恋わずらいのエリー

恋わずらいのエリー

藤ももの初連載作品。現代日本の高校を舞台に、妄想大好きな地味系女子・市村恵莉子がひょんなことから学校一のイケメンである近江章と急接近し、妄想が現実となっていく、ノンストップラブストーリー。恵莉子が妄想と現実のギャップに翻弄されつつも、王道の青春物語ともいえる胸キュンストーリーが展開される。講談社「デザート」2015年9月号から2020年7月号にかけて連載された作品。2018年に第42回「講談社漫画賞」少女部門にノミネートされた。2024年3月15日に実写劇場版『恋わずらいのエリー』が公開。市村恵莉子を原菜乃華、近江章を宮世琉弥が演じている。

正式名称
恋わずらいのエリー
ふりがな
こいわずらいのえりー
漫画
ジャンル
ラブコメ
 
学園
レーベル
KC デザート(講談社)
巻数
既刊12巻
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妄想が現実になる!?

市村恵莉子はあまりに地味で目立たないことから学校では友達が一人もおらず、学校一のイケメンである近江章を眺めては、SNSで妄想をつぶやくのを唯一の趣味としていた。しかしある日、SNSのアカウントが近江に知られ、超恥ずかしい妄想が彼にバレてしまう。さらに近江は表面上は爽やかなイケメンを演じているが、素は俺様キャラで、恵莉子に対して強引に距離を詰めてきたと思ったら、恵莉子の妄想を現実にすると提案するのだった。

妄想と現実のギャップに苦悩

妄想少女と裏表男子が繰り広げるノンストップラブコメディで、主人公の市村恵莉子は妄想の中ではさまざまなシチュエーションを経験しているが、学校イチの爽やか王子・近江章を前にすると途端に妄想と現実のギャップにドギマギし、あふれる思いを抑えきれなくなってしまう。そして妄想と現実のギャップと、高すぎる理想に現実が付いていけず、現実の残酷さに恵莉子が七転八倒する姿も見どころとなっている。

青春ヒエラルキーからの脱却

市村恵莉子は自分が地味でモテないことを理解しており、青春ヒエラルキーの最底辺で、いてもいなくてもいい存在の「透明人間」だと自虐していた。しかし近江章との交流をきっかけに、さまざまな人と関わるようになり、受け身な姿勢ではいつまでたっても自分が変われないと自覚し、少しずつ成長していく。そして恵莉子は、青春ヒエラルキーという自分がつくり出した見えない壁を乗り越え、近江との絆を深めて青春を謳歌し始めるのだった。

登場人物・キャラクター

市村 恵莉子 (いちむら えりこ)

とある高校に通う女子で、茶色の髪を三つ編みにした地味系少女。クラスメートには名前もまともに覚えてもらえないことから、「透明人間」と自虐している。青春にあこがれつつも、自分のコンプレックスへの反動から、SNSでアカウントを作成し、「恋わずらいのエリー」というハンドルネームで日々、イケメンとの触れ合いなどを妄想してつぶやいている。見た目は文学少女ながら、妄想が行き過ぎて市村恵莉子自身でも「変態」と思っているほどのムッツリスケベ。ただ妄想をつぶやくうちに文章力が鍛えられ、文章を書くのが得意。ある日、あこがれの近江章にSNSのアカウントがバレてしまい、近江に妄想を現実にする手伝いを提案されて戸惑うこととなる。近江と交流を深めていくうちに、妄想と現実のギャップを感じつつも、自分の殻を破っていく方法を身につけ、少しずつ「透明人間」から脱しつつある。

近江 章 (おうみ あきら)

市村恵莉子と同じ高校に通う男子。モデルのようなすらっとした体型と、爽やかな雰囲気を漂わせたイケメンで、学校中の女子に人気がある。誰に対しても優しいと評判ながら素は俺様系で、女子と付き合うことを面倒だと考えている。教師の汐田とは親戚同士で、彼の管理する準備室に勝手に入り浸ってはソファで寝ている。ある日、気を抜いて準備室でくつろいでいたところを市村恵莉子に目撃されたのと同時に、彼女の落としたスマホを拾ったことで、彼女が「恋わずらいのエリー」であることを知る。その後は何を思ったか、恵莉子の妄想に付き合うことを提案し、彼女と行動を共にするようになる。思わせぶりな態度を取って恵莉子を翻弄しているが、彼女がほかの男子を見ていると嫉妬したりと、独占欲の片鱗を覗かせている。

書誌情報

恋わずらいのエリー 12巻 講談社〈KC デザート〉

第1巻

(2015-11-13発行、 978-4063658446)

第2巻

(2016-04-13発行、 978-4063658613)

第3巻

(2016-09-13発行、 978-4063658781)

第4巻

(2017-02-13発行、 978-4063658934)

第5巻

(2017-09-13発行、 978-4063659221)

第6巻

(2018-03-13発行、 978-4065111161)

第7巻

(2018-08-09発行、 978-4065125168)

第8巻

(2019-01-11発行、 978-4065142066)

第9巻

(2019-06-13発行、 978-4065160374)

第10巻

(2019-11-13発行、 978-4065176108)

第11巻

(2020-05-13発行、 978-4065194157)

第12巻

(2020-10-13発行、 978-4065209752)

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