さから故郷を追われた身であり、行き場がないことを小林さんに指摘され、そのまま小林家に居候することになる。孤独感を察して受け入れてくれた小林さんを慕い、親のように思っている。本来の姿は、全身が羽毛に覆われて鳥類のような翼を背に生やした白い龍で、細身で小柄な体型をしている。まだ幼いためにどの勢力にも属していないが、年上のドラゴンのことは様付けで呼んでいる。トールと共に留守番をしていることが多かったが学校に興味を持ち、小林さんの親戚に成りすまして「小林カンナ」の名で朧塚小学校に通うようになった。学校では才川リコと友達になり、彼女からも気に入られ、ドラゴンであることは隠しながらよくいっしょに遊んでいる。虫や小さな生き物を食べてしまう悪癖を持つ。父親は異世界に住む大ドラゴン・キムンカムイで、イタズラで龍玉を壊したことで彼に追い出されてしまった。これらの事情から、キムンカムイとは複雑な確執を抱えている。

エルマ

異世界からやって来たドラゴンの女性。人間の姿のときは紺色のボブヘアの巨乳美女で、大きな尻尾と額からは一本のツノを生やしている。とても生真面目で堅物な性格をしており、自由奔放なトールとは極めて仲が悪い。人間界で生活するようになったトールを追いかけて一人でやって来たが、すぐに追い返される。食いしん坊で人間界の食べ物に籠絡され、パンを与えてくれた小林さんにあっという間になついた。のちにツノを隠してOLに擬態し、生活費を稼ぐために「上井エルマ」として小林さんの働く会社に就職した。これ以降は小林さんの後輩となり、当初はパソコンの使い方すらわからなかったが、彼女の助けもあってすぐに仕事に慣れていった。本来の姿はひれがある細長いヘビのような体で、一本のツノが生えた水色の水龍の姿をしている。調和勢のドラゴンとして秩序を重視しており、人間に対しては融和に接することが多い。勢力のNo.2であるテルネの孫でもある。立場上、トールと対立したり手を貸せなかったりすることも多いが、ドラゴンとしての格や強さはほぼ同等である。人間界の均衡を乱しかねないトールを連れ戻そうとしたり監視したりしているが、おいしい食べ物にとにかく弱いために、あっさり釣られて懐柔されることが多い。最初の給料が入るまでは小林さんや同僚たちにおごってもらうことが多かったが、給料が入るたびに街で食べ物を買い漁ったり、買い食いを楽しんだりしている。昔は異世界で出会ったトールと旅に出るほどの仲だったが、人間が原因で仲違いをしてしまった。人間を見下していたはずのトールが今は人間と親しくなっていることも、彼女との仲を拗らせる原因となっている。表向きは彼女といがみ合いながらも本音では友情を感じており、なかよくしたいと思っている。

才川 リコ (さいかわ りこ)

カンナカムイが小林カンナとして小学校に通うようになってからできた友人で、頭に花の髪飾りをつけた少女。家ではメイドのジョージーを雇い、お嬢様と呼ばれているが、実はジョージーは、メイドマニアでコスプレをしている姉。とても気が強く、最初のうちは優秀なカンナカムイを疎ましく思っていたが、接するうちに彼女に対して恋愛に近い感情を持つようになった。

イルル

異世界からやって来たドラゴンの少女。人間の姿のときは、巻き毛気味な赤髪を二つ編みにしている。小柄な体型で、上半身がほとんど隠れるほどの豊満なバストを持つ。破壊を楽しむ好戦的な性格で狂気をはらんでいるが、本当は人間が大好きで、子供とも楽しく遊びたいと思っている。トールを狙って人間界で暴れるが、彼女に敗れたあとは、人間ながらトールやエルマと仲のいい小林さんに興味を抱き、小林さんの性別を変えるなど本性を探るようになる。しかし、クレメネに襲撃されて負傷していたところを小林さんに救われ、彼女の優しさに気づいて小林家に居候するようになる。人間に化けるのはあまり得意ではなく、当初は両腕を人間に擬態させるのにも苦労していた。服には無頓着で、トールからもらった大きめのTシャツとニーソックスだけのラフな格好をしている。実年齢はトールと同じくらいだが、彼女よりも無邪気で子供っぽい性格をしている。元は混沌勢の最過激派として生まれ、幼少期から周囲に人間は敵であると刷り込まれて育った。さらには人間との争いをきっかけに両親が亡くなり、当時いっしょに遊んでいた人間の子供たちも報復戦の中で殺されてしまったことが、大きなトラウマになっている。小林家に来てからも平穏な生活や人間との交流には抵抗があり、カンナカムイをとおして知り合った才川リコにも冷淡に接していたが、ケツァルコアトルの後押しもあって心を開き、いっしょに遊ぶようになった。人間界に慣れた頃に堕落した生活を送っていることをトールに指摘され、会田ツバキの駄菓子屋でアルバイトをするようになる。そこで出会った会田タケトを気に入り、当初は彼をからかっていたが、次第に恋心を抱くようになる。 

終焉帝 (しゅうえんてい)

トールの父親。異世界で暮らす雄のドラゴン。人間の姿になると、鼻から下が隠れるほどの髭を生やした初老の男性になる。トールが人間界に迷惑をかける事を危惧して異世界に連れ戻そうとするが、小林さんによって追い返されてしまう。しかし、トールを連れ戻す事をあきらめたわけではない。

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書誌情報

小林さんちのメイドラゴン = The maid dragon of Kobayashi-san 既刊6巻 双葉社〈アクション・コミックス〉 連載中

第1巻

(2014年5月発行、 978-4575844054)

第2巻

(2015年2月発行、 978-4575845709)

第3巻

(2015年9月発行、 978-4575846799)

第4巻

(2016年5月12日発行、 978-4575847963)

第5巻

(2016年12月12日発行、 978-4575848946)

第6巻

(2017年7月12日発行、 978-4575850024)

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