恋するMOON DOG

ある日、佐々木律歌は仕事帰りにドーベルマンを拾うが、その犬はなぜかイケメンの青年に変身する。青年は狛山晃と名乗り、津歌に対して番(つがい)になってほしいと告げる。律歌は晃をペットとして飼うことになり、容赦なく甘えてくる彼に振り回されながらも、にぎやかな日常を送ることになる。律歌と晃の不思議な恋愛模様が、ファンタジーやラブコメディを交えながら展開される。また、犬を飼うことの楽しさや飼育に役立つ豆知識が盛り込まれている。

佐々木律歌に拾われた狛山晃は、ふだんは人間だが月のような丸い光を見ると、ドーベルマンの姿に変身してしまう。実家の事情で番になってくれる女性を探す中で律歌と出会い、犬の姿と人間の姿を行き来しながら、彼女の自宅に居候することになる。そんな晃が溺愛する律歌は、昔から大型犬に好かれる体質の若きトリマーの女性。番になってほしいという晃の申し出を断ろうとするも、無下に追い出すこともできず、嫌いになりきれないままなんだかんだで彼の面倒を見ている。

犬のときは基本的におとなしい狛山晃だが、人間に戻ったときは佐々木律歌に積極的にせまってくる。当初は適当にあしらったり、犬に戻すことで回避したりしていた律歌も晃の持つ色気や魅力に惹かれていき、二人は同居生活を続ける中で距離を縮めていく。ようやく晃との生活に慣れたある日、律歌は知り合いが飼っている小型犬･桃次郎を預かることになり、犬化中であればほかの犬と会話できる晃は、桃次郎に嫉妬することが増えていく。その後も犬や人間を問わずに現れるライバルや晃の家族の登場で、飼い犬と飼い主という二人の関係はますます複雑化し、晃の過去や狛山家に隠された秘密も明かされていく。