忍者と殺し屋のふたりぐらし

忍者と殺し屋のふたりぐらし

自身のSNSにて配信していたコミックエッセイ『ハンバーガーちゃん絵日記』が話題となった、作者・ハンバーガーの初のオリジナル作品。略称は「にんころ」。殺し屋や忍者が暗躍する現代日本を舞台に、なりゆきで抜け忍になったくノ一・草隠さとこと、殺し屋を生業とする女子高校生・古賀このはの奇妙な共同生活を描いた日常系ブラックコメディ。KADOKAWA「コミック電撃だいおうじ」Vol.90(2021年2月26日)より連載の作品。2024年4月にシャフト制作でアニメ化されることが発表された。

正式名称
忍者と殺し屋のふたりぐらし
ふりがな
にんじゃところしやのふたりぐらし
作者
ジャンル
ブラックコメディ
 
裏社会・アングラ
レーベル
電撃コミックスNEXT(KADOKAWA)
巻数
既刊4巻
関連商品
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くノ一の少女が殺し屋の少女と出会う

忍びの里を抜け出したくノ一の草隠さとこは、なりゆきで8回も抜け忍となり、街中で行き倒れていたところを通りすがりの女子高校生・古賀このはに救われる。その後、さとこは先輩くノ一に命を狙われるが、このはが瞬時に彼女を返り討ちにし、彼女がすご腕の殺し屋であることが判明する。このははさとこのモノを葉っぱに変える忍術に目を付け、彼女と同居することになり、その後もさとこを狙って次々と現れる刺客たちを返り討ちにしている。殺伐とした雰囲気と小さな幸せが入り乱れた日々の中で芽生えていく奇妙な友情が、ダークコメディを交えて展開される。

ポンコツくノ一×冷酷無比な殺し屋

くノ一のさとこは、故郷の忍びの里から抜け出した抜け忍の少女。世間知らずなうえにド天然な性格で、里を抜けたのもさとこ本人の意思ではなく、仲間の話を聞かずに適当に相槌を打っていたらいつの間にか里抜けしたことになっていたという、間の抜けた理由だった。そんなさとこの唯一の特技は、あらゆるモノを葉っぱに変えること。この能力を殺し屋のこのはに見込まれ、彼女と同居を始めることになる。ふつうの女子高校生に見える殺し屋のこのはは、どこか倫理観が一般とズレているが、その戦闘能力は非常に高い。そんなこのはは、戦闘能力が皆無のさとこに代わって彼女を狙う忍者を返り討ちにし、その見返りとして死体の処理と家事を任せている。そんな二人の周囲には、さとこの先輩忍者・黒やメカを駆使するこのはの同業者・イヅツミマリンなど、個性的な忍者や殺し屋が集結する。

ほのぼのとした絵柄とシュールなブラックジョーク

本作『忍者と殺し屋のふたりぐらし』は、行き場をなくしたさとこと彼女を救ったこのはの交流や同居生活が、ブラックジョークや切れ味鋭いギャグを交えて展開される。一見正反対に見える二人だが、くノ一と殺し屋を生業にしているため、一般的な倫理観が欠けているという共通点がある。また、さとこを狙った忍者が返り討ちにされたり、このはのターゲットになった人物が次々と死んでいったりするなど、犯罪行為が淡々と行われているもののグロテスクな描写は少ない。このように、命の扱いの軽さや倫理観のなさと、ほのぼのとした雰囲気や絵柄、シュールなブラックジョークとのギャップが大きな特徴となっている。そんなさとことこのはの風変わりな日常生活に加え、テンポのいい会話や百合要素も盛り込まれている。

登場人物・キャラクター

草隠 さとこ (くさがくれ さとこ)

なりゆきで抜け忍となって忍びの里を追われた少女。薄紫色の髪をサイドテールにしており、手裏剣型の髪飾りをつけている。のんびり屋でマイペースな性格をしている。追手に追われて行き倒れになっていたところを、偶然通りかかった古賀このはに救われ、彼女の家で同居するようになる。暗殺や諜報といった忍者としての基本能力は低いポンコツながら、人間の死体をはじめ、物体を葉っぱに変えて霧散させる特技を持つ。この特技を使って、このはが暗殺した死体の処理や証拠隠滅を手伝っている。忍びの里でも落ちこぼれ扱いされ、雑用ばかりやらされていたために家事スキルは異常に高く、このはの家の家事をすべて担当している。忍びの里からほとんど出たことがないため、一般常識や倫理観に欠けた極端な世間知らずで、周囲からサイコパス扱いされることもある。

古賀 このは (こが このは)

一見ふつうの女子高生に見えるが、実はすご腕の殺し屋。濃い茶髪のボブヘアで、前髪には赤いヘアピンをつけている。冷酷無比な性格で、つねにクールに振る舞っているが食事中だけは笑顔を見せる。空腹で行き倒れていた草隠さとこを偶然発見し、食事を提供したのちに彼女の特殊能力に目を付けてコンビを組むようになる。その見返りとしてさとこを狙う追っ手を始末しつつ、自宅に居候させている。殺し屋ながら死体の後始末と家事が苦手で、死体の処理や家事一般をさとこに頼んでいる。さとことコンビを組んでからは証拠隠滅がスムーズになり、殺し屋ランキングも上昇して仕事を順調にこなしている。殺し屋を生業としているため高校は欠席しがちで、吉田をはじめとする仲のいい友達もいるが、なぜか吉田の家族や友人がターゲットになることが多い。

書誌情報

忍者と殺し屋のふたりぐらし 4巻 KADOKAWA〈電撃コミックスNEXT〉

第1巻

(2022-01-27発行、 978-4049141917)

第2巻

(2022-11-25発行、 978-4049147377)

第3巻

(2023-07-26発行、 978-4049151640)

第4巻

(2024-04-26発行、 978-4049157130)

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