魔法少女なんてもういいですから。

魔法少女なんてもういいですから。

双見酔の代表作の一つ。現代日本が舞台ながら、魔法少女や謎の生物が存在する特殊な世界観を持つ。ゴミ捨て場で出会った謎の生物、ミトンから、魔法少女にならないかと勧誘された内気な中学生の葉波ゆずかの奇妙な日常を描いた、ゆるかわ魔法少女コメディ。アース・スターエンターテイメント「コミック アース・スター」で、2015年3月31日から2018年6月27日まで配信された作品。2016年1月にTOKYO MX、サンテレビで5分枠の短編アニメとしてテレビアニメ版『魔法少女なんてもういいですから。』が放送。ゆずかを藤田茜、ミトンを若井友希が演じている。また、同年10月からはセカンドシーズンが放送された。

正式名称
魔法少女なんてもういいですから。
ふりがな
まほうしょうじょなんてもういいですから
作者
ジャンル
ブラックコメディ
 
魔法使い・魔法少女
レーベル
アース・スター コミックス(アース・スターエンターテイメント)
巻数
全3巻完結
関連商品
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謎の生物との出会いから始まる奇妙な日常

魔法少女の日常や、その舞台裏をテーマにした作品。魔法少女のほかにも地球を狙う侵略者や、魔法少女のパートナーとなる不思議な生き物が存在する。かつて、地球を狙った侵略者と激しい戦いを繰り広げていた魔法少女とそのパートナーたちは、最後の敵を倒し役目を終えて散り散りとなる。そんなある日、優等生の葉波ゆずかはゴミ捨て場で「ミトン」と名乗る謎の生物と出会う。ミトンから魔法少女の素質を見出されたゆずかは、怪しいと思いながらも魔法の腕輪を受け取って魔法少女に変身する。この日以来、同居するようになったゆずかとミトンが織り成すゆるい日常が、4コマ漫画を交えながら展開される。魔法少女に関するコミカルな設定もあり、例えば魔法少女は誰でもなれる、魔法少女はずっと続けられるわけではなく定年は16歳などとなっている。また、従来の魔法少女ものの定番である設定や、描写を風刺するようなブラックジョークや小ネタも盛り込まれている。

主人公は魔法少女と真逆の優等生

好奇心から魔法少女となったゆずかだったが、変身後はビーチサンダルに水着姿という、魔法少女のイメージとはかけ離れたコスチュームだった。しかし、このコスチュームはゆずかの意思で変えることはできず、羞恥心から人前で変身することを避けている。一方、ゆずかのパートナーとして共に暮らすようになったミトンは、見た目はかわいらしいゆるキャラながらデリカシーに欠けた言動が多く、ゆずかに対して無自覚なセクハラが日常茶飯事。しかもゆずかが成績優秀なしっかり者なことから、ミトンからはドジっ子や勉強が苦手な少女が多い魔法少女のイメージとはかけ離れている、と苦言を呈されている。そんなミトンはゆずかに出会う前は、農家に生まれた怪力少女、杉林鈴子のパートナーとして、侵略者と死闘を繰り広げていた過去を持つ。

魔法少女になったことで生まれた人間関係

当初、ゆずかは同級生の坂上ちやしか友人がいなかったが、ミトンと出会ってからはほかの魔法少女やそのパートナーたちと交流を持つようになり、人間関係も広がっていく。さらにはちやにも魔法少女の素質があることが判明し、ゆずかにとって心強い仲間となる。また、篠木真冬や杉林鈴子といった先輩魔法少女の登場により、かつて人知れず侵略者と戦い、傷を負った世代の魔法少女たちの過去も判明する。その壮絶な戦いを経験していない世代であるゆずかは、現在の平和な世界で自分が魔法少女であり続ける意義を模索しながら、鈴子とミトンの再会のために奔走し、魔法少女になってから生まれた特別な交友関係に価値を見出すようになる。

登場人物・キャラクター

葉波 ゆずか (はなみ ゆずか)

とある中学に通う2年生の女子。明るい茶髪をセミロングヘアにしている。日常会話は敬語で話す。生真面目で内向的な性格から友人が少ない。ある日、ゴミ捨て場を漁(あさ)っていたミトンと出会い、魔法少女になることを勧められる。最初は怪しいと思いながらも、好奇心に負けて魔法の腕輪を授かり、魔法少女になる。変身すると水色の水着にビーチサンダルを履いた姿になる。この魔法少女らしかぬコスチュームが恥ずかしいため、あまり変身をすることはない。泥だらけのミトンを連れ帰っていっしょに暮らすようになり、ミトンのセクハラ発言に辟易(へきえき)しながらも、腐れ縁のような関係を築いている。変身すると水をあやつる魔法を使えるようになるが、すでに侵略者のいない平和な世界のため持て余している。ミトンからは魔法少女に多い「明るい性格だが勉強や家事ができないドジっ子」ではなく、真逆の「内気だが勉強も家事もできるしっかり者」であることをダメ出しされている。父親はワーカホリック気味の社畜で、母親は長期出張が多いためほとんど家にいない。

ミトン

葉波ゆずかがゴミ捨て場で出会った謎の生物。白いボールのような胴体から翼と尻尾が生えているが、自力では飛行できない。実は異世界からやってきた魔法少女のパートナーとなる存在で、魔法少女の素質を持たないふつうの人間には姿すら見えない。一定範囲内の時間や、ほかの生物の動きを止める結界を張ることができる。ゴミ捨て場でゴミを漁る生活をしていたが、魔法少女の素質を持ったゆずかと出会い、魔法少女に勧誘する。「お得」「おいしい話」といった怪しい謳(うた)い文句を多用するため、ゆずかに怪しまれるも彼女のパートナーとして同居するようになる。馴(な)れ馴れしい上にデリカシーに欠けたセクハラ発言を連発するが、ミトン自身には悪気がまったくない。ゆずかにたわしで全身を洗われて以来、たわしを苦手としている。飢えた経験から豪華な食事に目がなく、食い意地が張っている。

書誌情報

魔法少女なんてもういいですから。 全3巻 アース・スターエンターテイメント〈アース・スター コミックス〉

第1巻

(2016-01-12発行、 978-4803008425)

第2巻

(2016-11-26発行、 978-4803009590)

第3巻

(2018-07-12発行、 978-4803011715)

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