概要・あらすじ
かつて加賀家の殿様は大変な猫嫌いとして知られ、国中の猫を捕らえては処刑していた。彼には双子の娘、花姫と雪姫が生まれたが、たたりによって雪姫の容姿は猫にそっくりであったため、そんな雪姫を疎んじた加賀家の殿様は、彼女に少しずつ毒を盛っていった。やがて死期を悟った雪姫は猫の像を彫り始めるが、完成しないままに命を落とす。 それから歳月は流れて現代。加賀家には花姫と雪姫を彷彿とさせる、加賀ひとみと加賀木の実という双子の姉妹がいた。そんなある日、偶然にも猫の像を掘り起こしたひとみは、その後、奇妙な行動を取り始めるようになった。そして、猫の像を彫っているところを木の実に見つかった際、階段から落ちて死んでしまう。だが、死後もひとみの猫の像への執着は消えなかった。土葬されたはずのひとみは棺桶を破り、猫のように鳴きながら木の実の前に現れる。ひとみは自分が雪姫の、木の実が花姫の生まれ変わりであると告げ、自分に宿っている猫を像に移すために、なんとしてでもそれを完成させる必要があるのだと語る。
登場人物・キャラクター
加賀 木の実 (かが このみ)
昔、猫を虐待した加賀家の殿様の末裔。花姫の生まれ変わりの少女。加賀ひとみとは双子の姉妹で、外見も性格もよく似ており、仲もよかったが、ひとみが雪姫として目覚めて以降は、彼女の奇行に悩まされるようになっていく。ひとみの死後も、双子ならではの特別な感覚で彼女の蘇りを察知していた。
加賀 ひとみ (かが ひとみ)
昔、猫を虐待した加賀家の殿様の末裔。猫にそっくりな容姿で生まれ、無念の死を遂げた雪姫の生まれ変わりの少女。加賀木の実とは双子の姉妹で、外見も性格もよく似ており、仲もいい。ある日、いわくつきの猫の像を掘り起こして以降、雪姫として目覚め、奇行を繰り返すようになる。階段から落ちて一度死ぬが蘇り、雪姫の念願だった猫の像を完成させた。
雪姫 (ゆきひめ)
加賀家の殿様の娘で、花姫とは双子の姉妹。たたりによって、生まれながら猫に似た容姿をしており、そのために猫嫌いの父親に疎まれ、毒を盛られて殺された。生前、猫の像を彫っていたが、あとわずかというところで完成に至らず、命を落とす事となった。
花姫 (はなひめ)
加賀家の殿様の娘で、雪姫とは双子の姉妹。猫に似た容姿のせいで父親に疎まれている雪姫の身を案ずる、心優しい少女。
木の実とひとみの母親 (このみとひとみのははおや)
加賀木の実、加賀ひとみの母親。加賀家に伝承されている、双子の姫の身に起きた猫のたたりの言い伝えを知っており、双子の娘達を案じている。
木の実とひとみの父親 (このみとひとみのちちおや)
加賀木の実、加賀ひとみの父親。雪姫に取り憑かれたひとみが蘇った際には、家族を先導して猫のたたりと対峙するなど、勇敢にして家族思いな男性。
加賀家の殿様 (かがけのとのさま)
雪姫、花姫の父親。猫嫌いで、国中の猫を捕らえては処刑していた。そのたたりにより、娘の雪姫が猫に似た容姿で生まれてくる事となったが、そんな雪姫をも疎み、毒をもって殺害した。