ニートくノ一となぜか同棲はじめました

ニートくノ一となぜか同棲はじめました

小龍の初商業連載作品。「妖魔」と呼ばれる怪物が跋扈(ばっこ)する現代日本を舞台に、「武士」の末裔ながら平凡なサラリーマンとして生きる安海政と、彼の家に居候するくノ一・出浦白津莉の日常を描いた同棲コメディ。すご腕のくノ一でありながら任務から離れると、怠惰なオタクになってしまう白津莉のオンとオフのギャップが見どころとなっており、エピソードによっては本格的なバトル展開に突入することもある。著者SNSで公開後、同人版の頒布を経て商業化し、紙書籍版の第1巻がKADOKAWAより2021年8月27日に刊行された。2025年1月からテレビアニメが放送。安海政を石毛翔弥、出浦白津莉を矢野妃菜喜が演じる。

正式名称
ニートくノ一となぜか同棲はじめました
ふりがな
にーとくのいちとなぜかどうせいはじめました
作画
ジャンル
ラブコメ
 
異能力・超能力
レーベル
電撃コミックスEX(KADOKAWA)
巻数
既刊3巻
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「妖魔」との戦いを繰り広げる「武士」と「守護忍」

主人公の安海政は「武士」の末裔である。この世界の武士は「地脈を司り忍者を使役する者」と定義されており、修行を積むことで地中に宿るエネルギーを自在にあやつり、主従関係にある「守護忍」の能力の底上げや傷の治療が可能となる。ただし、政は武家からはぐれた「野良武士」で、修行を積んでいないため、地脈を活用できない。また、血統のせいで「妖魔」と呼ばれる怪物に狙われていることも露知らず、平凡なサラリーマンとして人生を送っていた。武士の血が覚醒したことで本格的に妖魔に狙われるようになり、すご腕のくノー・出浦白津莉に身辺の警護を任せることになった。なお、優れた忍者は一般人には認識できない「鏡面結界」を張ることができる。ここでの出来事は現実世界に影響を与えないため、妖魔との戦いは基本的に結界の内側で行われる。

ズボラなくノ一との愉快な同棲

ヒロインの出浦白津莉は優秀なくノ一だが、さまざまな欠点を抱えている。特に生活力は皆無に等しく、家事や一般的な仕事を苦手としている。本物のくノ一がスタッフとして働く「にんにんカフェ」で接客業に挑戦した際には、拒絶反応が起きて過呼吸に陥ったほどである。最大の欠点は生存があやぶまれるほどの限界オタクという点で、安海政から受け取った2週間分の食事代でフィギュアを購入し、彼が出張から帰還するまで、もやしで食いつないだこともある。なお、白津莉の着ている「忍スーツ」は肌の露出こそ控えめだが、レオタードとタイツを組み合わせたようなデザインで、体のラインがくっきり出るため、一般人からは恥ずかしい格好と認識されている。

安海政の暮らすマンションに集う個性的なくノ一たち

出浦白津莉との出会いをきっかけに、安海政の暮らすマンションに次々とくノ一が訪れるようになる。それらのくノ一は、白津莉を偏愛する被虐嗜好の中忍・百地彩夢(ももちあやめ)、主に恋する感染型不幸体質の下忍・和泉緋那(いずみひな)、白津莉のライバルを自称するツンデレ気質の上忍・夏見叶愛(なつみかんな)など個性豊かで、彼女たちが厄介事を巻き起こすパターンも少なくない。ベランダから政のマンションに侵入するくノ一があまりに多いため、白津莉によって「くノ一訪問お断りバリケード」が設置されたこともある。なお、マンションの大家・葉月沙耶(はづきさや)もくノ一で、彼女は白津莉の師匠でもある。のちに政のような「野良武士」を、「妖魔」と呼ばれる怪物から保護する目的で用意した特殊なマンションであることが明らかになった。

登場人物・キャラクター

安海 政 (あつみ つかさ)

うだつの上がらないサラリーマンの男性。受身体質のために人付き合いが苦手で、公私共に孤独を感じている。ゲームが得意で、対戦格闘ゲームの大会で優勝した経験もある。ある日、鉄骨に潰されそうになっていたところをくノ一・出浦白津莉に救われ、一命を取り留める。この際に「妖魔」と呼ばれる怪物が存在すること、「武士」の末裔は妖魔に狙われやすいこと、これまで事故や病気と認識していた被害が妖魔の仕業だったことを知り、白津莉を養う代わりに妖魔から身を守ってもらう契約を交わした。白津莉と同棲を始めて間もなく、彼女の自堕落な一面を目の当たりにする。しかしその態度をたしなめることもなく、料理を振る舞ったり、オタクグッズを買い与えたりと献身的に尽くし、そんな生活に充実感を覚えるようになった。社会的な評価は低いが、白津莉に言わせれば「最高の男」で、「つーちゃん」の愛称で呼ばれている。「世話を焼いて癒される関係は飼い主とペット」という旨の心ない指摘を受けたこともあるが、真っ向から否定している。のちに正当な家柄ではない「野良武士」でありながら、良質な血統の持ち主であることが判明し、高等妖魔にまで狙われるようになってしまう。

出浦 白津莉 (いでうら しづり)

「妖魔」と呼ばれる怪物の退治に長けたくノ一。アホ毛のある桜色のロングヘアで、気を物質化した「忍スーツ」を着用している。三大流派の一角である出浦の里の上忍部隊に所属している。次期頭領に推薦されるほどの逸材だったが、現在は里を出奔し、抜け忍として活動している。「くノ一兼引きこもりゲーマー」を自称する重度のオタクでもあり、食べて寝て遊ぶだけのニート生活を理想としている。正当な家柄ではない「野良武士」を妖魔の魔手から助け、そのすみかに一時的に転がり込む食客のような生活を繰り返していた。安海政との出会いも同様のものだったが、自堕落なニート生活に文句も言わず、徹底的に甘やかしてくれる政の度量に惚れ込み、すっかり居着いてしまった。恋愛耐性はゼロに等しく、ちょっとしたことで赤面する愛らしい一面もあるが、幸福なニート生活を脅かす者は里の仲間であろうと容赦しない。なお、平時は眼鏡をかけており、忍スーツの上からジャージを着る「ニートくノ一スタイル」で生活している。これは妖魔が現れてもギリギリまでゲームをしたいという、切実な思いから誕生した実用的ファッションである。

クレジット

その他

書誌情報

ニートくノ一となぜか同棲はじめました 3巻 KADOKAWA〈電撃コミックスEX〉

第1巻

(2021-08-27発行、 978-4049139686)

第2巻

(2022-04-27発行、 978-4049143744)

第3巻

(2023-03-27発行、 978-4049148473)

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