あらすじ
第1巻
長身の女子・小泉リサと、小柄な男子・大谷敦士は、漫才コンビのように仲がよく、その身長差もあって、舞戸(まいど)学園高校1年2組の名物コンビとして知られていた。そんな夏のある日、リサは敦士から、お互い気になっている異性と親しくなるため、協力しようと持ちかけられる。そこでリサは鈴木涼二と、敦士は田中千春となかよくなるため四人で出かけるが、その結果、なぜか涼二と千春が急接近してしまう。それでもあきらめられないリサと敦士は、好きな相手に異性として意識されづらいのを身長のせいにせず、お互い前向きにアプローチしようと励まし合う。しかしそうするうち、リサは敦士の努力家で心優しい一面に気づき、次第に惹かれていくのだった。そして涼二と千春も交えて四人で夏祭りに出かけた日、もはや涼二と千春のあいだに付け入るスキはないと判断したリサと敦士は、お互いに失恋して今後は涼二と千春の仲を応援する事にする。こうして涼二と千春は交際を始めるようになったが、それまでのあいだずっといっしょにいたリサと敦士は、周囲に交際していると勘違いされてしまう。この誤解を解きたい二人は、負けた方は勝った方の言う事を何でも聞くという条件のもと、どちらが先に恋人ができるかという勝負を開始する。
第2巻
冬になり、小泉リサと大谷敦士は、クリスマスの日にいっしょにヒップホップグループ「海坊主」のライブへ行く事になった。そんな中、リサは敦士の元恋人・神崎真由と知り合い、敦士への伝言を頼まれる。それは、クリスマスの日に敦士と真由の中学時代の仲間でパーティをするが、その時に話したい事があるので、ぜひ来てほしいというものだった。これを受け、真由がまだ敦士に未練があるのではと考えたリサは、敦士にクリスマスは自分と遊びに行くのではなく、真由に会った方がいいと勧める。しかし当日、リサが一人でライブ会場へ向かっていると、そこに敦士が現れる。敦士は、先約であるリサとの約束を優先させたのである。結局その日、リサと敦士は二人で楽しく過ごすが、これによってリサは自分が敦士と真由の復縁を邪魔したのではと思うようになってしまう。しかし真由が話したかった事とは、敦士自身の身長の低さにコンプレックスを抱く必要はないという内容のものであった。
第3巻
海外から帰国した幼なじみの深川遥から告白された小泉リサは、その申し出を断った。そして2年生に進級したリサは、今年も大谷敦士と同じクラスになり、ますます敦士を意識している自分に気づくのだった。その直後、リサと石原信子は、始業式で先生に必要以上に厳しく叱られ、困っている女子を助ける。これをきっかけに「寿聖子」と名乗る彼女はリサと信子に懐き、さらにリサ経由で敦士とも知り合う。そこで敦士に一目惚れした聖子は、いきなり彼にキスをする。その日から聖子は敦士に熱烈なアプローチをするようになり、敦士もまんざらではない様子で接していた。そんな二人を見たリサは内心穏やかではなかったが、その直後、聖子は実は女装した男性であり、本名は寿聖子郎である事が発覚する。ショックを受けた敦士は、その日から聖子郎とどう接したらいいか悩むあまり、そっけない態度を取ってしまう。しかし敦士はリサと話すうち、たとえ恋愛対象外だからといって、好意を無下にするのはおかしいと気づく。そこで聖子郎に恋人にはなれないが、嫌っていたり、偏見を持っていたりはしていないと告げ、二人は仲のいい先輩後輩として付き合っていく事になるのだった。
第4巻
小泉リサは、大谷敦士への思いを自覚したが、今の友人関係からどう踏み出せばいいのかがわからず悩んでいた。そのまま夏休みが訪れ、リサは敦士、石原信子、中尾平吉、田中千春、鈴木涼二の六人で海へ行く事になった。しかしそこでリサは足をケガしたうえ、敦士にリサのような背が高すぎる女性は恋愛対象にならないとからかわれた事で、思わず涙してしまう。しかしこれによって敦士は、実はリサに思い人がおり、しかも自分以外の友人達は全員それが誰なのか知っているという事に驚くのだった。そんな敦士の鈍感さにリサは呆れるが、信子から敦士のような男性には、はっきり言わないと伝わらないとアドバイスされ、後日告白する。しかし敦士はそれを冗談と受け取り本気にせず、二人の関係は進展しないまま夏休みは終わるのだった。そして二学期となり、すぐに学園祭の準備が始まるが、学園祭当日リサは、これだけはっきり伝えても理解してもらえないのは、敦士に取って自分が恋愛対象ではないからではないかと落ち込む。そこにリサを心配した敦士が訪れ、なぜ泣いているのかと聞かれたリサは、それは敦士のせいであると伝えて再度敦士に告白する。
第5巻
修学旅行の初日、小泉リサは大谷敦士に告白したが、恋愛対象としては見られないという理由でふられてしまった。それでも敦士といい関係でいたいリサは、ひとまず告白の事は忘れてこれまで通り接してもらう事にし、リサ達のグループは翌日予定通り楽しく北海道を回る。しかしその途中、敦士の優しさに触れたリサは、やはりすぐにはあきらめられないので、告白した事は忘れないでほしいと頼むのだった。こうして修学旅行は終わり、リサはクリスマスをいっしょに過ごさないかと敦士を誘う。敦士は、中学時代の仲間との集まりに出るためその申し出を断るが、リサはその参加者に神崎真由がいるのではと勘ぐってしまう。しかし敦士は、逆にリサをその集まりに誘い、さらに石原信子らも参加する形で、リサ達は当日楽しく過ごすのだった。その直後、リサはクリスマスの日に不参加だった真由が、恋人と別れたらしいという噂を聞く。リサはこれを機に、今度こそ敦士と真由がよりを戻してしまうのではと不安になるが、そこに現れた敦士は自分には真由よりも、リサのような女性が合っている気がすると語るのだった。
第6巻
小泉リサは、バレンタインデーに大谷敦士にチョコレートを渡したが、二人の関係は一向に進展せずにいた。そこでリサはホワイトデーの日、体調を崩した敦士のお見舞いに行き、敦士にキスをして改めて告白する。しかし翌日、敦士は体調を崩していたせいで昨日の記憶がないと言い出し、リサの決死の行動は無に帰すのだった。そして新学期が訪れ、3年生となったリサ達の副担任として、舞竹国海、通称「マイティ」がやって来た。国海は美形で親切なうえ、リサのお気に入りのゲームキャラクター「ケイン」によく似ていた。これによってリサはすぐに国海の大ファンになるが、そんなリサに敦士は不服気味であった。しかし、それでも敦士はリサを恋愛対象として意識しきれず、二人はこれが原因でまたケンカになってしまう。いつまでも煮え切らない敦士にとうとう疲れたリサは、もう敦士を思うのをやめると宣言。国海の生態について調査する部活「マイティ部」を立ち上げ、ファン活動に没頭し始める。しかし事情を察した国海は、リサと敦士の仲が元通りになるよう陰でサポートを開始。その甲斐あって、敦士は自分が国海に嫉妬している事を自覚し始める。
第7巻
小泉リサは、大谷敦士たっての希望でマイティ部をやめ、以前のように敦士といっしょに過ごすようになっていた。その直後、実は舞竹国海には婚約者がいる事も発覚し、安心した敦士はバスケットボール部の引退試合に向けて、練習に専念し始める。しかし、舞戸学園高校の初戦の相手は前年度の優勝校に決まってしまい、敦士はすっかりやる気をなくしてしまう。そんな敦士に、リサはせめて精一杯の応援をしようと決め、当日リサのお陰で元気を取り戻した敦士は、結局試合には負けてしまったものの、自分にはリサが必要だと実感するのだった。そして夏休みとリサの誕生日が近づき、敦士はリサにプレゼントを渡そうと考える。しかし、ここでも二人は些細な事からケンカになってしまい、リサの誕生日パーティが始まっても、敦士は姿を見せずにいた。だが、リサが落胆していると、そこに遅れて敦士が現れ、プレゼントを渡して花火を見ながらリサにキスをする。そして後日、リサに改めて自分は友達だと思っている相手にはキスをしないと伝え、リサがこの意味を理解した事により、二人はとうとう交際を始める。
第8巻
ついに恋人同士となった小泉リサと大谷敦士は、夏休みに初デートをする事になった。しかしリサは、敦士を意識するあまり失敗ばかりしてしまい、落ち込んでいた。さらにそこへ偶然、神崎真由が通りがかり、リサはがさつな自分と女性らしい真由のあまりの違いに、悲しくなってしまう。しかしそんなリサの様子に気づいた敦士は、真由にリサと交際を始めた事を報告し、敦士のこの気遣いにリサは感激するのだった。そして二学期が始まり、友人達にも交際開始の報告を済ませ祝福されるリサと敦士だったが、敦士の隣家に住む吉岡美々だけは、これを知って激怒していた。美々もまた以前から敦士に思いを寄せており、いつか自分が敦士の恋人になる気でいたのである。そんな美々はすぐさまリサにライバル宣言をして、今以上に敦士に近づくようなら許さないとリサを脅し始める。困惑するリサだったが、美々が敦士の前では長年猫を被り続けて来たほど敦士を思い、苦労して来た事を知ると、ライバル心よりも仲間意識が芽生えてしまう。そして三人で過ごすうち、リサと敦士の絆の深さを知った美々は渋々負けを認め、以降リサと美々は不思議な友情を築くようになるのだった。
第9巻
秋になり、舞戸学園高校では文化祭の準備が始まった。ここでも小泉リサと大谷敦士は、実行委員としていっしょに働く事になるが、早速ケンカになり、周囲を心配させてしまう。そんなある日、リサは深川遥に、文化祭当日いっしょに過ごさないかと誘われる。今年はリサが3年生で最後の文化祭になるため、遥はどうしてもいっしょに過ごしたいのだという。しかし、これに敦士が嫉妬したのがきっかけで、リサと敦士は仲直り。リサは遥に申し訳ないと思いつつ、遥との予定をキャンセルして敦士と過ごす事にするのだった。こうして文化祭当日となるが、二人が遊びに行こうとすると、結局遥も交えて行動する事になったり、敦士がバスケットボール部の面々に呼び出されたりと思うようにいかない事が続く。しかし、ようやくスキをついて二人きりになったリサと敦士は隠れてキスをして、いい思い出を作るのだった。そして学園祭は終わり、とうとう受験について真剣に考える時期がやって来た。受験勉強したくないリサは専門学校への進学を考えていたが、敦士は大学進学希望なのだという。リサは敦士の成績では難しいのではと心配するが、実は敦士には将来教師となり、バスケットボールを教えたいという夢があった。リサは進路がバラバラになる事に淋しさを感じつつも、その夢を応援する決意をする。
第10巻
高校卒業後の進路が決まっていない小泉リサは、ひとまずファミリーレストランでアルバイトを始めていた。そこでリサはアルバイト仲間の小堀和希と親しくなり、仕事には苦労しつつも充実した時間を過ごす。一方その頃、大谷敦士は受験勉強に必死に取り組んでいたが、思うように成績は上がらず、その結果リサに当たってしまいさらに落ち込むという、悪循環に陥っていた。反省した敦士は、塾の帰りにリサのアルバイト先へ行く事にするが、そこで敦士が目撃したのは、眠るリサに和希がキスしようとしている光景であった。和希がリサに思いを寄せていると捉えた敦士は心配するが、リサは今ひとつ危機感を持てず、その後も和希と親しくしてしまう。そんなある日、リサは和希から海坊主のライブに誘われる。さすがにそれはよくないのではと思うリサだったが、和希に懇願されて結局了承。しかしその帰り道を敦士に目撃され、とうとう怒った敦士は、しばらく距離を置こうと提案する。反省したリサは、合格祈願に秋祭りへ行こうと敦士を誘うが、当日は台風となり秋祭りは中止。リサは敦士ではなく、偶然現れた和希と帰路につくのだった。
第11巻
小泉リサと大谷敦士は、一度は別れの危機に陥ったものの、クリスマスをいっしょに過ごした事で無事仲直りした。そして年が明け、いよいよ三学期が始まるが、リサはいまだに進路を決められずにいた。そんなある日、リサは石原信子が身体を壊した祖母のため、急きょ進路を変更して北海道の短期大学を受験する事を知る。いつも非常に仲のいい信子と中尾平吉のカップルが、今後遠距離恋愛になる事にリサは驚くが、二人が平気そうにしているためになにも言えず、ひとまず見守る事にする。しかし平吉は、信子の前では何事もなかったかのように振る舞っていたが、内心は強いショックを受けていた。信子の入試日が近づくにつれ平吉の様子はおかしくなっていき、ある日とうとう平吉は階段から落ちてケガをしてしまう。リサと敦士は、平吉が信子に北海道に行くなと言えば信子は従うのではと考え、平吉に素直になるようアドバイスをする。しかし平吉は、あくまで信子と信子の祖母の事を思い、笑顔で信子を入試に送り出すのであった。こうして平吉と信子の問題は解決し、次はいよいよ敦士の入試日がやって来た。当日は大雪で一時は会場に辿り着くのも危ぶまれた敦士だったが、リサのサポートで無事到着する。
第12巻
大谷敦士の受験が終わり、小泉リサと敦士は「小泉感謝祭」と称してデートする事になった。その途中、撮影中の吉岡美々に出会った二人は、美々のモデル仕事を見学していく事にする。そして美々の仕事ぶりに感激したリサは、兼ねてから勧められていた、ファッション関係の専門学校に進む事を決意するのだった。その直後、ついに敦士の合格発表日が訪れ、当日アルバイトがあるリサは敦士からの連絡を待つ事にする。その日はなかなか連絡がこないうえ、こちらから敦士に電話をしても会話にならず心配になるリサだったが、敦士は無事合格。安堵するリサだったが、敦士と同じ大学を受験した鈴木涼二と田中千春のうち、涼二だけが不合格となる。涼二は入試期間中ずっと体調を崩しており、受験した大学すべてに落ちてしまったのだという。結果、浪人が確定した涼二をリサ達は励まそうとするが、そんな折、リサ達のクラスに細川弱男と名乗る男子がやって来る。弱男は以前から千春に片思いしており、もし千春と同じ大学に合格できたら、千春に告白すると決めていたのだ。そんな弱男に千春を譲れと言われた涼二は、つい弱気になり、一部始終を見ていた千春とケンカになってしまう。
第13巻
田中千春は、先日の鈴木涼二の頼りない態度が原因で、ふだんの人柄からは信じられないほど激怒していた。このままではいけないと考えた大谷敦士は、筋肉自慢の細川弱男を見返すため、涼二と弱男を柔道で勝負させる事を思いつく。勝った方が千春と交際できると聞いた弱男はがぜんやる気を出すが、当然涼二も負けられない。そこで小泉リサと敦士は、涼二の自宅で涼二の姉・鈴木好美の指導のもと、涼二を鍛える事にするのだった。そして試合当日、勝負は弱男の圧勝で終わるかに思えたが、リサの機転により弱男は油断して涼二が勝利する。これによって涼二と千春の問題は解決するが、リサは弟の小泉隆人が受験に失敗し、滑り止めの舞戸学園高校に進学する事になってしまったのを案じていた。そこでリサは隆人を誘って舞戸学園高校を案内する事にし、そこで敦士と話した隆人は少し考えを改め、舞戸学園高校進学に前向きになるのだった。その直後、海外旅行に行っていた小泉リサの祖父が小泉家に遊びに来るが、リサの祖父はリサと敦士の交際に大反対。その日から知人の女性を使って、二人の仲を引き裂こうとする。
第14巻
大谷敦士は、最近知り合った年上女性・大谷瞳に熱烈なアプローチをされ、困っていた。事態を知った小泉リサは、瞳が小泉リサの祖父が送った刺客である事を伝えるが、敦士は信じず、二人はケンカになってしまう。その直後、リサの祖父と瞳が待ち合わせしているらしいと知ったリサと敦士は、瞳が来るのを待つが、そこに現れたのはまったく別の女性であった。彼女はリサの祖父に敦士を誘惑するよう頼まれたが、敦士と小堀和希を間違え、和希に接近していたのである。これによって瞳に対して思い違いをしていたと気づいたリサは、すぐさま瞳に謝罪するが、リサの祖父が改めて調べたところ、瞳は想像以上にたちが悪くバックにやくざがついているような女性であった。さらに瞳はリサを邪魔に思い、リサを知人男性達に乱暴させる計画を立てていた。それを知らないリサは、ある日瞳のマンションへついていってしまうが、リサの祖父から話を聞いた敦士が慌てて駆けつけるとリサは無事で、瞳の命令をただ楽しくいっしょに遊ぶ事だと勘違いした男性達と、ゲームをしているだけであった。こうして瞳の本性を知った敦士は瞳と距離を置き、リサの祖父も反省。リサの祖父はまだ敦士を認めたわけではないものの、敦士にお礼を言って、また海外へ旅立つのだった。
第15巻
舞竹国海と舞竹百合が南の島で結婚式を挙げる事になり、小泉リサ達生徒は揃って出席する事になった。リサ達は早速楽しい時間を過ごすが、国海のお節介でリサと大谷敦士は、ホテルの部屋を同じにされてしまう。驚くリサを敦士は気遣うものの、リサは恥ずかしがるあまりとうとう敦士を怒らせてしまい、結局敦士は別室に泊まる事になってしまう。翌朝、反省したリサは敦士に謝ろうとするが、そこに百合が行方不明になったという報せが届く。心配したリサ達は早速百合を探しに街に出るが、リサと敦士がようやく百合を発見すると、百合は結婚に反対する父親と殴り合いのケンカになっていた。しかしそこに国海が駆けつけ、いっしょに百合の父親を説得した事で、事態はようやく収束する。結婚式は無事開催され、リサ達は安堵するのだった。こうして式を終えたリサ達が帰国すると、3年生はいよいよ卒業式に向けて、各クラスで卒業委員を選出する事になった。委員には偶然にもリサ、敦士、石原信子、中尾平吉、田中千春、鈴木涼二のいつものなかよし六人組が選ばれ、リサ達は高校生活最後の仕事に励む事になる。
第16巻
卒業委員となった小泉リサは、これまで学校もアルバイト先も同じだがあまりかかわりのなかった安倍とも、いっしょに活動する事になった。しかし卒業委員の仕事が始まったその日から、大谷敦士はなにかとつまらない嫌がらせをされるようになってしまう。さらに現場にいつもリサがいる事から、犯人はリサではないかという疑いが出るが、その直後にすべての嫌がらせは安倍が仕組んだものであると発覚。安倍はアルバイト仲間の小堀和希の幸せを願っており、もしリサが敦士と別れたら、リサに思いを寄せる和希にもチャンスがあるので、二人を別れさせようとしていたのである。これによって安倍が和希に思いを寄せているようだと察した敦士は、嫌がらせするよりも、安倍が和希を幸せにするような行いをした方がいいとアドバイス。もっともだと感じた安倍は、敦士への嫌がらせをやめて問題は解決する。卒業式当日、リサと敦士はこの日も遅刻をしてしまう。その結果、二人は遅刻した罰として、体調を崩した卒業生代表の代わりに卒業生を代表してスピーチする事になる。
第17巻
時はさかのぼる。中学1年生になったばかりの大谷敦士は、バスケットボール部に入部して中尾平吉と親しくなる。しかし、同じ部員の吉井はほかの部員になにかと攻撃的なうえ、ワンマンプレーをする事から、周囲から浮いてしまっていた。そんな吉井を案じた敦士は、積極的に吉井とコミュニケーションを取るが、吉井は家の都合で転勤が極端に多く、二人が親しくなった頃に、またも引っ越しが決まってしまう。しかし海坊主を通じてすっかりなかよくなった二人は、再会の約束を交わして別れを惜しむ。(エピソード・中1・大谷編。ほか、3エピソード収録)
登場人物・キャラクター
小泉 リサ (こいずみ りさ)
『ラブ★コン』の主人公の1人。ロングヘアの少女。初登場時は高校1年生で舞戸学園に在学している。身長は170cm。(のちに172cm)と大柄。身長156cmの大谷敦士と共に、担任の中野清司からむりやり学級委員にさせられ、「オール阪神・巨人」と呼ばれる。勉強はさっぱりだが明るくポジティブな性格。 また単純で、やや天然ボケ気味。大谷敦士との漫才のような掛け合いはクラスの名物で、よく付き合っていると勘違いされていた。夏期講習で出会った鈴木涼二を好きになるが、彼が田中千春と付き合い始めたため諦める。お互いの恋愛を応援し合うなど日々を重ねるうちに、自分の気持ちが大谷敦士に傾いている事に気付く。
大谷 敦士 (おおたに あつし)
『ラブ★コン』の主人公の1人。初登場時は高校1年生で舞戸学園に在学している。身長は156cmと小柄で、小学生に間違われたり、女子から「かわいい」と言われる。見た目によらず根性があって男らしいが、不器用で意地っ張り。担任の中野清司からむりやり学級委員にさせられ、「オール阪神・巨人」と呼ばれる。バスケットボール部に所属し、身長のハンデをものともせずレギュラーの座を勝ち取る。 ラッパーの海坊主の大ファンで、同じくファンの小泉リサと盛り上がったりする。当初は田中千春が好きだったが、彼女が鈴木涼二と付き合い始めたためすっぱりとあきらめる。のちに小泉リサから好意を持たれるが、なかなか気づかなかった。
中野 清司 (なかの きよじ)
舞戸学園の教師。担当教科は数学。小泉リサ、大谷敦士達の担任。2人を「オール阪神・巨人」と名付け、学級委員に指名する。以後、3年連続担任になる。
石原 信子 (いしはら のぶこ)
初登場時は高校1年生で舞戸学園に在学している。小泉リサの親友で、天然ボケ体質の彼女をしっかりフォローしている。彼氏の中尾平吉とは中学3年の時から付き合っている。
中尾 平吉 (なかお へいきち)
初登場時は高校1年生で舞戸学園に在学している。いつも穏やかで、のほほんとしている。大谷敦士とは中学1年の時からの親友で、彼がいるからという理由でバスケットボール部に入った。付き合っている石原信子とはいつもラブラブ。
田中 千春 (たなか ちはる)
初登場時は高校1年生で舞戸学園に在学している。小泉リサとは中学3年生からの親友。同じクラスの石原信子とも仲が良いが、控えめでおとなしく他の2人のノリについていけないこともある。勉強ができ、成績はトップクラス。鈴木涼二と付き合いはじめる。
鈴木 涼二 (すずき りょうじ)
初登場時は高校1年生で舞戸学園に在学している。無口で一見無愛想だが、大の照れ屋。田中千春と高1の2学期に付き合い始めるが、そのきっかけは彼を小泉リサが好きになったことだった。石原信子とその彼氏中尾平吉、大谷敦士とも友人になる。
深川 遥 (ふかがわ はるか)
祖母がイギリス人のクオーターの男性。小泉リサの幼馴染。小学校5年生から高校1年生の終わりまで海外に行っていた。高校2年生の春から舞戸学園に編入する。小さい頃にいじめられていたときに助けてもらった小泉リサをヒーロー視していた。再会した小泉リサに告白すると宣言し、大谷敦士をライバル視する。
寿 聖子郎 (ことぶき せいしろう)
外見は美少女だがれっきとした男性。自分を「聖子」と呼ぶ。初登場時は高校1年生で舞戸学園では小泉リサ、大谷敦士達より1学年下。大谷敦士に一目惚れするが、のちに彼を好きになった小泉リサを応援するようになる。家庭科部に所属し、同じ部活の深川遥と一緒にいることが多い。
神崎 真由 (かんざき まゆ)
初登場時は高校1年生で桜女子高校 に在学している。大谷敦士の中学時代の彼女で、バスケットボール部のマネージャーだった。「頭を塗り忘れた千春ちゃん」と小泉リサに言われるほど、田中千春と似ている。
舞竹 国海 (まいたけ くにうみ)
長身の男性。小泉リサが舞戸学園の高校3年生になった時、クラスの副担任として赴任した。担当教科は英語。小泉リサの幼馴染・深川遥のいとこ。王子様のような言動や振る舞いをする。小泉リサはファンになり、「マイティ部」というファンクラブまで作ってしまう。一方、大谷敦士や石原信子からは気味悪がられている。 父親はハワイでホテルを経営している。
舞竹 百合 (まいたけ ゆり)
舞戸学園の教師・マイティ(舞竹国海)の妻。通称「ジョディ」(旧姓が城ノ内であるため)。大谷敦士からは外国人と間違われるほどの美人。キレると人が変わったように暴力を振るう。
吉岡 美々 (よしおか みみ)
大谷敦士の幼馴染で、隣の家に住んでいる。大谷敦士、小泉リサ達より4歳年下。雑誌のモデルをしている。身長は小泉リサと同じ172cm。小さい頃から大谷敦士のことが好きで、彼の前ではかなりのかわいこぶりっこだが、小泉リサの前では、彼女を「オバハン」と呼ぶなど変貌する。
小堀 和希 (こぼり かずき)
初登場時は高校1年生で小泉リサ、大谷敦士より2歳下。小泉リサがアルバイトをしているレストランの厨房で働いている。ラッパーの海坊主ファンであり、同じくファンの小泉リサを好きになる。
細川 弱男 (ほそかわ よわお)
舞戸学園高校3年1組に在籍する男子。小泉リサ達が3年生になってから知り合ったため、学年は同じ。部活は柔道部に所属している。頭にタオルをバンダナのようにしてかぶって髪の毛を覆っている。長身で非常に筋肉質な体型をしており、眉が太く、唇が分厚い。そのため「弱男」という名前から受ける印象とはかけ離れた容姿をしている。以前から田中千春に思いを寄せており、もし自分が千春と同じ大学に合格できたら告白しようと考えていた。そして見事合格するが、千春の恋人である鈴木涼二が同じ大学を不合格になったと聞き、自分の方が千春にふさわしいと考えるようになる。そこで涼二と千春をかけて柔道で勝負して圧勝しかける。しかし、リサに自分が眼鏡をかけた女性が好きである事を見抜かれ、それが原因で試合中に油断してしまい、負けてしまう。
小泉 隆人 (こいずみ たかと)
小泉リサの3歳年下の弟。前髪を上げて額を全開にし、髪全体をツンツンに立てた短髪。リサ同様、非常に背が高い。クールで落ち着いた性格をしている。成績もよく、偏差値の高い高校を目指していたが、不合格となった事で舞戸学園高校に通う事になる。そのため、偏差値の低い舞戸学園高校には行きたくないと思うあまり、非常に落ち込んでいた。しかし、そんな小泉隆人を励まそうと考えたリサに舞戸学園高校を案内され、少し考えを改めた。大谷敦士とはリサを通じて知り合い、リサにはもったいないほどの立派な男性だと考えている。
あけちん
小泉リサの中学時代の友人の女子。前髪を眉上で短く切り、肩につくほどまで伸ばした外はねセミロングヘアにしている。釣り目が特徴。「あけちん」はあだ名で、本名は不明。一見気が強そうに見えるが、実は臆病で素直になれない性格。中学2年生のある日、転校生の吉井に思いを寄せるようになるが、自分よりもリサの方が吉井と親しくなってしまい、リサに嫉妬する。そのため一時は気まずくなっていたが、林間学校で体調を崩した自分をリサと吉井が助けた事で和解した。その後、吉井は転校してしまったが、あきらめられず友人関係を続け、吉井と同じ大学へ進学した。
小泉リサの祖父 (こいずみりさのそふ)
小泉リサと小泉隆人の祖父。前髪を眉上で切った短髪。リサ達同様非常に背が高い。大の女性好きで、知り合った女性を最低ランクの「一ツ梅」から最高ランクの「五ツ梅」の5段階にランク分けして、携帯電話やパソコンにそのプロフィールや連絡先を登録している。海外旅行が好きで日本にいない事が多く、ハワイへの移住を考えていたが、リサが高校3年生の冬に突如日本に戻って来る。そこでその時偶然小泉家にいた大谷敦士と知り合い、敦士の身長が低すぎるという理由で交際を反対する。さらに知人女性をけしかけて、敦士を誘惑しようとしたが、失敗した。亡くなった妻は198センチの長身で、小泉リサの祖父とは身長差がありすぎる事をずっと気に病んでいた。そのため亡き妻と同じように長身のリサは、身長の低い男性とは交際してほしくないという理由で、敦士と別れさせようとしていた。
大谷 瞳 (おおたに ひとみ)
大谷敦士が街で助けた若い女性。前髪を目が隠れそうなほど伸ばして右寄りの位置で斜めに分け、肩につくほどまで伸ばしたセミロングヘアにしている。左目尻にほくろが一つある。ある日眼鏡を壊してしまい、周囲がよく見えない状態で歩いていたところを敦士と知り合い、そのまま駅の改札まで案内してもらった事がきっかけで親しくなる。これを機に敦士を非常に気に入り、積極的にアプローチするようになる。小泉リサの祖父とは知り合いで、リサの祖父から見た最高ランクの女性「五ツ梅」の判定を受けている。しかしその正体は極めて悪質で、思い通りにならない事があると、知り合いのやくざの事をちらつかせて言う事を聞かせようとする、目的のためなら手段を選ばない卑劣な性格。現在はリサの祖父に買ってもらったマンションに住んでおり、ここに邪魔な小泉リサを連れ込んでひどい目に遭わせようとしたが、事態を察した敦士とリサの祖父に阻止され、身を引いた。
荒木 (あらき)
舞戸学園高校に通う男子。大谷敦士の1学年後輩。前髪を上げて額を全開にした短髪。もともとは痩せており美形だったが、高校2年生の冬に敦士に代わってバスケットボール部のキャプテンに任命された事がきっかけで、ストレスとプレッシャーで別人のように太ってしまった。しかし事態を知った敦士が、引退後であるにもかかわらず、荒木を心配して再び部活に顔を出すようになり、部員達からも、荒木には敦士とはまた違うよさがあり、自分達はそんな荒木についていくつもりだと励まされた事で、自信を取り戻す。
安倍 (あべ)
舞戸学園高校に通う3年生の女子。小泉リサのアルバイト仲間。前髪を額が見えるほど短く切り、肩よりやや上の高さまで伸ばした前下がりボブヘアにしている。一見クールで寡黙に見えるが、表情があまり顔に出ないだけで、実際は自分に自信のない性格の持ち主。特にアルバイト仲間である小堀和希に対しては、無表情で不愛想な女性と思われているに違いないと考えるあまり、積極的にコミュニケーションを取れずにいた。しかし実は和希に思いを寄せており、どうすれば和希が幸せになれるかをいつも考えている。そこで高校3年生の冬、和希の思い人であるリサが恋人の大谷敦士と別れれば、和希にもチャンスができるのではと考え、二人の仲を引き裂こうと嫌がらせをする。しかし、あっさり二人に思惑を知られてしまい、謝罪する。その後敦士にもアドバイスされた事で、リサではなく安倍自身が和希を幸せにできるように、まずは和希と問題なくコミュニケーションが取れるよう努力し始める。
鈴木 好美 (すずき よしみ)
鈴木涼二の姉。社会人の女性。前髪を目が隠れそうなほど伸ばして右寄りの位置で斜めに分け、肩につくほどまで伸ばしたウルフカットの髪型をしている。顔立ちは涼二とよく似ている。柔道黒帯の力自慢で、自分に比べて体力的にも精神的にも頼りない涼二を「もやしっ子」と呼んでからかっていた。しかし涼二が高校3年生の冬、恋人の田中千春を賭けた男子生徒と柔道で勝負すると聞き、涼二の指導を担当する。
吉井 (よしい)
大谷敦士と小泉リサの友人で、同じ学年の男子。前髪を長く伸ばして目にかからないように分けたウルフカットの髪型をしている。三白眼で目つきが悪い。親の仕事の都合で非常に引っ越しの多い人生を送っており、転校を繰り返すうちに、人とのコミュニケーションを嫌うひねくれた性格になってしまった。しかし、お気に入りの猫のキャラクター「ニャイケル・ジョーダン」が、バスケットボール選手だったのがきっかけで、自分もバスケットボールを始めたという、かわいらしい一面もある。中学1年生の頃、バスケットボール部に入部したのがきっかけで、敦士と中尾平吉と出会う。そこで敦士と親しくなり、お気に入りのヒップホップグループ「海坊主」について教え、CDを貸すほどなかよくなるが、2年生に進級する前に引っ越しが決まってしまう。そして一度福井県で生活したのち再び関西に戻り、中学2年生の始めに今度はリサと同じ学校に転入する。ここでも「海坊主」がきっかけでリサと親しくなり、リサの友人であるあけちんに思いを寄せられるようになる。しかしまた引っ越しが決まり、その後は敦士もリサも、吉井がどうしているのかわからなくなってしまっていた。だが高校3年の春に偶然二人と再会し、現在もあけちんと交流がある事を伝える。