自虐の詩

無職の男葉山イサオへ一途に尽くす薄幸の女性森田幸江の生活が描かれる。雑誌連載時は複数のシリーズが描かれる4コマギャグ漫画だったが、幸江が主人公のシリーズに一本化され、後に書籍も幸江が主人公の作品のみに統一された。

概要・あらすじ

安アパートで、無職の男葉山イサオと暮らす内縁の妻森田幸江幸江の僅かな給料をイサオは酒とギャンブルで失い、懲りるどころか怒って暴れる毎日。そんな不幸な生活を送る幸江を周囲は心配するが、幸江はイサオとの暮らしにささやかな幸せを感じていた。

登場人物・キャラクター

森田 幸江 (もりた ゆきえ)

内縁の夫葉山イサオに尽くす女性。常に閉じているかのような細い目と、ホクロのある鷲鼻が特徴。大衆食堂で働いているがいつも給料をイサオに奪われてしまう。そんな不幸を嘆きながらも、イサオとの生活に僅かな幸せを感じて暮らす。幼少期から貧困家庭で育ち、アルバイトをしては無職の父に給料を奪われていた。 中卒で上京するも身を持ち崩して売春で生活し、イサオに出会って求愛を受け、現在の生活に至っている。

葉山 イサオ (はやま いさお)

森田幸江の内縁の夫。定職につかず、幸江の給料をギャンブルや酒に費やしている。非常に短気で、気に障る事があるとすぐにちゃぶ台をひっくり返す。元はチンピラの割に羽振りの良いヤクザだったが、売春をしていた幸江を愛して誠心誠意尽くし、二人で新生活を送るため組を抜けた。現在もごくまれに幸江に気遣いを見せる。

森田 家康 (もりたいえやす)

森田幸江の父。娘を不幸にしている葉山イサオを叱りに来るが、自分も話すうちに激昂してテーブルをひっくり返す。幸江の回想では無職で借金に追われ、娘に小学生のうちからアルバイトをさせて給料を奪っていた。幸江が中学三年生の頃、水商売の女と暮らすため銀行強盗に入り、投獄された。 釈放後、郷里では知人に見栄を張って幸江が幸せな家庭を持っていると言っており、上京の際にはあさひ屋のマスターにたかっている。

あさひ屋のマスター (あさひやのますたー)

森田幸江が勤める食堂「あさひ屋」の主人で本名は不明。幸江に横恋慕しており何度も求愛しては振られているが、懲りる様子はない。幸江を気遣うあまり客をないがしろにして客足を途絶えさせ、それでも給料やプレゼントで幸江に貢ぐため経営は破綻している。幸江の父家康に気に入られようとして店に雇い入れるが、事実上店を仕切られてしまう。

福本 (ふくもと)

森田幸江と葉山イサオが暮らすアパートの、隣室に住む女性。初老で、夫とは死に別れており独身。イサオが暴れて出す騒音に迷惑しており、よく苦労している幸江の面倒を見るが、不幸にも関わらずのろける幸江に辟易することが多い。町内会長に好意を抱いており、彼が勧めるままに健康グッズを次々と買い込んでいる。

町内会長 (ちょうないかいちょう)

隣のおばちゃんが親しくしている、穏やかな雰囲気の紳士。隣のおばちゃんとは茶飲み友達程度の関係だが、マルチ商法に関わっているようで、会う度に健康グッズを勧めている。

タロー

葉山イサオを「アニキ」と呼んで慕う若者で、イサオと共に酒やギャンブルへ出かける事が多い。イサオや幸江に金を無心する事も多いが、イサオよりは遠慮を見せる。

風俗嬢の幸江 (ふうぞくじょうのゆきえ)

あさひ屋のマスターが、森田幸江と同じ名の名札を見て指名した風俗嬢。マスターからはあまり好意を持たれてないが、森田幸江に断わられた旅行やプレゼントを受け取っているうち、親しくなった。マスターの部屋や店を訪れるなど、積極的なアプローチをしてはマスターに小言を言われる。

借金取り (しゃっきんとり)

森田幸江の、小中学生時代の回想に登場する。幸江の父家康がした借金の取立てで家に押しかけ、家康には容赦しないが幸江には同情的で暴力を振るわない。家康を待つ間に居眠りをして、幸江がかけた毛布をやんわりと辞するなど、借金取りなりの筋を通す姿勢を見せる。

森田 秋子 (もりた あきこ)

森田幸江の母だが家を出てから長く、幸江は母の顔を思い出すこともできない。小学生時代の幸江は美空ひばりが母だと父に教え込まれていた。

熊本さん (くまもとさん)

森田幸江の、中学の同級生。幸江以上の極貧家庭に育ち、病気の父と幼い弟妹の面倒を見ている逞しい少女。しばしば学校の備品やニワトリ、鯉などを盗むが、卑屈になることなく常に堂々と振舞う。同級生たちには嫌われ、仲の良かった幸江も一度は彼女を裏切ったが、幸江を許してより固い友情を結び合った。 現在は家庭を持っており、夫の千葉への転勤を機に幸江と連絡を取る。

藤沢さん (ふじさわさん)

森田幸江の、中学生時代の回想に登場する同級生。父が医師であり、裕福な家庭に生まれた。成績優秀・スポーツ万能の美少女。クラスの男子生徒ばかりか女子、教師にも人気がある。幸江も彼女に強く憧れ、同時に憎しみも抱いていた。幸江にも好意的に接し、自分のグループに招き入れるが、彼女は熊本さんを嫌っており、幸江が熊本さんを裏切る遠因となった。 父が逮捕された幸江に対しても明確な拒絶はしなかったが、幸江の方から距離を置くことになった。

前田 イサオ (まえだ いさお)

森田幸江の、中学生時代の回想に登場する同級生。野球部員。女生徒の人気が高く、藤沢さんを含む多数からの告白を受けるが、いずれも交際を断わっていた。幸江に好意がありそれを明らかにしたものの、狼狽した幸江は別の生徒を好きだと言ってしまう。

美和子 (みわこ)

森田幸江の、中学生時代の回想に登場する。幸江の父家康が出会った風俗嬢で、後に入籍する。高級志向が強く、家康の経済状態も顧みずにホテルでの結婚式や小奇麗なアパートへの引越しを迫り、それが家康の銀行強盗を引き起こした。

書誌情報

自虐の詩 全1巻 光文社〈光文社コミックス〉 完結

第1巻

(1992年4月発行、 978-4334900281)

自虐の詩 全2巻 竹書房〈〉 完結

第1巻

(2007年8月発行、 978-4812432143)

第2巻

(2007年8月発行、 978-4812432150)

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