平原太平記

平原太平記

江戸時代末期、誰もが開発を不可能とした荒地、足伏が原を開発し桑畑に変えようと情熱を傾ける須田紋左。開発を妨害する勢力や相次ぐ天災にも屈せず、町に製糸業をおこす。幕末から明治維新を舞台に赤本時代の手塚治虫が描く初めての時代劇長編作品。

正式名称
平原太平記
ふりがな
へいげんたいへいき
作者
ジャンル
時代劇
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概要・あらすじ

安政3年、たった一人で荒地の足伏が原の開発を任された須田紋左は、庄屋たちの協力を得て、妹のつぼみや家来のペク内とともに開発に着手するが、荒地を根城とする追い剥ぎたちの味方をする黒主屋の妨害に会う。その後も、害虫の発生、地震、大雨、明治維新の戦火など、次々に襲う苦難にも屈せず、ついに養蚕から製糸業を興していく。

登場人物・キャラクター

須田 紋左 (すだ もんざ)

周りが反対するなか、荒れ地であった足伏が原の開発を訴え、ただ一人で開発を命ぜられる。不屈の意志で、妨害や天災にもまけず、開発を進める。

柳生 周馬 (やぎゅう しゅうま)

須田紋左の足伏が原開発に反対する。手塚治虫のレギュラー・キャラクターランプ。

骨皮 筋右衛門 (ほねかわ すじえもん)

常に須田紋左の味方をする一徹な武士。

ペク内 (ぺくない)

須田紋左に使える忠実な中間(ちゅうげん)。明治維新後は、須田紋左が建設した製紙工場の社長となる。

須田 つぼみ (すだ つぼみ)

須田紋左の妹。兄を支え、労苦をいとわず足伏が原の開発を手伝う。

黒主屋 重兵衛 (くろぬしや じゅうべえ)

足伏が原に救う追い剥ぎたちの味方となり、原を開発しようとする須田紋左を妨害する。地震の時、須田紋左に命を救われたことから、心を改め須田紋左の協力者となる。

掃海 (そうかい)

足伏の寺の住職。須田紋左の足伏が原開発の理解者。養蚕の蚕を食べてしまうとして嫌がられるツバメを寺に引き取って飼う。害虫である野蚕(のこ)が増えて桑畑が危機に陥った際に寺のツバメたちが野蚕を食べて桑畑が救われる。足伏の町を襲った大雨で命を落とした。

人仁 頼母 (ひとに たのも)

須田紋左の叔父。足伏が原の開発に打ち込む須田紋左を危ぶみ、気をもむ。手塚治虫自身がキャラクターとして登場。

鉢巻 (はちまき)

足伏が原の開発を始めた須田紋左の下で働く元魚屋。老いた母と二人暮しで、いつも鉢巻している。

大アザ (おおあざ)

黒主屋の子分で右の頬に大きなアザがある。同じく黒主屋の子分で右ほほに小さなアザがある小アザの兄貴分。足伏が原の開発を妨害する。手塚治虫のレギュラーキャラクターハム・エッグ。

小アザ (こあざ)

黒主屋の子分で右の頬に小さなアザがある。足伏が原の開発を妨害する。同じく黒主屋の子分で右ほほに大きなアザがある大アザの弟分。

テク助 (てくすけ)

人仁頼母に仕える中間。

集団・組織

官軍 (かんぐん)

『平原太平記』の登場する軍。足伏(あぶせ)に侵入する。足伏が原を戦火から守るため須田紋左は単身、官軍の陣地に乗り込み、隊長に回り道をするように願い出る。

場所

足伏が原 (あぶせがはら)

足伏の町(あぶせのまち)に広がる原野。十里四方荒れ放題に荒れ果て、狐狸が住み、追いはぎの巣となっている。

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