へび少女

へび少女

楳図かずおの少女漫画時代における代表作の1つ。大蛇に恨みを買った男の孫娘中村洋子が、大蛇の生まれ変わりであるへび女から復讐されるホラー作品。後年、『ママがこわい』『まだらの少女』と共に「へび女三部作」として扱われ、リメイク版では『ママがこわい』につながるようにラストが改変された。

正式名称
へび少女
ふりがな
へびしょうじょ
作者
ジャンル
ホラー
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概要・あらすじ

明治40年の山中村中村洋子の祖父中村利平はしのばずの沼の主であるうわばみの左目を撃ち抜き、祟り殺されてしまう。月日がたち、身内を亡くした洋子は財産家の女性の養女となり、村のはずれの屋敷に住む。だが、養母の正体はしのばずの沼のうわばみが生まれ変わったへび女であった。

彼女は洋子の祖父に左目をつぶされた復讐のため、洋子を蛇にしようとする。

登場人物・キャラクター

中村 洋子 (なかむら ようこ)

へび女の復讐を受ける少女。山中村に住む。祖父の中村利平がしのばずの沼でうわばみの左目を撃ったため、祖父が祟り殺されたのみならず、孫娘の中村洋子にまで復讐の手が伸びる。後年、身内を亡くした洋子は村はずれの屋敷に住む財産家の女性の養女となるが、養母はしのばずの沼のうわばみの生まれ変わりだった。

中村 利平 (なかむら りへい)

『へび少女』に登場する、中村洋子の祖父。明治40年8月、山中村のしのばずの沼に雉を撃ちに行き、うわばみに遭遇。銃でうわばみの左目を撃ち、逃げ帰るが、その後数日間、うわばみの仕返しを恐れながら熱にうなされ、布団から這いずるなど蛇のようになって死んだ。うわばみの復讐は、孫娘の洋子にまで及ぶ。

山川 サツキ (やまかわ さつき)

『へび少女』に登場する山川姉妹の姉で、中村洋子の友人。山中村に住む。祖母の山川ウメに、しのばずの沼のうわばみの復讐話を聞いた。

山川 カンナ (やまかわ かんな)

『へび少女』に登場する山川姉妹の妹。山中村に住む。祖母の山川ウメから、しのばずの沼のうわばみの復讐話を聞いた。

山川 ウメ

『へび少女』に登場する山川サツキと山川カンナの姉妹の祖母。山中村に住む。中村洋子の祖父中村利平が、しのばずの沼のうわばみの左目を撃ち、祟りを受けた話を姉妹にする。

山川 良三 (やまかわ りょうぞう)

『へび少女』に登場する、山川サツキと山川カンナの姉妹の父親。嵐の日、左目に眼帯をした山川良三が学校にサツキを迎えに現れるが、それはへび女が化けた姿だった。

うわばみ

へび女の夜の姿。中村利平に銃で左目をつぶされ、利平を祟り殺し、その孫娘である中村洋子にまで復讐しようとする。しのばずの沼の近くにある屋敷に住むへび女となって、身寄りのない洋子を引き取った。

へび女 (へびおんな)

うわばみの昼の姿。中村洋子の養母。左目に眼帯をしている。しのばずの沼近くの屋敷に住む財産家で、身寄りのない洋子を養女として引き取る。洋子という名の中村洋子にそっくりの女の子がいたが、病気で死んでしまったという。しのばずの沼のうわばみの生まれ変わりで、昼は人間だが、夜が来ると蛇になる。 中村利平に左目を撃たれた復讐のため、孫娘の洋子を蛇にしようとする。

へび女の母 (へびおんなのはは)

『へび少女』に登場する、へび女の母親。へび女の屋敷のはなれに住む。ほとんど蛇になっており、中村洋子がはなれに逃げ込んだときは、地下の洞穴で冬眠中だった。

へび女の屋敷のばあや (へびおんなのやしきのばあや)

『へび少女』に登場する、へび女の屋敷に住む老女で使用人の1人。使用人は他に、ねえやと男1人がいる。いずれもへび女に操られており、蛇のような外見に変わり、中村洋子への復讐の手助けをする。

中村家のばあや (なかむらけのばあや)

『へび少女』に登場する中村家のばあや。中村洋子と2人でいるところをへび女に襲われ、絞め殺される。

クマ公 (くまこう)

『へび少女』に登場する、中村利平の飼い犬。しのばずの沼に雉を撃ちに行く時、利平が連れていって、うわばみに食べられてしまう。

場所

山中村 (やまなかむら)

『へび少女』の舞台となる村。しのばずの沼があり、その主といわれるうわばみがへび女となった。村はずれであるしのばずの沼の近くに、へび女の屋敷がある。

へび井戸 (へびいど)

『へび少女』に登場するへび女の屋敷にある井戸。蛇のウロコが大量に水に入れられている。井戸を這いずり上がることができたら、完全に蛇になった証拠とされる。また、井戸の水がいっぱいになるときは、山つなみの前触れである。

その他キーワード

中村洋子のおみやげ

『へび少女』に登場する、中村洋子が友人の山川サツキの家を訪ねた時に持ってきたおみやげ。サツキに正体を見られたへび女が、へび少女となった洋子を操ってサツキも蛇にしようと企んだ際に使ったアイテム。中身は細長い卵で、サツキの妹の山川カンナも洋子に操られ、サツキに卵を無理やり食べさせようとする。 しかし、部屋が暖かいので卵は全てかえってしまい、中から小さい蛇が出てくる。

へび人形 (へびにんぎょう)

『へび少女』に登場するへび女が、中村洋子に行う最後の復讐であり、蛇のぬいぐるみに猿轡を嚙ませた洋子を押し込めたもの。へび女は屋敷に監禁していた山川サツキに短刀を渡し、へび人形の左の目を突き刺すよう強要する。

へびよけのおまもり

『へび少女』に登場する中村洋子が身に着けているおまもり。中には、蛇の嫌いなヤニが入っている。

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