概要・あらすじ
ある夫婦の元に生まれた双子の片割れは、悪魔のような容貌をしていた。恐れをなした父親は彼女をゴミ捨て場に置き去りにする。捨てられた醜い少女の悲劇と、彼女が生きるためにする残虐な行動を描いたホラー漫画。本作は最初『恐怖・地獄少女』というタイトルで単行本化され、後に版元を変えて『呪われた赤ん坊が…』というタイトルで刊行された。
登場人物・キャラクター
少女 (しょうじょ)
生まれた時から目が開き、牙を生やしていた。その容貌は出産を担当した医師から悪魔と言われるほど醜い。双子の妹として生まれるが、その容貌と行動の異常さから、父親によって、彼女一人だけがゴミ捨て場へ捨てられてしまう。一度は息絶えるが、その場所に発生した大量の鬼火が起こした奇跡によって復活。 動物の死体の体液をすすり、虫やミミズを獲って命をつなぎ、七歳の少女にまで成長する。しかし、生きた動物の新鮮な肉を食べ続けないと、自分の体が腐ってしまうという残酷な宿命も背負っていた。そしてある日、彼女の目の前に現れた不思議な老婆の声に導かれ、ゴミ捨て場を出る。出会う人間や動物を襲いながら、町を進む少女だったが、その歩みは少女を少しずつ、確実に、ある場所へ向かわせていた。
不思議な老婆 (ふしぎなろうば)
七歳に成長した少女の前に現れる。杖を持ち、ボロボロの着物をまとい、長い白髪を生やしている。光の中に立ち、少女に向かって、ゴミ捨て場を出て町へ行き、醜さゆえに自分を捨てた人間に復讐せよと語り掛ける。そしてさらに彼女は、少女の運命を変える機会にも出会うであろうと告げるのだった。
少女の姉 (しょうじょのあね)
少女の双子の姉。普通の姿で生まれ、少女の存在を知らないまま幸せに成長する。不思議な老婆が少女に告げた「運命を変える機会」とは、彼女の生き血を全部吸い取れば、彼女と人生を入れ替えられるということであった。
少女の父親 (しょうじょのちちおや)
生まれたばかりの少女の異常な容貌と行動に恐れをなし、自分の手で殺そうとする。しかし、どうしてもできなかった彼は、少女をゴミ捨て場に置き去りにしてしまう。そして出産を担当した医師に懇願し、自分の子供が双子であったことを、世間と妻の目からひた隠しにする。