幸子、生きてます

幸子、生きてます

33歳、独身で市役所勤務の金子幸子は、真実の愛を探して婚活中。薄幸そうに見えて、なぜか楽しそうな幸子の日常をシュールに描く、一話完結のギャグ漫画。「Kiss」20016年9月号から掲載の作品。

正式名称
幸子、生きてます
ふりがな
さちこいきてます
作者
ジャンル
ギャグ・コメディ
レーベル
ワイドKC(講談社)
巻数
既刊4巻
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あらすじ

第1巻

婚活中の金子幸子は、×市の青葉地区市民センターに勤める33歳の公務員。ある日、幸子は素人歌合戦に出場していたエプロン姿のダサい主婦・田中由美子の姿を見て、大学出で公務員でもある自分を鼻にかけ、おしゃれでアーバンなライフスタイルを求めていた自分を恥じる。平凡ながらも幸せな家庭を持つ田中にあこがれを抱いた幸子は、後日、勢いで素人歌合戦に出場する事になる。(「金も幸も子もないものですから…」。ほか、18エピソード収録)

登場人物・キャラクター

金子 幸子 (かねこ さちこ)

東京都×市の青葉地区市民センターに勤める公務員の女性。年齢は33歳で独身。現在婚活中で、幸薄そうな顔をしているが、真摯に愛を求める姿は、なぜか楽しそうだと周囲から見られている。過去に結婚を約束した彼氏たっくんとは5年前に別れ、婚活パーティーで知り合った男性に35年ローンで欠陥マンションを買わされたが、その男性とは付き合っていない。その後、優しいふりをした自分勝手な男性・高橋と付き合い、1年前にふられている。身近な男性には独身アピールを怠らない努力家であり、時には、その生真面目なところが知らないあいだに他人を追い詰めている場合もある。真面目そうな男性より、どこか危うい男性に惹かれてしまうきらいがある。イラつくとハンドスピナーを回し、そして荒ぶってくると、「サチコ・ザ・スピン」という大技を決める。

田中 由美子 (たなか ゆみこ)

素人歌合戦に出場していた主婦で、ダサいエプロン姿をしている。金子幸子からは平凡ながら幸せな家庭を持つ女性だと、リスペクトされている。ちなみに、歌合戦では広瀬香美の「ロマンスの神様」を歌った。

塚田 (つかだ)

金子幸子と同じマンションに住む男性で、眼鏡をかけた七三分けのいかにも真面目そうなサラリーマン。その服装や髪形から、高給取りでスコットランドの貴族ではないかと幸子の妄想を膨らませるが、すぐに妻がいる事が判明する。

所長 (しょちょう)

東京都×市の青葉地区市民センターに勤める公務員の男性。金子幸子の上司でもある。丸顔で頭頂部がハゲており、眼鏡をかけている。幸子の婚活を見守り、よく話し相手になっているが、幸子のこだわりを無視して、まっとうな意見を口にする事が多い。幸子には真面目な飯田がお似合いだと思っている。

飯田 (いいだ)

図書館司書を務めている独身男性で、年齢は35歳。間延びした顔をして眼鏡をかけている。金子幸子が惹かれるタイプではなく、無難な雰囲気の人物。一方で、ギャル系の若い子が好みというダメ男な一面があり、その部分のみ幸子に好感を持たれている。郷土資料館に頻繁に出かけており、なにかと昔の事を調べるというマニアックな趣味を持つ。クリスマスに幸子はふとした事から飯田の事を、自分が失くしたパズルのピースなのではないかと感じるに至るが、その時には飯田は21歳のギャルとよりを戻していた。

出っ歯の男性 (でっぱのだんせい)

出っ歯でモジャモジャヘアの男性で、×市に引っ越しを考えている。金子幸子から×市の説明を聞き、自分の住んでいる×市に対する思いが薄いと激怒する。故郷を愛していない人間が住んでいるところには住めないと言い放つが、いつも青葉地区市民センターにたむろしている老人・吉崎から反撃を受ける。

吉崎 (よしざき)

いつも×市の市役所にたむろしている高齢男性。郷土愛のない人間が住んでいるところには住めないと言い放った出っ歯の男性に対し、愛とはなんだと突っかかった事で口論となった。ちなみに、愛とは許す事というのが持論で、吉崎自身は×市のなんの特徴もないおもしろみのなさを許していると熱弁した。その後、郷土愛のあまり無理がたたって、救急車で運ばれる。興奮すると言動が時代劇調になる。

澤田 エミ (さわだ えみ)

33年間、一度も彼氏がいない女性。眉毛が太く鼻が上を向いている。金子幸子の高校時代からの友達で、ゆりと三人で飲む事が多い。恋心の瞬発力が高く、注文を聞きに来た若い居酒屋店員の男性にもすぐに恋をしてしまいそうになる。処女であり、国道沿いのラブホテル「キャッスル」に行くのが目下の夢。彼氏がいた事がないため、「元彼」という言葉に敏感に反応する。不確かな「彼氏」より永続性のある「元彼」は不滅の勲章であるという持論を有する。

ゆり

33歳の女性。金子幸子と澤田エミとは高校が同じで、三人で飲む事が多い。高校時代はかわいさでは一軍だったが、友達が結婚して行き場がなくなり、四軍以下だった幸子やエミと付き合っている。その事はエミと幸子も容認している。ゆり本人は二人に気を使われると、都落ち感が増して情けなくなると落ち込む。酔って「どんどん節」を歌い始めると、三人の飲み会はお開きとなるのが恒例。

キラキラしたイケメン

「アルゼンチンタンゴアカデミー」の門から出て来た男性。危うい色気があり、金子幸子が一目惚れしたイケメン。それがきっかけとなり、幸子は「アルゼンチンタンゴアカデミー」でタンゴを毎週習う事になる。実は、「アルゼンチンタンゴアカデミー」を開いている老夫婦の孫で、たまに老夫婦のもとに金を無心しにやって来る。

老夫婦 (ろうふうふ)

「アルゼンチンタンゴアカデミー」を開いている老夫婦で、キラキラしたイケメンの祖父と祖母。「アルゼンチンタンゴアカデミー」に毎週通うようになった金子幸子が、孫の事を口に出すと、幸子とタンゴを踊る祖父には男としての嫉妬心が芽生え、それを見ている祖母もどことなくしどけない態度となる。

ママ

飲み屋「女の涙」のママを務める女性。金子幸子が婚活パーティーで知り合った男性からのメールがなく、イライラした時にその店を訪れた。幸子が男の事でやけ酒を飲んでいると思い込み、愛した事を否定してはいけないと、カウンターに座っていた中年紳士と共に幸子を慰める。以降、「女の涙」は幸子の行きつけの店となる。タバコを片時も手放さず、カウンター内に小型犬をはべらせている。

幸子の母 (さちこのはは)

金子幸子の母親。幸子が16歳の冬、愛を見つけてしまったと言って家を飛び出した。のちにアイドルグループ「KENJA」のよっぺに夢中になり、全国ツアーを追っかけたという事が判明した。よっぺのために日夜働き、パソコンも覚え、愛を知ると人は強くなれると確信した。よっぺがほかのメンバーとの確執から芸能界を引退したというニュースを知り、家を出て行ってしまう。しかし恋愛を楽しんでいるだけで、そんな自分に酔っている。

幸子の父 (さちこのちち)

金子幸子の父親で、ハゲ頭のメガネをかけた温厚な男性。妻の幸子の母がアイドルグループ「KENJA」のよっぺの追っかけをしている事を、恋愛を楽しんでいるだけだと忍耐強く見守っている。愛犬のウメをかわいがっている。

結婚相談所の仲人 (けっこんそうだんじょのなこうど)

結婚相談所を経営する仲人の中年女性。この道45年のベテランのやり手で、無茶苦茶な事を言っているようだが、押しが強く非常に説得力がある。結婚は愛した人とするべきだという持論を持ち、金子幸子に愛を感じたら即入籍というのが結婚の秘訣だと、熱く語った。愛は思い込みであり、結婚相談所に入会すれば、簡単に結婚できる事は請け合いだと豪語する。

「家庭を守る女の会」の会長 (かていをまもるおんなのかいのかいちょう)

「家庭を守る女の会」の会長を務める中年女性。×市の青葉地区市民センターで会議を開催しており、見学者として金子幸子が参加した。結婚して家族と家庭を守る以外に女の幸せはないと固く信じている。結婚したいかどうかわからくなって来たという幸子に、そんな疑問を持つのは逃げだと糾弾。金メダルを取っても、結婚していなければ女性は不幸だと力説する。

金子 カネ (かねこ かね)

金子幸子の祖母で、すでに亡くなっている。×市の青葉地区市民センターの屋上から落ちる幸子の目前に現れ、人は決めつけないと安心できないものだと前置きし、不幸な独身女として死んだ方がみんなが迷いなく同情できるから、苦しい顔で死になさいとアドバイスする。のちに、「家庭を守る女の会」の初代会長だった事が判明する。

木崎 (きざき)

野菜を作っている高齢男性で、すでに妻は亡くなっている。フガフガと話すため、なにをしゃべっているのかよくわからない。5年前、市民センターでの手続きのお礼だと、金子幸子に小松菜をプレゼントし、以降もたくさんの野菜をプレゼントして幸子を喜ばせた。しかし派手な野菜に目がくらんで高飛車になった幸子に見切りをつけ、駅前のコーヒー屋のアルバイト女性に野菜をプレゼントするようになる。

たっくん

金子幸子の元彼。小太りの体型で、顔にソバカスがあるダメ男。アルバイトに行くといって、いつもパチンコ屋に通っている。幸子にはWIB(ワールドインターナショナル弁護士)の試験に受かれば結婚しようと言っている。

婚活サイトで知り合った男性 (こんかつさいとでしりあっただんせい)

金子幸子が婚活サイトで知り合った男性。イガグリ頭の朴訥な雰囲気を漂わせているが、街の掲示物の顔写真の鼻の穴に画びょうを刺さずにはいられない変わった性癖がある。幸子には、目に画びょうを刺すと残酷だと弁明していたが、ある晩、目に画びょうを刺しているところを幸子に目撃されてしまう。

ゆうこ

金子幸子のとなりの部屋に住む主婦。お団子ヘアで丸い眼鏡をかけている。幸子が麺類を茹でようとお湯を沸かしている時に、産気づいたため、幸子は勝手に自分が産湯をわかした子供だと思い込もうとしている。ちなみにその子供はひなと名付けられた。欠陥マンションで壁が薄いため、幸子がハンドスピナーを回しているのもゆうこの家族は知っている。

ゴボラ

×市のマスコットキャラクターで、色々なイベントで活躍するゴボウの着ぐるみ。ゴボウと愛の伝道師で、「ゴボウ」と「ラブ」から「ゴボラ」と名付けられた。サインに「ゴボウも愛も乾燥に弱い」などの名言を書き、たっくんとの恋愛に悩んでいた金子幸子に元気を与える。しかし、事あるごとに幸子がサインをもらいに来るため、中に入っている人はおびえてストレスから過食症になってしまう。

高橋

金子幸子を1年前にふった男性。モジャモジャヘアで眼鏡をかけている。優しいふりをして自分の我を通そうとする人物で、久しぶりに会ってあげようかと幸子にメールを送るも、幸子から金の返済を迫られて速攻ブロックする。

場所

×市

東京都の北部に位置している事から、埼玉県だと勘違いされがちな自治体。主に住宅と畑が広がるだけの存在感の薄い市。名産はごぼうで、市長はネクタイ代わりにごぼうをぶら下げている。しかし、そのごぼうは特においしいというわけでもなく、名産と銘打っているのは比較的生産量が多いというだけの理由である。そのごぼうで作ったごぼうジャムも、うまくもまずくもないという微妙な評価をされている。マスコットキャラクターはゴボラが務めている。

書誌情報

幸子、生きてます 4巻 講談社〈ワイドKC〉

第1巻

(2018-03-13発行、 978-4065111208)

第2巻

(2019-07-12発行、 978-4065165768)

第3巻

(2021-04-13発行、 978-4065231227)

第4巻

(2022-09-13発行、 978-4065290583)

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